99 / 108
第七十四章 家族のぬくもり
寵妃親睦園遊会
しおりを挟む茜さんと美子さんが白衣(はくえ)緋袴(ひばかま)千早(ちはや)の巫女装束、髪はロングで後ろで和紙で作った丈長で束ね、神々を先導することになりました。
神々の話は最重要秘密となり、侍女から上に対して開示され、厳重な守秘義務を課すことも決定。
なぜ侍女から上となったかといいますと、会場準備のために、寵妃だけでは人手が足りない。
そもそも寵妃は招待客の扱いです、ために清女さん以上を動員することとなったのです。
服装でも揉めました、先の愛人との対面で、和装はこの人数ではできなくはないがトラブルの元。
そこでウイッチの正装でもある女官用軍服と決まりました。
会食もすべきではとの意見も出て、これも愛人会議の経験を踏まえ、『ちらし寿司』と白味噌の雑煮と決定、これは不変とされました。
魚の入ってない『ちらし寿司』で、卵は大豆蛋白から作った植物性のものを使用、莢や隠元、錦糸玉子、刻み海苔、紅生姜で綺麗に飾られることに、飾りなども美子さんが作ったものと、そっくりそのままとすることになります。
白味噌の雑煮は奈良のもので、サトイモ、大根、豆腐がはいり、雑煮のお餅は焼餅。
詳細なレシピが作られ、寵妃親睦園遊会用料理と規定されました。
三年に一回、行うこととなり、式場は直轄惑星昇格順となります。
前日は夜伽禁止、必ず当日の朝には、お風呂なりシャワーなりで身を清める事などなど……
結局、かなり大事になり、母上様の神様主催によるパーティー形式は没になりました。
今回の会場は、惑星エラムの軌道上に浮かぶエラムステーションです。
立ち入り禁止区域が設定され、準備が始まり、そしてとうとう寵妃親睦園遊会が始まったのです。
美女が各地から集まってきました。
供食(きょうしょく)ですが、長テーブルとイスが幾列も並べられ、対面するように天津吉川ご一家が座っています。
両端は巫女装束の茜さんと美子さんです。
寵妃さんの席は順不動、入場時に行うくじで決まります。
今回は静かにお食事です。
雑煮を食べ、ちらし寿司を自ら包んで、そして一礼して退席、供食(きょうしょく)は終わります。
この後、園遊会の本番が始まります。
会場では皆が一列に並び、茜さんと美子さんに先導されて、天津吉川ご一家が登場、一人一人簡単なお言葉があります。
寵妃さん、舞い上がっています。
一通りのご挨拶が終わると、美子さんの巫女神楽が奉納されます。
美子さんの巫女神楽って、まだ誰も見たことはありませんので、会場にいた女官さんは見ほれていました。
そしてあとは皆で歓談となります。
会場内はぜんざいのお鍋がおいてあります。
寵妃さんにふるまわれており、久しぶりに会うのか、話がはずんでいますね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる