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次への⑤
『は、初耳なのです』
『そんなこと、父様は一言も』
ちょっと動揺しているビアンカとルージュ。
「お前達の父親にとって、原始のダンジョンはあえて話す程のことではなかったのだよ。ましてや、途中でダンジョンアタックを断念したから、自慢して話すことはなかったのじゃ。ダンジョンアタックを断念後、しばらくお前達の母親と離れておったが、そのテイマーの死後に再会して、改めて見初めて、番になった。その父親は、自身でも気がついておらんかったが、特殊個体でな」
特殊?
「フォレストガーディアンウルフ、ですよね? その特殊個体ですか?」
「そうじゃよ、特殊中の特殊。先祖返りの個体でな。お嬢さんも知っておろう? フェンリルという魔物を」
「はい。でも、サエキ様はいないと」
確かそう言ってた。この大陸にはいないと。あの時、凄く有名な名前なのに、と思った。
「かつてたった一体だけ、存在しておった。移住した民が連れてきた、たった一体だけな。そのフェンリルがウルフ系の始祖となった、フォレスト系、ロック系、アーマー系等。お前達の父親は、先祖返りをし、他のウルフ系とは一線を画す強さを誇っていた。そんな父親まで引き連れて挑んだダンジョンだぞ」
聞きながら、理解した。
あ、無理やない?
ビアンカとルージュのお母さんは、ドラゴンが逃げ出し、2人が足元にも及ばないって言っていたのに。しかもそんなに凄かお父さんまでいて、ダンジョンアタック失敗って。どんなダンジョンやねん。その原始のダンジョンは?
ビアンカとルージュを、お母さんに会わせたい、そう思っていたけど、無理やない?
そう言えば、原始のダンジョンって、別大陸だったよね? まさか、あれ全部が、ダンジョンやないよね? 広大だって始祖神様言っていたけど。もし、そうなら、ビアンカとルージュのお母さんのおるある程度の位置が分からんと、探しだすなんて無理や。まさか、GPSなんてないだろうし。
『戦力、強化、なのですね』
『当てはあります、神様』
いろいろ考えていると、鎌首をもたげた様に、顔を上げるビアンカとルージュ。その目は物凄くギラギラしている。まさに、滾るように、ギラギラしている。
え? 諦めてないの? 大丈夫なん?
「ほっほっほっ、よい顔じゃ。まあ、ダンジョンアタックが失敗したのは戦力だけではないがな。これは次じゃな。で、お嬢さん方」
「は、はい」
え? 私達にもあるん? あ、レベル次は100とかかな? まあ、経験値5倍があるし、こちらは何とかなるかな。
「次へのヒントまでの条件、支援魔法を持っておったな?」
「あ、はい」
沈黙していた晃太が返事をする。
「スキルレベルをそうじゃな、Cまで上げること。そこまで上げれば、こやつらへの支援も、効果があるはずだからな」
戦力強化に支援魔法のレベルアップ。
「そうなれば、原始のダンジョンに入る手段を教えようかの」
そう言って、始祖神様が立ち上がる。
あ、お帰りの時間ね。
「さて、そろそろ帰ろうかな。いつも馳走になって」
お土産を出さなくては。私はケーキの箱を出す。
「始祖神様、どうぞ皆様で召し上がってください」
「おお、すまんなあ。いつもいつもありがとうな。ちび達が喜ぶ。お嬢さんにスキルを与えた時空神の判断は正しかったな。そうじゃ、スキルアップに関してなら、時空神の方が詳しいぞ。今度聞いて見るといい」
黒髪のイッケメンの時空神様か。
お元気かな? いやその前に確認事項が。
「お忙しいのでは?」
「ほぼ問題ないぞ。特に朝はな。お嬢さん方が毎日供えてくれとるじゃろ? あれを回収できるのは、この『ルーム』というスキルを創造した時空神だけでな。朝、いつも楽しみに待っておるし、もし時空神が遅れそうなものなら、ちび達が襲撃して起こしておる」
襲撃って。
何となく想像。
穏やかに寝ている時空神様に、あのかわいか三柱神様が、その上に飛び乗る様子が。
「ご迷惑でした?」
「なんの、そんなことはないぞう。ちび達もおかげで規則正しく起きる様になり、早く起きたら早く寝る。いいサイクルになっておる。それに娯楽の少ない中で、絵を描くのが、何より楽しいようでな」
喜んでもらって良かった。よし、お絵かき帳とクレヨン追加で、明日お供えしよう。
始祖神様は、嬉しそうに箱を抱えて消えていった。
てってれってー
【始祖神 降臨確認 ボーナスポイント20000追加されます】
「さて、晃太」
始祖神様を見送り、晃太に振り返る。
「ん?」
「支援魔法のスキルレベルは?」
「E」
「え? 上がってないの?」
「仕方ないやん。そう簡単に上がるとは思えんばい」
「まあ、そうやな。あ、ビアンカ、ルージュ、戦力強化の当てって、やっぱり、お兄さんかね?」
例の、フォレストガーディアンウルフのお兄さん。
『『いいえ』』
キッパリ答えるビアンカとルージュ。
「違うん?」
『そうなのです、あれは最終手段なのです』
「じゃあ、誰なん?」
『彼女よ』
「誰よ?」
『母様の後を継いで、魔の森の主になった彼女よ』
なんでもビアンカとルージュが生まれ育った魔の森の奥、魔境ね。その魔境は大きく4つのエリアがあり、その1つを管理しているのがビアンカとルージュのお母さんから引き継いだ『彼女』だと。お兄さんではなく、その『彼女』が継いだって事は、どんだけ強い『彼女』やねん。きっと凄かもふもふのフォレストガーディアンウルフやね。
『まあ、彼女に会いに行く前に、コウタのスキルレベルアップをある程度してからなのです』
『そうね。問題はコウタのスキルレベルをどうやって上げるかね。コウタ自身レベルが上がっているけど、スキルレベルは上がっていないわ』
あ、そう言えば。確かに、支援魔法を授かってかなり晃太自身のレベルが上がっているのに、何故か上がっていない。私の『ルーム』は私のレベルに従いちょいちょい上がっているけれど。
あ、父の鑑定でもいいかもだが、まず、時空神様から話を聞いてみてもいいかも。
「よし、明日朝、時空神様に来ていただけるかお祈りしようかね。そうや、期限どうする? 明後日やけど、繰り上げて出ようか?」
『『ぶーぶーぶー』』
ブーイング来ました。
「はいはい、明後日ね。さて、今日はこれでおしまいにして休むね?」
『『ぶーぶーぶー』』
どんだけ戦いたいのよ。
『もっと強くなるのです』
『そうよ。母様に会うために』
そうか、お母さんに会いたいかあ。
ならば協力しなくては。
そして、ビアンカとルージュが満足するまで、ちゅどん、どかんして、私達はドロップ品を拾い集めた。
『そんなこと、父様は一言も』
ちょっと動揺しているビアンカとルージュ。
「お前達の父親にとって、原始のダンジョンはあえて話す程のことではなかったのだよ。ましてや、途中でダンジョンアタックを断念したから、自慢して話すことはなかったのじゃ。ダンジョンアタックを断念後、しばらくお前達の母親と離れておったが、そのテイマーの死後に再会して、改めて見初めて、番になった。その父親は、自身でも気がついておらんかったが、特殊個体でな」
特殊?
「フォレストガーディアンウルフ、ですよね? その特殊個体ですか?」
「そうじゃよ、特殊中の特殊。先祖返りの個体でな。お嬢さんも知っておろう? フェンリルという魔物を」
「はい。でも、サエキ様はいないと」
確かそう言ってた。この大陸にはいないと。あの時、凄く有名な名前なのに、と思った。
「かつてたった一体だけ、存在しておった。移住した民が連れてきた、たった一体だけな。そのフェンリルがウルフ系の始祖となった、フォレスト系、ロック系、アーマー系等。お前達の父親は、先祖返りをし、他のウルフ系とは一線を画す強さを誇っていた。そんな父親まで引き連れて挑んだダンジョンだぞ」
聞きながら、理解した。
あ、無理やない?
ビアンカとルージュのお母さんは、ドラゴンが逃げ出し、2人が足元にも及ばないって言っていたのに。しかもそんなに凄かお父さんまでいて、ダンジョンアタック失敗って。どんなダンジョンやねん。その原始のダンジョンは?
ビアンカとルージュを、お母さんに会わせたい、そう思っていたけど、無理やない?
そう言えば、原始のダンジョンって、別大陸だったよね? まさか、あれ全部が、ダンジョンやないよね? 広大だって始祖神様言っていたけど。もし、そうなら、ビアンカとルージュのお母さんのおるある程度の位置が分からんと、探しだすなんて無理や。まさか、GPSなんてないだろうし。
『戦力、強化、なのですね』
『当てはあります、神様』
いろいろ考えていると、鎌首をもたげた様に、顔を上げるビアンカとルージュ。その目は物凄くギラギラしている。まさに、滾るように、ギラギラしている。
え? 諦めてないの? 大丈夫なん?
「ほっほっほっ、よい顔じゃ。まあ、ダンジョンアタックが失敗したのは戦力だけではないがな。これは次じゃな。で、お嬢さん方」
「は、はい」
え? 私達にもあるん? あ、レベル次は100とかかな? まあ、経験値5倍があるし、こちらは何とかなるかな。
「次へのヒントまでの条件、支援魔法を持っておったな?」
「あ、はい」
沈黙していた晃太が返事をする。
「スキルレベルをそうじゃな、Cまで上げること。そこまで上げれば、こやつらへの支援も、効果があるはずだからな」
戦力強化に支援魔法のレベルアップ。
「そうなれば、原始のダンジョンに入る手段を教えようかの」
そう言って、始祖神様が立ち上がる。
あ、お帰りの時間ね。
「さて、そろそろ帰ろうかな。いつも馳走になって」
お土産を出さなくては。私はケーキの箱を出す。
「始祖神様、どうぞ皆様で召し上がってください」
「おお、すまんなあ。いつもいつもありがとうな。ちび達が喜ぶ。お嬢さんにスキルを与えた時空神の判断は正しかったな。そうじゃ、スキルアップに関してなら、時空神の方が詳しいぞ。今度聞いて見るといい」
黒髪のイッケメンの時空神様か。
お元気かな? いやその前に確認事項が。
「お忙しいのでは?」
「ほぼ問題ないぞ。特に朝はな。お嬢さん方が毎日供えてくれとるじゃろ? あれを回収できるのは、この『ルーム』というスキルを創造した時空神だけでな。朝、いつも楽しみに待っておるし、もし時空神が遅れそうなものなら、ちび達が襲撃して起こしておる」
襲撃って。
何となく想像。
穏やかに寝ている時空神様に、あのかわいか三柱神様が、その上に飛び乗る様子が。
「ご迷惑でした?」
「なんの、そんなことはないぞう。ちび達もおかげで規則正しく起きる様になり、早く起きたら早く寝る。いいサイクルになっておる。それに娯楽の少ない中で、絵を描くのが、何より楽しいようでな」
喜んでもらって良かった。よし、お絵かき帳とクレヨン追加で、明日お供えしよう。
始祖神様は、嬉しそうに箱を抱えて消えていった。
てってれってー
【始祖神 降臨確認 ボーナスポイント20000追加されます】
「さて、晃太」
始祖神様を見送り、晃太に振り返る。
「ん?」
「支援魔法のスキルレベルは?」
「E」
「え? 上がってないの?」
「仕方ないやん。そう簡単に上がるとは思えんばい」
「まあ、そうやな。あ、ビアンカ、ルージュ、戦力強化の当てって、やっぱり、お兄さんかね?」
例の、フォレストガーディアンウルフのお兄さん。
『『いいえ』』
キッパリ答えるビアンカとルージュ。
「違うん?」
『そうなのです、あれは最終手段なのです』
「じゃあ、誰なん?」
『彼女よ』
「誰よ?」
『母様の後を継いで、魔の森の主になった彼女よ』
なんでもビアンカとルージュが生まれ育った魔の森の奥、魔境ね。その魔境は大きく4つのエリアがあり、その1つを管理しているのがビアンカとルージュのお母さんから引き継いだ『彼女』だと。お兄さんではなく、その『彼女』が継いだって事は、どんだけ強い『彼女』やねん。きっと凄かもふもふのフォレストガーディアンウルフやね。
『まあ、彼女に会いに行く前に、コウタのスキルレベルアップをある程度してからなのです』
『そうね。問題はコウタのスキルレベルをどうやって上げるかね。コウタ自身レベルが上がっているけど、スキルレベルは上がっていないわ』
あ、そう言えば。確かに、支援魔法を授かってかなり晃太自身のレベルが上がっているのに、何故か上がっていない。私の『ルーム』は私のレベルに従いちょいちょい上がっているけれど。
あ、父の鑑定でもいいかもだが、まず、時空神様から話を聞いてみてもいいかも。
「よし、明日朝、時空神様に来ていただけるかお祈りしようかね。そうや、期限どうする? 明後日やけど、繰り上げて出ようか?」
『『ぶーぶーぶー』』
ブーイング来ました。
「はいはい、明後日ね。さて、今日はこれでおしまいにして休むね?」
『『ぶーぶーぶー』』
どんだけ戦いたいのよ。
『もっと強くなるのです』
『そうよ。母様に会うために』
そうか、お母さんに会いたいかあ。
ならば協力しなくては。
そして、ビアンカとルージュが満足するまで、ちゅどん、どかんして、私達はドロップ品を拾い集めた。
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