もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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ファンタジー的な①

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 次の日の朝御飯後、緊急家族会議や。
「と、言うことで、皆さんの装備のオーダーメイドをしたいと思いますので、デザイン募集します」
 私が議題を提案する。
 足の低いテーブルにいるホークさんが、おずおずと手を上げる。
「はい、ホークさん」
「ユイさん。我々は中古でも十分なんですよ」
 なんでも、武装、特に防具品なんてほとんど中古らしい。ホークさんの鎧も先代から譲り受けたのがいい例だ。
 理由は原材料の確保だと。魔の森で、革が材料となる魔物を狩ったとしても、キズだらけだったりして、使える部分が少なかったり、倒した冒険者が自分達用の防具を作るために引き取る事が多い。原材料がなければ新しい防具なんて店頭に気軽に並ばない。金属製の鎧はオーダーメイドが基本だ。その為、新品が欲しくてもなかなか手に入らないので、冒険者のほとんどは中古を買うか、譲り受けるかだ。
 冷蔵庫ダンジョンで、ドロップ品の革やシーサーペントの鱗を回したけど、あまり値崩れしなかったのは、供給が追い付いていなかった為だ。
「とりあえず、中古では繋ぎます。大丈夫、原材料はありますから。ビアンカとルージュが山ほど魔物を倒してますからね」
 ああー、みたいな顔をする鷹の目の皆さん。
「なあ姉ちゃん、せっかくやから、玄武のドロップ品で作ってもらったら? あれ、結構硬そうやし」
「あ、よかな。結局まだ買い取りしてもらえてないしね」
 ものすごい勢いでチュアンさんが手を上げる。
「はい、チュアンさん」
「ユイ様、いや、ユイさん、今玄武と聞こえました」
「そうですよ。冷蔵庫ダンジョンで2体ビアンカとルージュが倒しましたから」
「ドラゴン以上に貴重な幻獣なんですよ」
 チュアンさんの顔が、無表情だけど、強ばっている。
 やっぱり、メジャーな名前だと思ったよ。ドラゴン以上に珍しいんだ。
「そうなんですね。でも、実際いたし、買い取りもしてくれないから、有効活用で」
「国のトップでも、手に入らないものです。我々には身分不相応です」
 必死に訴えるチュアン。その後ろでホークさんとマデリーンさんも激しく頷く。
「それに玄武のドロップ品を扱える職人なんてそうはいないはずです」
「あ、そうですよね」
 ドラゴン以上に珍しいなら、扱える職人さんがいるかわからない。
 うーん、どうしよう。
 とりあえず、まず職人ギルドに父がそれとなく聞いてみることに。無理なら別の素材でオーダーするだけ。
「では、3日以内にデザインの草案を提出してください」
 あははん、楽しくなってきたー。ファンタジーの買い物、やり込み装備品。
 最後まで、中古中古と言う皆さんを、私が主人で、武装責任者だと職権乱用みたいなことして、納得してもらった。
 次は、神様だ。
 私の体調いいし、父もお休みだしね。神様への報告が終わったらギルドだ。
 本日はいらっしゃるかな?
「皆さん、今から神様をお呼びしますから」
 さー、と顔色がおかしくなる皆さん。エマちゃんとテオ君はよく分かっていないけど、チュアンさんの動きが明らかにおかしい。モーター音でも聞こえて来そうだ。
 わたわたしながら、膝をついて構える皆さん。
 その間に、私は手土産の準備。
 さくら庵のお持ち帰り用の和三盆ロールケーキ、季節の果物のロールケーキを3つずつ。特製プリンを人数分。
 私はお地蔵さんに手を合わせる。
「神様、鷹の目の皆さんが、長く仕えてくれる事になりました」
 お祈り。
 振り返ると、いらっしゃいました。始祖神様、時空神様、雨の女神様。
「お久しぶりじゃの、お嬢さん」
「はい、始祖神様」
「ふむ、支援魔法のスキルアップも順調のようじゃしな。さて、こやつらが、お嬢さんの奴隷達か?」
「はい、始祖神様。水澤家の一員として、うちに来てもらいました」
 私が答える。視界の隅で、皆さんの緊張具合がわかる。エマちゃんとテオ君は、ちょっと戸惑いもあるようだけど。
「ほっほっほっ。一員か、そうかそうか」
 始祖神様は上機嫌に笑う。
「では、リーダーはそちだな? 発言を許そう、名は?」
「ホークと申します」
 緊張が伝わる声のホークさん。
「では、改めて問おう。こちらのお嬢さん方に、長く仕える気はあるのだな?」
「はい。許される限り。我らは付き従う所存です」
「ふむ……………偽りはないようじゃな。時空神」
「はい」
 時空神様が、私に差し出したのは、細身の木製のブレスレット。全部で6つ。見たことある。
「これは特別じゃ。お嬢さん達には色々供えてもらっておるし、多くの民を救ってくれたしな」
「?」
「ほっほっほっ。自覚がないのが、お嬢さんらしい。小児用の薬に、バーザタイラントのポーション、そしてドラゴンのポーションじゃ。特に小児用の薬は、これから生まれる子供達も救うじゃろう」
「始祖神様、それなら、ハルスフォン様や、薬師ギルドの皆さんの力ですけど」
「ほっほっほっ」
 始祖神様、絶好調。
「本当にお嬢さんにこのスキルを与えたのは正解じゃったな。今回の件、これで不問にしようかの」
 え? なんの事? あっ、時空神様がばつの悪そうな顔。ばれたんだ。私が時空神様に祈りを捧げて『神への祈り』を発動したことが。時空神様が何故、始祖神様に内緒って言ってきたのかわからないけど、あまり誉められたことじゃないんだ。ど、どうしよう。私も謝った方がいいよね。
「あの…………」
 口を開きかけて、時空神様が私の手にそっと自身の手を添える。イッケメンが私の手にーッ。小さく首を振る時空神様、雨の女神様まで。あ、黙っていた方が良さそう。
 私は口にチャック。
「では、儂らはこれで帰ろうかの」
 私はそっとお土産のケーキの箱を差し出す。
「始祖神様。どうぞ、小さな神様達と召し上がってください」
「いつもすまんな、ありがとうお嬢さん。ちび達が喜ぶ」
 始祖神様達は手分けしてケーキの箱を持ち、消えていった。

 てってれってー
【始祖神 時空神 雨の女神 降臨確認 ボーナスポイント40000追加されます】

 ロールケーキじゃ足りなかったかな?
 始祖神様がたっていたところを見ていると、悲鳴があがる。
「チュアンッ、しっかりしろーッ」
 はい?
 振り返ると、片膝ついたまま、白眼剥いてるチュアンさん。えーッ、また気絶してるのッ? 待ったビアンカさん、バチバチ言わせんで。ホークさんがチュアンさんを軽く平手打ちして、無事生還。
「はっ、神は何処に?」
「帰りましたよ」
 私が言うと、チュアンさんは改めてお祈りポーズ。
「やはりユイ様は神が遣わした使徒なのですね。ああ、なんと私は幸運なのでしょう。罪深い人生で、神の御拝顔できただけではなく、神の遣わした尊き…………」
「はい、チュアンさん、ストップストップ」
 ヒートアップを始めるチュアンさんを止める。
「はい、ユイ様」
 チュアンさんが私を見る目がおかしいけど。きらっきらっしている。ごっつい顔が、きらっきらしているけど。
「様は禁止ですって、もう。私は神様の使徒ではありません。たまたま神様がこのルームに来てくださるだけで、私がすごいことではないんですよ」
「しかし、ユイ様」
「はい、禁止、いいですね?」
「………はい、ユイさん」
 よろしい。
 しぶしぶ納得してくれたチュアンさん。
「ねえ、ユイさん、どうして神様はここに来れるの?」
 エマちゃんが尤もな疑問を聞いてくる。
「それがね、私もよく分からんのよ。神様はそのうち教えてくれると思うんやけどね。さ、エマちゃん、皆さん、神様にせっかく頂いたので、どれにします?」
 私は細身の木製の腕輪、いや、ブレスレットを差し出す。
 ………………ホークさんとチュアンさん、入るかね? これ?
「入るのか?」
「おお、なんと、こんな罪深い私に、神はなんと慈悲深い………」
「彫刻が素敵ね」
「リーダーとチュアン、入らないんじゃない?」
「色が入ってる」
「私、ユイさんと同じ色がいいっ」
「はいはい、選んでねー」
 結局。
 ホークさんはカーキ色、チュアンさんは黒、マデリーンさんは薄い紫、ミゲル君は青、テオ君は水色、エマちゃんはピンク。嵌めてみたらびっくり、太い手首のホークさんとチュアンさんでもぴったり。
 多分、だけど、新しいスキル着いたんじゃないかな?
「「「「「「あ」」」」」」
 異口同音。
 やっぱり。
「あ、頭に声が」
「おお、神よ…………」
「え? 属性魔法が増えたわ」
「何、何が起きたんだ?」
「エマ、何が聞こえた?」
「私はね…………」
 新しいスキル、着いたみたいだ。大盤振る舞いだね。
 ちょっと混乱気味の皆さんに声をかける。
「どんなスキルが着きました?」
「えーっと…………」
 まず、ホークさんが確認。風属性魔法がD、毒耐性がC、元々ある空間認識とスコープがCまでアップ、経験値2倍獲得、アイテムボックスE、時間停止。
 チュアンさんは、土・闇属性魔法がE、魔力回復がB、毒耐性がC、経験値2倍獲得。
 マデリーンさんは、光属性魔法がD、魔力回復がB、元々ある空間認識がCまでアップ、経験値2倍獲得、アイテムボックスがサイズそのままのDだが、時間停止となる。
 ミゲル君は、水・土属性魔法がE、毒耐性がB、自己回復がC、経験値2倍獲得。
 テオ君は、水・風属性魔法がE、毒耐性がC、経験値2倍獲得、アイテムボックスが元々Eサイズが、Dまでアップし、時間停止となった。
 エマちゃんは、火・光属性魔法がE、自己回復がC、経験値2倍獲得、アイテムボックスがE、時間停止。
 ………………
 鷹の目の皆さんの悲鳴と歓声が上がった。
 これは、数日は毎日オードブル、お供えせんとなあ。
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