もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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連載

乗り越えよう⑦

 元気が満足するまでスライム部屋を往復。
 最後にコハクも参加して、わんわん、みゃーみゃー。〆は私がフライパンで王冠スライムを一撃した。
 私のレベルが40になった。異世界のメニューが増えるかと期待したが、ダメだった。もしかしたら45とか50位じゃないとダメかもしれない。晃太も期待していたが、がっかり。
「姉ちゃん、ちょっと熊倒してこんね」
「本当に張り倒すよあんた」
 晃太もレベルが上がったようだ14から17になったと。
 さて、帰ろうとして冷蔵庫ダンジョンから出る。
「くうーん………」
 元気が情けない声を出す。
「ん? どうしたん元気?」
 ぺたり、と伏せる。
 どうしたんだろう。いつも元気な元気が情けない声を出すなんて、ビアンカの雷以来だ。
「くうーん…………くうくう…………」
「寝たばい姉ちゃん」
 え、一瞬。
「赤ちゃんやもんね。晃太、抱っこしてやってん」
「無理や」
 秋田犬サイズの元気を、自分に支援をかけた晃太が抱えるが、やはり重いようで、ビアンカにも首を咥えて運んでもらう。交代しながら運ぶ。
『元気は重いのです』
「姉ちゃん、あれが、いるばい、あれ。ほら、犬とかばのせるあれ、バギーみたいなやつ」
「ああ、ペット用のね」
 そういえば店に乳母車あった。でも、元気にはちょっと小さいから、大きいのがいるなあ。こりゃ注文だなあ。
 四苦八苦しながら元気を運ぶ。
「あら、どうしたね?」
 パーティーハウスにやっと到着。母が不思議な顔してる。
 元気を従魔の部屋に寝かせる。ぐっすり寝てる。
 結局、次の日の朝まで起きる事はなかった。
 ちょっと心配だったけど、朝からたくさんお乳を飲んで、たくさん出してたから安心した。
 前日に動き回ったせいか、いつも飛びかかったり、いきなり走り出す事なく、おもちゃで遊んでいる。コハクとパーティーハウスの中庭を走り回るが、ビアンカが呼ぶとすぐ走ってくる。スライム効果かな?
 数日後。
 母の冷却の一時付与も無事に成功した。私達の首に巻くバンダナにも着けてくれて、巻いてみたら、少しヒヤッとして気持ちいい。スライムコアは100個以上残ったが、切りよく、100個孤児院に寄付した。
 父の休みの日に、籠の試作品とカートの図面の確認のために、お店に向かう。ロッシュさんとラーヴさんが付いてきてくれる。ビアンカとルージュ、元気達もだ。
「お待ちしておりました」
 以前と同じ女性店員さんが対応してくれる。
 空調の効いた応接室に通される。男性店員さんが、すぐに籠の試作品を見せてくれるが、問題はない。ただ、カートの図面を見て、父のスイッチが入る。車輪が気になるようだ。暑いから、外で待っている皆を待たせる訳にはいかない。バギーのお願いもしないと。
「実はもう一台、乳母が車欲しくて」
「はい、どの様な?」
「お店にある乳母車より、大型のものが。うちの子が大きくて」
 秋田犬サイズの元気君がね。
「お子さんがいらっしゃるのですね」
「はい、外で待っています」
「え? この暑さですよ、是非店内に」
 いいのかな?
 男性店員さんと外に出る。大人しくお座りしているビアンカとルージュを見て噴き出す。
「この仔がゆっくり寝れる乳母車が欲しくて」
「クンクンッ」
 元気が尻尾振って、男性店員の足元に。
「こ、これは。噂をお聞きしてましたが、かわいいですねえ」
 すごい笑顔の男性店員さんが、おずおず手のひらを差し出すと元気がぺろぺろ。さらにおかしな顔。ただ、ビアンカが無表情に見てるので、わさわさ、もふもふできない様子。大丈夫ですよ、と私が言うと、そっともふもふ。リードはしっかりビアンカが足で踏んで飛びかかれない長さにしている。スライム効果か、いつもなら、飛びかかるのに、大人しい。
「成る程、この仔がゆっくり寝かせられるサイズですね。ならば、かなりの重量に耐えられるようにしないといけませんな。おやおや、ジャガーの仔もかわいいですねえ」
 コハクも男性店員さんにすり寄っている。私が大丈夫ですよ、と言うと、優しくもふもふ。うん、かわいいは正義ね。
「だいたい、おいくらになります?」
「そうですね。すぐに返答は出来ませんが………」
 結局、父がカートの図面や車輪で話し込む為に、お任せした。
「お父さん、お願いできる? 多少高くてもよかけん」
「よかよ。キャスター部分が心配やし、元気を乗せるなら、かなり足回りを丈夫にせんといかんしね」
 ラーヴさんが残ってくれる。
 暑いので、父を残して先にパーティーハウスへ戻る。
 すぐにルームのエアコンの下に転がるビアンカとルージュ。5匹の仔達は水分補給して、空調の調整された従魔の部屋で過ごしている。エアコン付けておいて良かった。
 本来こんなに暑い時は、昼間は冷えた洞窟みたいな所で過ごし、気温が下がった時点で狩りをしているそうだ。冷蔵庫ダンジョンも外の気温と変わらず暑い。逆に冬に少し暖かいらしいが、ビアンカとルージュもあまり、ダンジョンダンジョン言わなくなった。なんでも上階になるほど暑いと聞いて余計に。
『涼しいのです』
『そうねえ、気持ちいいわ』
 ゴロゴロしてる。もう、家犬と家猫にしか見えない。
 私も麦茶で喉を潤す。
『冷たいアイスが食べたいのです』
『ユイ、私も食べたいわ』
 レベル四捨五入で500がおねだりしてくる。ゴロゴロしたまま。
 すっかり、異世界の味をしめた2人は、よくあれがいい、これが食べたいと言ってくる。出会った頃に比べて確実にウエイトが増している2人。あまり食べさせて、太りすぎても良くないかなって思っているけど。
「昨日も食べたやん」
『少しだけなのです』
『そう、少しでいいわ』
 私が渋ると、きちんとお座りして、久しぶりのエアーお手、エアーおかわり炸裂。
 駄目な飼い主は、いざ、ディレックスへ。
 そうだ、神様にも買ってこよう。ちょっと高いやつを。
 籠にビアンカとルージュ用に大きいサイズのアイス、神様用に高めのカップアイスを何個か入れる。
 あ、我々には私と母はメロンのシャーベット、晃太はバニラ、父は小豆。よし、たまにはアイスも良かろう。
 私は買い物袋を下げてディレックスを出た。
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