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確保と依頼⑧
カルーラへの出発まで、バタバタと過ごす。
まず、冒険者ギルドに出発日を伝える。それに伴い晃太に対して、搬送依頼があり、出発前日に預かることになる。治験に関してダワーさんからお話があるからと、明日面会となる。
それから仔達の薬の為の薬草摘みには、マデリーンさん、ミゲル君、エマちゃんとテオ君。それから父とルージュとコハクとヒスイが冷蔵庫ダンジョンに向かう。
私と晃太、ホークさんとチュアンさん。ビアンカと元気とルリとクリスは、ノワールの装備品を受け取りに向かう。
実際に装着し、何か問題がないか、最終チェックする。
うわあ、でかかあ。ノワールの装備品でかかあ。黒い体躯に合うような、黒い馬具。わあ、迫力満点。これが全力疾走で来たら、まっすぐ逃げるよ。どうやって加工したんだろう? あの分厚い革を。
装備品はまず晃太がアイテムボックスにしまい、ノワールのいい位置で出す。こうすればわざわざ重い装備品を抱えなくてもいいしね。
軽く走らせるために、一旦マーファの外に出る。アトリスさんともう一人ベテラン職人さんと共に馬車で移動。うちのSランクの馬車には驚かれたけどね。
移動し、早速ノワールに装備品を装着していく。ホークさんが指示して、晃太がアイテムボックスから装備品を出していく。ベルトを締めて、しっかり装着。
うわあ、圧巻。
本当に、ノワールこれから何処に行くの? これで鎧着たホークさんが乗ったら、まさに辺り一面が戦場のように見えてしまう。
分厚い革を使用して、落ち着いた色合いの黒い馬具。右胸に、さくらの刻印あり。兜に胸当て、お尻もカバーするのもあるし、足にもしっかりとしたすね当て。縁取りには職人芸がちらりと見える、然り気無く草木の柄が光る。
アトリスさんとベテラン職人さんが、ベルトやあちこちチェック。
「ミズサワさん、どんな具合か分かりますか?」
「ノワール、痛くないね? どこかきつくないね?」
「ブヒヒンッ」
『痛くないって言っているのです。動きやすくて、ぴったりだと言っているのです』
ビアンカが通訳してくれ、そのまま伝える。
アトリスさんが安心したような顔。
「多少余裕を持たせ、内側にワイバーンの柔らかい革を使用したのが良かったですな。付与には重量軽減、遮断を主にしております。レッサードラゴンの革ですので、かなり物理・魔法防御力がありますが、クラウンスライムのコアでそれらを追加しております」
「ありがとうございます」
「では。実際に走って貰えますか?」
「ホークさんお願いします」
「はい、ユイさん」
ホークさんが、いつものように、鞍を掴んで軽くジャンプ。
「ノワール、軽くよ、軽く」
「ブヒヒンッ」
わーっ。
新しい装備品に興奮したのか、ノワールは勢いよく前肢で空を切る。
「ブヒヒーンッ」
『少し走りたいと、言っているのです』
「ユイさん、少し走らせたほうがっ」
常にノワールの手綱を操るホークさんが流石の察しがいい。
「ホークさんにお任せしますっ」
その方がいいはずっ。
私の許可あり、ノワールは爆走していく。
「ビアンカ。心配やけん、付いていってくれん?」
『いいのですよ。元気、大人しくしているのですよ』
そう言ってビアンカは駆けていく。
「す、素晴らしい手綱捌きですな」
アトリスさんが爆走していったホークさんとノワールを見て、思わずぽつりとこぼす。
「姉ちゃん。時間かからんね?」
「そうやねえ」
ルリとクリスがビアンカが走って行った先を見て、不安そうだ。よしよし。元気はチュアンさんに撫でてもらっている。
時間がかからないか心配したけど、意外と早く帰って来た。
「ブヒヒンッ」
「帰りましたっ」
はい、お帰りなさい。
「どんな感じですか?」
身軽に飛び降りるホークさん。
「特に問題は無いように感じました」
「ブヒヒーンッ」
『痛くないって言っているのです』
「そうな。アトリスさん、問題ないみたいです」
「そうですか、良かったです」
アトリスさんもベテラン職人さんも安心したような顔だ。
まだ走りたいノワールを宥めて、工房に戻る。なんだかんだと革の加工に手間取ったり、ワイバーンの革を内側に仕込む作業が追加したりで、予算オーバーしたけど、許容範囲内だ。ノワール自身、たくさん貢献してくれているからね。
最後に全員分のブーツを受けとる。私と晃太はがっちりレッサードラゴンのブーツ。膝下まであり、今までの靴より確実に重いが仕方ない。もへじ生活の軽量靴だったしね。アーミーブーツだ。鷹の目の皆さんのブーツも受けとる。靴底と足先にレッサードラゴンの革を使用し、それ以外はワイバーンの革だ。うーん、チュアンさんとエマちゃんのブーツが並ぶと、大きさに差が出るなあ。大人と子供だ。まあ、体格差があるからね。体重なんてチュアンさん、きっとエマちゃんの倍はあるしね。
ながながと加工に携わってくれたアトリスさん達にご挨拶。たっぷり詰め込んだ菓子折りも渡して、工房を後にした。
次の日。
ギルドでダワーさんと面会する。
お変わりなさそうだ。
「ミズサワ殿、カルーラに行かれるとお聞きしまして」
「はい、おそらく1年はかかると思います」
「治験に対して、あれだけの資金を提供して頂いたのに、配当がまだまともに出来ず申し訳ない」
「いいえ、こちらがお願いしているので」
治験の話を聞く。セザール様が言ったように順調で、データも揃いだしたと。首都の孤児院を協力機関にしたことや、マーファ近くの町にも治験を行い、データも集まっている。今年中には、首都の薬師ギルドで許可をもらい、国王様も参加する大きな会議で本決まりだ。
「本来ならここまで漕ぎ着けるにはあと数年かかるはずですが。すべてミズサワ殿に資金を提供して頂いたおかげです」
「いえいえ」
すべてビアンカとルージュのちゅどん、ドカンだからね。
「首都の薬師ギルドからも、仮のデータを送った時点でいい返事がありましたから、薬師ギルドは問題はないと思います」
国王様が参加する大きな会議は、秋のグーテオークションの前になるそう。セザール様とダワーさんが参加するそうだ。頑張ってください。
「それから、ミズサワ殿、治験薬の名前をどうしましょうか?」
「え? 名前?」
「そうです。本来の発起人はミズサワ殿ですから」
「あー」
治験薬の名前かあ。うーん、どうしよう。ちら、と晃太を見る。目で「任せる」と返事あり。
うーん、うーん、うーん、ダメだ、思い浮かばん。お金出しただけで、難しい事を全部お任せしたし。作り続けたのは薬師の皆さんだし、常用依頼として冒険者の皆さんが薬草を探している。しかもその資金は私が汗水流して稼いだわけじゃないし。
「お任せします。思い浮かばないので。あ、私達と分かるような名前は避けて欲しいです」
ダワーさんは、山賊顔で困った顔をする。だけど、私が考えを変えないのを理解してくれて、納得してくれた。
「ミズサワ殿がそれでいいのでしたら」
それからダワーさんは、小さな包みをテーブルに出す。
「アサシンシャークのサプリメントです。こちらは今回の配当になります。これだけしか配当できず申し訳ない」
「いいえ、十分です」
コラーゲン、コラーゲン、コラーゲン。お肌艶々。
「こちらは関節の再生効果があります」
「デシタネー」
「1錠では関節の完全再生はしません。軽傷なら10日程で再生します。再生しても、1週間は関節に過度に負荷をかけず、できるだけ安静が必要です。日常生活くらいは大丈夫ですが。内服は1日1錠内服です。50錠あります」
「ありがとうございます」
ありがたく頂こう。よくよく考えたらすごい効果や。もし、鷹の目の皆さんが関節痛めたら、必要になるはずだしね。最近両親は関節痛を訴えない。おそらく神様から頂いた自己回復Sのおかげだと思う。
ダワーさんに挨拶して、ギルドを後にした。
まず、冒険者ギルドに出発日を伝える。それに伴い晃太に対して、搬送依頼があり、出発前日に預かることになる。治験に関してダワーさんからお話があるからと、明日面会となる。
それから仔達の薬の為の薬草摘みには、マデリーンさん、ミゲル君、エマちゃんとテオ君。それから父とルージュとコハクとヒスイが冷蔵庫ダンジョンに向かう。
私と晃太、ホークさんとチュアンさん。ビアンカと元気とルリとクリスは、ノワールの装備品を受け取りに向かう。
実際に装着し、何か問題がないか、最終チェックする。
うわあ、でかかあ。ノワールの装備品でかかあ。黒い体躯に合うような、黒い馬具。わあ、迫力満点。これが全力疾走で来たら、まっすぐ逃げるよ。どうやって加工したんだろう? あの分厚い革を。
装備品はまず晃太がアイテムボックスにしまい、ノワールのいい位置で出す。こうすればわざわざ重い装備品を抱えなくてもいいしね。
軽く走らせるために、一旦マーファの外に出る。アトリスさんともう一人ベテラン職人さんと共に馬車で移動。うちのSランクの馬車には驚かれたけどね。
移動し、早速ノワールに装備品を装着していく。ホークさんが指示して、晃太がアイテムボックスから装備品を出していく。ベルトを締めて、しっかり装着。
うわあ、圧巻。
本当に、ノワールこれから何処に行くの? これで鎧着たホークさんが乗ったら、まさに辺り一面が戦場のように見えてしまう。
分厚い革を使用して、落ち着いた色合いの黒い馬具。右胸に、さくらの刻印あり。兜に胸当て、お尻もカバーするのもあるし、足にもしっかりとしたすね当て。縁取りには職人芸がちらりと見える、然り気無く草木の柄が光る。
アトリスさんとベテラン職人さんが、ベルトやあちこちチェック。
「ミズサワさん、どんな具合か分かりますか?」
「ノワール、痛くないね? どこかきつくないね?」
「ブヒヒンッ」
『痛くないって言っているのです。動きやすくて、ぴったりだと言っているのです』
ビアンカが通訳してくれ、そのまま伝える。
アトリスさんが安心したような顔。
「多少余裕を持たせ、内側にワイバーンの柔らかい革を使用したのが良かったですな。付与には重量軽減、遮断を主にしております。レッサードラゴンの革ですので、かなり物理・魔法防御力がありますが、クラウンスライムのコアでそれらを追加しております」
「ありがとうございます」
「では。実際に走って貰えますか?」
「ホークさんお願いします」
「はい、ユイさん」
ホークさんが、いつものように、鞍を掴んで軽くジャンプ。
「ノワール、軽くよ、軽く」
「ブヒヒンッ」
わーっ。
新しい装備品に興奮したのか、ノワールは勢いよく前肢で空を切る。
「ブヒヒーンッ」
『少し走りたいと、言っているのです』
「ユイさん、少し走らせたほうがっ」
常にノワールの手綱を操るホークさんが流石の察しがいい。
「ホークさんにお任せしますっ」
その方がいいはずっ。
私の許可あり、ノワールは爆走していく。
「ビアンカ。心配やけん、付いていってくれん?」
『いいのですよ。元気、大人しくしているのですよ』
そう言ってビアンカは駆けていく。
「す、素晴らしい手綱捌きですな」
アトリスさんが爆走していったホークさんとノワールを見て、思わずぽつりとこぼす。
「姉ちゃん。時間かからんね?」
「そうやねえ」
ルリとクリスがビアンカが走って行った先を見て、不安そうだ。よしよし。元気はチュアンさんに撫でてもらっている。
時間がかからないか心配したけど、意外と早く帰って来た。
「ブヒヒンッ」
「帰りましたっ」
はい、お帰りなさい。
「どんな感じですか?」
身軽に飛び降りるホークさん。
「特に問題は無いように感じました」
「ブヒヒーンッ」
『痛くないって言っているのです』
「そうな。アトリスさん、問題ないみたいです」
「そうですか、良かったです」
アトリスさんもベテラン職人さんも安心したような顔だ。
まだ走りたいノワールを宥めて、工房に戻る。なんだかんだと革の加工に手間取ったり、ワイバーンの革を内側に仕込む作業が追加したりで、予算オーバーしたけど、許容範囲内だ。ノワール自身、たくさん貢献してくれているからね。
最後に全員分のブーツを受けとる。私と晃太はがっちりレッサードラゴンのブーツ。膝下まであり、今までの靴より確実に重いが仕方ない。もへじ生活の軽量靴だったしね。アーミーブーツだ。鷹の目の皆さんのブーツも受けとる。靴底と足先にレッサードラゴンの革を使用し、それ以外はワイバーンの革だ。うーん、チュアンさんとエマちゃんのブーツが並ぶと、大きさに差が出るなあ。大人と子供だ。まあ、体格差があるからね。体重なんてチュアンさん、きっとエマちゃんの倍はあるしね。
ながながと加工に携わってくれたアトリスさん達にご挨拶。たっぷり詰め込んだ菓子折りも渡して、工房を後にした。
次の日。
ギルドでダワーさんと面会する。
お変わりなさそうだ。
「ミズサワ殿、カルーラに行かれるとお聞きしまして」
「はい、おそらく1年はかかると思います」
「治験に対して、あれだけの資金を提供して頂いたのに、配当がまだまともに出来ず申し訳ない」
「いいえ、こちらがお願いしているので」
治験の話を聞く。セザール様が言ったように順調で、データも揃いだしたと。首都の孤児院を協力機関にしたことや、マーファ近くの町にも治験を行い、データも集まっている。今年中には、首都の薬師ギルドで許可をもらい、国王様も参加する大きな会議で本決まりだ。
「本来ならここまで漕ぎ着けるにはあと数年かかるはずですが。すべてミズサワ殿に資金を提供して頂いたおかげです」
「いえいえ」
すべてビアンカとルージュのちゅどん、ドカンだからね。
「首都の薬師ギルドからも、仮のデータを送った時点でいい返事がありましたから、薬師ギルドは問題はないと思います」
国王様が参加する大きな会議は、秋のグーテオークションの前になるそう。セザール様とダワーさんが参加するそうだ。頑張ってください。
「それから、ミズサワ殿、治験薬の名前をどうしましょうか?」
「え? 名前?」
「そうです。本来の発起人はミズサワ殿ですから」
「あー」
治験薬の名前かあ。うーん、どうしよう。ちら、と晃太を見る。目で「任せる」と返事あり。
うーん、うーん、うーん、ダメだ、思い浮かばん。お金出しただけで、難しい事を全部お任せしたし。作り続けたのは薬師の皆さんだし、常用依頼として冒険者の皆さんが薬草を探している。しかもその資金は私が汗水流して稼いだわけじゃないし。
「お任せします。思い浮かばないので。あ、私達と分かるような名前は避けて欲しいです」
ダワーさんは、山賊顔で困った顔をする。だけど、私が考えを変えないのを理解してくれて、納得してくれた。
「ミズサワ殿がそれでいいのでしたら」
それからダワーさんは、小さな包みをテーブルに出す。
「アサシンシャークのサプリメントです。こちらは今回の配当になります。これだけしか配当できず申し訳ない」
「いいえ、十分です」
コラーゲン、コラーゲン、コラーゲン。お肌艶々。
「こちらは関節の再生効果があります」
「デシタネー」
「1錠では関節の完全再生はしません。軽傷なら10日程で再生します。再生しても、1週間は関節に過度に負荷をかけず、できるだけ安静が必要です。日常生活くらいは大丈夫ですが。内服は1日1錠内服です。50錠あります」
「ありがとうございます」
ありがたく頂こう。よくよく考えたらすごい効果や。もし、鷹の目の皆さんが関節痛めたら、必要になるはずだしね。最近両親は関節痛を訴えない。おそらく神様から頂いた自己回復Sのおかげだと思う。
ダワーさんに挨拶して、ギルドを後にした。
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