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一旦は⑥
次の日。
両親と花以外のメンバーでお出かけ。
西門で待ち合わせ少し前に行くと、既にイピオスさん達が待っていた。アグノスさんと、あの若い女性と若い男性職人さん。元気がぷりぷりと挨拶に向かう。
「すみません、お待たせしました」
「いえ、我等が早く来てしまっただけですので。いやあ、素晴らしい従魔ですなあ。お噂は伺っていましたが、正に壮観」
皆でっかいからね。まだシルフィ達はちっちゃいけどね。シルフィは大型柴犬サイズ、イフリィ達は中型柴犬サイズ。種族の差かな。すくすく育ってくれて嬉しか。
ご挨拶して、早速城門の外に。近くで飛ぶわけにはいかないから、ノワールの馬車に乗りある程度移動する。
散歩を兼ねてビアンカとルージュ達も並走する。アレスはでれでれとアリスに張り付いて走っている。シルフィ達は馬車内ね。馭者台にホークさんと晃太が座る。馬車内で流石カルーラ一の革工房職人さん。鷹の目の皆さんの装備品に興味津々だ。特にテオ君のシーサーペントの鎧には食い付きが凄かった。私達が冷蔵庫ダンジョンから出たシーサーペントの素材はここまで流れているが、テオ君の鎧に使用しているのは特殊上位種だ。作成したフロイスさんはユリアレーナでも、水属性の素材を扱う職人さんとしてかなり有名だそうだ。イピオスさん達はフロイスさんをご存知だそうだ。凄い人に色々たのんじゃったよ。
「イピオスさん達もシーサーペント扱えます?」
「冷蔵庫ダンジョンから出たものでしたら、私共でも扱えますが、私共は革専門ですので他に比べたらどうしても時間がかかりますね」
フロイスさんは革・装甲・鱗・甲羅系を扱える。本当に凄か人なんやな。
イピオスさん達は革専門なんだね。だから、玄武の革を時間かかっても加工できるのかな。でも、玄武の革を扱えると答えた職人さんは、初めてだ。
あ、そうや。時間かかってもいいから、作ってもらおうかな? チュアンさんの鎧。だって、前線で戦うチュアンさんの装備品はベストだけなんだもん。いくら質がよくても、ちょっと不安があったし。今のベストももちろん勿体無いけど、上手く使えんかな? デザインばさ。これは久しぶりに会議して、デザインの草案を。
うむ、私のは却下されそう世紀末やもん。
「イピオスさん。もし玄武の革の加工をお願いしたら、どれくらいにかかります。1人分の鎧として」
察したのか、チュアンさんが凄い顔。
「そうですなあ。2年はかかるかと」
あら、もっとかかるかと思ったけど。なら、お願いしよっかな。
「彼の鎧一式」
私はチュアンさんを示す。
「私には勿体無いですっ」
膝にノームを抱えたチュアンさんが首をブンブン振る。
そんなチュアンさんを見て、イピオスさんがふむふむと、何やら手持ちのわら半紙みたいなのに、書き出す。
「身長は190越え、体重も約110キロ。肩幅は」
ん? さらさらと書き出しているけど。
「なんで分かるんですか?」
「長く職人をしていますと、一見で大体の寸法が分かるようになりまして」
「へー」
かきかき、と続けるイピオスさん。
「…………………昨日、サイズ測る必要ありましたか?」
「細かいサイズとなると流石に実測が必要ですからね」
そっとアグノスさんが説明してくれる。
「うちの兄さんは空間認知能力が生まれつき高くて。この能力とデザインセンスで、ここまでやってこれたんです」
そう言えば、昨日もフリーハンドで鞍のデザイン描いてたのはこれね。もちろん職人としての技術も必要だけどね。
「あのユイさん、私には、勿体無いですっ」
チュアンさんの膝にイフリィまで乗ってきて、落とさないように抱えてる。
「まぁまぁ、チュアンさんには頑張って貰いますから」
だって、前線で槍や斧を振り回しているのに、そのベストだけじゃ心細いもん。
「イピオスさん、豪勢にお願いします」
「はい」
「ユイさんっ、私にはーっ」
シルフィとウインディまで乗ろうとして、チュアンさんの膝、満員御礼。
簡単なデザインを見せてもらうと、まるで武将のような感じ。日本じゃない、戦国武将じゃない。これはまるで。
「なんか、三○志の武将やな」
「そう、それ」
受ける感じはそうだ。
「今着用されているベストもなかなか上物ですから、玄武の鎧の上から羽織る形にしましたが、如何ですか?」
うん、よかやん。
「これで進めてください」
「はい」
「ユイさんっ、私にはーっ」
「チュアンさん、もう諦めり」
晃太が諭すように言い聞かせた。
「おおおおぉぉぉぉぉっ」
オシリスが空を羽ばたくと、イピオスさん達から感嘆の声が上がる。
オシリスは、ゆっくりと旋回したり、前に後ろに回転。いきなり急降下と急上昇。いやいやオシリス君や、私を乗せてそれ無理無理。意識飛ぶ。
イピオスさんはデザインの原画に、色々細かく書き込んでいく。オシリスの飛行姿を見ながら作画が進む。
アレスは仔達を連れて散歩に向かい、シルフィ達はアリスに見守られながら、ぽてぽて走ってる。ビアンカとルージュ、イシスはのんびり寝そべってる。ちら、ちら、とイシスを見ている若い女性と男性職人さん。どうやら、イシスとオシリスとの違いがあるのが珍しいんやろうね。体格はイシスが大きいし、羽角もあるしね。昨日あれから抜け落ちた羽がないか、見てみたがなかった。もともと簡単には落ちないらしいし。
私は晃太にお湯の入ったポットを出してもらい、紅茶を淹れる。最近冷えるからね。
しばらくしてデザインが無事に決まり、帰宅することに。2週間で仕上げてくれるそうだ。
帰りの馬車の中で、シルフィ達はおねむに。あはははん、口元がかわいか。
「ミズサワ様、実はお願いが」
おずおずとイピオスさんが。
「はい」
「よかったらでいいのですが、必要のない、抜け落ちたグリフォンの羽や、ウルフの毛や牙がありましたらお売りいただけたら……………」
あー、羽とか毛ねえ。牙は仔達が最近歯が生え変わり始めて、あるにはあるが、空のジャム瓶に入れて飾ってる。
あれは売りたくない。
ビアンカによると、上位のウルフは成体前頃より乳歯から永久歯に生え変わる。永久歯になっても、しばらくしたらまた別の牙に生え変わる。ただし、そのサイクルは100年を越すと。
「牙はそうそうないですが、もし、毛が出たらお譲りしますね」
「ありがとうございます」
そうだ、もしエリアボスの間で牙とか落ちていたら、拾っとこう。
チュアンさんの正解なサイズ測定は、明後日となる。明日にはパーティーハウスで話し合いだしね。
カルーラの城門でイピオスさん達と挨拶して別れた。
オシリスの騎乗が現実味を帯びてきたなあ。
ホークさんはオシリスに騎乗するからと、早速訓練を始めている。訓練といっても、実際に騎乗しているわけではない。まずはタオルケットを巻いてから、走ったり飛んだりだけど、オシリスはすぐにクリアして、今はタオルケットに米袋を入れて訓練している。オシリスは賢いのか、ホークさんの指導力がいいのか、スムーズに進んでいる。オシリスも素直にホークさんの言うこと聞くし。
最近、オシリスに掛かりっきりになっているホークさんに、ノワールはブヒブヒ言いながら頭を寄せている。
ノワールもそうなんだけど、オシリスも私が主人なのに、ホークさんに懐きすぎやない?
両親と花以外のメンバーでお出かけ。
西門で待ち合わせ少し前に行くと、既にイピオスさん達が待っていた。アグノスさんと、あの若い女性と若い男性職人さん。元気がぷりぷりと挨拶に向かう。
「すみません、お待たせしました」
「いえ、我等が早く来てしまっただけですので。いやあ、素晴らしい従魔ですなあ。お噂は伺っていましたが、正に壮観」
皆でっかいからね。まだシルフィ達はちっちゃいけどね。シルフィは大型柴犬サイズ、イフリィ達は中型柴犬サイズ。種族の差かな。すくすく育ってくれて嬉しか。
ご挨拶して、早速城門の外に。近くで飛ぶわけにはいかないから、ノワールの馬車に乗りある程度移動する。
散歩を兼ねてビアンカとルージュ達も並走する。アレスはでれでれとアリスに張り付いて走っている。シルフィ達は馬車内ね。馭者台にホークさんと晃太が座る。馬車内で流石カルーラ一の革工房職人さん。鷹の目の皆さんの装備品に興味津々だ。特にテオ君のシーサーペントの鎧には食い付きが凄かった。私達が冷蔵庫ダンジョンから出たシーサーペントの素材はここまで流れているが、テオ君の鎧に使用しているのは特殊上位種だ。作成したフロイスさんはユリアレーナでも、水属性の素材を扱う職人さんとしてかなり有名だそうだ。イピオスさん達はフロイスさんをご存知だそうだ。凄い人に色々たのんじゃったよ。
「イピオスさん達もシーサーペント扱えます?」
「冷蔵庫ダンジョンから出たものでしたら、私共でも扱えますが、私共は革専門ですので他に比べたらどうしても時間がかかりますね」
フロイスさんは革・装甲・鱗・甲羅系を扱える。本当に凄か人なんやな。
イピオスさん達は革専門なんだね。だから、玄武の革を時間かかっても加工できるのかな。でも、玄武の革を扱えると答えた職人さんは、初めてだ。
あ、そうや。時間かかってもいいから、作ってもらおうかな? チュアンさんの鎧。だって、前線で戦うチュアンさんの装備品はベストだけなんだもん。いくら質がよくても、ちょっと不安があったし。今のベストももちろん勿体無いけど、上手く使えんかな? デザインばさ。これは久しぶりに会議して、デザインの草案を。
うむ、私のは却下されそう世紀末やもん。
「イピオスさん。もし玄武の革の加工をお願いしたら、どれくらいにかかります。1人分の鎧として」
察したのか、チュアンさんが凄い顔。
「そうですなあ。2年はかかるかと」
あら、もっとかかるかと思ったけど。なら、お願いしよっかな。
「彼の鎧一式」
私はチュアンさんを示す。
「私には勿体無いですっ」
膝にノームを抱えたチュアンさんが首をブンブン振る。
そんなチュアンさんを見て、イピオスさんがふむふむと、何やら手持ちのわら半紙みたいなのに、書き出す。
「身長は190越え、体重も約110キロ。肩幅は」
ん? さらさらと書き出しているけど。
「なんで分かるんですか?」
「長く職人をしていますと、一見で大体の寸法が分かるようになりまして」
「へー」
かきかき、と続けるイピオスさん。
「…………………昨日、サイズ測る必要ありましたか?」
「細かいサイズとなると流石に実測が必要ですからね」
そっとアグノスさんが説明してくれる。
「うちの兄さんは空間認知能力が生まれつき高くて。この能力とデザインセンスで、ここまでやってこれたんです」
そう言えば、昨日もフリーハンドで鞍のデザイン描いてたのはこれね。もちろん職人としての技術も必要だけどね。
「あのユイさん、私には、勿体無いですっ」
チュアンさんの膝にイフリィまで乗ってきて、落とさないように抱えてる。
「まぁまぁ、チュアンさんには頑張って貰いますから」
だって、前線で槍や斧を振り回しているのに、そのベストだけじゃ心細いもん。
「イピオスさん、豪勢にお願いします」
「はい」
「ユイさんっ、私にはーっ」
シルフィとウインディまで乗ろうとして、チュアンさんの膝、満員御礼。
簡単なデザインを見せてもらうと、まるで武将のような感じ。日本じゃない、戦国武将じゃない。これはまるで。
「なんか、三○志の武将やな」
「そう、それ」
受ける感じはそうだ。
「今着用されているベストもなかなか上物ですから、玄武の鎧の上から羽織る形にしましたが、如何ですか?」
うん、よかやん。
「これで進めてください」
「はい」
「ユイさんっ、私にはーっ」
「チュアンさん、もう諦めり」
晃太が諭すように言い聞かせた。
「おおおおぉぉぉぉぉっ」
オシリスが空を羽ばたくと、イピオスさん達から感嘆の声が上がる。
オシリスは、ゆっくりと旋回したり、前に後ろに回転。いきなり急降下と急上昇。いやいやオシリス君や、私を乗せてそれ無理無理。意識飛ぶ。
イピオスさんはデザインの原画に、色々細かく書き込んでいく。オシリスの飛行姿を見ながら作画が進む。
アレスは仔達を連れて散歩に向かい、シルフィ達はアリスに見守られながら、ぽてぽて走ってる。ビアンカとルージュ、イシスはのんびり寝そべってる。ちら、ちら、とイシスを見ている若い女性と男性職人さん。どうやら、イシスとオシリスとの違いがあるのが珍しいんやろうね。体格はイシスが大きいし、羽角もあるしね。昨日あれから抜け落ちた羽がないか、見てみたがなかった。もともと簡単には落ちないらしいし。
私は晃太にお湯の入ったポットを出してもらい、紅茶を淹れる。最近冷えるからね。
しばらくしてデザインが無事に決まり、帰宅することに。2週間で仕上げてくれるそうだ。
帰りの馬車の中で、シルフィ達はおねむに。あはははん、口元がかわいか。
「ミズサワ様、実はお願いが」
おずおずとイピオスさんが。
「はい」
「よかったらでいいのですが、必要のない、抜け落ちたグリフォンの羽や、ウルフの毛や牙がありましたらお売りいただけたら……………」
あー、羽とか毛ねえ。牙は仔達が最近歯が生え変わり始めて、あるにはあるが、空のジャム瓶に入れて飾ってる。
あれは売りたくない。
ビアンカによると、上位のウルフは成体前頃より乳歯から永久歯に生え変わる。永久歯になっても、しばらくしたらまた別の牙に生え変わる。ただし、そのサイクルは100年を越すと。
「牙はそうそうないですが、もし、毛が出たらお譲りしますね」
「ありがとうございます」
そうだ、もしエリアボスの間で牙とか落ちていたら、拾っとこう。
チュアンさんの正解なサイズ測定は、明後日となる。明日にはパーティーハウスで話し合いだしね。
カルーラの城門でイピオスさん達と挨拶して別れた。
オシリスの騎乗が現実味を帯びてきたなあ。
ホークさんはオシリスに騎乗するからと、早速訓練を始めている。訓練といっても、実際に騎乗しているわけではない。まずはタオルケットを巻いてから、走ったり飛んだりだけど、オシリスはすぐにクリアして、今はタオルケットに米袋を入れて訓練している。オシリスは賢いのか、ホークさんの指導力がいいのか、スムーズに進んでいる。オシリスも素直にホークさんの言うこと聞くし。
最近、オシリスに掛かりっきりになっているホークさんに、ノワールはブヒブヒ言いながら頭を寄せている。
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