文字の大きさ
大
中
小
259 / 878
連載
受けるべき①
ノワールの試運転から2日後、私達は冷蔵庫ダンジョンに向かった。
直近の依頼期限があるからね。
とにかく今回は20~25階に向かい、ちゅどん、どかん、バキバキだ。
依頼をこなして、よくしてくれてるギルドに恩返しになればいい。
時期は夏になって来ているため、ドロップ品を入れる籠に、母が冷却の一時付与を着けた。首都に向かう前に追加で籠の製作してもらい、受け取ったし。
「気をつけるんよ」
「クンクンッ」
朝早く母と花に見送られて、パーティーハウスを出る。
『『ダンジョンダンジョン』』
「ブヒヒン、ブヒヒン」
うちの稼ぎ頭が上機嫌だ。
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「わんわんっ」
「わんわんっ」
「みゃー、みゃー」
仔達も大合唱だよ。
いつものように、魔法陣のある小屋のドアを、警備の人が開けてくれる。いつもありがとうございます。
「ダンジョンもスキップシステムなんて初めて」
エマちゃんが楽しそうだ。テオ君もわくわくしている。
『さあ、はみ出さないでね』
元気のリードはビアンカ、コハクのリードはチュアンさん。ノワールの手綱はホークさんが持つ。三人娘は私にぴったり。
『いいわね』
ルージュが魔法陣に魔力を流した。
ふわり、と景色が変わる。
なんだか、久しぶりの感じだが、1か月とちょっと前だからね。
『さ、行くのです』
『行くわよ』
「ブヒヒンッ」
気の早かこと。だが、日が上がれば、ダンジョン内も暑くなるしね。
「分かった。皆さん、いいですか?」
私は鷹の目の皆さんに集合をかける。
「今からビアンカ達がボス部屋に挑みます。なので元気とコハクのリードをお願いします」
元気のリードはホークさん、コハクはチュアンさんが継続。
「後、ドロップ品が半端ない数が出ますので」
Sサイズのマジックバッグ2つと、籠を渡す。
「これに入れて、晃太に」
ちゅどどどどどどーんっ
ちゅどどどどどどーんっ
ちゅどどどどどどーんっ
どっかーんっ
ひっ、と鷹の目の皆さんが振り返る。
『終わったのです』
『久しぶりに動いたわ』
「ブルブルッ」
はあ、まだ冷蔵庫ダンジョンに入って数分も経ってないのに。鷹の目の皆さん、呆然としている。
私は他に冒険者の人達が近くにいないか確認してもらい、ルームを開けてビアンカとルージュ、ノワール、仔達を誘導。エアコン始動する。
「宝箱出たら、お願いねルージュ」
『いいわ』
エアコンの下に転がるビアンカとルージュ。
私はルームを出て、ボス部屋に。ドロップ品を拾う為に軍手を着ける。
ボス部屋には、すでに晃太と鷹の目の皆さんが、せっせとドロップ品を拾っている。マジックバッグはホークさんとマデリーンさんが持ち、片っ端から入れている。籠にチュアンさん、ミゲル君、テオ君が入れている。カートはエマちゃんが押し、籠を晃太の元に搬送。
よし、私も参加。目玉なんて直視しない。数えない。
思ったより早く回収。
「皆さん、お疲れ様です」
「いえ。覚悟はしてましたが、やはり、ビアンカさんとルージュさんは凄いですね」
「レベル高いですからね」
話していると、お馴染みの宝箱が。
興味津々で、エマちゃんとテオ君が近付く。
「エマ、テオ、宝箱に不用意に近付くな。罠がある可能性があるからな」
ホークさんの注意が飛び、双子は後退り。
「そう言えば、本来冒険者の人達はどうやって罠の確認を?」
うちにはルージュがいつもやってくれているし。
「本来なら、罠解除のスキルがある斥候ですね。後は魔法でチェック出来ますが、罠を解除するにはスキルか相応の技術が必要ですね。マデリーン、罠の確認だけ出来るか?」
「分かったわ」
マデリーンさんが少し離れて、杖の先端を宝箱に向ける。杖の先から空気をゆらゆらさせる。ゆらゆらは宝箱を包み込む。
「……………罠、あるわね」
「そうか。ユイさん、どうしますか? 我々でも簡単な罠くらいなら解除出来ますが」
「いつもはどうされるんですか?」
「手に負えなければ、宝箱ごとギルドに持ち込みます。専門のスタッフがいますから。特にダンジョンを有する街には腕のいい職人がいます」
知らなかった。これは誰でも知ってる一般常識らしい。冒険者ギルドに解体職人と解除職人いるのは、当たり前だと。
「なるほど。あ、罠は大丈夫ですよ。ルージュが解除出来ますから」
私はルームからルージュを呼び、宝箱をチェックしてもらう。鼻先から黒い霞を出す。
『はい、終わったわ』
「ありがとうルージュ。さ、開けますよー」
ぱかり。
お馴染み指輪サイズのビロードの箱がズラリ。合計6個。
いつも変わらない、このわくわく感。
1つずつ開けていこう。
まず私がぱかり。あら、これはなんだ? 紫だけど、乳白色に紫を混ぜたような感じだが。
「何の石かね?」
「さあ」
「多分。ラベンダージェダイトだと思います」
首を傾げているとマデリーンさんが教えてくれる。晃太のアイテムボックスに入れると、正解、パチパチ。
次は晃太が開ける。こちらは中粒の真珠が2つ。
「はい、ホークさん」
「え、俺が?」
「はいはい、どうぞ開けてください。順番ですからね」
「は、はい」
ホークさんが3つ目をぱかり。鮮やかな水色の石が1つ。パライバトルマリンと出る。
4つ目はチュアンさんがぱかり。薄い緑色の石が2つ、ペリドット。
5つ目はマデリーンさんがぱかり。小粒の真珠が5つ。
6つ目はミゲル君がぱかり。オパールが1つ。
エマちゃんとテオ君が寂しそう。
「次ね、エマちゃんテオ君」
「「はーい」」
ボス部屋を出て、近くのセーフティゾーンへ。ルームを開けて入る。仔達がわらわらと歓迎してくれる、もふもふーん。
それから休憩。晃太がドロップ品をリストアップ。あっという間にボス部屋復活。
はい、ちゅどん、どかん、バキバキ。
同じ要領でドロップ品回収。出てきた宝箱には罠なし。
ぱかり。うん、ビロードの箱が大中小並ぶ。
「はい、エマちゃん、テオ君」
嬉しそうな双子、分かるよ、わくわくするもんね。
大はエマちゃん、中はテオ君、小は私がぱかり。
大に銀製のペンダントと指輪とブローチ。花のモチーフが着いているが、上品なデザインだ。中にはペアのシンプルな懐中時計。小には小粒ダイヤモンドが2つ。
「あ、懐中時計、ホークさん達で持ってください。時間分からないと不便ですから」
「ユイさん、懐中時計は高級品ですよ。持てません」
ホークさんがとんでもないといった顔だ。
「まあまあ、そう言わずに。まずはホークさんとチュアンさんが持ってくださいね。出来れば全員持てるようにしましょう」
私は懐中時計を押し付ける。ビアンカとルージュとノワールのおかげだもんね。元はタダだし。
ボス部屋から出ると一気に気温が上がっていて、私達はルームに避難。救いは日本特有のじめじめした暑さではないこと。日陰に入れば、ずいぶん暑さがいいことだ。
昼間は大人しくしておこう。なんて、甘い考えでした。
「ブヒヒンッ、ブヒヒンッ、ブヒヒンーッ」
ノワールが興奮。どうやら、動き足りないそうだ。どんだけ戦いたいんよ、ノワールや。あんまり暑い時に動くのはやめた方がいいけど。
『暑いのですよ、ノワール』
『そうよ。日が落ちてからになさい』
ビアンカとルージュが説得している。
『ブルブル……………』
ノワールが哀愁を漂わせて訴える。
結局、根負けした。ビアンカとルージュは暑いからと戦闘には初撃にのみ参加。晃太の支援魔法の件もあるので、鷹の目の皆さんも参加。仔達も参加することに。心配や、とくに元気が。ルージュに光のリンゴを出してもらう。私は戦闘はまだダメと言われたよ。
晃太の支援魔法をかけて、ホークさんが弓を構え、マデリーンさんが魔法、チュアンさんも新しい土魔法を使う。チュアンさんは元々無属性魔法が使えるため、特に発動には問題なかった。
『開けるわよ』
ルージュが確認して、ボス部屋の扉を開ける。
まずはビアンカが水の矢をガトリングのように連発。ホークさんも矢を次々に放ち、マデリーンさんは火の矢を放ち、チュアンさんは小さな土の塊を連発。元気は相変わらずわんわん雷連発する。ルリは水の矢、クリスは火の矢、ヒスイはふしゃーっ。ルリとクリスの体にラインが現れる。ルリは水色、クリスは赤、薄いけど浮かび上がっている。あら、コハクは? おお、低い猛獣特有の唸り声を上げて、体に茶色のラインが浮かび上がる。
初撃が終了し、ノワールがボス部屋に突撃。見てない、馬蹄が蛇の頭を一撃したなんて。次にコハクと元気が突撃。鷹の目の皆さんが続き、三人娘と晃太が続く。光のリンゴが縦横無尽に飛び回る。
だ、大丈夫かな? 見送ったはいいが、心配だ。
『大丈夫なのです。初撃で半分以下にしたのです』
『いざとなれば、私達が行くわ』
ルージュが追加で光のリンゴを出して、しばらくすると無事に戦闘終了。汗だくの皆さんが出てきた。晃太も汗だくだ。服に冷却の一時付与しているけど、許容量オーバーやったんやね。水分補給せんと。
「お疲れ様、晃太お茶ば、休んで」
「姉ちゃん、先に元気達ばルームに入れて」
晃太はお茶のペットボトルを人数分出して配布し、一気飲み。
「にゃあ~」
情けない声を上げるコハク。
『コハク、戦闘モードを繰り返さないと慣れないわよ。後は魔力操作も上達させないといけないわ。でも今はお休みなさい』
ルージュが素早くコハクに駆け寄り頬擦りしている。
『かあか~』
甘えん坊のヒスイはルージュにすり寄っていく。
『ヒスイ、お前はまだまだ色々甘いわよ』
「はいはい、とりあえずルームに入って。コハク、歩ける?」
「にゃあ~」
歩けるみたいやね。
ルームを開けて、仔達は全員従魔の部屋に。水呑場で水分補給してから丸くなる。
私はルームを出て、水分補給した晃太と鷹の目の皆さんと合流し、ドロップ品を拾い集めた。
直近の依頼期限があるからね。
とにかく今回は20~25階に向かい、ちゅどん、どかん、バキバキだ。
依頼をこなして、よくしてくれてるギルドに恩返しになればいい。
時期は夏になって来ているため、ドロップ品を入れる籠に、母が冷却の一時付与を着けた。首都に向かう前に追加で籠の製作してもらい、受け取ったし。
「気をつけるんよ」
「クンクンッ」
朝早く母と花に見送られて、パーティーハウスを出る。
『『ダンジョンダンジョン』』
「ブヒヒン、ブヒヒン」
うちの稼ぎ頭が上機嫌だ。
「わんわんっ」
「にゃー、にゃー」
「わんわんっ」
「わんわんっ」
「みゃー、みゃー」
仔達も大合唱だよ。
いつものように、魔法陣のある小屋のドアを、警備の人が開けてくれる。いつもありがとうございます。
「ダンジョンもスキップシステムなんて初めて」
エマちゃんが楽しそうだ。テオ君もわくわくしている。
『さあ、はみ出さないでね』
元気のリードはビアンカ、コハクのリードはチュアンさん。ノワールの手綱はホークさんが持つ。三人娘は私にぴったり。
『いいわね』
ルージュが魔法陣に魔力を流した。
ふわり、と景色が変わる。
なんだか、久しぶりの感じだが、1か月とちょっと前だからね。
『さ、行くのです』
『行くわよ』
「ブヒヒンッ」
気の早かこと。だが、日が上がれば、ダンジョン内も暑くなるしね。
「分かった。皆さん、いいですか?」
私は鷹の目の皆さんに集合をかける。
「今からビアンカ達がボス部屋に挑みます。なので元気とコハクのリードをお願いします」
元気のリードはホークさん、コハクはチュアンさんが継続。
「後、ドロップ品が半端ない数が出ますので」
Sサイズのマジックバッグ2つと、籠を渡す。
「これに入れて、晃太に」
ちゅどどどどどどーんっ
ちゅどどどどどどーんっ
ちゅどどどどどどーんっ
どっかーんっ
ひっ、と鷹の目の皆さんが振り返る。
『終わったのです』
『久しぶりに動いたわ』
「ブルブルッ」
はあ、まだ冷蔵庫ダンジョンに入って数分も経ってないのに。鷹の目の皆さん、呆然としている。
私は他に冒険者の人達が近くにいないか確認してもらい、ルームを開けてビアンカとルージュ、ノワール、仔達を誘導。エアコン始動する。
「宝箱出たら、お願いねルージュ」
『いいわ』
エアコンの下に転がるビアンカとルージュ。
私はルームを出て、ボス部屋に。ドロップ品を拾う為に軍手を着ける。
ボス部屋には、すでに晃太と鷹の目の皆さんが、せっせとドロップ品を拾っている。マジックバッグはホークさんとマデリーンさんが持ち、片っ端から入れている。籠にチュアンさん、ミゲル君、テオ君が入れている。カートはエマちゃんが押し、籠を晃太の元に搬送。
よし、私も参加。目玉なんて直視しない。数えない。
思ったより早く回収。
「皆さん、お疲れ様です」
「いえ。覚悟はしてましたが、やはり、ビアンカさんとルージュさんは凄いですね」
「レベル高いですからね」
話していると、お馴染みの宝箱が。
興味津々で、エマちゃんとテオ君が近付く。
「エマ、テオ、宝箱に不用意に近付くな。罠がある可能性があるからな」
ホークさんの注意が飛び、双子は後退り。
「そう言えば、本来冒険者の人達はどうやって罠の確認を?」
うちにはルージュがいつもやってくれているし。
「本来なら、罠解除のスキルがある斥候ですね。後は魔法でチェック出来ますが、罠を解除するにはスキルか相応の技術が必要ですね。マデリーン、罠の確認だけ出来るか?」
「分かったわ」
マデリーンさんが少し離れて、杖の先端を宝箱に向ける。杖の先から空気をゆらゆらさせる。ゆらゆらは宝箱を包み込む。
「……………罠、あるわね」
「そうか。ユイさん、どうしますか? 我々でも簡単な罠くらいなら解除出来ますが」
「いつもはどうされるんですか?」
「手に負えなければ、宝箱ごとギルドに持ち込みます。専門のスタッフがいますから。特にダンジョンを有する街には腕のいい職人がいます」
知らなかった。これは誰でも知ってる一般常識らしい。冒険者ギルドに解体職人と解除職人いるのは、当たり前だと。
「なるほど。あ、罠は大丈夫ですよ。ルージュが解除出来ますから」
私はルームからルージュを呼び、宝箱をチェックしてもらう。鼻先から黒い霞を出す。
『はい、終わったわ』
「ありがとうルージュ。さ、開けますよー」
ぱかり。
お馴染み指輪サイズのビロードの箱がズラリ。合計6個。
いつも変わらない、このわくわく感。
1つずつ開けていこう。
まず私がぱかり。あら、これはなんだ? 紫だけど、乳白色に紫を混ぜたような感じだが。
「何の石かね?」
「さあ」
「多分。ラベンダージェダイトだと思います」
首を傾げているとマデリーンさんが教えてくれる。晃太のアイテムボックスに入れると、正解、パチパチ。
次は晃太が開ける。こちらは中粒の真珠が2つ。
「はい、ホークさん」
「え、俺が?」
「はいはい、どうぞ開けてください。順番ですからね」
「は、はい」
ホークさんが3つ目をぱかり。鮮やかな水色の石が1つ。パライバトルマリンと出る。
4つ目はチュアンさんがぱかり。薄い緑色の石が2つ、ペリドット。
5つ目はマデリーンさんがぱかり。小粒の真珠が5つ。
6つ目はミゲル君がぱかり。オパールが1つ。
エマちゃんとテオ君が寂しそう。
「次ね、エマちゃんテオ君」
「「はーい」」
ボス部屋を出て、近くのセーフティゾーンへ。ルームを開けて入る。仔達がわらわらと歓迎してくれる、もふもふーん。
それから休憩。晃太がドロップ品をリストアップ。あっという間にボス部屋復活。
はい、ちゅどん、どかん、バキバキ。
同じ要領でドロップ品回収。出てきた宝箱には罠なし。
ぱかり。うん、ビロードの箱が大中小並ぶ。
「はい、エマちゃん、テオ君」
嬉しそうな双子、分かるよ、わくわくするもんね。
大はエマちゃん、中はテオ君、小は私がぱかり。
大に銀製のペンダントと指輪とブローチ。花のモチーフが着いているが、上品なデザインだ。中にはペアのシンプルな懐中時計。小には小粒ダイヤモンドが2つ。
「あ、懐中時計、ホークさん達で持ってください。時間分からないと不便ですから」
「ユイさん、懐中時計は高級品ですよ。持てません」
ホークさんがとんでもないといった顔だ。
「まあまあ、そう言わずに。まずはホークさんとチュアンさんが持ってくださいね。出来れば全員持てるようにしましょう」
私は懐中時計を押し付ける。ビアンカとルージュとノワールのおかげだもんね。元はタダだし。
ボス部屋から出ると一気に気温が上がっていて、私達はルームに避難。救いは日本特有のじめじめした暑さではないこと。日陰に入れば、ずいぶん暑さがいいことだ。
昼間は大人しくしておこう。なんて、甘い考えでした。
「ブヒヒンッ、ブヒヒンッ、ブヒヒンーッ」
ノワールが興奮。どうやら、動き足りないそうだ。どんだけ戦いたいんよ、ノワールや。あんまり暑い時に動くのはやめた方がいいけど。
『暑いのですよ、ノワール』
『そうよ。日が落ちてからになさい』
ビアンカとルージュが説得している。
『ブルブル……………』
ノワールが哀愁を漂わせて訴える。
結局、根負けした。ビアンカとルージュは暑いからと戦闘には初撃にのみ参加。晃太の支援魔法の件もあるので、鷹の目の皆さんも参加。仔達も参加することに。心配や、とくに元気が。ルージュに光のリンゴを出してもらう。私は戦闘はまだダメと言われたよ。
晃太の支援魔法をかけて、ホークさんが弓を構え、マデリーンさんが魔法、チュアンさんも新しい土魔法を使う。チュアンさんは元々無属性魔法が使えるため、特に発動には問題なかった。
『開けるわよ』
ルージュが確認して、ボス部屋の扉を開ける。
まずはビアンカが水の矢をガトリングのように連発。ホークさんも矢を次々に放ち、マデリーンさんは火の矢を放ち、チュアンさんは小さな土の塊を連発。元気は相変わらずわんわん雷連発する。ルリは水の矢、クリスは火の矢、ヒスイはふしゃーっ。ルリとクリスの体にラインが現れる。ルリは水色、クリスは赤、薄いけど浮かび上がっている。あら、コハクは? おお、低い猛獣特有の唸り声を上げて、体に茶色のラインが浮かび上がる。
初撃が終了し、ノワールがボス部屋に突撃。見てない、馬蹄が蛇の頭を一撃したなんて。次にコハクと元気が突撃。鷹の目の皆さんが続き、三人娘と晃太が続く。光のリンゴが縦横無尽に飛び回る。
だ、大丈夫かな? 見送ったはいいが、心配だ。
『大丈夫なのです。初撃で半分以下にしたのです』
『いざとなれば、私達が行くわ』
ルージュが追加で光のリンゴを出して、しばらくすると無事に戦闘終了。汗だくの皆さんが出てきた。晃太も汗だくだ。服に冷却の一時付与しているけど、許容量オーバーやったんやね。水分補給せんと。
「お疲れ様、晃太お茶ば、休んで」
「姉ちゃん、先に元気達ばルームに入れて」
晃太はお茶のペットボトルを人数分出して配布し、一気飲み。
「にゃあ~」
情けない声を上げるコハク。
『コハク、戦闘モードを繰り返さないと慣れないわよ。後は魔力操作も上達させないといけないわ。でも今はお休みなさい』
ルージュが素早くコハクに駆け寄り頬擦りしている。
『かあか~』
甘えん坊のヒスイはルージュにすり寄っていく。
『ヒスイ、お前はまだまだ色々甘いわよ』
「はいはい、とりあえずルームに入って。コハク、歩ける?」
「にゃあ~」
歩けるみたいやね。
ルームを開けて、仔達は全員従魔の部屋に。水呑場で水分補給してから丸くなる。
私はルームを出て、水分補給した晃太と鷹の目の皆さんと合流し、ドロップ品を拾い集めた。
感想 867
あなたにおすすめの小説
「今日限りで君を解雇する」――20年仕えた地味なメイドですが、料理も手紙も暗殺者対策も私がやっていました
「エナメル。今日限りで君を解雇する」
20年仕えた屋敷をクビになった、地味なエルフのメイド・エナメル。
だが、晩餐会の料理も、侯爵への手紙も、調度品の手配も、屋敷を狙う暗殺者の処理も――すべて彼女が陰で支えていたものだった。
エナメルが去ったあと、屋敷は少しずつ綻び始める。
一方の本人は、そんなことも知らず。
「さて。次はどこで雇っていただきましょう」
地味で目立たないベテランメイド・エナメルの、新しい奉公先探しが始まる。
※本作は『メイドのエナメルは今日も静かにお仕えします』シリーズの第1作です。本作単体でもお楽しみいただけます。
異世界転移した僕と彼のスキルは「貯金箱」と「犬」だったので即追放。でもこれが意外と強かった
高校の英語の授業中、勇者召喚で僕たちクラスメイト7名は異世界にやって来た。
目的は魔王討伐では無くて、高難易度ダンジョンの封印?!
でも僕ユイトのスキルは「貯金箱」、エイジは「犬」。
役立たず認定で、二人とも城を追放されてしまった。
のんびり暮らそうとしたけどそうもいかなくなって。
僕たちは奇妙なスキルを駆使して異世界で生き延びる。
緩~いファンタージ物語です。のんびりと書いていきます。
本文はなるべく簡潔に、サクサク進むようにしています。
暇つぶしに読んでいただいて、楽しんでくださると嬉しいです。
なろう様にも投稿。
捨てられた幼女ですが、公爵家に拾われたら家族みんなの愛が重すぎました
幼い頃に母親に捨てられ、孤児院で暮らしていた少女リリア。
「役に立たなければ、また捨てられる」
そう思い、いつも“いい子”でいようとしていた彼女は、ある日、公爵家の馬車を助けたことをきっかけに屋敷へ招かれる。
そこで待っていたのは、娘に甘すぎる公爵夫妻に、妹を構いたがるレオン、そしてリリアを甘やかしたい使用人たち。
戸惑いながらも、少しずつ公爵家に居場所を見つけていくリリア。やがて夫妻から「私たちの娘になってほしい」と告げられて――。
これは、捨てられないために“いい子”でいようとしていた少女が、重すぎるほどの愛情に包まれ、本当の家族を見つけていく物語。
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました
夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。
彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。
けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。
セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。
夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
番の証が出ないと捨てられたので、神様に確かめてもらいます
「番の証が出ぬからだ」
和平のために獣人国へ嫁いで四年。獣王ガイウス様との儀式は三度、三度とも証は出ませんでした。「人間の娘では神は認めぬ」——そう言われて、離宮へ。
雨漏りの下で眠り、井戸をさらい、畑を耕して。泣かなかったのは強いからではありません。獣人には、匂いでわかってしまうから。
嫁ぐ前に三年かけて読み込んだ婚姻法典。その第四章に、こうありました。
『既に誓いを結びたる者が、重ねて他者と誓いを立てんとする時、神は後の誓いを認めず』
——証が出なかったのは、わたしが人間だからではない。
長老会に申し立てたのは、解釈の確認だけ。わたしは悪くない、とは一言も書きませんでした。
遡誓の儀で神殿に浮かんだのは、六年前の秋の「成立」と、わたしの三度の「不成立(重複)」でした。
飛べないと捨てられたので、竜ごと出て行きます
「お前は竜に乗れもしない、ただの妻だろう」
竜騎士団長の夫はそう言って、飛べる従騎士の娘を選びましたわ。
ええ、わたくしは飛べません。十二年、地上におりました。
夜明け前に三十一頭の寝息を数え、歯を磨き、爪の砂を取り、冬に毛布を掛け、契約を編んで。——この国でただひとりの「調律者」として。
竜は、人を乗せない生き物ですのよ。竜自身が「乗せてもいい」と決めない限り。そして竜が誰の言葉で頷いてきたか、あの方は十二年、一度もお考えにならなかった。
離縁されて、わたくしは竜舎を出ました。
三日後から、竜は一頭も飛ばなくなりましたの。
怒っているのではありませんのよ。竜は報復をしませんもの。ただ——寂しいのです。
そして来月は、三年に一度の、契約更新日ですわ。
土下座する王妃の座などいらないので、冒険者に転職します。
「私が愛しているのはエルナ。君だけだ」
エルナは自分の夫でありハーメルン王国の国王であるカメルを愛していた。
彼がどれほど自分より隣国の聖女を優先しようとも。
結婚して二年が経っても初夜を迎えたことがなかろうとも。
しかし。
「エルナ。君に失望した。聖女を陥れていじめるとはな。罪を認め、ひざまずいて謝罪するように」
一年に一度の建国記念宴会であり結婚記念日に、カメルはすべての貴族や外国の使節団が見ている前で、エルナに身に覚えのない罪を認めろと断罪した。
愛が壊れるのは一瞬。
だからこそ、エルナはその場でひざまずいた。頭を地面にこすりつけて謝罪した。
「聖女を陰謀にかけた大罪人エルナは、この時間をもって王妃の座から退き、平民となりますことをお許しください。聖女様とどうかお幸せに」
*ゆるい設定です。不快に思われる方はブラウザバックをお願いします。
婚約破棄を受け入れた瞬間、王太子殿下が青ざめました
王都でもっとも華やかな春の夜会。その中央で、王太子エドワードは冷ややかな目を婚約者へ向けていた。
「リリアーナ・フォン・アルベルト公爵令嬢。君との婚約を、ここで破棄する」
会場が一瞬で静まり返る。
リリアーナは淡い金髪を揺らし、静かに王太子を見つめ返した。
「理由を、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「理由など明白だ。君は嫉妬深く、心が狭い。それに比べ、私は真実の愛を見つけた」
そう言ってエドワードが隣へ引き寄せたのは、男爵令嬢のセシリアだった。