番の証が出ないと捨てられたので、神様に確かめてもらいます
「番の証が出ぬからだ」
和平のために獣人国へ嫁いで四年。獣王ガイウス様との儀式は三度、三度とも証は出ませんでした。「人間の娘では神は認めぬ」——そう言われて、離宮へ。
雨漏りの下で眠り、井戸をさらい、畑を耕して。泣かなかったのは強いからではありません。獣人には、匂いでわかってしまうから。
嫁ぐ前に三年かけて読み込んだ婚姻法典。その第四章に、こうありました。
『既に誓いを結びたる者が、重ねて他者と誓いを立てんとする時、神は後の誓いを認めず』
——証が出なかったのは、わたしが人間だからではない。
長老会に申し立てたのは、解釈の確認だけ。わたしは悪くない、とは一言も書きませんでした。
遡誓の儀で神殿に浮かんだのは、六年前の秋の「成立」と、わたしの三度の「不成立(重複)」でした。
和平のために獣人国へ嫁いで四年。獣王ガイウス様との儀式は三度、三度とも証は出ませんでした。「人間の娘では神は認めぬ」——そう言われて、離宮へ。
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