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冷蔵庫ダンジョン⑤
19階のボス部屋を抜けて階段を上がったのは夕方。
20階も草原フィールドだけど、岩がゴロゴロしている。わあ、嫌な予感。
「ルージュ、まさか、やけど」
『蛇が多いわよ』
やっぱりッ。
「直ぐに抜けよう」
「そうやな、姉ちゃん」
蛇嫌いの結束は固い。
「ボス部屋遠い?」
『いいえ、真っ直ぐいけば、すぐだけど』
転がる岩。これを避けて移動。うわあ、隙間から出てきそう。
『急げば、そうね、ユイの足で一時間ね』
「そうね」
晃太と家族会議。
「ボス部屋、絶対あれよね」
「やろうな、正直あんまり入れたくないんよ」
「ごめんね、私のアイテムボックス小さいけん。でも、脱出用の魔法陣20階よね。明日朝イチに行って、直ぐに脱出する?」
『『ぶーぶー』』
どんだけ戦いたいんね。
「なら、一旦、19階に戻って、明日20階にもう一度行こう。これでよか? 明日の昼過ぎには、脱出に向けて移動よ。絶対だからね」
『分かったのです』
『いいわ』
「なら、決まり。戻ろう」
私達は階段を下り、19階のボス部屋を抜ける。
18階の上級者向けになってから、冒険者の方を見かけなくなった。まあ、50匹オーバーのボス部屋には、挑むには相応の人数や武器やレベルが必要だよね。うちには反則的に強いのがいるからね。
『ユイ、ユイ、お腹が空いたのです』
『お肉、焼いて』
おねだりするように、すり寄って来るビアンカとルージュ。もう、かわいかねえ。あの派手な爆発音が綺麗に脳内から消えてなくなる。
ルームを開けて、従魔の足拭きをタップ。
駆けよって来る元気達、お目当てはお乳だ。
今日はボス部屋が復活するまでの時間で、夕御飯の準備は済ませてある。ブラッシングも適宜してある。
「晃太、出してん」
「ん」
晃太がダイニングキッチンのテーブルに、焼いたサーロインと、炊きたてのご飯が出てくる。
ビアンカとルージュのお皿にご飯、そうだ、今日は二重にしよう。数枚のサーロインを乗せ、ステーキソース、ご飯、サーロイン、ステーキソース。
超大盛ステーキどんぶり完成。
よし、振り返るとそわそわお座りしているビアンカとルージュ。今日は元気とコハクがぶら下ってる。誤って食べたら大変なので、ゼリーで誘導。直ぐに付いてきた。私が皆に分け隔てなくあげている間に、晃太に運んでもらう。ゼリーはチューブタイプなんだけど、減るのが早い。花の時は結構もったけど、1日1本ペースだ。でも、良か。
必死にゼリーを持つ私にすり寄って来る、かわいか仔達。パワー半端ないけどね。ふふふ、もふもふ。
「はいはい、皆にあげるけんね、あいたあッ」
元気が1つに纏めた私の髪に食らいつく。大型の柴サイズの元気のパワーは一番だ。私は後ろにひっくり返される。
「ちょ、待っ、げふうッ」
なんか分からないけど、顔面を残りの仔達が踏み越えて行く。結構痛いのよ、これ。
何とか起き上がる、あ、チューブからゼリー飛び出している。全部。
ビアンカとルージュの夕御飯後に、私達も夕御飯。私はジョイップのハンバーグとジャーマンポテト、晃太はチキンステーキとエビフライを選ぶ。
後は元気達を遊ばせて終了、とはならなかった。
『食後の運動なのです』
『行くわよ』
「ちょっと、勘弁してよ」
ビアンカとルージュのおねだりビームが飛び出して、私達を直撃。
はい、陥落します。
結局、ビアンカとルージュがそれぞれ一回ずつ、ボス部屋に突入。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
「なんね?」
「ドロップ品、絶対なんか言われるばい」
「そうね、諦めりい」
私は悟りの様な顔。
「因みに魔石、いくつね?」
「ジャスト500、大きいの52や」
絶対なんか言われそう。
『ユイ、ユイ、動いたら小腹が空いたわ』
『私も空いたわ』
「そうね」
すりすりされて、反則的なキラキラお目めと、久しぶりのエアーお手、エアーおかわりに、ダメな主人代表の私は、液晶画面をタップ。
ジョイップのミックスグリルをご飯付きで、それぞれ3人前。ペロッと、2人のお腹に収まった。
その間、晃太はアイテムボックスの中身を書き出していたが、その日に終わらず、私達は疲れて休んだ。
『ユイ、ユイ、朝なのです』
『起きて、ユイ、朝御飯』
「あああぁぁぁぁぁ…………」
ビアンカとルージュの冷たい鼻面を押し当てられて、私は覚醒。
「朝ね、ああ、ちょっとねむかなあ………」
くねくねしながら起き上がる。晃太は小さく鼾かいて寝てる。
後で起こそう。
まず、従魔の部屋の清掃。
それから洗顔を済ませる。
晃太、まだ、寝てる。
まあ、昨日遅くまでリスト作っていたからね。
朝御飯、どうしよう? 昨日は晃太と手分けして作っていたから。
うーん、よし、ジョイップのモーニングにしよっ。
その前に榊の水をかえてと、神様もモーニングいかがです? なんちゃって。
いいぞー。
神託来た。
いいのかな、異世界のメニューだけど。
大丈夫だぞー。
………………………
私は液晶画面をタップ。
えーっと、時空神様は結構食べたから、ボリュームモーニングでいいかな。始祖神様と雨の女神様はトーストモーニングにして、小さい神様達にはお子様モーニングだ。いつもならドリンクバー付きだが、そううまくいかない。タンブラーにミックスジュースと牛乳を入れて並べる。
「神様、今日もお見守りください」
お祈り。
目を開けると、皿だけしか残ってない。
「よし、私達も朝御飯や。ビアンカ、ルージュ、晃太起こして」
『分かったのです』
『任せて』
ベロベロベロベロ。
晃太が悲鳴の様な声を上げて、やっと起きた。
ダンジョン最終日。
『戦闘モード 風乙女(シルフィリア)』
ビアンカが突っ込んでいく。
ドカカカカカカカカンッ
ドカーンッ
ドカーンッ
爆音を聞きながら、晃太がリストをせっせと作成。
もう、慣れた。
『終わったのです』
ビアンカがとことこ出てくる。
「晃太、行くばい」
「ん」
ボス部屋に転がるドロップ品を拾い集める。
休憩、ボス部屋、復活。
ルージュが火炎姫(フレアジャンヌ)で飛び込み、はい、終了。
お昼ご飯を食べて、20階へ。
早歩きでボス部屋へ。
途中で蛇が来たが、ビアンカとルージュの敵ではない。
晃太が渋い顔で、アイテムボックスに入れる。
「ここで最後よ、いいね? 最後やけんね」
『『ぶーぶー』』
「なら、帰ってからの焼き肉なしよ。おにぎりだけやけんね」
『仕方ないのです』
『我慢するわ』
本当に現金。
話し合いの結果、ビアンカが行くことに。
扉の真正面にお座りするビアンカ。
『私は誇り高き守護者、フォレスト『ガーディアン』ウルフ』
ん? なんか、いつものビアンカの周りの空気が違うような。
『ユイ、少し離れて、耳を塞いだ方がいいわ、かなりの音がするから』
ルージュが注意してくる。え、音?
『あれはビアンカの戦闘モードの中でも、最強なのよ』
「え、やばくない?」
元気達はルームの中でお昼寝しているから、大丈夫だけど。
「姉ちゃん、わいらも、ルームに入ろうや」
「そやなあ、ルージュよか? なんか、怖かけん」
『いいわ、私はここにいるから大丈夫よ。闇魔法である程度遮断出来るから』
「なら、うちらにも、かけてくれる?」
『いいわよ』
ルージュが私達に魔法をかける。凄い、耳に膜が張った感じ。晃太の声も聞こえないことはないけど、かなり小さい。
『雷雲よ妾の声に応えよ、ここに忠誠を誓え』
え、今、妾っての言わなかった? 小さいけど、妾って聞こえたけど。口調も命令口調だよ。今まで語りかけるようだったのに。
『妾の前に、膝を突かぬものに、降り注ぎて頭(こうべ)を垂れさせよ。愚か者どもに空を仰がせるな』
なんか、物騒ッ。しかも、バチバチ言ってる。ビアンカの足が、黄金に輝き、白い毛並みに浮かび上がるのは、あれだ、雷のマークだ。
晃太が私の腕を引くので、慌ててルームに入る。
『戦闘モード 雷女帝(エル・カテリーナ)』
20階も草原フィールドだけど、岩がゴロゴロしている。わあ、嫌な予感。
「ルージュ、まさか、やけど」
『蛇が多いわよ』
やっぱりッ。
「直ぐに抜けよう」
「そうやな、姉ちゃん」
蛇嫌いの結束は固い。
「ボス部屋遠い?」
『いいえ、真っ直ぐいけば、すぐだけど』
転がる岩。これを避けて移動。うわあ、隙間から出てきそう。
『急げば、そうね、ユイの足で一時間ね』
「そうね」
晃太と家族会議。
「ボス部屋、絶対あれよね」
「やろうな、正直あんまり入れたくないんよ」
「ごめんね、私のアイテムボックス小さいけん。でも、脱出用の魔法陣20階よね。明日朝イチに行って、直ぐに脱出する?」
『『ぶーぶー』』
どんだけ戦いたいんね。
「なら、一旦、19階に戻って、明日20階にもう一度行こう。これでよか? 明日の昼過ぎには、脱出に向けて移動よ。絶対だからね」
『分かったのです』
『いいわ』
「なら、決まり。戻ろう」
私達は階段を下り、19階のボス部屋を抜ける。
18階の上級者向けになってから、冒険者の方を見かけなくなった。まあ、50匹オーバーのボス部屋には、挑むには相応の人数や武器やレベルが必要だよね。うちには反則的に強いのがいるからね。
『ユイ、ユイ、お腹が空いたのです』
『お肉、焼いて』
おねだりするように、すり寄って来るビアンカとルージュ。もう、かわいかねえ。あの派手な爆発音が綺麗に脳内から消えてなくなる。
ルームを開けて、従魔の足拭きをタップ。
駆けよって来る元気達、お目当てはお乳だ。
今日はボス部屋が復活するまでの時間で、夕御飯の準備は済ませてある。ブラッシングも適宜してある。
「晃太、出してん」
「ん」
晃太がダイニングキッチンのテーブルに、焼いたサーロインと、炊きたてのご飯が出てくる。
ビアンカとルージュのお皿にご飯、そうだ、今日は二重にしよう。数枚のサーロインを乗せ、ステーキソース、ご飯、サーロイン、ステーキソース。
超大盛ステーキどんぶり完成。
よし、振り返るとそわそわお座りしているビアンカとルージュ。今日は元気とコハクがぶら下ってる。誤って食べたら大変なので、ゼリーで誘導。直ぐに付いてきた。私が皆に分け隔てなくあげている間に、晃太に運んでもらう。ゼリーはチューブタイプなんだけど、減るのが早い。花の時は結構もったけど、1日1本ペースだ。でも、良か。
必死にゼリーを持つ私にすり寄って来る、かわいか仔達。パワー半端ないけどね。ふふふ、もふもふ。
「はいはい、皆にあげるけんね、あいたあッ」
元気が1つに纏めた私の髪に食らいつく。大型の柴サイズの元気のパワーは一番だ。私は後ろにひっくり返される。
「ちょ、待っ、げふうッ」
なんか分からないけど、顔面を残りの仔達が踏み越えて行く。結構痛いのよ、これ。
何とか起き上がる、あ、チューブからゼリー飛び出している。全部。
ビアンカとルージュの夕御飯後に、私達も夕御飯。私はジョイップのハンバーグとジャーマンポテト、晃太はチキンステーキとエビフライを選ぶ。
後は元気達を遊ばせて終了、とはならなかった。
『食後の運動なのです』
『行くわよ』
「ちょっと、勘弁してよ」
ビアンカとルージュのおねだりビームが飛び出して、私達を直撃。
はい、陥落します。
結局、ビアンカとルージュがそれぞれ一回ずつ、ボス部屋に突入。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
「なんね?」
「ドロップ品、絶対なんか言われるばい」
「そうね、諦めりい」
私は悟りの様な顔。
「因みに魔石、いくつね?」
「ジャスト500、大きいの52や」
絶対なんか言われそう。
『ユイ、ユイ、動いたら小腹が空いたわ』
『私も空いたわ』
「そうね」
すりすりされて、反則的なキラキラお目めと、久しぶりのエアーお手、エアーおかわりに、ダメな主人代表の私は、液晶画面をタップ。
ジョイップのミックスグリルをご飯付きで、それぞれ3人前。ペロッと、2人のお腹に収まった。
その間、晃太はアイテムボックスの中身を書き出していたが、その日に終わらず、私達は疲れて休んだ。
『ユイ、ユイ、朝なのです』
『起きて、ユイ、朝御飯』
「あああぁぁぁぁぁ…………」
ビアンカとルージュの冷たい鼻面を押し当てられて、私は覚醒。
「朝ね、ああ、ちょっとねむかなあ………」
くねくねしながら起き上がる。晃太は小さく鼾かいて寝てる。
後で起こそう。
まず、従魔の部屋の清掃。
それから洗顔を済ませる。
晃太、まだ、寝てる。
まあ、昨日遅くまでリスト作っていたからね。
朝御飯、どうしよう? 昨日は晃太と手分けして作っていたから。
うーん、よし、ジョイップのモーニングにしよっ。
その前に榊の水をかえてと、神様もモーニングいかがです? なんちゃって。
いいぞー。
神託来た。
いいのかな、異世界のメニューだけど。
大丈夫だぞー。
………………………
私は液晶画面をタップ。
えーっと、時空神様は結構食べたから、ボリュームモーニングでいいかな。始祖神様と雨の女神様はトーストモーニングにして、小さい神様達にはお子様モーニングだ。いつもならドリンクバー付きだが、そううまくいかない。タンブラーにミックスジュースと牛乳を入れて並べる。
「神様、今日もお見守りください」
お祈り。
目を開けると、皿だけしか残ってない。
「よし、私達も朝御飯や。ビアンカ、ルージュ、晃太起こして」
『分かったのです』
『任せて』
ベロベロベロベロ。
晃太が悲鳴の様な声を上げて、やっと起きた。
ダンジョン最終日。
『戦闘モード 風乙女(シルフィリア)』
ビアンカが突っ込んでいく。
ドカカカカカカカカンッ
ドカーンッ
ドカーンッ
爆音を聞きながら、晃太がリストをせっせと作成。
もう、慣れた。
『終わったのです』
ビアンカがとことこ出てくる。
「晃太、行くばい」
「ん」
ボス部屋に転がるドロップ品を拾い集める。
休憩、ボス部屋、復活。
ルージュが火炎姫(フレアジャンヌ)で飛び込み、はい、終了。
お昼ご飯を食べて、20階へ。
早歩きでボス部屋へ。
途中で蛇が来たが、ビアンカとルージュの敵ではない。
晃太が渋い顔で、アイテムボックスに入れる。
「ここで最後よ、いいね? 最後やけんね」
『『ぶーぶー』』
「なら、帰ってからの焼き肉なしよ。おにぎりだけやけんね」
『仕方ないのです』
『我慢するわ』
本当に現金。
話し合いの結果、ビアンカが行くことに。
扉の真正面にお座りするビアンカ。
『私は誇り高き守護者、フォレスト『ガーディアン』ウルフ』
ん? なんか、いつものビアンカの周りの空気が違うような。
『ユイ、少し離れて、耳を塞いだ方がいいわ、かなりの音がするから』
ルージュが注意してくる。え、音?
『あれはビアンカの戦闘モードの中でも、最強なのよ』
「え、やばくない?」
元気達はルームの中でお昼寝しているから、大丈夫だけど。
「姉ちゃん、わいらも、ルームに入ろうや」
「そやなあ、ルージュよか? なんか、怖かけん」
『いいわ、私はここにいるから大丈夫よ。闇魔法である程度遮断出来るから』
「なら、うちらにも、かけてくれる?」
『いいわよ』
ルージュが私達に魔法をかける。凄い、耳に膜が張った感じ。晃太の声も聞こえないことはないけど、かなり小さい。
『雷雲よ妾の声に応えよ、ここに忠誠を誓え』
え、今、妾っての言わなかった? 小さいけど、妾って聞こえたけど。口調も命令口調だよ。今まで語りかけるようだったのに。
『妾の前に、膝を突かぬものに、降り注ぎて頭(こうべ)を垂れさせよ。愚か者どもに空を仰がせるな』
なんか、物騒ッ。しかも、バチバチ言ってる。ビアンカの足が、黄金に輝き、白い毛並みに浮かび上がるのは、あれだ、雷のマークだ。
晃太が私の腕を引くので、慌ててルームに入る。
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