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連載
新しい扉⑦
「お疲れのところ、申し訳ありません」
いつもの応接室。
さ、と女性職員さんがお茶を出してくれる。
ビアンカとルージュは定位置でごろり。
「いえ、こちらもお願いしたいことがありまして」
パーティーハウスの件だ。
「まあ、私どもで出来ることなら」
リティアさんが聞いてくれるようだ。
「実はですね。私達、そろそろ別の街に行こうかって話をしていまして。ただ、孤児院の件がありますから父はこちらに残る事になります。そうなれば、母もこちらに残る事になります。ただ、両親だけ残ると安全面が不安で。もし、良かったらあのパーティーハウスを借り続けられないかなって」
リティアさんが一瞬動揺したように見えたが、すぐにスマイル。
「ミズサワ様、どちらに?」
「スカイランの軍隊ダンジョンに行きたいと」
ゴロゴロしているビアンカとルージュを指す。
あー、みたいな顔されました。
でもなあ、冒険者ギルド管理のパーティーハウスだからねえ。無理かな、やっぱり。
「無理ですよねえ」
私は言いながら、リストを出す。
今回のドロップ品リストだ。
リティアさんとタージェルさんが、揃って、ん? みたいな顔。
「無理ですよねえ」
2枚目を出す。今回は多量に多種類だ。シーサーペントの牙なんて4桁行ったしね。
更に、ん? ん? ん? な顔をする。
晃太がアイテムボックスから、ビロードの箱を出す。最上階では2回ちゅどん、どかんしている。中級エリクサーは出さないが、最初のちゅどん、どかんで出た物だ。
ぱかり、と開けると、キラキラキラキラッ、と光輝く。
様々なサイズのダイヤモンドが並ぶ。極小粒が10、小粒が5、粒が3、中粒が1。次に出したのは、小さなビロードの箱。指輪が入るやつね。晃太がぱかり、と開けるとキラキラキラキラキラキラッ。一粒のピンク色のダイヤモンド。私の親指サイズ。こちらはサメ部屋から出てきた。たった1個だけ出てきた。タージェルさんの形相が変わる。
「無理ですよねえ」
晃太がビロードの箱を閉めて、アイテムボックスに入れる。あああ、とタージェルさん。
「やっぱり無理ですよねえ」
私がテーブルに置いたリストを引くと、リティアさんの手がリストを押さえる。
ぷるぷる、とテーブルの上のリストを私とリティアさんが引っ張りあう。
「ミズサワ様」
「はい」
ぷるぷる。
「パーティーハウス、お任せください。このリティアがなんとか致しましょう」
リティアさんの目、笑ってない。
「ありがとうございます」
私はリストから手を離す。リティアさんがリストを手にして、ほほほほほ、と笑う。
パーティーハウスは後日長期契約となる。リティアさんが上司の方や周りを説得してくれると。もちろんタージェルさんも手伝ってくれると。
良かった、晃太の作戦が効いた。
牛乳瓶、お肉、チーズ、貝柱、魚の切り身の幾つかは引き取る。牛乳瓶は多めに。
マジックバッグは1つだけ出した。タージェルさんが喜んでくれた。マジックバッグはサイズによっては錬金術師が作れる。だが、遅効させることは出来るが、完全に時間停止はない。このマジックバッグはサイズはCサイズで、時間停止だと。だいたいはEサイズからだが、機内持ち込みサイズのキャリーケースだ。Dサイズは3倍、Cサイズは5倍、Bサイズは10倍。多少の誤差はあるけどね。Aサイズからはダンジョンからしか出ない。ちなみにBサイズの時間遅効のマジックバッグなら、1000万、高級車が買える額。こちらは商会や商人ギルド、高ランクの冒険者が確保するらしい。1つは私が持とうと思っている。屋台で買い物したら、私のアイテムボックスでは入らない事があるので。晃太のSSSはサイズ不明だ。
「こちらは500万で買い取らせて頂きます」
あはははん、すごい額。販売価格どうなるんやろ。
かなりの量なので、まず宝飾品や宝石、武器、楽器はすべて提出。タージェルさんが、ピンク色のダイヤモンドを見て、にやあ、と笑う。ドロップ品は2回に分けて提出することに。
リティアさんが何枚かの、書類を出した。新しい依頼があったようだ。内容確認して、サインと魔力を流そうして止まる。
「晃太がせんね」
「わい? よか。ビアンカとルージュが稼いだんやから、主人の姉ちゃんの稼ぎや」
晃太はサイン拒否。結局、私がサインと魔力を流した。
査定は明後日となる。パーティーハウスの延長はその時になる。
私達はリティアさんとタージェルさんに見送られて、パーティーハウスへ戻った。
花の熱烈歓迎を受けて、パーティーハウスに。
ぽちゃぽちゃボディのかわいかこと。
「お帰り、大丈夫ね?」
「うん、いろいろあってね。ルージュ、あれお願いできる?」
『分かったわ』
ルージュが魔法のカーテンを広げる。
パーティーハウスの居間で、花がごぼうのような尻尾を振って走り回る。元気とコハクは母に撫でてもらうと満足して走り回る。ルリとクリスは父にぴったりだ。ヒスイは花と一緒になって走り回る。居間はカオスの様な感じだ。あはははん、かわいか。
とりあえずルームを開けて、皆で入る。
中庭で走り回る元気達をビアンカとルージュに任せ、私達はダイニングキッチンに。
「ああ、やっぱりここが落ち着くなあ」
母はしみじみ言って腰かける。
「クンクンッ」
花がダイニングキッチンに入り、母の膝にすがりつく。晃太が抱き上げて、すりすり。
麦茶を飲みながら、まずパーティーハウスの延長の件を報告する。
「そうね、ここ借りれるね。良かった良かった。なあ、花ちゃん」
「ふんふんっ」
父も言葉に出さないが、ほっとした顔だ。
「で、新しいスキルが出てね」
私がサブ・ドアの説明する。勿論晃太の言った危険性も。
結局、話し合い、試しにパーティーハウスの一番奥の寝室のドアで試してみることに。無理そうなら解除すればいいしね。
何が起きるか分からないので、全員でルームから出る。ルームを閉めるとドアが消える。空調の効いた居間でビアンカとルージュに仔達を見てもらう。
早速、奥の寝室のドアの前に移動。
うわあ、ちょっとドキドキする。
私はドアノブに触れて、息をすう。
「サブ・ドア、登録」
【サブ・ドア 登録完了しました】
頭のなかで、いつもの声がする。
「うまくいったばい」
私はほっとしていつもの調子で、ルームと唱えてドアを開けると、そこには見慣れたルームの部屋が。
「すごかなあ」
「晃太、試しにやってみてん」
「そやなあ」
一旦ドアを閉めて、晃太が開けると、寝室だ。念のため、ルームと唱えながら開けてもダメだった。父も母もだ。ルーム内からも、サブ・ドアは誰も開け閉めできない。結局、私しか扱えない。ただし、外からの場合は、必ずルームと唱える必要がある。そして居間まで移動して、そこでルームのドアを開けて入り、改めてサブ・ドアを開けると、ちゃんと繋がっていた。
「こればっかりは仕方ないね」
「そやな、でも姉ちゃん以外触れんのはよかな。変に疑われてもなんとかなりそうや」
「なら、このドアの登録は継続で良かかね」
異議なしで、決定。後はどのくらい離れても大丈夫かだが、父の最強スキル鑑定SSS発動。
「この大陸内から大丈夫や」
「かなりの長距離大丈夫やね」
良かった良かった。
これからスカイランに行っても、適宜マーファのパーティーハウスに来れる。だが、ばれるとまずい。なので、時間を決めて、私がサブ・ドアを開けて両親と花をルームに入れることになる。
これで、長距離離れても、サブ・ドアで繋がっていることができる。
ああ、ほっとした。
『ユイ、ユイ』
居間でごろりとしていたビアンカが顔を上げる。ルージュは既に立ち上がり、玄関の方を向いて、低い唸り声を上げる。
「どうしたん?」
『誰か来るのです、妙な足音なのです』
「妙な足音?」
『魔法で気配を消しているのよ。私達の気配感知から逃れられないけど。かなりの精度の魔法よ』
え、誰や?
「悪い人?」
『悪意はないようなのです』
『そうね、悪意はないわ。どちらかと言うと興奮してるわね。いい意味で』
「興奮って」
なんか、やだなあ。
『子供のようにはしゃいでいるわ』
「そっちね」
『雄のようね、ただ、人型にしてはかなり強いわね』
「え、ビアンカやルージュ以上に?」
『まさか、私達の足元には及ばないのです』
「そうね。なら、よかかな」
『それと、もう何匹か雄もいるわ。こちらは大したことはないわね』
「雄って。誰か分かるね?」
『ちょっと待って、ああ、一匹はドラゴンの事でお礼をいってきた雄よ。たしか、ダストンとかいったわね』
「お茶、お茶、お茶の準備ーっ」
いつもの応接室。
さ、と女性職員さんがお茶を出してくれる。
ビアンカとルージュは定位置でごろり。
「いえ、こちらもお願いしたいことがありまして」
パーティーハウスの件だ。
「まあ、私どもで出来ることなら」
リティアさんが聞いてくれるようだ。
「実はですね。私達、そろそろ別の街に行こうかって話をしていまして。ただ、孤児院の件がありますから父はこちらに残る事になります。そうなれば、母もこちらに残る事になります。ただ、両親だけ残ると安全面が不安で。もし、良かったらあのパーティーハウスを借り続けられないかなって」
リティアさんが一瞬動揺したように見えたが、すぐにスマイル。
「ミズサワ様、どちらに?」
「スカイランの軍隊ダンジョンに行きたいと」
ゴロゴロしているビアンカとルージュを指す。
あー、みたいな顔されました。
でもなあ、冒険者ギルド管理のパーティーハウスだからねえ。無理かな、やっぱり。
「無理ですよねえ」
私は言いながら、リストを出す。
今回のドロップ品リストだ。
リティアさんとタージェルさんが、揃って、ん? みたいな顔。
「無理ですよねえ」
2枚目を出す。今回は多量に多種類だ。シーサーペントの牙なんて4桁行ったしね。
更に、ん? ん? ん? な顔をする。
晃太がアイテムボックスから、ビロードの箱を出す。最上階では2回ちゅどん、どかんしている。中級エリクサーは出さないが、最初のちゅどん、どかんで出た物だ。
ぱかり、と開けると、キラキラキラキラッ、と光輝く。
様々なサイズのダイヤモンドが並ぶ。極小粒が10、小粒が5、粒が3、中粒が1。次に出したのは、小さなビロードの箱。指輪が入るやつね。晃太がぱかり、と開けるとキラキラキラキラキラキラッ。一粒のピンク色のダイヤモンド。私の親指サイズ。こちらはサメ部屋から出てきた。たった1個だけ出てきた。タージェルさんの形相が変わる。
「無理ですよねえ」
晃太がビロードの箱を閉めて、アイテムボックスに入れる。あああ、とタージェルさん。
「やっぱり無理ですよねえ」
私がテーブルに置いたリストを引くと、リティアさんの手がリストを押さえる。
ぷるぷる、とテーブルの上のリストを私とリティアさんが引っ張りあう。
「ミズサワ様」
「はい」
ぷるぷる。
「パーティーハウス、お任せください。このリティアがなんとか致しましょう」
リティアさんの目、笑ってない。
「ありがとうございます」
私はリストから手を離す。リティアさんがリストを手にして、ほほほほほ、と笑う。
パーティーハウスは後日長期契約となる。リティアさんが上司の方や周りを説得してくれると。もちろんタージェルさんも手伝ってくれると。
良かった、晃太の作戦が効いた。
牛乳瓶、お肉、チーズ、貝柱、魚の切り身の幾つかは引き取る。牛乳瓶は多めに。
マジックバッグは1つだけ出した。タージェルさんが喜んでくれた。マジックバッグはサイズによっては錬金術師が作れる。だが、遅効させることは出来るが、完全に時間停止はない。このマジックバッグはサイズはCサイズで、時間停止だと。だいたいはEサイズからだが、機内持ち込みサイズのキャリーケースだ。Dサイズは3倍、Cサイズは5倍、Bサイズは10倍。多少の誤差はあるけどね。Aサイズからはダンジョンからしか出ない。ちなみにBサイズの時間遅効のマジックバッグなら、1000万、高級車が買える額。こちらは商会や商人ギルド、高ランクの冒険者が確保するらしい。1つは私が持とうと思っている。屋台で買い物したら、私のアイテムボックスでは入らない事があるので。晃太のSSSはサイズ不明だ。
「こちらは500万で買い取らせて頂きます」
あはははん、すごい額。販売価格どうなるんやろ。
かなりの量なので、まず宝飾品や宝石、武器、楽器はすべて提出。タージェルさんが、ピンク色のダイヤモンドを見て、にやあ、と笑う。ドロップ品は2回に分けて提出することに。
リティアさんが何枚かの、書類を出した。新しい依頼があったようだ。内容確認して、サインと魔力を流そうして止まる。
「晃太がせんね」
「わい? よか。ビアンカとルージュが稼いだんやから、主人の姉ちゃんの稼ぎや」
晃太はサイン拒否。結局、私がサインと魔力を流した。
査定は明後日となる。パーティーハウスの延長はその時になる。
私達はリティアさんとタージェルさんに見送られて、パーティーハウスへ戻った。
花の熱烈歓迎を受けて、パーティーハウスに。
ぽちゃぽちゃボディのかわいかこと。
「お帰り、大丈夫ね?」
「うん、いろいろあってね。ルージュ、あれお願いできる?」
『分かったわ』
ルージュが魔法のカーテンを広げる。
パーティーハウスの居間で、花がごぼうのような尻尾を振って走り回る。元気とコハクは母に撫でてもらうと満足して走り回る。ルリとクリスは父にぴったりだ。ヒスイは花と一緒になって走り回る。居間はカオスの様な感じだ。あはははん、かわいか。
とりあえずルームを開けて、皆で入る。
中庭で走り回る元気達をビアンカとルージュに任せ、私達はダイニングキッチンに。
「ああ、やっぱりここが落ち着くなあ」
母はしみじみ言って腰かける。
「クンクンッ」
花がダイニングキッチンに入り、母の膝にすがりつく。晃太が抱き上げて、すりすり。
麦茶を飲みながら、まずパーティーハウスの延長の件を報告する。
「そうね、ここ借りれるね。良かった良かった。なあ、花ちゃん」
「ふんふんっ」
父も言葉に出さないが、ほっとした顔だ。
「で、新しいスキルが出てね」
私がサブ・ドアの説明する。勿論晃太の言った危険性も。
結局、話し合い、試しにパーティーハウスの一番奥の寝室のドアで試してみることに。無理そうなら解除すればいいしね。
何が起きるか分からないので、全員でルームから出る。ルームを閉めるとドアが消える。空調の効いた居間でビアンカとルージュに仔達を見てもらう。
早速、奥の寝室のドアの前に移動。
うわあ、ちょっとドキドキする。
私はドアノブに触れて、息をすう。
「サブ・ドア、登録」
【サブ・ドア 登録完了しました】
頭のなかで、いつもの声がする。
「うまくいったばい」
私はほっとしていつもの調子で、ルームと唱えてドアを開けると、そこには見慣れたルームの部屋が。
「すごかなあ」
「晃太、試しにやってみてん」
「そやなあ」
一旦ドアを閉めて、晃太が開けると、寝室だ。念のため、ルームと唱えながら開けてもダメだった。父も母もだ。ルーム内からも、サブ・ドアは誰も開け閉めできない。結局、私しか扱えない。ただし、外からの場合は、必ずルームと唱える必要がある。そして居間まで移動して、そこでルームのドアを開けて入り、改めてサブ・ドアを開けると、ちゃんと繋がっていた。
「こればっかりは仕方ないね」
「そやな、でも姉ちゃん以外触れんのはよかな。変に疑われてもなんとかなりそうや」
「なら、このドアの登録は継続で良かかね」
異議なしで、決定。後はどのくらい離れても大丈夫かだが、父の最強スキル鑑定SSS発動。
「この大陸内から大丈夫や」
「かなりの長距離大丈夫やね」
良かった良かった。
これからスカイランに行っても、適宜マーファのパーティーハウスに来れる。だが、ばれるとまずい。なので、時間を決めて、私がサブ・ドアを開けて両親と花をルームに入れることになる。
これで、長距離離れても、サブ・ドアで繋がっていることができる。
ああ、ほっとした。
『ユイ、ユイ』
居間でごろりとしていたビアンカが顔を上げる。ルージュは既に立ち上がり、玄関の方を向いて、低い唸り声を上げる。
「どうしたん?」
『誰か来るのです、妙な足音なのです』
「妙な足音?」
『魔法で気配を消しているのよ。私達の気配感知から逃れられないけど。かなりの精度の魔法よ』
え、誰や?
「悪い人?」
『悪意はないようなのです』
『そうね、悪意はないわ。どちらかと言うと興奮してるわね。いい意味で』
「興奮って」
なんか、やだなあ。
『子供のようにはしゃいでいるわ』
「そっちね」
『雄のようね、ただ、人型にしてはかなり強いわね』
「え、ビアンカやルージュ以上に?」
『まさか、私達の足元には及ばないのです』
「そうね。なら、よかかな」
『それと、もう何匹か雄もいるわ。こちらは大したことはないわね』
「雄って。誰か分かるね?」
『ちょっと待って、ああ、一匹はドラゴンの事でお礼をいってきた雄よ。たしか、ダストンとかいったわね』
「お茶、お茶、お茶の準備ーっ」
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