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スキルアップ⑩
「はい、皆さんお昼ですよ」
晃太のアイテムボックスからお弁当箱を人数分出す。ビアンカとルージュのお皿を購入したお店に、お弁当箱の作成をお願いし、無事に先日完成した。わっぱのお弁当箱だ。サイズは普通と大型。私が食べるサイズと晃太の食べるサイズ。女性用と男性用ね。
これが出来て、母がお弁当を作っている。毎日ではないけどね。
本日はおにぎり。私が焼いた玉子焼き、かいわれ大根のハム巻き、ミートボールとうずらの卵の串、ツナとキュウリのサラダ、プチトマト、サバの竜田揚げ、唐揚げ、ウサギさんリンゴ。
ハンカチに包まれたお弁当箱が、皆さんに行き渡る。セーシャさんだけ大型わっぱのお弁当箱2つ。見た感じ重箱だよ。
ビアンカとルージュにもたくさんだ。
「「「「「頂きます」」」」」
嬉しそうな皆さんは、ハンカチを取り、蓋を開ける。
「まあ、美味しそう」
「本当だね」
「リンゴがかわいい」
「米が丸くなってる」
「これ、お肉? いい匂い」
箸の文化ではないので、フォークを出すと、皆さん一斉に食べ出す。
「青魚、臭いが苦手だったけどこれは美味しいわ」
「本当ね、臭みがないわ」
フォリアさんとコーレンさんがサバの竜田揚げをぱくり。
「この野菜の巻いたハム、とっても美味しいです」
ブルーメさんはかいわれ大根のハム巻きをぱくり。いつもより、ちょっと奮発して高いハムにしましたからね。
「この小さな卵、かわいい」
エルバちゃんはミートボールとうずらの卵の串に感動している。
「この肉、柔らかいね。香ばしい薫りだけどジャンかい?」
セーシャさんが唐揚げを一口。ジャンとは、こちらで豆を使った調味料。豆板醤に近いものだ。地域によって甘味があったり、塩味があったり、辛みがあったりだ。マーファは少し甘辛い感じだ。
「そうですね。それに漬け込んで調理しています」
使っているのは醤油だけど、似たようなものだしね。家庭によっては自家製のジャンを作ることがあると聞いたし。
「本当にミズサワさんの母さんは、料理が上手だね」
「母が聞いたら喜びます」
私も食べる。
うん、玉子焼き、まずまず。
大好評でお昼は終了。
お弁当はきれいに空っぽになって返って来た。
お茶を飲みながら、ゆっくり食後休み。
順番を待ち、我々の番だ。
本日すでに『ルベル・アケル』の戦闘は済み。
『私が開けるわね』
『お願いなのです』
いそいそと動くビアンカとルージュ。
残った私達は、そっと移動する。
ビアンカが「風乙女(シルフィリア)」で飛び込み、はい、終了。
慣れたフォリアさん達がドロップ品を拾ってくれた。宝箱が出てきて、罠をルージュがチェックする。
『大丈夫よ』
「はい、ありがとう」
宝箱を開けるとお馴染みのビロードの箱。
フォリアさんに渡す。
中身はトパーズのカフスとネクタイピン。
脱出用魔法陣が出てきた。私は外で並んで待つ冒険者パーティーに脱出の旨を告げる。
ルージュが魔法陣に魔力を流し、脱出した。
次の日、スライム部屋、最終日だ。
弾かれたビー玉のように、駆け回る元気とコハク。
本日は皆さん落ち着いてプチプチしている。
ルリとクリス、ヒスイも以前に比べて、かなりプチプチ出きるようになっている。
「晃太っ、出たばいっ」
「はいよ、アップッ」
王冠スライムが2体。晃太の追加支援を受けた元気とコハクが果敢に攻める。
さて、もう1体は私達のレベルアップの為に。
「アップッ、ダウンッ」
晃太が支援を連発し、フライパン一撃。
「ふう、久しぶりにレベル上がったばい」
「良かったやん」
元気とコハクの方は、元気が、んーっ、となる。
「ダウン」
「わんっ」
バリィィィッ
なんと王冠スライムの体のほとんどが吹き飛ぶ。晃太の支援もあるけど、よく考えたら恐ろしい威力や。でも、それで元気がパタリ。毎回こうだ。
「ビアンカ、毎回これでよかと?」
『いいのです。まだ元気には細かく調整は無理なのです。下手に魔力を未消化のままにしていたら、誤爆するのです。しばらくは魔力枯渇がどう言ったものか身体で理解させるのです』
スパルタなビアンカさん。だけど、ここはビアンカに任せるしかない。
ずいぶん小さくなった王冠スライムを、コハクがベビージャガーパンチを炸裂させて消滅。
「コハク、すごかよ」
「にゃあ~」
得意そうな顔で、えっへんしている。かわいかねえ。
スライムコアはフォリアさん達が拾ってくれた。私と晃太は、呑気に寝ている元気を持ち上げて、やっとこさバギーにのせる。
最後に出てきた宝箱。中身は大きなターコイズの指輪で、ごついデザインだ。
スライム部屋を出て、時間を確認。12:25
お昼の時間や。
いつもシートを敷く所に陣取り、お昼を出す。
本日は冷蔵庫ダンジョンの貝柱を使ったシチューだ。21階のドロップ品の牛乳や他にもエビやらシャケなんかも入ったシーフードシチュー。ポテトサラダとパンも出す。シチューは私が作りましたよ。はい。いくらダンジョン内が外より暖かいとはいえ、寒いもんは寒い。ここは温かいシチューの出番だ。
「さあ、どうぞ」
晃太はカップにストレートティーやリンゴ、オレンジジュースを注ぐ。
行き渡ったようだ。頂きます。
「これはっ、ミズサワさんのお母さんのご飯は本当に美味しいですね」
フォリアさんが一口目で、感嘆の声が出る。
「なんて、味わい深いシチューなんだろうね。今までのシチューはなんだったんだろう」
「肉のシチューと全く違う、魚介類でこんなに美味しいなんて」
「本当、とっても美味しい」
セーシャさん、ブルーメさん、コーレンさんまで。照れますがな。
エルバちゃんは無言で食べてる。一心不乱に食べてる。
「これ、私が作ったんです。さ、皆さん、おかわりしてくださいね」
「え、ユイさんが?」
「まともに作れるの、これくらいですけどね」
「これでも十分ですよ」
フォリアさんが慰めてくれる。私が作れるのはカレーかシチュー。最近は玉子焼きとか必要に迫られて肉じゃがを作るけど煮崩れるしね。
皆さんに誉めてもらって、うふふ、となりながらおかわりのシチューをよそう。
ふう、満腹。
「ユイさん、また、同じ依頼を出されます?」
リンゴジュースを飲んでいたフォリアさんかおずおずと言った感じで聞いてくる。
「そうですね、晃太、どうする?」
「1週間してから、同じやつ出すよ。ほら」
ビアンカとルージュのおねだりビーム。
はいはい、上層階に行きたいのね。
「来週はビアンカとルージュと上層階に行くので、再来週に出すと思います。あ、フォリアさん達がまた受けてくれます?」
「いいんですか? 実は私達も許されるなら、もう一度受けられないかなって話していたんです」
「良かった、なら、またお願いします」
次回もフォリアさん達だ、良かった知り合いだしね。
「それでユイさん、次回からボス部屋に2回挑戦出来ないかって話していたんです。支援をしてもらってかなり余裕を持って戦えますから。それに2回臨めば、晃太さんの支援魔法のスキルアップに繋がらないかって」
「皆さんがきつくなければ、あ、どなたかレベル3桁いません? レベル3桁が開けたらボス部屋の数増えますよ。セーシャさんあたり」
「ご冗談を、私はまだまだよ」
2回臨むのは構わない、いざとなればビアンカとルージュに援護してもらうし。ただ、15階のボス部屋は必ず冒険者パーティーが並んでいる人気部屋だ。2回臨んだら、帰りが真っ暗だよ。
「姉ちゃんおるやん、レベルがちょうどよかのが」
「誰?」
「ノワール」
「あ、そうやね」
ブヒヒン。忘れとった。
結局、次回からノワールを連れていくことになった。
話はトントン拍子に進み、再来週の月曜日、10時ギルド前で待ち合わせになる。
スライム部屋を終えて、ダンジョンを出る。ギルドで依頼終了の手続きも済み、再来週分の依頼書の手配まで済ませる。
挨拶し、最後に別れ際、エルバちゃんがちょっと恥ずかしそうに来て、
「シチュー、今まで食べたなかで一番美味しかったです」
と。かわいかあ。
「じゃあ、また作ろうね」
「うんっ」
エルバちゃんはにっこり笑って、フォリアさん達の元に走っていった。
晃太のアイテムボックスからお弁当箱を人数分出す。ビアンカとルージュのお皿を購入したお店に、お弁当箱の作成をお願いし、無事に先日完成した。わっぱのお弁当箱だ。サイズは普通と大型。私が食べるサイズと晃太の食べるサイズ。女性用と男性用ね。
これが出来て、母がお弁当を作っている。毎日ではないけどね。
本日はおにぎり。私が焼いた玉子焼き、かいわれ大根のハム巻き、ミートボールとうずらの卵の串、ツナとキュウリのサラダ、プチトマト、サバの竜田揚げ、唐揚げ、ウサギさんリンゴ。
ハンカチに包まれたお弁当箱が、皆さんに行き渡る。セーシャさんだけ大型わっぱのお弁当箱2つ。見た感じ重箱だよ。
ビアンカとルージュにもたくさんだ。
「「「「「頂きます」」」」」
嬉しそうな皆さんは、ハンカチを取り、蓋を開ける。
「まあ、美味しそう」
「本当だね」
「リンゴがかわいい」
「米が丸くなってる」
「これ、お肉? いい匂い」
箸の文化ではないので、フォークを出すと、皆さん一斉に食べ出す。
「青魚、臭いが苦手だったけどこれは美味しいわ」
「本当ね、臭みがないわ」
フォリアさんとコーレンさんがサバの竜田揚げをぱくり。
「この野菜の巻いたハム、とっても美味しいです」
ブルーメさんはかいわれ大根のハム巻きをぱくり。いつもより、ちょっと奮発して高いハムにしましたからね。
「この小さな卵、かわいい」
エルバちゃんはミートボールとうずらの卵の串に感動している。
「この肉、柔らかいね。香ばしい薫りだけどジャンかい?」
セーシャさんが唐揚げを一口。ジャンとは、こちらで豆を使った調味料。豆板醤に近いものだ。地域によって甘味があったり、塩味があったり、辛みがあったりだ。マーファは少し甘辛い感じだ。
「そうですね。それに漬け込んで調理しています」
使っているのは醤油だけど、似たようなものだしね。家庭によっては自家製のジャンを作ることがあると聞いたし。
「本当にミズサワさんの母さんは、料理が上手だね」
「母が聞いたら喜びます」
私も食べる。
うん、玉子焼き、まずまず。
大好評でお昼は終了。
お弁当はきれいに空っぽになって返って来た。
お茶を飲みながら、ゆっくり食後休み。
順番を待ち、我々の番だ。
本日すでに『ルベル・アケル』の戦闘は済み。
『私が開けるわね』
『お願いなのです』
いそいそと動くビアンカとルージュ。
残った私達は、そっと移動する。
ビアンカが「風乙女(シルフィリア)」で飛び込み、はい、終了。
慣れたフォリアさん達がドロップ品を拾ってくれた。宝箱が出てきて、罠をルージュがチェックする。
『大丈夫よ』
「はい、ありがとう」
宝箱を開けるとお馴染みのビロードの箱。
フォリアさんに渡す。
中身はトパーズのカフスとネクタイピン。
脱出用魔法陣が出てきた。私は外で並んで待つ冒険者パーティーに脱出の旨を告げる。
ルージュが魔法陣に魔力を流し、脱出した。
次の日、スライム部屋、最終日だ。
弾かれたビー玉のように、駆け回る元気とコハク。
本日は皆さん落ち着いてプチプチしている。
ルリとクリス、ヒスイも以前に比べて、かなりプチプチ出きるようになっている。
「晃太っ、出たばいっ」
「はいよ、アップッ」
王冠スライムが2体。晃太の追加支援を受けた元気とコハクが果敢に攻める。
さて、もう1体は私達のレベルアップの為に。
「アップッ、ダウンッ」
晃太が支援を連発し、フライパン一撃。
「ふう、久しぶりにレベル上がったばい」
「良かったやん」
元気とコハクの方は、元気が、んーっ、となる。
「ダウン」
「わんっ」
バリィィィッ
なんと王冠スライムの体のほとんどが吹き飛ぶ。晃太の支援もあるけど、よく考えたら恐ろしい威力や。でも、それで元気がパタリ。毎回こうだ。
「ビアンカ、毎回これでよかと?」
『いいのです。まだ元気には細かく調整は無理なのです。下手に魔力を未消化のままにしていたら、誤爆するのです。しばらくは魔力枯渇がどう言ったものか身体で理解させるのです』
スパルタなビアンカさん。だけど、ここはビアンカに任せるしかない。
ずいぶん小さくなった王冠スライムを、コハクがベビージャガーパンチを炸裂させて消滅。
「コハク、すごかよ」
「にゃあ~」
得意そうな顔で、えっへんしている。かわいかねえ。
スライムコアはフォリアさん達が拾ってくれた。私と晃太は、呑気に寝ている元気を持ち上げて、やっとこさバギーにのせる。
最後に出てきた宝箱。中身は大きなターコイズの指輪で、ごついデザインだ。
スライム部屋を出て、時間を確認。12:25
お昼の時間や。
いつもシートを敷く所に陣取り、お昼を出す。
本日は冷蔵庫ダンジョンの貝柱を使ったシチューだ。21階のドロップ品の牛乳や他にもエビやらシャケなんかも入ったシーフードシチュー。ポテトサラダとパンも出す。シチューは私が作りましたよ。はい。いくらダンジョン内が外より暖かいとはいえ、寒いもんは寒い。ここは温かいシチューの出番だ。
「さあ、どうぞ」
晃太はカップにストレートティーやリンゴ、オレンジジュースを注ぐ。
行き渡ったようだ。頂きます。
「これはっ、ミズサワさんのお母さんのご飯は本当に美味しいですね」
フォリアさんが一口目で、感嘆の声が出る。
「なんて、味わい深いシチューなんだろうね。今までのシチューはなんだったんだろう」
「肉のシチューと全く違う、魚介類でこんなに美味しいなんて」
「本当、とっても美味しい」
セーシャさん、ブルーメさん、コーレンさんまで。照れますがな。
エルバちゃんは無言で食べてる。一心不乱に食べてる。
「これ、私が作ったんです。さ、皆さん、おかわりしてくださいね」
「え、ユイさんが?」
「まともに作れるの、これくらいですけどね」
「これでも十分ですよ」
フォリアさんが慰めてくれる。私が作れるのはカレーかシチュー。最近は玉子焼きとか必要に迫られて肉じゃがを作るけど煮崩れるしね。
皆さんに誉めてもらって、うふふ、となりながらおかわりのシチューをよそう。
ふう、満腹。
「ユイさん、また、同じ依頼を出されます?」
リンゴジュースを飲んでいたフォリアさんかおずおずと言った感じで聞いてくる。
「そうですね、晃太、どうする?」
「1週間してから、同じやつ出すよ。ほら」
ビアンカとルージュのおねだりビーム。
はいはい、上層階に行きたいのね。
「来週はビアンカとルージュと上層階に行くので、再来週に出すと思います。あ、フォリアさん達がまた受けてくれます?」
「いいんですか? 実は私達も許されるなら、もう一度受けられないかなって話していたんです」
「良かった、なら、またお願いします」
次回もフォリアさん達だ、良かった知り合いだしね。
「それでユイさん、次回からボス部屋に2回挑戦出来ないかって話していたんです。支援をしてもらってかなり余裕を持って戦えますから。それに2回臨めば、晃太さんの支援魔法のスキルアップに繋がらないかって」
「皆さんがきつくなければ、あ、どなたかレベル3桁いません? レベル3桁が開けたらボス部屋の数増えますよ。セーシャさんあたり」
「ご冗談を、私はまだまだよ」
2回臨むのは構わない、いざとなればビアンカとルージュに援護してもらうし。ただ、15階のボス部屋は必ず冒険者パーティーが並んでいる人気部屋だ。2回臨んだら、帰りが真っ暗だよ。
「姉ちゃんおるやん、レベルがちょうどよかのが」
「誰?」
「ノワール」
「あ、そうやね」
ブヒヒン。忘れとった。
結局、次回からノワールを連れていくことになった。
話はトントン拍子に進み、再来週の月曜日、10時ギルド前で待ち合わせになる。
スライム部屋を終えて、ダンジョンを出る。ギルドで依頼終了の手続きも済み、再来週分の依頼書の手配まで済ませる。
挨拶し、最後に別れ際、エルバちゃんがちょっと恥ずかしそうに来て、
「シチュー、今まで食べたなかで一番美味しかったです」
と。かわいかあ。
「じゃあ、また作ろうね」
「うんっ」
エルバちゃんはにっこり笑って、フォリアさん達の元に走っていった。
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