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結婚式まで②
快速電車のような馬車の旅は順調だ。
あれから襲撃もなく、穏やかに過ぎている。
ノワール程のスピードではないが、通常より早く進む輿入れ行列。パワーの有り余っている元気とコハクが並走。たまに三人娘も。これでいい感じに疲労するのか、夜になるとあっという間に寝てくれるからありがたい。
数日経つと、仔達はすっかりマーファの騎士の皆さんに懐いたようで、よく、撫でてもらってる。
それからフェリアレーナ王女様だ。毎日お美しいこと。はい、今日も拝みます。
王女様は毎朝必ず私達や、マーファの騎士の皆さんに挨拶に来てくれる。後ろの朝日が後光だ。まぶしか。
「おはようございます皆様。本日も宜しくお願いいたします」
毎朝だよ。
なんて礼儀正しい王女様だろう。
もしかしたら、これが本来の王族なのかな。友好国の王女様を誘拐する皇帝が異常なんだろうね。
それから、王女様のオンオフがしっかりしてる。宿泊先では、上品を塊にした、正に王女様の姿だけど、途中の休憩の時はとても気さくな女性だ。それから元気とコハクが毎朝お腹を出して、大歓迎。やはり、美人に弱いのかね。
「まあ、可愛い。なんて可愛いのかしら」
褒められて、私の鼻がどーんと伸びる。始めは元気とコハクを王女様が触るのを、周りの従者の皆さん反対していたけど、
「セザール様が太鼓判を押す方の従魔様ですわ。何の問題もありませんわよ。見て、このウルフの坊やの瞳、なんて美しいのでしょう」
と、鼻がどーんと伸びる。
「がぅがぅ」
コハクが焼きもち焼きもち。
「ふふ、貴方は素晴らしい毛並みですわよ」
伸びる。鼻がどーん、どーんと伸びる。それにしても美しいなあ。写真撮りたい、飾りたい。
しばらくしたら、三人娘も王女様に懐いてる。
「まあ、皆様、とても可愛いらしいわ」
ですって。私の鼻が伸びすぎて、ちぎれないだろうか。あー、写真撮りたい、飾りたい。拡大して飾りたい。
休息時間、ビアンカとルージュが周囲の安全確認。首都から一緒に来た従者の方達と親しげに話し、侍女の方とはシート敷いてお茶してるし。
私も呼ばれてしまいましたよ。あはははん。晃太を巻き込みたかったが、女子会だから、わい、嫌と言って逃げる。
いいのかな、私みたいな一般人がいても。わぁ、なんでフェリアレーナ王女様のお隣なの? 綺麗やあ、お肌艶々、キラキラ。
「あ、あの、私ここにいてもいいんですかね?」
どう聞いたらいいか分からず、直球で聞いてみた。
「勿論ですわ、こちらがお誘いしたのですから」
「ミズサワ様、どうぞ」
「はい、ありがとうございます」
二十歳過ぎの茶髪の侍女さんが、お茶を渡してくれる。この侍女さんが、リティアさんの姪さん。合流当日に挨拶はすんでいる。
甘い薫りがする。一口飲むと、あ、これは。
「ノータの紅茶に似てますね」
「まあ、ミズサワ様、ノータの紅茶をご存じですの?」
「はい、頂いたんです。紅茶はそれしか分かりませんが」
「ノータのベリーの紅茶は、私大好きなんです」
おう、王女様のお気に入り。ん、て、ことはあれ王室御用達みたいな? え、ノータの冒険者ギルドマスターさん、随分奮発したんじゃない?
聞くと、ノータのベリーの紅茶はユリアレーナでも有名。勿論ピンキリだけど、ギルドマスターから頂いた紅茶は入れ物や箱、包装紙まで綺麗だったから、高級品のはずだ。
「こちらはベリーの紅茶をブレンドしてますの」
「そうなんですね。酸味が少なくて、すっきりした感じです」
私はそのまま感想を述べると、王女様は嬉しそう。
なんだか、気さくな女性。綺麗なんだけど、あの『フェリアレーナ王女様』って感じではなく、『フェリアレーナさん』って感じや。
「ふふ、驚かれました? 私の今の姿に」
「あ、そうですね。実は、はいそうです。綺麗なことには変わりないのですが、なんというか、気さくな方と言うか」
「これが私の地、なんですのよ」
そう言って、王女様は紅茶を一口。姿勢の美しいこと。
「王女として、私は恵まれた生活を送らせてもらっています。ですから、ユリアレーナ国王の娘として恥じない行いをしなくてはなりません。ですが、どうしても息が詰まって堪らない時があります。なので、彼女達には私のわがままに付き合ってもらっているんです」
侍女の皆さんは、揃ってとんでもない、みたいな顔。
「こうやって、何もない所で、おしゃべりをする。この時間があるから、私は王女でいられるのです」
「そうなんですか」
きっと私みたいな、一般人には分からない苦労があるんだろうなあ。僅かな時間で、リセットしてるんやね。すごかなあ。私なんて1日ゴロゴロしてることあるのに。気ままに花や仔達をもふもふして、だらだらしてることもある。
少しの時間だったけど、お話しできて良かった。
王女様って言っても、私と変わらない人なんやねって思えたし。こうやって、短い時間でリセット出来るのは私と比べたらダメだけど、そういうものが必要だって分かると、ちょっぴり親近感。
「ミズサワ様、マーファでも良かったら、仲良くしていただけません?」
「それは勿論」
恐れ多いよ。だけど、少し寂しそうな陰が浮かんだので、即答してしまった。
「嬉しいですわ。また、ダンジョンのお話を聞かせてくださいね」
「うちのビアンカとルージュは、他の真面目な冒険者の皆さんにしたら、規格外ですから。本来のダンジョンアタックとは違いますよ」
「それでもお聞きするのが、楽しみなのです」
「なら、是非」
きっと社交辞令よね。マーファに到着して、ハルスフォン伯爵様の元に送り届けたら、会うことは叶わないはず。それでも、私は頷いた。
あれから襲撃もなく、穏やかに過ぎている。
ノワール程のスピードではないが、通常より早く進む輿入れ行列。パワーの有り余っている元気とコハクが並走。たまに三人娘も。これでいい感じに疲労するのか、夜になるとあっという間に寝てくれるからありがたい。
数日経つと、仔達はすっかりマーファの騎士の皆さんに懐いたようで、よく、撫でてもらってる。
それからフェリアレーナ王女様だ。毎日お美しいこと。はい、今日も拝みます。
王女様は毎朝必ず私達や、マーファの騎士の皆さんに挨拶に来てくれる。後ろの朝日が後光だ。まぶしか。
「おはようございます皆様。本日も宜しくお願いいたします」
毎朝だよ。
なんて礼儀正しい王女様だろう。
もしかしたら、これが本来の王族なのかな。友好国の王女様を誘拐する皇帝が異常なんだろうね。
それから、王女様のオンオフがしっかりしてる。宿泊先では、上品を塊にした、正に王女様の姿だけど、途中の休憩の時はとても気さくな女性だ。それから元気とコハクが毎朝お腹を出して、大歓迎。やはり、美人に弱いのかね。
「まあ、可愛い。なんて可愛いのかしら」
褒められて、私の鼻がどーんと伸びる。始めは元気とコハクを王女様が触るのを、周りの従者の皆さん反対していたけど、
「セザール様が太鼓判を押す方の従魔様ですわ。何の問題もありませんわよ。見て、このウルフの坊やの瞳、なんて美しいのでしょう」
と、鼻がどーんと伸びる。
「がぅがぅ」
コハクが焼きもち焼きもち。
「ふふ、貴方は素晴らしい毛並みですわよ」
伸びる。鼻がどーん、どーんと伸びる。それにしても美しいなあ。写真撮りたい、飾りたい。
しばらくしたら、三人娘も王女様に懐いてる。
「まあ、皆様、とても可愛いらしいわ」
ですって。私の鼻が伸びすぎて、ちぎれないだろうか。あー、写真撮りたい、飾りたい。拡大して飾りたい。
休息時間、ビアンカとルージュが周囲の安全確認。首都から一緒に来た従者の方達と親しげに話し、侍女の方とはシート敷いてお茶してるし。
私も呼ばれてしまいましたよ。あはははん。晃太を巻き込みたかったが、女子会だから、わい、嫌と言って逃げる。
いいのかな、私みたいな一般人がいても。わぁ、なんでフェリアレーナ王女様のお隣なの? 綺麗やあ、お肌艶々、キラキラ。
「あ、あの、私ここにいてもいいんですかね?」
どう聞いたらいいか分からず、直球で聞いてみた。
「勿論ですわ、こちらがお誘いしたのですから」
「ミズサワ様、どうぞ」
「はい、ありがとうございます」
二十歳過ぎの茶髪の侍女さんが、お茶を渡してくれる。この侍女さんが、リティアさんの姪さん。合流当日に挨拶はすんでいる。
甘い薫りがする。一口飲むと、あ、これは。
「ノータの紅茶に似てますね」
「まあ、ミズサワ様、ノータの紅茶をご存じですの?」
「はい、頂いたんです。紅茶はそれしか分かりませんが」
「ノータのベリーの紅茶は、私大好きなんです」
おう、王女様のお気に入り。ん、て、ことはあれ王室御用達みたいな? え、ノータの冒険者ギルドマスターさん、随分奮発したんじゃない?
聞くと、ノータのベリーの紅茶はユリアレーナでも有名。勿論ピンキリだけど、ギルドマスターから頂いた紅茶は入れ物や箱、包装紙まで綺麗だったから、高級品のはずだ。
「こちらはベリーの紅茶をブレンドしてますの」
「そうなんですね。酸味が少なくて、すっきりした感じです」
私はそのまま感想を述べると、王女様は嬉しそう。
なんだか、気さくな女性。綺麗なんだけど、あの『フェリアレーナ王女様』って感じではなく、『フェリアレーナさん』って感じや。
「ふふ、驚かれました? 私の今の姿に」
「あ、そうですね。実は、はいそうです。綺麗なことには変わりないのですが、なんというか、気さくな方と言うか」
「これが私の地、なんですのよ」
そう言って、王女様は紅茶を一口。姿勢の美しいこと。
「王女として、私は恵まれた生活を送らせてもらっています。ですから、ユリアレーナ国王の娘として恥じない行いをしなくてはなりません。ですが、どうしても息が詰まって堪らない時があります。なので、彼女達には私のわがままに付き合ってもらっているんです」
侍女の皆さんは、揃ってとんでもない、みたいな顔。
「こうやって、何もない所で、おしゃべりをする。この時間があるから、私は王女でいられるのです」
「そうなんですか」
きっと私みたいな、一般人には分からない苦労があるんだろうなあ。僅かな時間で、リセットしてるんやね。すごかなあ。私なんて1日ゴロゴロしてることあるのに。気ままに花や仔達をもふもふして、だらだらしてることもある。
少しの時間だったけど、お話しできて良かった。
王女様って言っても、私と変わらない人なんやねって思えたし。こうやって、短い時間でリセット出来るのは私と比べたらダメだけど、そういうものが必要だって分かると、ちょっぴり親近感。
「ミズサワ様、マーファでも良かったら、仲良くしていただけません?」
「それは勿論」
恐れ多いよ。だけど、少し寂しそうな陰が浮かんだので、即答してしまった。
「嬉しいですわ。また、ダンジョンのお話を聞かせてくださいね」
「うちのビアンカとルージュは、他の真面目な冒険者の皆さんにしたら、規格外ですから。本来のダンジョンアタックとは違いますよ」
「それでもお聞きするのが、楽しみなのです」
「なら、是非」
きっと社交辞令よね。マーファに到着して、ハルスフォン伯爵様の元に送り届けたら、会うことは叶わないはず。それでも、私は頷いた。
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