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意地悪な人達
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私達が王宮に住むようになって、2ヶ月が過ぎました。
私が、王様の【番】だということも、そろそろ 王宮全体に伝わり、最近は、いろんな所で、地味に嫌がらせを受けています。
午前中は、王様が側にいないので、ターゲットにされやすいのです。
だからと言って、部屋に籠もっている理由にもいかないし、困ったものです。
「まぁーーー まだ子供では無いですか!陛下が【番】を見つけたと聞いたから、見に来てみれば、何かの間違いではありませんの?」
今、私の行く手を塞いでいるのは、何処ぞの侯爵令嬢だそうです。
名前は、アンジェラ様。
薄っすら 犬獣人の血を引いているそうです。
そう言えば、前世にいたアフガンハウンドっていう、気位のたかーいワンちゃんにチョット似ているかも···
はっきりと、私の事を見下しています。
少し、ムカッとしますが、所詮私は、【番】と言えど、伯爵令嬢、立場は彼女よりも下なので、迂闊な事は言えません。
後に3人取り巻きを従えて、こちらの御令嬢達は、男爵令嬢、子爵令嬢といったところでしょうか?
悪役令嬢さながらに、扇で口元を隠して、
「おーーーほっほっほっ!」
と、高笑いしていらっしゃいます。
まさか、マンガやアニメでしか見た事無かった悪役令嬢を、実際に見れるなんて、チョット感動です。
その気持ちが、表情に出ていたのでしょうか、悪役令嬢様が、思ってたのと違う私の反応を見て、不信そうに こちらを見ています。
(あ、行けるかも。)
私は、両手を組み、キラキラと瞳を輝かせて、
「あの···お姉様。その髪型はどうやっていますの?まるで絵本で見た、王女様のようですね。とっても可愛いですわ!」
私の言葉を聞いた途端、悪役令嬢様は顔を赤くして、嬉しそうに
「そーですの!とっても可愛いでしょう?私 朝から2時間もかけて、侍女に髪を巻いてもらっていますの!」
そう言って、悪役令嬢様は、とっても嬉しそうに自慢を始めました。
「まぁ!それは大変ですわね。でも、とっても素敵ですわ!」
私は、ここぞとばかりに悪役令嬢様を褒めちぎります。
「あの···お姉様とお呼びしてはいけませんか?」
恥ずかしそうにモジモジして、上目遣いで、悪役令嬢様を見つめます。
あざとい!私、あざとすぎるわ!
「まぁ まぁ まぁ そうね、あなたがそう呼びたいなら構わなくてよ!」
後ろで控えていた3人は、困惑顔で事の成り行きを見守っています。
あと、一押し!
「ありがとうございます。アンジェラお姉様!」
私は、渾身の笑顔で、悪役令嬢様を見つめました。
「ーーーー✕✕✕まぁ では、今度、私のお茶会に招待して差し上げますわ。」
顔を赤く染めて、悪役令嬢様が私をお茶会に誘って下さいました。
「ありがとうございます。楽しみにしていますね、アンジェラお姉様♡」
(止めを刺しておきましょう。)
そうして私は、とびっきりのキラースマイルをアンジェラお姉様に向けたのでした。
「おーーーほっほっほっ!」
と、高笑いしながら、去ってゆく彼女達を見送っていると、くすくすと護衛2人の笑い声が聞こえてきました。
「お見事でしたわ、ミラ様。」
エレノア様がくすくす笑いながら言いました。
「ミラ様、あざといです。そのあざとさ 陛下にも使ってあげたらどうですか?」
「そんな事したら、それこそ部屋に監禁されて、何処にも行けなくなりそうで怖いです。却下です。シンロク様。」
もう!他人事だと思って、面白がっていますね。
「ほら、2人共、何時までも笑わないで下さいませ。行きましょう。」
「はい はい 参りましょう。」
クス クス クス
二人共、笑い過ぎです!
◇ ◇ ◇
今日は、バラの庭園に作られたガゼボで、先生とお茶会です。
淑女教育の一貫だそうです。
さっきから、厳しくお茶会のマナーをチェックされています。
よくまぁ そんな細かい所まで気が付きますよね。
これ、殆ど嫌がらせですよね。
まず、挨拶。
カーテシーのお辞儀の角度を注意され、同じ姿勢でずっと立たされて、足がプルプルしています。
やっと開放されたかと思うと、今度は、背の高い大人用の椅子に座れとばかりに促され、これって何?よじ登れって言ってるの?
そんなはしたないマネは出来ないので、私は、シンロク様に椅子に上げてもらう為、彼を呼びました。
「ちっ!」
あれ?今、舌打ちしませんでしたか?
あなた、淑女教育の先生ですよね?
先生の方が余程はしたないのでは?
じとーーーっと、先生の顔をみていると、
「何ですか?そのように人の顔を凝視するものではありません!はしたない!」
あーーー 逆ギレですか···
呆れて言葉も出ませんね。
そして、侍女がお茶を注いでくれます。
ん?!
ポットが2つ?
なんで 先生と同じじゃないの?
そこに、嫌な匂いがして来ます。
あーーー 又ですか。
今、私のお茶を注いでくれているのは、侍女A 名前は知りません。
彼女は、時々こうして、お茶に嫌がらせを仕掛けて来るのです。
物凄く 熱かったり、
物凄く ぬるかったり、
物凄く 薄かったり、
物凄く 渋かったり、
私が 平然とした顔で飲んでいるので、とうとう今日は、お茶に何かを入れたようです。
手の止まった私を見て、ニヤニヤといやーな笑いを浮かべています。
この匂い。まさか 雑巾絞って入れてないですよね?
しょうが無いなぁ···
「エレノア様」
私は、後に控えるエレノア様に声をかけました。
「何でしょう?ミラ様。」
「毒見を、お願い出来ますか?」
ニッコリと笑って、エレノア様にお願いしました。
侍女A の顔色が、はっきりとわかるくらい青ざめました。
状況を理解したエレノア様が、すぐに私の隣にきてくれます。
「わかりました。」
「私のお茶会で毒見など、失礼にも程があります!」
顔を真っ赤にして、先生が怒っています。
それを、あっさり無視して、エレノア様が、カップに手を伸ばした時、
「申し訳ございません!私、お茶の入れ方の手順を間違えてしまいました!入れ直して参ります!」
そう言って、慌てふためいて、お茶のカップを奪うようにして、彼女は走り去って行きました。
走っちゃダメでしょ···走っちゃ···
ふーーーっ 私は1つ大きく息を吐いて、先生に向き合いました。
「侍女の教育が成っていないようですね。」
先生は、今にも卒倒しそうに、体をブルブル振るわせて、
「私、こんな侮辱は初めてですわ!あなたの教育係は辞めさせていただきます!2度と、会うことはありません!」
こめかみに青筋を立てて、先生が、ガゼボから出て行きました。
「あれで、淑女とは、聞いて呆れますね。」
二人がいなくなったガゼボで、シンロク様の言葉が やけに大きく聞こえました。
その後、先生と侍女Aが 私の前に現れる事はありませんでした。
「ミラ様、お部屋に戻りましょうか。」
「はい。」
エレノア様に促されて、私達は自室に戻りました。
「エレノア様、先程は毒見なんてさせて、申し訳ありませんでした。」
部屋に戻ってすぐ、私はエレノア様に深く頭を下げました。
「ミラ様、頭を上げてください。私はミラ様の護衛ですから、ミラ様が頭を下げる必要はございません。どうぞ 謝らないで下さいませ。」
エレノア様、マジ女神です。
王様の事がずっと好きだったのに、後からやって来て、好きだった王様を、奪った私を護衛するなんて、嫌じゃ無いのかな?と、ドキドキしてたけど、ていうか、王様、無神経過ぎます。私なら絶対断ってたよ!こんな仕事!
なのに、エレノア様は侍女達の地味な嫌がらせにも、気付いてくれて対処してくれるので、本当にありがたいです。
◇ ◇ ◇
なんとか意地悪な人達の悪意をかわしつつ、生活していた私。
朝食を終えて、弟ユーリを連れて、子供部屋へ向かう途中、時々私の私物を失くしたとか、壊してしまったとか言って、嫌がらせをする、侍女Bに捕まりました。
侍女Bは、目に涙を一杯溜めて、物凄い勢いで、私に向かって来ます。
ヤバイ!
「私は認めませんからね!あなたみたいな子供が陛下の【番】だなんて!どーしてエレノア様じゃ無いの?エレノア様の方がお美しくて、優しくて、ずっと、ずっと陛下のお側で陛下を支えていらしたのに!何で、あなたなのよ!!」
そう、喚きながら、掴み掛かって来ようとした侍女Bをシンロク様が素早く取り押さえました。
エレノア様は、私の前に立ってかばって下さいます。
「いや!離して!離しなさいよ!こんな子供の何が大事なのよ!エレノア様!私は、エレノア様の味方です!エレノア様こそ、陛下の隣に立たれるべきお方です!エレノア様の方が、陛下にふさわしい···」
「お黙りなさい!あなたが私を思って下さるのは嬉しいですが、陛下の【番】様を侮辱するのは 許しません!シンロク!早くこの女を連れて行きなさい!」
「だってさ···あんたの想いは報われないようだよ。さぁ行こう。」
そう言って、シンロク様は侍女Bを引き立てて行きました。
「いや!離して!エレノア様!エレノア様!」
彼女の叫び声は、いつまでも 廊下に響いていました。
「ミラ様、もう大丈夫ですよ。ユーリ様も怖かったですね。さぁ早くお部屋に参りましょう。」
そう言って、エレノア様は、ユーリを抱き上げ、私と手を繋いで、子供部屋まで送ってくれました。
あの人、エレノア様の事が、大好きだったんだね···
「あの人、どうなるのかしら?」
「少なくとも、王宮からは追い出されるでしょう。【番】を害しようとしたのですから、極刑は免れないでしょう。」
「そう···」
気分がどんどん落ち込んでゆく···
そうだ。お礼 言わなきゃ···
「エレノア様、先程は助けて頂いて、ありがとうございました。」
「いいえ、これが私の仕事ですから。むしろ、もっと早く あの侍女を排除して置くべきでした。彼女の嫌がらせに気付いていたのに、私の落ち度です。申し訳ありませんでした。」
「そんな···謝らないでください。」
私は頭を下げるエレノア様に慌てて頭を上げるように言いました。
「エレノア様が 謝るような事など何一つございません。あなたには、感謝しかありません。どうぞこれからも 宜しくお願い致します。」
そう言って、彼女の手を取り、彼女の瞳を見つめました。
エレノア様は、ニッコリと微笑んで、
「ありがとうございます ミラ様。」
そう言ってくれました。
綺麗で、優しくて、強くて、思い遣りがあって、こんなの好きになっちゃいますよね。
私は、エレノア様の事が、とっても好きになったのです。
そして、次の日から、私に地味な嫌がらせをしていた人達は、1人残らず、王宮から、姿を消しました。
私が、王様の【番】だということも、そろそろ 王宮全体に伝わり、最近は、いろんな所で、地味に嫌がらせを受けています。
午前中は、王様が側にいないので、ターゲットにされやすいのです。
だからと言って、部屋に籠もっている理由にもいかないし、困ったものです。
「まぁーーー まだ子供では無いですか!陛下が【番】を見つけたと聞いたから、見に来てみれば、何かの間違いではありませんの?」
今、私の行く手を塞いでいるのは、何処ぞの侯爵令嬢だそうです。
名前は、アンジェラ様。
薄っすら 犬獣人の血を引いているそうです。
そう言えば、前世にいたアフガンハウンドっていう、気位のたかーいワンちゃんにチョット似ているかも···
はっきりと、私の事を見下しています。
少し、ムカッとしますが、所詮私は、【番】と言えど、伯爵令嬢、立場は彼女よりも下なので、迂闊な事は言えません。
後に3人取り巻きを従えて、こちらの御令嬢達は、男爵令嬢、子爵令嬢といったところでしょうか?
悪役令嬢さながらに、扇で口元を隠して、
「おーーーほっほっほっ!」
と、高笑いしていらっしゃいます。
まさか、マンガやアニメでしか見た事無かった悪役令嬢を、実際に見れるなんて、チョット感動です。
その気持ちが、表情に出ていたのでしょうか、悪役令嬢様が、思ってたのと違う私の反応を見て、不信そうに こちらを見ています。
(あ、行けるかも。)
私は、両手を組み、キラキラと瞳を輝かせて、
「あの···お姉様。その髪型はどうやっていますの?まるで絵本で見た、王女様のようですね。とっても可愛いですわ!」
私の言葉を聞いた途端、悪役令嬢様は顔を赤くして、嬉しそうに
「そーですの!とっても可愛いでしょう?私 朝から2時間もかけて、侍女に髪を巻いてもらっていますの!」
そう言って、悪役令嬢様は、とっても嬉しそうに自慢を始めました。
「まぁ!それは大変ですわね。でも、とっても素敵ですわ!」
私は、ここぞとばかりに悪役令嬢様を褒めちぎります。
「あの···お姉様とお呼びしてはいけませんか?」
恥ずかしそうにモジモジして、上目遣いで、悪役令嬢様を見つめます。
あざとい!私、あざとすぎるわ!
「まぁ まぁ まぁ そうね、あなたがそう呼びたいなら構わなくてよ!」
後ろで控えていた3人は、困惑顔で事の成り行きを見守っています。
あと、一押し!
「ありがとうございます。アンジェラお姉様!」
私は、渾身の笑顔で、悪役令嬢様を見つめました。
「ーーーー✕✕✕まぁ では、今度、私のお茶会に招待して差し上げますわ。」
顔を赤く染めて、悪役令嬢様が私をお茶会に誘って下さいました。
「ありがとうございます。楽しみにしていますね、アンジェラお姉様♡」
(止めを刺しておきましょう。)
そうして私は、とびっきりのキラースマイルをアンジェラお姉様に向けたのでした。
「おーーーほっほっほっ!」
と、高笑いしながら、去ってゆく彼女達を見送っていると、くすくすと護衛2人の笑い声が聞こえてきました。
「お見事でしたわ、ミラ様。」
エレノア様がくすくす笑いながら言いました。
「ミラ様、あざといです。そのあざとさ 陛下にも使ってあげたらどうですか?」
「そんな事したら、それこそ部屋に監禁されて、何処にも行けなくなりそうで怖いです。却下です。シンロク様。」
もう!他人事だと思って、面白がっていますね。
「ほら、2人共、何時までも笑わないで下さいませ。行きましょう。」
「はい はい 参りましょう。」
クス クス クス
二人共、笑い過ぎです!
◇ ◇ ◇
今日は、バラの庭園に作られたガゼボで、先生とお茶会です。
淑女教育の一貫だそうです。
さっきから、厳しくお茶会のマナーをチェックされています。
よくまぁ そんな細かい所まで気が付きますよね。
これ、殆ど嫌がらせですよね。
まず、挨拶。
カーテシーのお辞儀の角度を注意され、同じ姿勢でずっと立たされて、足がプルプルしています。
やっと開放されたかと思うと、今度は、背の高い大人用の椅子に座れとばかりに促され、これって何?よじ登れって言ってるの?
そんなはしたないマネは出来ないので、私は、シンロク様に椅子に上げてもらう為、彼を呼びました。
「ちっ!」
あれ?今、舌打ちしませんでしたか?
あなた、淑女教育の先生ですよね?
先生の方が余程はしたないのでは?
じとーーーっと、先生の顔をみていると、
「何ですか?そのように人の顔を凝視するものではありません!はしたない!」
あーーー 逆ギレですか···
呆れて言葉も出ませんね。
そして、侍女がお茶を注いでくれます。
ん?!
ポットが2つ?
なんで 先生と同じじゃないの?
そこに、嫌な匂いがして来ます。
あーーー 又ですか。
今、私のお茶を注いでくれているのは、侍女A 名前は知りません。
彼女は、時々こうして、お茶に嫌がらせを仕掛けて来るのです。
物凄く 熱かったり、
物凄く ぬるかったり、
物凄く 薄かったり、
物凄く 渋かったり、
私が 平然とした顔で飲んでいるので、とうとう今日は、お茶に何かを入れたようです。
手の止まった私を見て、ニヤニヤといやーな笑いを浮かべています。
この匂い。まさか 雑巾絞って入れてないですよね?
しょうが無いなぁ···
「エレノア様」
私は、後に控えるエレノア様に声をかけました。
「何でしょう?ミラ様。」
「毒見を、お願い出来ますか?」
ニッコリと笑って、エレノア様にお願いしました。
侍女A の顔色が、はっきりとわかるくらい青ざめました。
状況を理解したエレノア様が、すぐに私の隣にきてくれます。
「わかりました。」
「私のお茶会で毒見など、失礼にも程があります!」
顔を真っ赤にして、先生が怒っています。
それを、あっさり無視して、エレノア様が、カップに手を伸ばした時、
「申し訳ございません!私、お茶の入れ方の手順を間違えてしまいました!入れ直して参ります!」
そう言って、慌てふためいて、お茶のカップを奪うようにして、彼女は走り去って行きました。
走っちゃダメでしょ···走っちゃ···
ふーーーっ 私は1つ大きく息を吐いて、先生に向き合いました。
「侍女の教育が成っていないようですね。」
先生は、今にも卒倒しそうに、体をブルブル振るわせて、
「私、こんな侮辱は初めてですわ!あなたの教育係は辞めさせていただきます!2度と、会うことはありません!」
こめかみに青筋を立てて、先生が、ガゼボから出て行きました。
「あれで、淑女とは、聞いて呆れますね。」
二人がいなくなったガゼボで、シンロク様の言葉が やけに大きく聞こえました。
その後、先生と侍女Aが 私の前に現れる事はありませんでした。
「ミラ様、お部屋に戻りましょうか。」
「はい。」
エレノア様に促されて、私達は自室に戻りました。
「エレノア様、先程は毒見なんてさせて、申し訳ありませんでした。」
部屋に戻ってすぐ、私はエレノア様に深く頭を下げました。
「ミラ様、頭を上げてください。私はミラ様の護衛ですから、ミラ様が頭を下げる必要はございません。どうぞ 謝らないで下さいませ。」
エレノア様、マジ女神です。
王様の事がずっと好きだったのに、後からやって来て、好きだった王様を、奪った私を護衛するなんて、嫌じゃ無いのかな?と、ドキドキしてたけど、ていうか、王様、無神経過ぎます。私なら絶対断ってたよ!こんな仕事!
なのに、エレノア様は侍女達の地味な嫌がらせにも、気付いてくれて対処してくれるので、本当にありがたいです。
◇ ◇ ◇
なんとか意地悪な人達の悪意をかわしつつ、生活していた私。
朝食を終えて、弟ユーリを連れて、子供部屋へ向かう途中、時々私の私物を失くしたとか、壊してしまったとか言って、嫌がらせをする、侍女Bに捕まりました。
侍女Bは、目に涙を一杯溜めて、物凄い勢いで、私に向かって来ます。
ヤバイ!
「私は認めませんからね!あなたみたいな子供が陛下の【番】だなんて!どーしてエレノア様じゃ無いの?エレノア様の方がお美しくて、優しくて、ずっと、ずっと陛下のお側で陛下を支えていらしたのに!何で、あなたなのよ!!」
そう、喚きながら、掴み掛かって来ようとした侍女Bをシンロク様が素早く取り押さえました。
エレノア様は、私の前に立ってかばって下さいます。
「いや!離して!離しなさいよ!こんな子供の何が大事なのよ!エレノア様!私は、エレノア様の味方です!エレノア様こそ、陛下の隣に立たれるべきお方です!エレノア様の方が、陛下にふさわしい···」
「お黙りなさい!あなたが私を思って下さるのは嬉しいですが、陛下の【番】様を侮辱するのは 許しません!シンロク!早くこの女を連れて行きなさい!」
「だってさ···あんたの想いは報われないようだよ。さぁ行こう。」
そう言って、シンロク様は侍女Bを引き立てて行きました。
「いや!離して!エレノア様!エレノア様!」
彼女の叫び声は、いつまでも 廊下に響いていました。
「ミラ様、もう大丈夫ですよ。ユーリ様も怖かったですね。さぁ早くお部屋に参りましょう。」
そう言って、エレノア様は、ユーリを抱き上げ、私と手を繋いで、子供部屋まで送ってくれました。
あの人、エレノア様の事が、大好きだったんだね···
「あの人、どうなるのかしら?」
「少なくとも、王宮からは追い出されるでしょう。【番】を害しようとしたのですから、極刑は免れないでしょう。」
「そう···」
気分がどんどん落ち込んでゆく···
そうだ。お礼 言わなきゃ···
「エレノア様、先程は助けて頂いて、ありがとうございました。」
「いいえ、これが私の仕事ですから。むしろ、もっと早く あの侍女を排除して置くべきでした。彼女の嫌がらせに気付いていたのに、私の落ち度です。申し訳ありませんでした。」
「そんな···謝らないでください。」
私は頭を下げるエレノア様に慌てて頭を上げるように言いました。
「エレノア様が 謝るような事など何一つございません。あなたには、感謝しかありません。どうぞこれからも 宜しくお願い致します。」
そう言って、彼女の手を取り、彼女の瞳を見つめました。
エレノア様は、ニッコリと微笑んで、
「ありがとうございます ミラ様。」
そう言ってくれました。
綺麗で、優しくて、強くて、思い遣りがあって、こんなの好きになっちゃいますよね。
私は、エレノア様の事が、とっても好きになったのです。
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