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連載
一旦は④
カルーラに帰って来て次の日。
私達は革を扱う工房にやって来た。こちらはギルドで紹介してもらった。
ラソノさんが悩んだ上でチョイスしてくれた。腕はカルーラ一番なんだって。オシリスの鞍は、ノワールみたいにがっちりしたのではなく、簡単に着脱可能なぴらっとした感じのだ。だけど、飛行するオシリスに合わせた物を作って貰わなくてはならない。必要なら付与もしてもらわないとね、王冠スライムのコアがまだ幾つかあるしね。
木札を受け取り、晃太を先頭に進む。隣には昨日の夕方魔境をしっかり走らせておとなしいぷりぷり元気とチュアンさん。私の隣にはホークさんとビアンカ。ぴったり張り付くアレス。オシリスは最後尾に付いてきている。
カルーラの工房通りと呼ばれる通りに入る。今までのマルシェのような賑わいではなく、静かな感じだ。パーカーさんのお店がある通りと似ている。
晃太がキョロキョロして、角を曲がり、目的の工房を発見。
ペッリル工房
ラソノさんの話だと、カルーラで長く革工房を経営し、その業績などから爵位を賜った、ペッリル子爵家が携わっている。現在はその子爵家の兄妹が職人として共同経営している。
「ここやな、姉ちゃん」
「ん、ありがとう」
さ、入りましょう。
『うざいのです……………』
ビアンカがため息ついてる。すりすりするアレスに、げんなりしている。
「アレス、あんまりせんよ。元気、ビアンカの側におるんよ」
「わふんっ」
『分かっているのだ~』
『うざいのです~、ユイ、早くなのです~』
ビアンカは前肢でアレスの顔を押し返している。それでもアレスはにまにま。
「ごめんください」
私は工房のドアを押し開ける。
カラン、カラン、とドアに着いたベルがなる。落ち着いた店内はそこまで広くないが、独特な匂いが漂う。革のサンプルの台帳があり、壁にはサンプル品の靴や鞄、ミゲル君が着用している感じの革鎧もある。展示品と書かれてる。
「はーいっ、いらっしゃいませーっ」
ちらほら見ていると、中から快活な感じの若い女性が出てきた。
「ギルドの紹介で伺いました」
私は若い女性に木札を渡すと、直ぐに対応してくれる。
「はい、ではマスターをよんで参りますので、こちらでお待ちください」
ソファーを勧められて、私と晃太が着席する。ホークさんとチュアンさんがソファーの後ろに立つ。
直ぐに中高年の男女がやって来た。
「ギルドからの紹介だとお伺いしました。私は工房主のイピオス・ペッリル。こちらは共同経営をしています妹のアグノスです」
「アグノス・ヤッヒィでございます」
「ミズサワです。よろしくお願いします」
丁寧に挨拶をくれるので、私と晃太もぺこり。
「では、早速、どのような」
失礼と断ってからソファーに座ったイピオスさんが、早速聞いてくる。
「鞍と手綱の作成をお願いしたいんです。出来るだけ軽く、薄く、動きやすい」
と、説明していると、対面のイピオスさんとアグノスさんの視線が、ドアに向かう。
カラン、カラン。
「くう~ん」
「あ、こら元気っ」
ドアを鼻で押し開けた元気が甘えた声で私の元に。こらこら、もふもふ、ペロペロ。
「す、すみません、直ぐに出しますので」
慌てて、外に連れだそうとするが、固まっていたイピオスさんとアグノスさんが再起動する。
「いえいえ、大丈夫ですよ。まさかとは思いましたが、噂のテイマー様でしたか、失礼をしました。しかし、立派なウルフですね。毛並みが素晴らしいっ」
誉めてもらって、私の鼻がぐんっ、と伸びる。
「まだ、幼体なんで甘えん坊で」
もふもふ、ペロペロ。元気はそのまま床に臥せの体勢になり、顎だけ私の膝にのせる。あはははん、かわいか。
「幼体、その大きさで?」
アグノスさんが驚いている。そう、元気は5匹の仔達の中でも飛び抜けてデカイ。聞くと、成体のハンターウルフくらいのサイズらしい。
「ええ、まだ2歳なんですよ」
「ほう。ならば母体はもっと大型なんですか?」
「3倍以上はあります」
わあ、みたいな顔だけど、お2人とも好奇心一杯みたいな顔だ。
「もしかして、ウルフに騎乗されるのですか? その為の鞍ですか?」
「いえ、そうではなくて、あ、会ってみます?」
ちら、とホークさんに確認の視線を投げると、こくん、と了承の頷きあり。
「外にいますので」
「そうですか。では是非に」
私達はイピオスさんとアグノスさんとドアの向こうに。
「「わっふっ」」
流石兄妹、息が合ってる。真ん前にビアンカがいて、そのビアンカに張り付くアレス。
「こ、これはっ、素晴らしいっ」
「なんて素晴らしい毛並みっ」
興奮気味の兄妹。うふふふふん、毎日ブラッシングして、定期的にシャンプーしてますからね。
『ユイ、終わったのです?』
「まだよ」
はぁ、とため息つくビアンカ。
「オシリス、来てん」
ビアンカとアレスの後ろにいたオシリスが、私の声でひょっこりと顔を出す。
「「…………………………………」」
「こちらのオシリス、グリフォンですね。鞍と手綱はオシリス用なんです。空を飛びますので、出来るだけ動きやすくて、軽いのを」
「「……………………………………………………」」
「あの、イピオスさん?」
「「……………………………………………………………………是非にっ」」
はもったっ。でもって、目が、目が、血走ってるーっ。
「グリフォンに触れるなんて、この先絶対ないっ。我がペッリル工房にお任せをっ」
「そうだよ兄さんっ、この依頼、私達が総力を上げて対応させて頂きますぅっ」
「あ、あ、そうですか、それならお願いします」
勢いに負けて、私は頷く。
「さ、サイズ測りましょう、さ、こちらに」
「さ、こちらにー」
はい、どうも。
通されたのは裏庭みたいな所ね。ただ、そこまで広くないからオシリスと元気だけね。ビアンカが『早くなのです~』と呟く。
細かいサイズとか、リクエストはホークさんにお任せ。私は具材だからね。
ホークさんがこんなこんな感じと伝えて、イピオスさんが、フリーハンドで簡単なデザインを描く。凄か、ちょっと聞いただけで、ほぼ原型が。
私と晃太とチュアンさんは再び店内に戻る。あの快活な若い女性がお茶と焼き菓子を出してくれた。頂きます。ふーふー。元気が焼き菓子を狙うので、ダメよと言うが、きゅーん、と鳴くのでダメな飼い主陥落。焼き菓子が無くなると、若い女性におねだりぷりぷり。
「こらっ元気っ、すみませんっ」
「あ、いえ大丈夫ですっ。とってもかわいいですね。触ってもいいですか?」
「はい、もちろん。この辺りをですね、こう、かいかい」
耳の後ろをかいかい。
「こうですか」
かいかい。
すると、元気は気持ち良さそうに、すり寄る。
「わあっ、かわいいっ」
鼻が伸びる。びよーん、と伸びる。
元気は気持ちいいのか、そのままごろり。
「きゃーっ、かわいいっ」
もふもふっ、もふもふっ。
体重が100キロオーバーでも、元気の人懐っこさはお得だ。
私達は革を扱う工房にやって来た。こちらはギルドで紹介してもらった。
ラソノさんが悩んだ上でチョイスしてくれた。腕はカルーラ一番なんだって。オシリスの鞍は、ノワールみたいにがっちりしたのではなく、簡単に着脱可能なぴらっとした感じのだ。だけど、飛行するオシリスに合わせた物を作って貰わなくてはならない。必要なら付与もしてもらわないとね、王冠スライムのコアがまだ幾つかあるしね。
木札を受け取り、晃太を先頭に進む。隣には昨日の夕方魔境をしっかり走らせておとなしいぷりぷり元気とチュアンさん。私の隣にはホークさんとビアンカ。ぴったり張り付くアレス。オシリスは最後尾に付いてきている。
カルーラの工房通りと呼ばれる通りに入る。今までのマルシェのような賑わいではなく、静かな感じだ。パーカーさんのお店がある通りと似ている。
晃太がキョロキョロして、角を曲がり、目的の工房を発見。
ペッリル工房
ラソノさんの話だと、カルーラで長く革工房を経営し、その業績などから爵位を賜った、ペッリル子爵家が携わっている。現在はその子爵家の兄妹が職人として共同経営している。
「ここやな、姉ちゃん」
「ん、ありがとう」
さ、入りましょう。
『うざいのです……………』
ビアンカがため息ついてる。すりすりするアレスに、げんなりしている。
「アレス、あんまりせんよ。元気、ビアンカの側におるんよ」
「わふんっ」
『分かっているのだ~』
『うざいのです~、ユイ、早くなのです~』
ビアンカは前肢でアレスの顔を押し返している。それでもアレスはにまにま。
「ごめんください」
私は工房のドアを押し開ける。
カラン、カラン、とドアに着いたベルがなる。落ち着いた店内はそこまで広くないが、独特な匂いが漂う。革のサンプルの台帳があり、壁にはサンプル品の靴や鞄、ミゲル君が着用している感じの革鎧もある。展示品と書かれてる。
「はーいっ、いらっしゃいませーっ」
ちらほら見ていると、中から快活な感じの若い女性が出てきた。
「ギルドの紹介で伺いました」
私は若い女性に木札を渡すと、直ぐに対応してくれる。
「はい、ではマスターをよんで参りますので、こちらでお待ちください」
ソファーを勧められて、私と晃太が着席する。ホークさんとチュアンさんがソファーの後ろに立つ。
直ぐに中高年の男女がやって来た。
「ギルドからの紹介だとお伺いしました。私は工房主のイピオス・ペッリル。こちらは共同経営をしています妹のアグノスです」
「アグノス・ヤッヒィでございます」
「ミズサワです。よろしくお願いします」
丁寧に挨拶をくれるので、私と晃太もぺこり。
「では、早速、どのような」
失礼と断ってからソファーに座ったイピオスさんが、早速聞いてくる。
「鞍と手綱の作成をお願いしたいんです。出来るだけ軽く、薄く、動きやすい」
と、説明していると、対面のイピオスさんとアグノスさんの視線が、ドアに向かう。
カラン、カラン。
「くう~ん」
「あ、こら元気っ」
ドアを鼻で押し開けた元気が甘えた声で私の元に。こらこら、もふもふ、ペロペロ。
「す、すみません、直ぐに出しますので」
慌てて、外に連れだそうとするが、固まっていたイピオスさんとアグノスさんが再起動する。
「いえいえ、大丈夫ですよ。まさかとは思いましたが、噂のテイマー様でしたか、失礼をしました。しかし、立派なウルフですね。毛並みが素晴らしいっ」
誉めてもらって、私の鼻がぐんっ、と伸びる。
「まだ、幼体なんで甘えん坊で」
もふもふ、ペロペロ。元気はそのまま床に臥せの体勢になり、顎だけ私の膝にのせる。あはははん、かわいか。
「幼体、その大きさで?」
アグノスさんが驚いている。そう、元気は5匹の仔達の中でも飛び抜けてデカイ。聞くと、成体のハンターウルフくらいのサイズらしい。
「ええ、まだ2歳なんですよ」
「ほう。ならば母体はもっと大型なんですか?」
「3倍以上はあります」
わあ、みたいな顔だけど、お2人とも好奇心一杯みたいな顔だ。
「もしかして、ウルフに騎乗されるのですか? その為の鞍ですか?」
「いえ、そうではなくて、あ、会ってみます?」
ちら、とホークさんに確認の視線を投げると、こくん、と了承の頷きあり。
「外にいますので」
「そうですか。では是非に」
私達はイピオスさんとアグノスさんとドアの向こうに。
「「わっふっ」」
流石兄妹、息が合ってる。真ん前にビアンカがいて、そのビアンカに張り付くアレス。
「こ、これはっ、素晴らしいっ」
「なんて素晴らしい毛並みっ」
興奮気味の兄妹。うふふふふん、毎日ブラッシングして、定期的にシャンプーしてますからね。
『ユイ、終わったのです?』
「まだよ」
はぁ、とため息つくビアンカ。
「オシリス、来てん」
ビアンカとアレスの後ろにいたオシリスが、私の声でひょっこりと顔を出す。
「「…………………………………」」
「こちらのオシリス、グリフォンですね。鞍と手綱はオシリス用なんです。空を飛びますので、出来るだけ動きやすくて、軽いのを」
「「……………………………………………………」」
「あの、イピオスさん?」
「「……………………………………………………………………是非にっ」」
はもったっ。でもって、目が、目が、血走ってるーっ。
「グリフォンに触れるなんて、この先絶対ないっ。我がペッリル工房にお任せをっ」
「そうだよ兄さんっ、この依頼、私達が総力を上げて対応させて頂きますぅっ」
「あ、あ、そうですか、それならお願いします」
勢いに負けて、私は頷く。
「さ、サイズ測りましょう、さ、こちらに」
「さ、こちらにー」
はい、どうも。
通されたのは裏庭みたいな所ね。ただ、そこまで広くないからオシリスと元気だけね。ビアンカが『早くなのです~』と呟く。
細かいサイズとか、リクエストはホークさんにお任せ。私は具材だからね。
ホークさんがこんなこんな感じと伝えて、イピオスさんが、フリーハンドで簡単なデザインを描く。凄か、ちょっと聞いただけで、ほぼ原型が。
私と晃太とチュアンさんは再び店内に戻る。あの快活な若い女性がお茶と焼き菓子を出してくれた。頂きます。ふーふー。元気が焼き菓子を狙うので、ダメよと言うが、きゅーん、と鳴くのでダメな飼い主陥落。焼き菓子が無くなると、若い女性におねだりぷりぷり。
「こらっ元気っ、すみませんっ」
「あ、いえ大丈夫ですっ。とってもかわいいですね。触ってもいいですか?」
「はい、もちろん。この辺りをですね、こう、かいかい」
耳の後ろをかいかい。
「こうですか」
かいかい。
すると、元気は気持ち良さそうに、すり寄る。
「わあっ、かわいいっ」
鼻が伸びる。びよーん、と伸びる。
元気は気持ちいいのか、そのままごろり。
「きゃーっ、かわいいっ」
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※小説家になろう様にも投稿しています※