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祭り①
春。
変化の春。
晃太の支援魔法スキルアップの依頼の順調。
あのコルソン君、ジョアンさんが新人として引き受け、頑張っている。
で、最近の悩み。
「コハク、またねッ」
前日雨が降り、地面が抜かるんでいるのに、コハクが走り回り泥まみれ。最近毎日こんな感じだ。
「にゃあ~」
「もう、かわいかけど。毎回もー」
「にゃあ~」
チーズクリームに直行し、シャンプー。
「もう、やめてよ」
「にゃあ~」
コハクの顔立ちが、最近、赤ちゃんから、大人の顔になってきている。スマホの写真を見たら、5匹の中で一番大人と近い顔になってきている。ヒスイはまだ幼い感じがあるけどね。
中庭に走り出すコハクを見送り、嫌な予感。
『ぎゃー、コハク、やめるのですーッ』
『落ち着きなさいコハクッ』
ビアンカとルージュの悲鳴。やっぱりッ。
「わんわんっ」
元気の元気な声。
「くんくんっ」
「くうーん」
「みゃあ~」
ルリとクリス、ヒスイが避難してきた。泥まみれ。
母と晃太が、ペット用のウエットティッシュで慌てて拭いている。
私は中庭を確認。
全身泥を被ったコハクが駆け回る。地面がまるで泡立つようにぼこぼこしている。泥の塊が飛び、元気が尻尾を振って避けている。だけど、元気も泥だらけ。ちょっと勘弁して。
ビアンカとルージュも泥だらけ。ぎゃーッ、本当に勘弁してーッ。2人のシャンプー代いくらやとーッ。
「にゃあ~ッ」
泥団子が飛ぶ。
「べふうッ」
私の顔に直撃した。
「コハクには、土の属性魔法があるなあ」
父が帰ってから、コハクを鑑定。
時々、5匹の魔法スキルをチェックしてもらっていたが、文字化けしていて分からなかった。分かっていたのは元気の雷属性魔法のみだった。
『コハクはやっぱり土属性だったわね』
『そうなのですね』
お腹出して寝ているコハク。かわいか、パシャ。
「勘づいてたの?」
私はシャワーで泥を落とした。頭を拭きながらビアンカとルージュに聞く。
『何となくね。私達みたいな上位魔物は、目の色に属性の特徴が出ることがあるの。コハクは茶色だから、土の可能性があるかもってね。あくまで目安だけどね』
「へぇ」
どうやら、コハクは無事に土属性魔法の身体強化、発動系と泥団子、発現系が同時に使えたようだ。泥まみれでよく分からなかったけど。
「なら、ルリやクリスやヒスイの属性も予測できるの?」
『そうなのですね。ある程度は予測はできるのです。私達フォレストガーディアンウルフは、ほぼ木属性が種族的にあるのです。後は親個体から引き継ぐのですが』
『可能性は半々よ。全く引き継がないこともあるし』
「そうね。まだ、分からんってことやね」
『そうなのです』
ゴロリ、とコハクが寝返り。白い毛並みに、茶色のラインが一瞬走る。え? 寝てるのに。
『夢の中で戦闘モードで遊んでいるのね』
寝てる間に戦闘モードになってるのッ?
下手に頬擦りできんやん。
あのぷりっ、としたお尻に頬擦りするのが至福の一時なのに。
『今は楽しいのが先走っているわ。どうしたものかしら』
『なら、元気のようにスライムの相手をさせるのです。少しはいいはずなのです』
『『ユイ』』
「はいはい」
返事をして、寝ているコハクをチェック。
おらん。
「姉ちゃんっ」
晃太が焦った声が響く、中庭で走り回るコハクと元気。
泥団子が飛ぶ。ぎゃーッ、やめてーッ。
「コハクーッ、べふうッ」
再び、私の顔に泥団子が直撃した。
てってれってー
【スキル 土耐性E/SSS 覚醒しました】
元気とコハクのスライム部屋を済ませた。コハクは土属性魔法が覚醒してから、毎日泥まみれだ。だけど、スライム部屋に行くと、数日落ち着いている。
明日はダイアナちゃんの半成人だ。
せっかくの御祝いだ、泥団子飛ばされたら、台無しだ。
明日から、マーファは祭りが続く。
うふふ、新しいワンピース、顔パック、ヘアパック済み。久しぶりに気合い入れたよ。
ビアンカとルージュの新しいバンダナも準備したし、元気とコハクは青いネクタイ、ルリとクリスとヒスイはピンクのリボンだ。花はピンクに白い水玉模様のバンダナ。
「ちょっと見に行くだけやん」
夢も希望もない事言う晃太。
「孫の七五三みたいやね」
「そうやね」
何気ないけど、チクチク刺さる両親の言葉。
それから明後日の母のお店の品も確認。ずいぶん、作っている。私達も、裁断とか手伝った。子供用の服は、ぺんたごんの布で作成。お手頃値段となっている。成人用は冷蔵庫ダンジョンから手に入れたシルクを使用。こちらはパーカーさんと相談し値段設定した。やはり生地代がかかり、高価になっている。他にもリボンのヘアゴムもたくさん。
母は独身時代に、こういった洋服を作る仕事をしていた。自分のお店を持ちたい気持ちもあったそうなので、張り切って作っていた。
売れなければ、パーカーさんのお店に並べてくれると。
販売にはパーカーさんが手伝ってくれるし、私も店員として立ちます。あれだ、カリスマなんとかだ。晃太が鼻で笑ったから、張り倒したい。
すべての確認終了。
フレアタートルの鍋も食べたし、準備万端。
次の日。
おのれ、なぜ、晃太の顔が艶々やねん。なぜ、父のでこが艶々やねん。私はあちこち確認したら、膝が艶々。母はデコルテが艶々。きいぃ。
支度を整え、教会に。
よし、パーカーさんにお願いして出来上がった、モスグリーンのワンピース。流石オートクチュール、ぴったり。いつも一つにまとめている髪は、ハーフアップに母がしてくれた。私にはできないからね。ワンピースと同じ生地で、母がリボンにして結んでくれてた。両親も晃太もパーカーさんのお店で仕立てた服だ。スーツは、向こうでも通じるようなスーツだ。
まるで結婚式にでも行く感じだ。
しかし、楽しいものだ。こちらに来て、こんなに弾んだ気持ちは初めてかも。
パーティーハウスをウキウキしながら出る。
教会は凄い賑わいだ。
元気とコハクには、リードを装着。
あちこちで親に手を引かれた子供の歓声があがってる。
ビアンカとルージュを連れた私達は目立ったが、ここに来た当初に比べて落ち着いている。慣れって凄い。
えーっと、ダイアナちゃん達は、と。
『ユイ、あそこなのです』
『いたわ』
ビアンカとルージュが示した先に、パーカーさん一家が。
ダイアナちゃんがオフホワイトのボレロに、青い花柄のワンピース、青いリボンが飾ってあり、パーカーさん達の気合いと愛情を感じる。ダイアナちゃんはパーカーさんとフィナさんに手を引かれ、満面の笑みだ。ジョシュアさんとパトリックさんもスーツ姿だ。
「あ、お姉ちゃんッ」
パアッとダイアナちゃんが私に向かって走ってくる。
く、嬉しい、お姉ちゃん、嬉しい。
きゅう、と抱きついてきた。
「お姉ちゃん、来てくれた」
「おめでとうダイアナちゃん」
「うんっ」
パーカーさん達も私達の元に。
「ミズサワさん、ありがとうございます。ダイアナが無事に半成人を迎えることが出来ました」
「本当にありがとうございます」
パーカーさん一家はとにかく嬉しそうだ。
モーラさんも黒髪の女の子と手を繋いでいる。黄色のワンピースだ。宝物のお孫さんだね。向こうも気がついてペコリ。私もペコリ。
この為だけの格好なのだけど、せっかくだからとパーカーさん一家とお祭りを回る。
この春のお祭りは、メインのバザーは中央の広場で行われる。凄い人並み。明日の販売予定の場所も確認。あちこち見て、買い物して回る。食べ物ばっかりね。
「ひーっ、ご主人の方ーッ」
ビアンカとルージュが左右に別れて屋台を覗き、悲鳴が上がる。
「ちょっと待ってん2人ともーっ」
大量購入して、私達は早めに退散。パーカーさん達に挨拶してパーティーハウスに。
明日は早くに搬入だからね、屋台で、手に入れた屋台飯で夕御飯。
寝る準備をしていたら、珍しく青ざめた晃太が、瓶を握り締めて来た。
「なんね?」
「姉ちゃん、エリクサーがおかしか」
「はあ?」
晃太が少し震える手で差し出したエリクサー。
「あ」
薄い、あんなに鮮やかな紫色が、かなり薄い。
「え? あんたのアイテムボックス、時間停止よね?」
「そうやけど、今見たら、下級エリクサーになっとったんよ」
念のため父に鑑定してもらっても、下級エリクサーと出た。
なんでや?
「なんでかね?」
「うーん、もともとが中級が最上級になったのが、おかしかことやけんね。反動かね?」
お地蔵様に聞いて見たが、応えてくれた時空神様が薬の神様に確認してくれたが、肝心の薬の神様がよく分かってないようで。
まあ、仕方なか。
バテアちゃん達が火傷治ったけん、よかか。
そんな風に思ったが、次の日、この下級エリクサーが問題となることになる。
変化の春。
晃太の支援魔法スキルアップの依頼の順調。
あのコルソン君、ジョアンさんが新人として引き受け、頑張っている。
で、最近の悩み。
「コハク、またねッ」
前日雨が降り、地面が抜かるんでいるのに、コハクが走り回り泥まみれ。最近毎日こんな感じだ。
「にゃあ~」
「もう、かわいかけど。毎回もー」
「にゃあ~」
チーズクリームに直行し、シャンプー。
「もう、やめてよ」
「にゃあ~」
コハクの顔立ちが、最近、赤ちゃんから、大人の顔になってきている。スマホの写真を見たら、5匹の中で一番大人と近い顔になってきている。ヒスイはまだ幼い感じがあるけどね。
中庭に走り出すコハクを見送り、嫌な予感。
『ぎゃー、コハク、やめるのですーッ』
『落ち着きなさいコハクッ』
ビアンカとルージュの悲鳴。やっぱりッ。
「わんわんっ」
元気の元気な声。
「くんくんっ」
「くうーん」
「みゃあ~」
ルリとクリス、ヒスイが避難してきた。泥まみれ。
母と晃太が、ペット用のウエットティッシュで慌てて拭いている。
私は中庭を確認。
全身泥を被ったコハクが駆け回る。地面がまるで泡立つようにぼこぼこしている。泥の塊が飛び、元気が尻尾を振って避けている。だけど、元気も泥だらけ。ちょっと勘弁して。
ビアンカとルージュも泥だらけ。ぎゃーッ、本当に勘弁してーッ。2人のシャンプー代いくらやとーッ。
「にゃあ~ッ」
泥団子が飛ぶ。
「べふうッ」
私の顔に直撃した。
「コハクには、土の属性魔法があるなあ」
父が帰ってから、コハクを鑑定。
時々、5匹の魔法スキルをチェックしてもらっていたが、文字化けしていて分からなかった。分かっていたのは元気の雷属性魔法のみだった。
『コハクはやっぱり土属性だったわね』
『そうなのですね』
お腹出して寝ているコハク。かわいか、パシャ。
「勘づいてたの?」
私はシャワーで泥を落とした。頭を拭きながらビアンカとルージュに聞く。
『何となくね。私達みたいな上位魔物は、目の色に属性の特徴が出ることがあるの。コハクは茶色だから、土の可能性があるかもってね。あくまで目安だけどね』
「へぇ」
どうやら、コハクは無事に土属性魔法の身体強化、発動系と泥団子、発現系が同時に使えたようだ。泥まみれでよく分からなかったけど。
「なら、ルリやクリスやヒスイの属性も予測できるの?」
『そうなのですね。ある程度は予測はできるのです。私達フォレストガーディアンウルフは、ほぼ木属性が種族的にあるのです。後は親個体から引き継ぐのですが』
『可能性は半々よ。全く引き継がないこともあるし』
「そうね。まだ、分からんってことやね」
『そうなのです』
ゴロリ、とコハクが寝返り。白い毛並みに、茶色のラインが一瞬走る。え? 寝てるのに。
『夢の中で戦闘モードで遊んでいるのね』
寝てる間に戦闘モードになってるのッ?
下手に頬擦りできんやん。
あのぷりっ、としたお尻に頬擦りするのが至福の一時なのに。
『今は楽しいのが先走っているわ。どうしたものかしら』
『なら、元気のようにスライムの相手をさせるのです。少しはいいはずなのです』
『『ユイ』』
「はいはい」
返事をして、寝ているコハクをチェック。
おらん。
「姉ちゃんっ」
晃太が焦った声が響く、中庭で走り回るコハクと元気。
泥団子が飛ぶ。ぎゃーッ、やめてーッ。
「コハクーッ、べふうッ」
再び、私の顔に泥団子が直撃した。
てってれってー
【スキル 土耐性E/SSS 覚醒しました】
元気とコハクのスライム部屋を済ませた。コハクは土属性魔法が覚醒してから、毎日泥まみれだ。だけど、スライム部屋に行くと、数日落ち着いている。
明日はダイアナちゃんの半成人だ。
せっかくの御祝いだ、泥団子飛ばされたら、台無しだ。
明日から、マーファは祭りが続く。
うふふ、新しいワンピース、顔パック、ヘアパック済み。久しぶりに気合い入れたよ。
ビアンカとルージュの新しいバンダナも準備したし、元気とコハクは青いネクタイ、ルリとクリスとヒスイはピンクのリボンだ。花はピンクに白い水玉模様のバンダナ。
「ちょっと見に行くだけやん」
夢も希望もない事言う晃太。
「孫の七五三みたいやね」
「そうやね」
何気ないけど、チクチク刺さる両親の言葉。
それから明後日の母のお店の品も確認。ずいぶん、作っている。私達も、裁断とか手伝った。子供用の服は、ぺんたごんの布で作成。お手頃値段となっている。成人用は冷蔵庫ダンジョンから手に入れたシルクを使用。こちらはパーカーさんと相談し値段設定した。やはり生地代がかかり、高価になっている。他にもリボンのヘアゴムもたくさん。
母は独身時代に、こういった洋服を作る仕事をしていた。自分のお店を持ちたい気持ちもあったそうなので、張り切って作っていた。
売れなければ、パーカーさんのお店に並べてくれると。
販売にはパーカーさんが手伝ってくれるし、私も店員として立ちます。あれだ、カリスマなんとかだ。晃太が鼻で笑ったから、張り倒したい。
すべての確認終了。
フレアタートルの鍋も食べたし、準備万端。
次の日。
おのれ、なぜ、晃太の顔が艶々やねん。なぜ、父のでこが艶々やねん。私はあちこち確認したら、膝が艶々。母はデコルテが艶々。きいぃ。
支度を整え、教会に。
よし、パーカーさんにお願いして出来上がった、モスグリーンのワンピース。流石オートクチュール、ぴったり。いつも一つにまとめている髪は、ハーフアップに母がしてくれた。私にはできないからね。ワンピースと同じ生地で、母がリボンにして結んでくれてた。両親も晃太もパーカーさんのお店で仕立てた服だ。スーツは、向こうでも通じるようなスーツだ。
まるで結婚式にでも行く感じだ。
しかし、楽しいものだ。こちらに来て、こんなに弾んだ気持ちは初めてかも。
パーティーハウスをウキウキしながら出る。
教会は凄い賑わいだ。
元気とコハクには、リードを装着。
あちこちで親に手を引かれた子供の歓声があがってる。
ビアンカとルージュを連れた私達は目立ったが、ここに来た当初に比べて落ち着いている。慣れって凄い。
えーっと、ダイアナちゃん達は、と。
『ユイ、あそこなのです』
『いたわ』
ビアンカとルージュが示した先に、パーカーさん一家が。
ダイアナちゃんがオフホワイトのボレロに、青い花柄のワンピース、青いリボンが飾ってあり、パーカーさん達の気合いと愛情を感じる。ダイアナちゃんはパーカーさんとフィナさんに手を引かれ、満面の笑みだ。ジョシュアさんとパトリックさんもスーツ姿だ。
「あ、お姉ちゃんッ」
パアッとダイアナちゃんが私に向かって走ってくる。
く、嬉しい、お姉ちゃん、嬉しい。
きゅう、と抱きついてきた。
「お姉ちゃん、来てくれた」
「おめでとうダイアナちゃん」
「うんっ」
パーカーさん達も私達の元に。
「ミズサワさん、ありがとうございます。ダイアナが無事に半成人を迎えることが出来ました」
「本当にありがとうございます」
パーカーさん一家はとにかく嬉しそうだ。
モーラさんも黒髪の女の子と手を繋いでいる。黄色のワンピースだ。宝物のお孫さんだね。向こうも気がついてペコリ。私もペコリ。
この為だけの格好なのだけど、せっかくだからとパーカーさん一家とお祭りを回る。
この春のお祭りは、メインのバザーは中央の広場で行われる。凄い人並み。明日の販売予定の場所も確認。あちこち見て、買い物して回る。食べ物ばっかりね。
「ひーっ、ご主人の方ーッ」
ビアンカとルージュが左右に別れて屋台を覗き、悲鳴が上がる。
「ちょっと待ってん2人ともーっ」
大量購入して、私達は早めに退散。パーカーさん達に挨拶してパーティーハウスに。
明日は早くに搬入だからね、屋台で、手に入れた屋台飯で夕御飯。
寝る準備をしていたら、珍しく青ざめた晃太が、瓶を握り締めて来た。
「なんね?」
「姉ちゃん、エリクサーがおかしか」
「はあ?」
晃太が少し震える手で差し出したエリクサー。
「あ」
薄い、あんなに鮮やかな紫色が、かなり薄い。
「え? あんたのアイテムボックス、時間停止よね?」
「そうやけど、今見たら、下級エリクサーになっとったんよ」
念のため父に鑑定してもらっても、下級エリクサーと出た。
なんでや?
「なんでかね?」
「うーん、もともとが中級が最上級になったのが、おかしかことやけんね。反動かね?」
お地蔵様に聞いて見たが、応えてくれた時空神様が薬の神様に確認してくれたが、肝心の薬の神様がよく分かってないようで。
まあ、仕方なか。
バテアちゃん達が火傷治ったけん、よかか。
そんな風に思ったが、次の日、この下級エリクサーが問題となることになる。
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