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行動計画②
皆でお地蔵様に手を合わせる。
「神様、原始のダンジョンの場所を教えてください」
お祈り。
目を開けて振り返ると、来てくれていた。
「始祖神様」
「お久しぶりじゃの」
優しい笑顔で、ほっほっほっ。本日はお一人様だ。
始祖神様に椅子を勧め、お茶の用意。
さくら庵の和三盆のロールケーキ、季節のフルーツ添えと緑茶セット。
「ほっほっほっ。すまんなあ、いつもごちそうになって」
まず、緑茶を一口。
「苦味があるが、スッキリとしておるな。うん、旨い」
おきに召して頂いたようで、良かった。
「原始のダンジョンだったな?」
「はい、どこにあるか教えて頂けると有り難いのですが」
「まず、は」
そう言って、始祖神様はテーブルを、つい、とつつく。するとテーブルに地図が浮かび上がる。映画とかで見る近未来テクノロジーみたいなやつ。私達が持っている地図と、微妙に違うが仕方ないか。大体は合っている。
「これはこの大陸の地図じゃ。で、ここがマーファ」
針先のような赤い印を差す。ふむふむ。
「で、ここがアルブレン」
ふむふむ。
「で、原始のダンジョンは遥か北」
始祖神様が指をスライドさせる。地図が小さくなり、移動する。始祖神様の指がスライド。すると、島が出てきた。ちょっと待った。
「この島が原始のダンジョンじゃ」
「べ、別の大陸なんですか?」
「そうじゃよ」
ほっほっほっ。と、笑う始祖神様。
「どうやって渡るんですか? 船?」
「海流が激しいから無理じゃな。ちなみに上空は乱気流の嵐だから、よほどの飛行能力がなければ突破できんぞ」
「無理やん」
晃太がばっさり。
「しかし、始祖神様、ビアンカとルージュのお母さんがここにいるはずなんです。どうやって渡ったんですか?」
「それは個人情報じゃよ」
そう来ましたか。
「どちらにしても、無理ですよね」
「今は、な」
含みのある始祖神様。
「方法があると?」
「ほっほっほっ。そうじゃな、これくらいはよかろう。この大陸で、一番原始のダンジョンに近い場所はここじゃ」
地図をスライドし、私達がいる大陸が出てくる。マーファやアルブレンの赤い印がある。始祖神様の指は、アルブレンを北東に進み、大陸の端で止まる。青い印が着く。
「ここまでそうじゃなあ、直線距離なら、そうじゃなあ」
始祖神様がつついのつい、と指先を動かす。日本地図が現れる。別の新しい赤い点が現れる。
「これはカルーラじゃ。で、ここに」
沖縄の端っこを当てる。青い点には、北海道の一番上。全くもって足りてないけど。日本縦断距離より、長いの?
「因みにこの青い点の半径1000キロは最奥の魔境じゃからな」
絶対、無理やん。
あのドラゴンとかいるんでしょ? 無理やん。
ビアンカとルージュのお母さんに、元気達を見せたかったけど、諦めるしかないかあ。
なんて思っていると、伏せていたビアンカとルージュがすうっとお座りの体勢に。
『ユイ、原始のダンジョンに行きたいのです』
『母様に会いたいわ』
「気持ちは分かるけど、ちょっといろいろ問題やない? ビアンカとルージュだけで行くなら問題なかろうけど」
なんせビアンカのレベルは500。ルージュだってそのうちなるだろうし。
「原始のダンジョンは、そう甘くはないぞ」
始祖神様がばっさり。
「何故、お前達の母親は原始のダンジョンの場所を教えなかったと思う? 無鉄砲に飛び込めば、死があるのみじゃ。かつて、歴代最強の勇者のパーティーですら断念せざるを得なかったダンジョンじゃ。お前達には無理じゃ、母親の元には辿り着けんよ」
始祖神様の言葉に、ビアンカとルージュが沈む。
「その勇者のパーティーに、ビアンカとルージュのお母さんがいたってことですか?」
晃太がかまをかける。
「ほっほっほっ。話しすぎたかな」
誤魔化すように笑う始祖神様。
だけど、私は沈んでいるビアンカとルージュが、気になって仕方ない。だってお母さんだよ。会いたいはずだ。私だって、ビアンカやルージュの立場なら、お母さんのいる場所が分かれば、会いに行きたい。
「あの始祖神様、どうしたら原始のダンジョンまで行く方法を教えていただけますか?」
晃太が、私をちらっと見る。
始祖神様は、優しい眼差しで私を見る。
「お嬢さんなら、そう言うと思ったよ。そうじゃなあ、ならばお嬢さん、そして」
晃太に視線を飛ばす。
「それぞれ、レベルが50を越えれば次のヒントを出そうかの」
「え? わいも? 次のってことはまだその先があるんですか?」
「ほっほっほっ」
いや、ほっほっほっじゃなくて。レベル50。私は44だから、王冠スライムをせっせと倒せば何とかなるけど。晃太はまだ、18だったはず。
いや、そうじゃない。レベル50の時にもらえるヒントで、原始のダンジョンに行ければいいけど。始祖神様の感じなら次もありそうだ。次のレベルをもし要求されたら、次は単純に考えてレベル100? え、無理やない? 私、三十路よ。ピチピチの十代なら何とかなるかも知れないけど。
「あの始祖神様、私、結構な年齢でして、ヒントいただく前に寿命がですね」
「そうだったの。よし、お嬢さん達にはいろいろ供え物してもらっておるからの」
ぱちん
始祖神様が指を鳴らす。
ふわっと風が私達を包む。
「これでよい。お嬢さん方全員、寿命を10倍に延ばしたからの。あそこの小型犬もな。後は経験値5倍も10年に延長したからの」
さらっと、始祖神様がとんでもないことを言う。
そりゃ花は寿命が延びる分は、嬉しい。だけど、私達は。
「怪しまれません?」
「大丈夫じゃ。この世界は様々な人種がおるからの。寿命も誤差があっても特に問題はない」
この世界は人族が一番多いが、中にはエルフ並みに長い寿命を持つ種族もいると。
「そうじゃな。それに関しては次のヒントの時に教えてあげような。この世界の歴史を、な」
この世界の歴史か。
始祖神様はロールケーキを食べ終わる。
「さて、ご馳走になったな」
「いいえ、始祖神様。あ、お土産を」
私は慌てて液晶画面をタップ。さくら庵のお持ち帰り用のロールケーキが、テーブルの上に現れる。
「いつもありがとうな」
「いえいえ」
始祖神様はニコニコとケーキの箱を持つと、消えていった。
てってれってー
【始祖神 降臨確認 HP20000追加されます】
「神様、原始のダンジョンの場所を教えてください」
お祈り。
目を開けて振り返ると、来てくれていた。
「始祖神様」
「お久しぶりじゃの」
優しい笑顔で、ほっほっほっ。本日はお一人様だ。
始祖神様に椅子を勧め、お茶の用意。
さくら庵の和三盆のロールケーキ、季節のフルーツ添えと緑茶セット。
「ほっほっほっ。すまんなあ、いつもごちそうになって」
まず、緑茶を一口。
「苦味があるが、スッキリとしておるな。うん、旨い」
おきに召して頂いたようで、良かった。
「原始のダンジョンだったな?」
「はい、どこにあるか教えて頂けると有り難いのですが」
「まず、は」
そう言って、始祖神様はテーブルを、つい、とつつく。するとテーブルに地図が浮かび上がる。映画とかで見る近未来テクノロジーみたいなやつ。私達が持っている地図と、微妙に違うが仕方ないか。大体は合っている。
「これはこの大陸の地図じゃ。で、ここがマーファ」
針先のような赤い印を差す。ふむふむ。
「で、ここがアルブレン」
ふむふむ。
「で、原始のダンジョンは遥か北」
始祖神様が指をスライドさせる。地図が小さくなり、移動する。始祖神様の指がスライド。すると、島が出てきた。ちょっと待った。
「この島が原始のダンジョンじゃ」
「べ、別の大陸なんですか?」
「そうじゃよ」
ほっほっほっ。と、笑う始祖神様。
「どうやって渡るんですか? 船?」
「海流が激しいから無理じゃな。ちなみに上空は乱気流の嵐だから、よほどの飛行能力がなければ突破できんぞ」
「無理やん」
晃太がばっさり。
「しかし、始祖神様、ビアンカとルージュのお母さんがここにいるはずなんです。どうやって渡ったんですか?」
「それは個人情報じゃよ」
そう来ましたか。
「どちらにしても、無理ですよね」
「今は、な」
含みのある始祖神様。
「方法があると?」
「ほっほっほっ。そうじゃな、これくらいはよかろう。この大陸で、一番原始のダンジョンに近い場所はここじゃ」
地図をスライドし、私達がいる大陸が出てくる。マーファやアルブレンの赤い印がある。始祖神様の指は、アルブレンを北東に進み、大陸の端で止まる。青い印が着く。
「ここまでそうじゃなあ、直線距離なら、そうじゃなあ」
始祖神様がつついのつい、と指先を動かす。日本地図が現れる。別の新しい赤い点が現れる。
「これはカルーラじゃ。で、ここに」
沖縄の端っこを当てる。青い点には、北海道の一番上。全くもって足りてないけど。日本縦断距離より、長いの?
「因みにこの青い点の半径1000キロは最奥の魔境じゃからな」
絶対、無理やん。
あのドラゴンとかいるんでしょ? 無理やん。
ビアンカとルージュのお母さんに、元気達を見せたかったけど、諦めるしかないかあ。
なんて思っていると、伏せていたビアンカとルージュがすうっとお座りの体勢に。
『ユイ、原始のダンジョンに行きたいのです』
『母様に会いたいわ』
「気持ちは分かるけど、ちょっといろいろ問題やない? ビアンカとルージュだけで行くなら問題なかろうけど」
なんせビアンカのレベルは500。ルージュだってそのうちなるだろうし。
「原始のダンジョンは、そう甘くはないぞ」
始祖神様がばっさり。
「何故、お前達の母親は原始のダンジョンの場所を教えなかったと思う? 無鉄砲に飛び込めば、死があるのみじゃ。かつて、歴代最強の勇者のパーティーですら断念せざるを得なかったダンジョンじゃ。お前達には無理じゃ、母親の元には辿り着けんよ」
始祖神様の言葉に、ビアンカとルージュが沈む。
「その勇者のパーティーに、ビアンカとルージュのお母さんがいたってことですか?」
晃太がかまをかける。
「ほっほっほっ。話しすぎたかな」
誤魔化すように笑う始祖神様。
だけど、私は沈んでいるビアンカとルージュが、気になって仕方ない。だってお母さんだよ。会いたいはずだ。私だって、ビアンカやルージュの立場なら、お母さんのいる場所が分かれば、会いに行きたい。
「あの始祖神様、どうしたら原始のダンジョンまで行く方法を教えていただけますか?」
晃太が、私をちらっと見る。
始祖神様は、優しい眼差しで私を見る。
「お嬢さんなら、そう言うと思ったよ。そうじゃなあ、ならばお嬢さん、そして」
晃太に視線を飛ばす。
「それぞれ、レベルが50を越えれば次のヒントを出そうかの」
「え? わいも? 次のってことはまだその先があるんですか?」
「ほっほっほっ」
いや、ほっほっほっじゃなくて。レベル50。私は44だから、王冠スライムをせっせと倒せば何とかなるけど。晃太はまだ、18だったはず。
いや、そうじゃない。レベル50の時にもらえるヒントで、原始のダンジョンに行ければいいけど。始祖神様の感じなら次もありそうだ。次のレベルをもし要求されたら、次は単純に考えてレベル100? え、無理やない? 私、三十路よ。ピチピチの十代なら何とかなるかも知れないけど。
「あの始祖神様、私、結構な年齢でして、ヒントいただく前に寿命がですね」
「そうだったの。よし、お嬢さん達にはいろいろ供え物してもらっておるからの」
ぱちん
始祖神様が指を鳴らす。
ふわっと風が私達を包む。
「これでよい。お嬢さん方全員、寿命を10倍に延ばしたからの。あそこの小型犬もな。後は経験値5倍も10年に延長したからの」
さらっと、始祖神様がとんでもないことを言う。
そりゃ花は寿命が延びる分は、嬉しい。だけど、私達は。
「怪しまれません?」
「大丈夫じゃ。この世界は様々な人種がおるからの。寿命も誤差があっても特に問題はない」
この世界は人族が一番多いが、中にはエルフ並みに長い寿命を持つ種族もいると。
「そうじゃな。それに関しては次のヒントの時に教えてあげような。この世界の歴史を、な」
この世界の歴史か。
始祖神様はロールケーキを食べ終わる。
「さて、ご馳走になったな」
「いいえ、始祖神様。あ、お土産を」
私は慌てて液晶画面をタップ。さくら庵のお持ち帰り用のロールケーキが、テーブルの上に現れる。
「いつもありがとうな」
「いえいえ」
始祖神様はニコニコとケーキの箱を持つと、消えていった。
てってれってー
【始祖神 降臨確認 HP20000追加されます】
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