文字の大きさ
大
中
小
342 / 877
連載
マーファの日常②
次の日。
まずはティエ工房に朝イチで向かう。
工房主のティエさんは、ドワーフの女性だ。がっちりとした、白髪の混じった赤毛の女性。
すでに連絡が行っていたのか、直ぐに対応してくれた。私と晃太と、ホークさん、チュアンさんだけで入る。
「こちらの槍に土の属性魔法の補助を」
チュアンさんがカウンターに槍を出す。
「少し拝見しても?」
「どうぞ」
ティエさんは槍を手にして、チェック。
「うん。素晴らしい拵えですね。どちらで?」
「ダンジョンです」
「そうですか…………」
ティエさんは、しばらく槍を眺める。土の属性付くかな? ちょっと心配になってきた。
「テイマーさん」
「はい」
「どれくらいの付与をご希望で?」
「はい?」
言っている意味が分からない。
「クラウンスライムのコアがあれば、中級の補助が出来ますよ。この槍ならばそれくらいは耐えられるでしょう」
「獲ってきます」
スライム部屋確定やね。それからホークさんの鎧に、さくらの彫刻もお願いすると、快く受けてくれた。ただし、3日かかると。右肩にお願いした。肩だけ外せないので、丸ごと渡すことになる。うーん、ホークさんが無防備になるから不安。
フライパンの依頼をすると、
「これを? フライパンを? これで?」
何回も聞かれた。
軍隊蟻をぼこぼこに叩いてあちこち凹んでいる。
ティエさんはうんうん悩んでいる。武器? 武器? 武器? と。フライパン片手に悩んでいる。晃太がそっとカウンターに魔鉄のインゴットを出す。
「これは?」
「材料に使ってください。余ったらどうぞ」
「……………なんて品質のいい魔鉄。引き受けさせていただきます」
現金ー。
てきぱきとサイズ確認される。現在使用中の26センチフライパンと同じサイズにする。私と晃太の手のひらを測る。魔鉄を含み、付与が付くと。せっかくスライム部屋行くから豪勢に、ね。衝撃吸収と硬化強化、重量軽減。フライパンの作製、付与もろもろで3週間。
まずはスライム部屋だね。明日行こう。
挨拶してティエ工房を後にして、次はフロイスさんの工房に。
「ああ、お帰りなさい、テイマーさん」
フロイスさんはお変わり無さそうだ。
「ワイバーンの革、お持ちしました」
直ぐに、フロイスさんはワイバーンの革をチェック。
「素晴らしいですね。はい、確認しました。では、サイズを測りましょう」
いつも着ているポンチョを渡す。
それからノワールに乗った時のマントね。フロイスさんに誘導されて長椅子に、ホークさんと座る。後ろから餃子の皮のホークさんが包み込んでくれる。いつもみたいにね。
……………………………は、恥ずか。
なんや、ノワールに乗るときとは違う恥ずかしさがっ。
フロイスさんがてきぱきとサイズを測る。
はよ、終わらんかな? 恥ずかしかっ。恥ずかしかっ。晃太とチュアンさんが、ふーんみたいな顔して見てるしっ。は、恥ずかしかっ。ぷしゅーっ。見られるって恥ずかしかっ。
「はい、終わりましたよ」
「……………はい」
ぷしゅーっ。
エマちゃんのジャケットを測っている間に、そっと息を整えて、フロイスさんに向き直る。
「フロイスさん、お忙しくなければ、この革でズボンとか出来ますか?」
「もちろん出来ますよ」
良かった。フロイスさんは全員分のズボンの作製を受けてくれた。チュアンさんは今ので十分だって言ったけど、前線で接近戦するからね、危ないもん。話していると更に追加分の装備品を頼むことになる。私と晃太にアームカバーだ。運転の時に着ける日焼け止めのやつね。ワイバーンの革だから十分に防御力がある。そして薄手なので、上から籠手とかも装備してもよさそうだ。ここまでやったら色々つくっちゃえ、鷹の目の皆さんにも作っちゃえ。さくらの刻印もお願いする。
作製、付与で2ヶ月でできると。数が多いからね。
よしよし、装備品が揃って来た。
最後にフロイスさんがワイバーンの革の購入希望あり、10枚販売した。
挨拶して、フロイスさんの工房を後にする。さ、次々。
まずはティエ工房に朝イチで向かう。
工房主のティエさんは、ドワーフの女性だ。がっちりとした、白髪の混じった赤毛の女性。
すでに連絡が行っていたのか、直ぐに対応してくれた。私と晃太と、ホークさん、チュアンさんだけで入る。
「こちらの槍に土の属性魔法の補助を」
チュアンさんがカウンターに槍を出す。
「少し拝見しても?」
「どうぞ」
ティエさんは槍を手にして、チェック。
「うん。素晴らしい拵えですね。どちらで?」
「ダンジョンです」
「そうですか…………」
ティエさんは、しばらく槍を眺める。土の属性付くかな? ちょっと心配になってきた。
「テイマーさん」
「はい」
「どれくらいの付与をご希望で?」
「はい?」
言っている意味が分からない。
「クラウンスライムのコアがあれば、中級の補助が出来ますよ。この槍ならばそれくらいは耐えられるでしょう」
「獲ってきます」
スライム部屋確定やね。それからホークさんの鎧に、さくらの彫刻もお願いすると、快く受けてくれた。ただし、3日かかると。右肩にお願いした。肩だけ外せないので、丸ごと渡すことになる。うーん、ホークさんが無防備になるから不安。
フライパンの依頼をすると、
「これを? フライパンを? これで?」
何回も聞かれた。
軍隊蟻をぼこぼこに叩いてあちこち凹んでいる。
ティエさんはうんうん悩んでいる。武器? 武器? 武器? と。フライパン片手に悩んでいる。晃太がそっとカウンターに魔鉄のインゴットを出す。
「これは?」
「材料に使ってください。余ったらどうぞ」
「……………なんて品質のいい魔鉄。引き受けさせていただきます」
現金ー。
てきぱきとサイズ確認される。現在使用中の26センチフライパンと同じサイズにする。私と晃太の手のひらを測る。魔鉄を含み、付与が付くと。せっかくスライム部屋行くから豪勢に、ね。衝撃吸収と硬化強化、重量軽減。フライパンの作製、付与もろもろで3週間。
まずはスライム部屋だね。明日行こう。
挨拶してティエ工房を後にして、次はフロイスさんの工房に。
「ああ、お帰りなさい、テイマーさん」
フロイスさんはお変わり無さそうだ。
「ワイバーンの革、お持ちしました」
直ぐに、フロイスさんはワイバーンの革をチェック。
「素晴らしいですね。はい、確認しました。では、サイズを測りましょう」
いつも着ているポンチョを渡す。
それからノワールに乗った時のマントね。フロイスさんに誘導されて長椅子に、ホークさんと座る。後ろから餃子の皮のホークさんが包み込んでくれる。いつもみたいにね。
……………………………は、恥ずか。
なんや、ノワールに乗るときとは違う恥ずかしさがっ。
フロイスさんがてきぱきとサイズを測る。
はよ、終わらんかな? 恥ずかしかっ。恥ずかしかっ。晃太とチュアンさんが、ふーんみたいな顔して見てるしっ。は、恥ずかしかっ。ぷしゅーっ。見られるって恥ずかしかっ。
「はい、終わりましたよ」
「……………はい」
ぷしゅーっ。
エマちゃんのジャケットを測っている間に、そっと息を整えて、フロイスさんに向き直る。
「フロイスさん、お忙しくなければ、この革でズボンとか出来ますか?」
「もちろん出来ますよ」
良かった。フロイスさんは全員分のズボンの作製を受けてくれた。チュアンさんは今ので十分だって言ったけど、前線で接近戦するからね、危ないもん。話していると更に追加分の装備品を頼むことになる。私と晃太にアームカバーだ。運転の時に着ける日焼け止めのやつね。ワイバーンの革だから十分に防御力がある。そして薄手なので、上から籠手とかも装備してもよさそうだ。ここまでやったら色々つくっちゃえ、鷹の目の皆さんにも作っちゃえ。さくらの刻印もお願いする。
作製、付与で2ヶ月でできると。数が多いからね。
よしよし、装備品が揃って来た。
最後にフロイスさんがワイバーンの革の購入希望あり、10枚販売した。
挨拶して、フロイスさんの工房を後にする。さ、次々。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!
【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!
青空一夏(ざまぁ×癒し×溺愛)
庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、
王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。
――だが、彼女はまだ知らなかった。
「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。
心が折れかけたそのとき。
彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。
「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」
妹を守るためなら、学園にだって入る!
冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。
※兄が妹を溺愛するお話しです。
※ざまぁはありますが、それがメインではありません。
※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。