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パニック?①
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山風の皆さんとの依頼を控えた前の日。
冒険者ギルドカードが壊れた。
「絶対におかしかばい」
「そうやね」
晃太が断言する。
ギルドカードに人頭税の額が表示されるのだが、おかしな額になっている。
前年度の収入に対してのもので、支払い期間は1か月。その間にギルドカードにお金を振り込むと、自動で引き落とされるのだが。
「晃太のは大丈夫みたいやね」
「そうやな」
晃太の収入は作図による収入で、額は27万ほど。
で、私の額は18万ちょうど。
おかしい、絶対におかしい。
あれだけ、ちゅどん、どかん、バキバキしてるのに、絶対におかしい。
あまりの額に、ギルドカードが反応しないのかな?
リティアさんに聞いてみよう。
私は晃太とルージュでギルドに向かう。
ギルドの相談窓口に行くと、いつものルーチンのように応接室に。
「事務局長が参ります。少しお待ちいただけますか?」
「はい、大丈夫です」
リティアさん、忙しいんやね。いつも訪ねて来たら必ずリティアさんが対応してくれる。
案内してくれた女性職員さんが、お茶を出してくれたので、冷ましながら飲む。
しばらくしてリティアさんが来た。
「お待たせしましたミズサワ様、如何されました?」
「冒険者ギルドカードがおかしくて、人頭税の額が変なんです」
私が冒険者ギルドカードを出すと、リティアさんがチェック。
「ミズサワ様、特におかしい点はございませんよ」
「え? でも、額、おかしいですよね? 私の収入30億越えてますし」
リティアさんがきょとん。
「あのミズサワ様、これは免除されての額ですよ」
「免除にしては、額がおかしいですって」
リティアさんが確認と説明してくれる。どうやら明日の依頼の為に、私がギルドに来るときに役人から説明がある予定だったと。なので、お役人さんがやって来た。
ガッチリした中年男性。
役場はギルドのすぐ裏にあり、行政とギルドが市民の間を取り持っている。
「初めましてミズサワ様。ウィルソンと申します。説明が後手に回り申し訳ございません」
「いえ、今日通知が来て、私が不安になっただけですので」
「では説明させていただきます」
てきぱきと話し出す。
「まず、免除理由の1つ、孤児院の再建」
なんだかんだで6億越したし。
「次に、どれだけの社会貢献をしたかです。これは領主の采配にもなりますが、ミズサワ様にはドラゴンやブラックゴートベアーの件、小児用の薬があります」
はいはい。
ハルスフォン様が配慮してくれたんだね。
「最後に転移門です」
「はい?」
あの折り畳み傘?
「国に献上されましたよね? それも免除対象ですよ。300年振りの転移門、どれだけの価値があるか。安く見積もっても数十億ですよ? 更にそれから人頭税を引き落とす訳はありません。おそらく来年も限界ギリギリまで免除されるはずです」
あの折り畳み傘、そんなことになってたの?
ま、まあ、よかか、うん、よか。
人頭税の為に随分溜め込んだけど、まあ、よかか。
「分かりました、ありがとうございます」
ウィルソンさんは説明後会釈して帰って行った。
「愛想のない男でしょう?」
リティアさんが苦笑い。
「そうですか? 真面目そうじゃないですか?」
見た感じ、まさにできる中間管理職みたいな人だけど。
「ミズサワ様にそう言って頂けると嬉しいです。私の主人なんですよ」
「そ、そうなんですか?」
夫婦揃って仕事出来そうな人達だ。
リティアさんにはお世話になってるから、今度何か持ってこよう。リティアさんの好みも聞いたしね。冷蔵庫ダンジョン21階で出るモッツァレラが大好物だと。いくつか贈ったが、もう無いはず。旦那さんもモッツァレラが好きなのかな、と思ったが、ブルーチーズが好きですと。よし、持ってこよう。チーズが好きならワインもつけよう。
私達はリティアさんに挨拶してパーティーハウスに戻った。
よし、忘れ物なし。
「じゃあ行ってくるね」
母と花に見送られて、御用聞き冒険者パーティー『ヨンガン』のリーダーさんチャンシさんとホダオさんが付いてくれる。どちらも剣士。『ヨンガン』には魔法使いのユワンさんと斥候シワンさん、見習いのリシン君がいる。
ギルドに到着すると、すでに山風の皆さんが、シュタインさんまでいる。
「シュタインさん、大丈夫なんですか?」
「はい。もうすっかり。身体が鈍りそうです。今回は戦闘には参加しませんが補助員として付いていくだけです」
病み上がりだからね。
ずいぶん顔色のいいシュタインさん。
あれからすぐに退院したと。
「俺にはアイテムボックスがあるので荷物持ちです」
なるほど。
「戦闘には絶対参加させません。ユイさん、宜しいですか?」
ロッシュさんが確認してきた。特に私は問題ない。
ギルド内に入り、私とロッシュさんが窓口に。
あちこちで、あいつもう大丈夫なのか的な言葉が飛び交う。そうだよね。あれだけの大ケガだったし。
依頼窓口で予め出来ていた依頼書を受けとる。
よし、これを依頼板に貼って、ロッシュさんがすぐに剥がせば大丈夫。ずいぶんなれたなあ。
依頼書を見ながら、一瞬注意がそれる。
誰かと肩が当たる。いけない、歩きスマホみたいな事をしてしまった。
「すみません」
私はぶつかってしまった人に謝ると、見たことがある、キラキラの青い目、頬の小さなタトゥー。あら、どっかで見たことあるよ。あら、純粋無垢な魔法にかかりそうな気がしてきたよ。あら、私、キラキラ青い目に、釘付けよ、だってきれいやもん。くうーん、て幻聴まで聞こえて来たよ。
あらあ? 確か、この人、猫系の獣人さんだったよね? 確か、名前、アルスなんとか………………あれ? 顔、めっちゃ近くない? あれえ、毛穴がなあか。あら、かわいか顔しとるね。なんで肌きれいやねん? あ、そうな孔雀とかは雄はきれいやけん、そうなんやね。なるほど。なるほど。
ぺろり
私の口元近くを、ぺろりされた。
……………………………………
あらあ? 私、明らかに未成年な子に、ぺろりされたよ。
……………………………………
わあ、きれいな青い目。
……………………………………
次の瞬間、行き遅れ三十路女がパニックを起こした。
冒険者ギルドカードが壊れた。
「絶対におかしかばい」
「そうやね」
晃太が断言する。
ギルドカードに人頭税の額が表示されるのだが、おかしな額になっている。
前年度の収入に対してのもので、支払い期間は1か月。その間にギルドカードにお金を振り込むと、自動で引き落とされるのだが。
「晃太のは大丈夫みたいやね」
「そうやな」
晃太の収入は作図による収入で、額は27万ほど。
で、私の額は18万ちょうど。
おかしい、絶対におかしい。
あれだけ、ちゅどん、どかん、バキバキしてるのに、絶対におかしい。
あまりの額に、ギルドカードが反応しないのかな?
リティアさんに聞いてみよう。
私は晃太とルージュでギルドに向かう。
ギルドの相談窓口に行くと、いつものルーチンのように応接室に。
「事務局長が参ります。少しお待ちいただけますか?」
「はい、大丈夫です」
リティアさん、忙しいんやね。いつも訪ねて来たら必ずリティアさんが対応してくれる。
案内してくれた女性職員さんが、お茶を出してくれたので、冷ましながら飲む。
しばらくしてリティアさんが来た。
「お待たせしましたミズサワ様、如何されました?」
「冒険者ギルドカードがおかしくて、人頭税の額が変なんです」
私が冒険者ギルドカードを出すと、リティアさんがチェック。
「ミズサワ様、特におかしい点はございませんよ」
「え? でも、額、おかしいですよね? 私の収入30億越えてますし」
リティアさんがきょとん。
「あのミズサワ様、これは免除されての額ですよ」
「免除にしては、額がおかしいですって」
リティアさんが確認と説明してくれる。どうやら明日の依頼の為に、私がギルドに来るときに役人から説明がある予定だったと。なので、お役人さんがやって来た。
ガッチリした中年男性。
役場はギルドのすぐ裏にあり、行政とギルドが市民の間を取り持っている。
「初めましてミズサワ様。ウィルソンと申します。説明が後手に回り申し訳ございません」
「いえ、今日通知が来て、私が不安になっただけですので」
「では説明させていただきます」
てきぱきと話し出す。
「まず、免除理由の1つ、孤児院の再建」
なんだかんだで6億越したし。
「次に、どれだけの社会貢献をしたかです。これは領主の采配にもなりますが、ミズサワ様にはドラゴンやブラックゴートベアーの件、小児用の薬があります」
はいはい。
ハルスフォン様が配慮してくれたんだね。
「最後に転移門です」
「はい?」
あの折り畳み傘?
「国に献上されましたよね? それも免除対象ですよ。300年振りの転移門、どれだけの価値があるか。安く見積もっても数十億ですよ? 更にそれから人頭税を引き落とす訳はありません。おそらく来年も限界ギリギリまで免除されるはずです」
あの折り畳み傘、そんなことになってたの?
ま、まあ、よかか、うん、よか。
人頭税の為に随分溜め込んだけど、まあ、よかか。
「分かりました、ありがとうございます」
ウィルソンさんは説明後会釈して帰って行った。
「愛想のない男でしょう?」
リティアさんが苦笑い。
「そうですか? 真面目そうじゃないですか?」
見た感じ、まさにできる中間管理職みたいな人だけど。
「ミズサワ様にそう言って頂けると嬉しいです。私の主人なんですよ」
「そ、そうなんですか?」
夫婦揃って仕事出来そうな人達だ。
リティアさんにはお世話になってるから、今度何か持ってこよう。リティアさんの好みも聞いたしね。冷蔵庫ダンジョン21階で出るモッツァレラが大好物だと。いくつか贈ったが、もう無いはず。旦那さんもモッツァレラが好きなのかな、と思ったが、ブルーチーズが好きですと。よし、持ってこよう。チーズが好きならワインもつけよう。
私達はリティアさんに挨拶してパーティーハウスに戻った。
よし、忘れ物なし。
「じゃあ行ってくるね」
母と花に見送られて、御用聞き冒険者パーティー『ヨンガン』のリーダーさんチャンシさんとホダオさんが付いてくれる。どちらも剣士。『ヨンガン』には魔法使いのユワンさんと斥候シワンさん、見習いのリシン君がいる。
ギルドに到着すると、すでに山風の皆さんが、シュタインさんまでいる。
「シュタインさん、大丈夫なんですか?」
「はい。もうすっかり。身体が鈍りそうです。今回は戦闘には参加しませんが補助員として付いていくだけです」
病み上がりだからね。
ずいぶん顔色のいいシュタインさん。
あれからすぐに退院したと。
「俺にはアイテムボックスがあるので荷物持ちです」
なるほど。
「戦闘には絶対参加させません。ユイさん、宜しいですか?」
ロッシュさんが確認してきた。特に私は問題ない。
ギルド内に入り、私とロッシュさんが窓口に。
あちこちで、あいつもう大丈夫なのか的な言葉が飛び交う。そうだよね。あれだけの大ケガだったし。
依頼窓口で予め出来ていた依頼書を受けとる。
よし、これを依頼板に貼って、ロッシュさんがすぐに剥がせば大丈夫。ずいぶんなれたなあ。
依頼書を見ながら、一瞬注意がそれる。
誰かと肩が当たる。いけない、歩きスマホみたいな事をしてしまった。
「すみません」
私はぶつかってしまった人に謝ると、見たことがある、キラキラの青い目、頬の小さなタトゥー。あら、どっかで見たことあるよ。あら、純粋無垢な魔法にかかりそうな気がしてきたよ。あら、私、キラキラ青い目に、釘付けよ、だってきれいやもん。くうーん、て幻聴まで聞こえて来たよ。
あらあ? 確か、この人、猫系の獣人さんだったよね? 確か、名前、アルスなんとか………………あれ? 顔、めっちゃ近くない? あれえ、毛穴がなあか。あら、かわいか顔しとるね。なんで肌きれいやねん? あ、そうな孔雀とかは雄はきれいやけん、そうなんやね。なるほど。なるほど。
ぺろり
私の口元近くを、ぺろりされた。
……………………………………
あらあ? 私、明らかに未成年な子に、ぺろりされたよ。
……………………………………
わあ、きれいな青い目。
……………………………………
次の瞬間、行き遅れ三十路女がパニックを起こした。
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