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冷蔵庫ダンジョン⑧
次の日。
「おはようございます」
早めにパーティーハウスを出ると、見知った面々が。
山風のロッシュさんとシュタインさんだ。ルージュが予め教えてくれた。
「今日から俺達が御用聞きです。ユイさん、冒険者ギルドですよね? ご一緒しましょう」
ロッシュさんが、言ってくれる。
「助かります」
『ユイ、私達がいれば、大丈夫なのです』
『そうよ』
「ちょっと、聞きたいことがあるんよ。ラーヴさん、マアデン君とハジェル君は?」
「別のパーティーハウスの御用聞きです」
「そうですか」
母に見送られて、パーティーハウスを出る。
ビアンカとルージュにも付いてきてもらう。
「あの、ロッシュさん達は、冷蔵庫ダンジョンに潜った事ありますよね?」
「ありますよ」
「15階のボス部屋入られました? 牛だと聞いていますが」
「そうですよ、確かブラックホーンバッファローでしたね」
「ちなみに、何匹?」
「3匹ですよ。後、ハイ・ブラックホーンバッファローが1匹」
桁、桁が違う。ロッシュさん達で合計4匹か。
女性職員さんの言っていたのはこれか。レベルが高い人が扉を開けると、増えるのは。そうよね。牛が30匹もいたら、よほどの人達じゃないと対応出来ないよね。うちのビアンカとルージュの反則技みたいな、戦闘モードだから、迎撃できただけよね。
「どうしました?」
「いえ、ちょっと」
言葉を濁す。ビアンカとルージュが強いことは、分かっているはず、あえて言わなくてもいい。
ギルドに向かうと、凄い行列。
「何かあるんですか?」
聞いてみると、きょとんとされた。
「ミズサワさんですよ。ミズサワさんが昨日ダンジョンから帰って来たのが噂になって、ドロップ品目当てですよ」
「え、もう?」
「ほら、ギルドに赤い旗が立ってますからね」
ロッシュさんが指差すと、何本もの旗がはためいている。昨日言っていた旗だね、すごくたくさんはためいている。
色んな人がいる。明らかに料理人みたいな人多いけど。中にはお使いみたいな子供や、主婦らしき人もいる。結構な歳の方まで。
高級な馬車もあるけど。何台も。
「あの馬車は?」
「貴族の馬車ですよ。宝飾品目当てでしょうね」
貴族かあ。
「あの、私達田舎者で、もし貴族の方と鉢合わせたらどうしたら失礼になりませんかね?」
「軽く会釈で構いませんよ。もしくは道を譲るくらいで。基本的に貴族は馬車移動ですから、鉢合わせすることは殆どありませんよ。もし、街中で出くわしても、お忍びか、爵位の低い貴族です。あえてこちらから接する必要ありません。向こうからもし声をかけてきても、俺達がいれば前に立ちますので」
何でも御用聞き冒険者は、護衛以外にも役割があるらしい。パーティーハウスを借りれるのは、高ランクの冒険者。そんな彼らに難癖をつけたり、もしくはつけないか、監視に報告の義務があるらしい。ギルドは国を跨いだ一大企業だ。そんなギルドに目をつけられるのは、誰だって避けたい。
「なので、御用聞きの冒険者だと言えば、大概は向こうが引きます」
「頼もしいです」
『ユイ、私達がいるのです』
『そうよ』
「ビアンカとルージュは別よ、特別。あんまりトラブル起こしたくないんよ。ほら、また、冷蔵庫ダンジョン行くんやろ? 入れなくなったらどうするん?」
『それは、困るのです』
『仕方ないわね。あ、ユイ、昨日の雌が来るわ』
雌って。
ギルドから昨日の女性職員が出てきた。
「おはようございます、ミズサワ様、お待ちしておりました」
丁寧に挨拶してくれる。
『ユイ、この雌、焦ってるわ』
だから雌って。
きっと残りの乳製品にお肉ね。
「晃太、急ごうか」
「そやな」
私達は急ぎ足でギルドに入った。
「これで全部です」
「はい、確認致しました」
晃太のアイテムボックスから大量のドロップ品に、見ていたロッシュさんとシュタインさんの口が閉まらない。
モッツァレラとお肉の一部は引き取り、ビアンカとルージュが食べたいって迫って来たからね。牛乳も何本か引き取り、元気達も飲めると、父の鑑定で出たので。
「ミズサワ様、武器と楽器の査定も終わりましたので、こちらに」
「はい」
応接間に通される。ロッシュさんとシュタインさんはドアの外で待機だ。
「まず、今回、これだけのドロップ品をギルドに融通していただき、ありがとうございます」
女性職員さんが深くお礼を言ってきた。
「こちらこそ、パーティーハウスを融通してもらって感謝しています」
これは本当だ。両親の話では、御用聞きの冒険者の方達は気さくにノワールの散歩に付き合ってくれたそうだし、マルシェにも必ず付いてきてくれたと。
「そうでしたら、準備した甲斐がありました。では、まず武器と楽器の査定です。ナイフは魔法剣でした。付与に火魔法の補助や自動修復あるため、50万です」
「結構しますね」
「はい。ミスリルと魔鉄の剣ですからね。中々のものだそうです」
火魔法か、確かシュタインさんが使えたなあ?
「あの、それで火魔法使うとどうなります?」
「効果が上がりますし、僅かな魔力でも十分な効果が得られます」
「へえ、一般人が使うと?」
「そうですね。せいぜい刀身が熱くなるくらいです」
刀身が熱くね。
にまあ。
「ミズサワ様?」
「ちょっとすみません」
晃太と緊急家族会議。
「なあ、あのナイフ、使えん?」
「はあ? 熊、倒すん?」
「張り倒すよ。あれたい、あれ。ほらほら、ラクレットばさ、トロリみたいな感じでさ、溶かせんね? こうこう」
身ぶり手振りで、こうこう。
「ああ、あれね」
「ビールのあてやない?」
「よかなあ」
晃太も口が尖る。
「あの、ナイフは引き取っても?」
「もちろん、構いませんよ」
よし、トロリだ。
『ユイ、そんなのなくても、私の火魔法があるわ』
「ルージュの火は、溶かすより、蒸発しそうや。まあ、これで美味しいの作るけんね。お母さんがね」
『なら、いいわ』
女性職員さんはニコニコ。
「楽器の査定もよろしいですか?」
「あ、はい」
「フルートは22万、クラリネットは27万です」
「はい」
女性職員さんは書類を出す。
「後、残りの乳製品や皮等の査定ですが、まずブラックホーンバッファローの牛乳が1本200、生クリームが1本180……………」
長々と続く。
「合計85303000です。楽器も含めたら85793000です」
たった3日間ですごか額。
最高額は19階で出た、一際大きなエメンタールだ。やたら大きいなあと思ってたら、100万だった。軽自動車買えちゃう。
「こちらは転移門で王都に送られます」
ほくほく顔の女性職員さん。
もしこれで引き取ったチーズやお肉を含めたら、いくらだろう?
女性職員さんが並べた大金貨、金貨、銀貨。
書類にサインして、魔力を流して終了。
僅かな期間で、こんな大金、いいのかなあ?
私達は大行列の前を通り抜け、パーカーさんのお店に向かう。
向かいながら、考える。
これだけの大金、いいのかなあ。
確かにビアンカやルージュにお金がかかる。いずれ元気達にもかなりかかるはず。ある程度の貯金がいる。だけど、また、冷蔵庫ダンジョンに潜ったら、似たような額になるはず。いや、次、3日以上潜ったら、もっとすごか額になるはず。
こんなに簡単にお金が入って来て、いいのかなあ。
これは、家族会議だなあ。
「おはようございます」
早めにパーティーハウスを出ると、見知った面々が。
山風のロッシュさんとシュタインさんだ。ルージュが予め教えてくれた。
「今日から俺達が御用聞きです。ユイさん、冒険者ギルドですよね? ご一緒しましょう」
ロッシュさんが、言ってくれる。
「助かります」
『ユイ、私達がいれば、大丈夫なのです』
『そうよ』
「ちょっと、聞きたいことがあるんよ。ラーヴさん、マアデン君とハジェル君は?」
「別のパーティーハウスの御用聞きです」
「そうですか」
母に見送られて、パーティーハウスを出る。
ビアンカとルージュにも付いてきてもらう。
「あの、ロッシュさん達は、冷蔵庫ダンジョンに潜った事ありますよね?」
「ありますよ」
「15階のボス部屋入られました? 牛だと聞いていますが」
「そうですよ、確かブラックホーンバッファローでしたね」
「ちなみに、何匹?」
「3匹ですよ。後、ハイ・ブラックホーンバッファローが1匹」
桁、桁が違う。ロッシュさん達で合計4匹か。
女性職員さんの言っていたのはこれか。レベルが高い人が扉を開けると、増えるのは。そうよね。牛が30匹もいたら、よほどの人達じゃないと対応出来ないよね。うちのビアンカとルージュの反則技みたいな、戦闘モードだから、迎撃できただけよね。
「どうしました?」
「いえ、ちょっと」
言葉を濁す。ビアンカとルージュが強いことは、分かっているはず、あえて言わなくてもいい。
ギルドに向かうと、凄い行列。
「何かあるんですか?」
聞いてみると、きょとんとされた。
「ミズサワさんですよ。ミズサワさんが昨日ダンジョンから帰って来たのが噂になって、ドロップ品目当てですよ」
「え、もう?」
「ほら、ギルドに赤い旗が立ってますからね」
ロッシュさんが指差すと、何本もの旗がはためいている。昨日言っていた旗だね、すごくたくさんはためいている。
色んな人がいる。明らかに料理人みたいな人多いけど。中にはお使いみたいな子供や、主婦らしき人もいる。結構な歳の方まで。
高級な馬車もあるけど。何台も。
「あの馬車は?」
「貴族の馬車ですよ。宝飾品目当てでしょうね」
貴族かあ。
「あの、私達田舎者で、もし貴族の方と鉢合わせたらどうしたら失礼になりませんかね?」
「軽く会釈で構いませんよ。もしくは道を譲るくらいで。基本的に貴族は馬車移動ですから、鉢合わせすることは殆どありませんよ。もし、街中で出くわしても、お忍びか、爵位の低い貴族です。あえてこちらから接する必要ありません。向こうからもし声をかけてきても、俺達がいれば前に立ちますので」
何でも御用聞き冒険者は、護衛以外にも役割があるらしい。パーティーハウスを借りれるのは、高ランクの冒険者。そんな彼らに難癖をつけたり、もしくはつけないか、監視に報告の義務があるらしい。ギルドは国を跨いだ一大企業だ。そんなギルドに目をつけられるのは、誰だって避けたい。
「なので、御用聞きの冒険者だと言えば、大概は向こうが引きます」
「頼もしいです」
『ユイ、私達がいるのです』
『そうよ』
「ビアンカとルージュは別よ、特別。あんまりトラブル起こしたくないんよ。ほら、また、冷蔵庫ダンジョン行くんやろ? 入れなくなったらどうするん?」
『それは、困るのです』
『仕方ないわね。あ、ユイ、昨日の雌が来るわ』
雌って。
ギルドから昨日の女性職員が出てきた。
「おはようございます、ミズサワ様、お待ちしておりました」
丁寧に挨拶してくれる。
『ユイ、この雌、焦ってるわ』
だから雌って。
きっと残りの乳製品にお肉ね。
「晃太、急ごうか」
「そやな」
私達は急ぎ足でギルドに入った。
「これで全部です」
「はい、確認致しました」
晃太のアイテムボックスから大量のドロップ品に、見ていたロッシュさんとシュタインさんの口が閉まらない。
モッツァレラとお肉の一部は引き取り、ビアンカとルージュが食べたいって迫って来たからね。牛乳も何本か引き取り、元気達も飲めると、父の鑑定で出たので。
「ミズサワ様、武器と楽器の査定も終わりましたので、こちらに」
「はい」
応接間に通される。ロッシュさんとシュタインさんはドアの外で待機だ。
「まず、今回、これだけのドロップ品をギルドに融通していただき、ありがとうございます」
女性職員さんが深くお礼を言ってきた。
「こちらこそ、パーティーハウスを融通してもらって感謝しています」
これは本当だ。両親の話では、御用聞きの冒険者の方達は気さくにノワールの散歩に付き合ってくれたそうだし、マルシェにも必ず付いてきてくれたと。
「そうでしたら、準備した甲斐がありました。では、まず武器と楽器の査定です。ナイフは魔法剣でした。付与に火魔法の補助や自動修復あるため、50万です」
「結構しますね」
「はい。ミスリルと魔鉄の剣ですからね。中々のものだそうです」
火魔法か、確かシュタインさんが使えたなあ?
「あの、それで火魔法使うとどうなります?」
「効果が上がりますし、僅かな魔力でも十分な効果が得られます」
「へえ、一般人が使うと?」
「そうですね。せいぜい刀身が熱くなるくらいです」
刀身が熱くね。
にまあ。
「ミズサワ様?」
「ちょっとすみません」
晃太と緊急家族会議。
「なあ、あのナイフ、使えん?」
「はあ? 熊、倒すん?」
「張り倒すよ。あれたい、あれ。ほらほら、ラクレットばさ、トロリみたいな感じでさ、溶かせんね? こうこう」
身ぶり手振りで、こうこう。
「ああ、あれね」
「ビールのあてやない?」
「よかなあ」
晃太も口が尖る。
「あの、ナイフは引き取っても?」
「もちろん、構いませんよ」
よし、トロリだ。
『ユイ、そんなのなくても、私の火魔法があるわ』
「ルージュの火は、溶かすより、蒸発しそうや。まあ、これで美味しいの作るけんね。お母さんがね」
『なら、いいわ』
女性職員さんはニコニコ。
「楽器の査定もよろしいですか?」
「あ、はい」
「フルートは22万、クラリネットは27万です」
「はい」
女性職員さんは書類を出す。
「後、残りの乳製品や皮等の査定ですが、まずブラックホーンバッファローの牛乳が1本200、生クリームが1本180……………」
長々と続く。
「合計85303000です。楽器も含めたら85793000です」
たった3日間ですごか額。
最高額は19階で出た、一際大きなエメンタールだ。やたら大きいなあと思ってたら、100万だった。軽自動車買えちゃう。
「こちらは転移門で王都に送られます」
ほくほく顔の女性職員さん。
もしこれで引き取ったチーズやお肉を含めたら、いくらだろう?
女性職員さんが並べた大金貨、金貨、銀貨。
書類にサインして、魔力を流して終了。
僅かな期間で、こんな大金、いいのかなあ?
私達は大行列の前を通り抜け、パーカーさんのお店に向かう。
向かいながら、考える。
これだけの大金、いいのかなあ。
確かにビアンカやルージュにお金がかかる。いずれ元気達にもかなりかかるはず。ある程度の貯金がいる。だけど、また、冷蔵庫ダンジョンに潜ったら、似たような額になるはず。いや、次、3日以上潜ったら、もっとすごか額になるはず。
こんなに簡単にお金が入って来て、いいのかなあ。
これは、家族会議だなあ。
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