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カルーラへ④
戦闘しています、ご注意ください
ノワールの馬車は、なだらかとは言えない道なき道を進む。ぐらぐらと揺れる馬車の中、私は魔力回復ポーションを飲む。
アイテムボックス内のポーション類を確認する。各種ポーションしっかりある。
「姉ちゃん、見えてきたよッ」
どれくらいしたか、窓から晃太の声が飛び込む。共に爆発音は破裂音も飛び込んでくる。
チュアンさん達も、すでに準備万端だ。
私はこのカルーラへの移動中は、常にしっかり装備品を身に付けている。フロイスさん製作のワイバーンのポンチョ、ベスト、ズボン。レッサードラゴンのブーツもある。一応、冒険者ですからね。
「エマ、テオ、ユイさんのフォローを」
チュアンさんが指示を出す。
「「はいっ」」
しっかり返事をする双子。
私には装備品があるが、戦闘には全く役に立たない。常にビアンカとルージュが保護してくれるからね。自覚はあるよ、役立たずだもん。なので、怪我人とかいた時の救護要員や。役に立てるかな? 私には救急外来も外科の経験もないから。
馬車は一際揺れて、停車する。
「行くぞっ」
後ろのドアを開けて、チュアンさんを先頭に飛び出していく。私は最後ね。
飛び込んできた景色は、思わずたじろぐ。原っぱ的な開けた場所で、人も馬も、オルクも倒れている。それから、黒っぽい毛並みの超大型犬、違う、顔的にはハイエナや、牛のように大きい。あれにオルクが、乗ってるの? いやや、いやなライダー系や。そしてひとかたまりで戦闘しておらず、見える範囲であちこちで戦っている。
ビアンカは風乙女(シルフィリア)とルージュは光の貴婦人(リュミライトレディ)で走り回る。仔達も魔法を連発しているが、何せ広大にあちこちで戦闘が展開されている。
「ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが馬車から外れて、いつものように飛び出して、あ、ハイエナに乗ったオルクと遭遇。
ドカンッ
表現はあれだが、まるで大型バイクが、三輪車を吹き飛ばしている。もちろん大型バイクはノワール、三輪車はオルクね。盛大に吹っ飛んでる。
ホークさんは続けて矢を放ち、次々に見事命中していく。晃太は支援の為に走る。チュアンさんとマデリーンさん、ミゲル君は晃太を守り、移動しながらの戦闘を展開している。
私はどう動くか迷うが、視界の端で、落馬して剣を振るう騎士が。その足元には倒れた別の騎士。魔法馬も倒れて、必死にあがいている。向こうはハイエナに跨がり、かなり有利のようだ。
私はそっちに走る。すると、私の周りに光のリンゴが浮かぶ。ルージュのフォローだ。ありがたい。
オルクと交戦している騎士に駆け付ける。
光のリンゴが、ハイエナに乗っているオルクの頭を吹き飛ばす。えぐいっ、ハイエナはバランスを崩す。そこを逃さず、ハイエナの首に交戦していた騎士が剣を突き立てる。
私達はその騎士に駆け寄る。赤毛の背丈の高い男性だ。
「誰だ……………」
掠れた声で聞いてくる。
「あの従魔の主人です」
「そうか、ごほっ、感謝する………」
かなり消耗しているのか、その場に座り込む。
「エマちゃん、こん人に水分補給してからポーションを」
「はいっ」
「テオ君はこっちにっ」
「はいっ」
私は分からないなり指示を出す。
魔法馬はなんとか立ち上がっている。右前肢に傷があるから、後からポーションやな。
その前に、私は倒れている騎士に駆け寄る。
左腕、胸、腹部に切り傷が。足にもある。だが、息をしている。
まずは外傷をどうにか。ケチケチせん、上級ポーションを傷口にかけていく。すると白い煙を上げて、逆再生の様に傷口が塞がっていく。凄かなあ、医療が発達しないのも頷ける。
「う、うぅっ……………」
「気がつかれました?」
目を開ける。わあ、緑や。まだ若い男性や。
なんとか起き上がろうとして、男性が身を捩る。私は腕でしっかり背中を支える。血やら汗の匂いが鼻を付く。この若い騎士は助かりそうだが、まだまだ痛そうな顔している。
「テオ君、背中支えて」
「はいっ」
「さあ、このポーションを飲んでください」
私はもう一本のポーションを出す。今度は中級ポーション。上級ポーションは効果が高いが、中毒症になりやすい。シュタインさんのようなあんな大怪我以外は、連用は避けるそうだ。連用すると下手したら回復に体力が付いていけず、そのままってこともあると。連用する場合、治療魔法で体力回復しながらが、最もいいんだって。傷は治ったが、その治療で亡くなるなんて笑えない。ホークさんから聞きました。うちで治療魔法が使えるチュアンさんは、直ぐ近くで戦闘している。ハイエナをマデリーンさんの火の矢が直撃し、横転、上にいたオルクをチュアンさんの槍が一突きしている。とてもじゃないが、こちらにまで手が回らない。
「げふっ、げふっ……………」
若い騎士は、噎せながらも中級ポーションを飲み干す。次にスポーツ飲料水を出す。ポーション不味いからね。
「塩と砂糖が入っています」
「はあっ、はあっ、ごくごく………………はあっ」
若い騎士は自分でなんとか座り直す。一息着いた時、テオ君が叫ぶ。
「エマッ」
振り返ると、剣を抜いて、赤毛の騎士を守るように立つエマちゃん。その向こうで、ハイエナに跨がったオルクが2騎接近してきている。更にその後ろで徒歩、違う歩兵のオルクがずらりと迫って来る。
いくら装備品がいいからって、エマちゃんには無理や。テオ君が飛び出していく、私はフライパンを抜く。
間に合わない。無理だ、私はもちろんだが、テオ君が、間に合わない。チュアンさん達も交戦していて、少し離れてしまっている、こちらに背中を向けている。私の背中に冷や汗が流れ落ちる。
光のリンゴがエマちゃんの周りを囲い、赤毛の騎士が、剣を握り、立ち上がり、エマちゃんの肩を掴んで後ろに引き下げる。
交差する直前に横から白い毛並みが飛びかかる。
コハクとヒスイだ。
茶色のラインを浮かび上がせたコハクは走って来た勢いのまま、ハイエナの首に食らいつく。その勢いのまま、コハクは食らいついた所を支点に、宙を舞う。
メキメキメキメキッ
ハイエナの首が横に半回転。白眼向いて轟音を立てて倒れる。それに騎乗していたオルクは、もたついていたが、ハイエナが倒れた瞬間、コハクのベビージャガーパンチの一撃で、首があっちに向く。コハクがーっ、ビアンカみたいな戦いかたしたーっ。しかも、パンチ一撃って。いや驚く前に、私は走る。
「ヒスイーッ」
ヒスイはハイエナの首に食らいつき、気道を塞いでいる。向こうもじっとしているわけない。ヒスイを振り払おうとしている。足でも当たったら大怪我やし、何より騎乗しているオルクが不安定な中、武器を掲げて狙っている。ヒスイを。
「ガァァーッ」
コハクが跳躍。再びベビージャガーパンチ炸裂。今度は首が一回転して、ぽろり。ひーっ。鞍に足をひっかけたまま、だらりとぶら下がるオルク。
ボキィッ バタン
ヒスイが食らいついていたハイエナが倒れる。なんか折れる音したけど。
「コハクッ、ヒスイッ、怪我はないねっ」
「がるぅ」
『ねえね、いちげき、できなかった~』
そこっ? しかも、ヒスイの顔、ぶー、みたいな。こんな事態やけど、かわいかっ。ま、まあ、怪我はないようやね。私はほっとすると。駆けていくかわいかお尻が2つ。
「ガウゥッ」
『まけないもんっ』
ちょっとちょっと、コハク君や、ヒスイちゃんや、なんの勝負をしとるんねっ。
わざわざ前に立ってくれた赤毛の騎士が、呆然としてる。
コハクとヒスイが向かった先は、歩兵のオルク。あ、いかん、結構な数っ。
『大丈夫よ、ユイ。あの程度のオルクで、遅れは取らないわ』
いつの間に近くにきていたルージュ。ルージュの言う通り、駆け抜けるコハクとヒスイをオルクは止められないし、別の意味でも倒れている。ホークさんの放つ矢が次々射抜いている。
あっちでは、元気が変わらず雷を飛ばし、ルリとクリスはチュアンさん達と合流して魔法を放つ。ビアンカも容赦ないし、ノワールは暴走列車のように走り回る。
私は気を取り直して、魔法馬の手当てをする。怯える魔法馬は、ルージュがちょっと唸ると大人しくなった。
「ルージュ、私は大丈夫やけん。オルクば追い払って」
『分かったわ』
まだあちこちで戦闘している。ビアンカとルージュがいても、引かないのならば、向こうも何かしら抵抗できる手段があるってことや。
ルージュは光のリンゴを追加で出して、駆け出していく。
回復した赤毛の騎士と若い騎士が加わり、私達は治療の為に駆け出した。
ノワールの馬車は、なだらかとは言えない道なき道を進む。ぐらぐらと揺れる馬車の中、私は魔力回復ポーションを飲む。
アイテムボックス内のポーション類を確認する。各種ポーションしっかりある。
「姉ちゃん、見えてきたよッ」
どれくらいしたか、窓から晃太の声が飛び込む。共に爆発音は破裂音も飛び込んでくる。
チュアンさん達も、すでに準備万端だ。
私はこのカルーラへの移動中は、常にしっかり装備品を身に付けている。フロイスさん製作のワイバーンのポンチョ、ベスト、ズボン。レッサードラゴンのブーツもある。一応、冒険者ですからね。
「エマ、テオ、ユイさんのフォローを」
チュアンさんが指示を出す。
「「はいっ」」
しっかり返事をする双子。
私には装備品があるが、戦闘には全く役に立たない。常にビアンカとルージュが保護してくれるからね。自覚はあるよ、役立たずだもん。なので、怪我人とかいた時の救護要員や。役に立てるかな? 私には救急外来も外科の経験もないから。
馬車は一際揺れて、停車する。
「行くぞっ」
後ろのドアを開けて、チュアンさんを先頭に飛び出していく。私は最後ね。
飛び込んできた景色は、思わずたじろぐ。原っぱ的な開けた場所で、人も馬も、オルクも倒れている。それから、黒っぽい毛並みの超大型犬、違う、顔的にはハイエナや、牛のように大きい。あれにオルクが、乗ってるの? いやや、いやなライダー系や。そしてひとかたまりで戦闘しておらず、見える範囲であちこちで戦っている。
ビアンカは風乙女(シルフィリア)とルージュは光の貴婦人(リュミライトレディ)で走り回る。仔達も魔法を連発しているが、何せ広大にあちこちで戦闘が展開されている。
「ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが馬車から外れて、いつものように飛び出して、あ、ハイエナに乗ったオルクと遭遇。
ドカンッ
表現はあれだが、まるで大型バイクが、三輪車を吹き飛ばしている。もちろん大型バイクはノワール、三輪車はオルクね。盛大に吹っ飛んでる。
ホークさんは続けて矢を放ち、次々に見事命中していく。晃太は支援の為に走る。チュアンさんとマデリーンさん、ミゲル君は晃太を守り、移動しながらの戦闘を展開している。
私はどう動くか迷うが、視界の端で、落馬して剣を振るう騎士が。その足元には倒れた別の騎士。魔法馬も倒れて、必死にあがいている。向こうはハイエナに跨がり、かなり有利のようだ。
私はそっちに走る。すると、私の周りに光のリンゴが浮かぶ。ルージュのフォローだ。ありがたい。
オルクと交戦している騎士に駆け付ける。
光のリンゴが、ハイエナに乗っているオルクの頭を吹き飛ばす。えぐいっ、ハイエナはバランスを崩す。そこを逃さず、ハイエナの首に交戦していた騎士が剣を突き立てる。
私達はその騎士に駆け寄る。赤毛の背丈の高い男性だ。
「誰だ……………」
掠れた声で聞いてくる。
「あの従魔の主人です」
「そうか、ごほっ、感謝する………」
かなり消耗しているのか、その場に座り込む。
「エマちゃん、こん人に水分補給してからポーションを」
「はいっ」
「テオ君はこっちにっ」
「はいっ」
私は分からないなり指示を出す。
魔法馬はなんとか立ち上がっている。右前肢に傷があるから、後からポーションやな。
その前に、私は倒れている騎士に駆け寄る。
左腕、胸、腹部に切り傷が。足にもある。だが、息をしている。
まずは外傷をどうにか。ケチケチせん、上級ポーションを傷口にかけていく。すると白い煙を上げて、逆再生の様に傷口が塞がっていく。凄かなあ、医療が発達しないのも頷ける。
「う、うぅっ……………」
「気がつかれました?」
目を開ける。わあ、緑や。まだ若い男性や。
なんとか起き上がろうとして、男性が身を捩る。私は腕でしっかり背中を支える。血やら汗の匂いが鼻を付く。この若い騎士は助かりそうだが、まだまだ痛そうな顔している。
「テオ君、背中支えて」
「はいっ」
「さあ、このポーションを飲んでください」
私はもう一本のポーションを出す。今度は中級ポーション。上級ポーションは効果が高いが、中毒症になりやすい。シュタインさんのようなあんな大怪我以外は、連用は避けるそうだ。連用すると下手したら回復に体力が付いていけず、そのままってこともあると。連用する場合、治療魔法で体力回復しながらが、最もいいんだって。傷は治ったが、その治療で亡くなるなんて笑えない。ホークさんから聞きました。うちで治療魔法が使えるチュアンさんは、直ぐ近くで戦闘している。ハイエナをマデリーンさんの火の矢が直撃し、横転、上にいたオルクをチュアンさんの槍が一突きしている。とてもじゃないが、こちらにまで手が回らない。
「げふっ、げふっ……………」
若い騎士は、噎せながらも中級ポーションを飲み干す。次にスポーツ飲料水を出す。ポーション不味いからね。
「塩と砂糖が入っています」
「はあっ、はあっ、ごくごく………………はあっ」
若い騎士は自分でなんとか座り直す。一息着いた時、テオ君が叫ぶ。
「エマッ」
振り返ると、剣を抜いて、赤毛の騎士を守るように立つエマちゃん。その向こうで、ハイエナに跨がったオルクが2騎接近してきている。更にその後ろで徒歩、違う歩兵のオルクがずらりと迫って来る。
いくら装備品がいいからって、エマちゃんには無理や。テオ君が飛び出していく、私はフライパンを抜く。
間に合わない。無理だ、私はもちろんだが、テオ君が、間に合わない。チュアンさん達も交戦していて、少し離れてしまっている、こちらに背中を向けている。私の背中に冷や汗が流れ落ちる。
光のリンゴがエマちゃんの周りを囲い、赤毛の騎士が、剣を握り、立ち上がり、エマちゃんの肩を掴んで後ろに引き下げる。
交差する直前に横から白い毛並みが飛びかかる。
コハクとヒスイだ。
茶色のラインを浮かび上がせたコハクは走って来た勢いのまま、ハイエナの首に食らいつく。その勢いのまま、コハクは食らいついた所を支点に、宙を舞う。
メキメキメキメキッ
ハイエナの首が横に半回転。白眼向いて轟音を立てて倒れる。それに騎乗していたオルクは、もたついていたが、ハイエナが倒れた瞬間、コハクのベビージャガーパンチの一撃で、首があっちに向く。コハクがーっ、ビアンカみたいな戦いかたしたーっ。しかも、パンチ一撃って。いや驚く前に、私は走る。
「ヒスイーッ」
ヒスイはハイエナの首に食らいつき、気道を塞いでいる。向こうもじっとしているわけない。ヒスイを振り払おうとしている。足でも当たったら大怪我やし、何より騎乗しているオルクが不安定な中、武器を掲げて狙っている。ヒスイを。
「ガァァーッ」
コハクが跳躍。再びベビージャガーパンチ炸裂。今度は首が一回転して、ぽろり。ひーっ。鞍に足をひっかけたまま、だらりとぶら下がるオルク。
ボキィッ バタン
ヒスイが食らいついていたハイエナが倒れる。なんか折れる音したけど。
「コハクッ、ヒスイッ、怪我はないねっ」
「がるぅ」
『ねえね、いちげき、できなかった~』
そこっ? しかも、ヒスイの顔、ぶー、みたいな。こんな事態やけど、かわいかっ。ま、まあ、怪我はないようやね。私はほっとすると。駆けていくかわいかお尻が2つ。
「ガウゥッ」
『まけないもんっ』
ちょっとちょっと、コハク君や、ヒスイちゃんや、なんの勝負をしとるんねっ。
わざわざ前に立ってくれた赤毛の騎士が、呆然としてる。
コハクとヒスイが向かった先は、歩兵のオルク。あ、いかん、結構な数っ。
『大丈夫よ、ユイ。あの程度のオルクで、遅れは取らないわ』
いつの間に近くにきていたルージュ。ルージュの言う通り、駆け抜けるコハクとヒスイをオルクは止められないし、別の意味でも倒れている。ホークさんの放つ矢が次々射抜いている。
あっちでは、元気が変わらず雷を飛ばし、ルリとクリスはチュアンさん達と合流して魔法を放つ。ビアンカも容赦ないし、ノワールは暴走列車のように走り回る。
私は気を取り直して、魔法馬の手当てをする。怯える魔法馬は、ルージュがちょっと唸ると大人しくなった。
「ルージュ、私は大丈夫やけん。オルクば追い払って」
『分かったわ』
まだあちこちで戦闘している。ビアンカとルージュがいても、引かないのならば、向こうも何かしら抵抗できる手段があるってことや。
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