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変わらないもの⑤
「あの、ラソノさん。子供達の中で誘拐されたって子はいませんか?」
父は誘拐された子がいるって言ってたけど。
「まだ子供達がまともにこちらの受け答えが出来ない状況ですので、連中から聞き出しています。親元に問題があれば、こちらで保護が必要か判断します」
まだ、名前も聞き出せていない状況やから。私だけが口出したらダメやね。
「それから親から売られた子は、すべて修道院で保護します」
「そうですか」
そこで、ラソノさんが一旦別の職員さんに呼ばれて、席を外す。
『騒がしいのですね』
ビアンカがぽつり。ルリとクリスはおねだりしていたのに、いつの間にかおねむだ。
「忙しそうやね」
私は少し冷めたお茶を頂く。
「昨日の今日やろうけん。そうやない?」
猫舌の晃太もお茶を頂く。
「おそらく数日間はギルドはごたつきますよ」
と、ホークさん。
やはり、アスラ王国とユリアレーナ王国の王家が関わっているから、余計にだと。両国に連絡やら、なんやらで、イコスティ辺境伯も奔走しているだろうと。只でさえ、大討伐や末のお姫様の輿入れ準備でお忙しいのに。
「しかし、ユイさん、水際で防げたのは不幸中の幸いですよ。あの荷がユリアレーナ王家に届いた後にこの事が発覚したら、これ以上の騒ぎですよ」
けちのついた布で、お色直しのドレスで披露宴。つまりそれは関係ないのに、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢との仲が、勝手にそんなもんだろうと繋げる連中が出てきて、お二人の足を引っ張るだろうと。
いや、防げたとしても、言いそうな人はいそう。理由はジークフリード王太子殿下のまだ未定の側室狙い。側室に入り、どうするかは不明だが、ジークフリード王太子殿下の寵愛を奪い、正室のレティシア嬢より先に子を産む。ユリアレーナ王国の王位継承権は男女に差はない。産まれた順番だ。なんせ初代がアレーナ女王だから、女性だから、男性でなければと言う考えはない。王位継承権のある人達の中で、優秀な人が王になる。差が出るとしたら、産まれた順番くらい。なので先に子供を産めば、あわよくば正室のレティシア嬢より上に立てる。
説明してくれるけど、日本人感覚の私はよくわからん。なんで素直に、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚を祝ってあげれんのかね。
ユリアレーナ王家の皆様。特に私を第二側室にって話に怒ってくれたセレドニア陛下。そしてセレドニア陛下を援護するために、高齢にも関わらず社交界に復帰してくれたミッシェル王太后様。こんなペラペラの平民の私に手を握ってまで感謝してくれた綺麗なカトリーナ様、エレオノーラ様が浮かぶ。輿入れ行列の時に、お茶に気さくに誘ってくれ、わざわざ花嫁衣装姿を見せて、感謝してくれた、美しいフェリアレーナ様。
どうにかならんかなあ。私に、出きること、ないかなあ。うーん、うーん。なんとか、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚式が、滞りなくいく方法。
唸っても、私ではどうにも出来ない。不完全燃焼や。あー、王家の皆様に申し訳なかなあ。
晃太も、申し訳ないって考えには同意したけど。
「何ばしたらいいか分からん。思い付くのは、冷蔵庫ダンジョンから出る、布のいいやつば、王家に差し出すことくらいやけど」
「あ、あんたもそう思っとった?」
「やけど、今からマーファに戻れんし」
「そうよね。オシリスの騎乗があるし」
ヤマタノオロチ。
今は休眠しているが、どうにかしてその間に目視して、討伐方法を考えないと。
ルーティのダンジョンでも、布は出たには出たが、綿だったしなあ。まだ、サブ・ドアはルーティの18階に繋ぎっぱなしだけど。確実にシルクの布が出ると私達がわかっているのは、冷蔵庫ダンジョンだけ。
ぶひひん特急ノワールなら1ヶ月以内で帰りつくんやけどなあ。
無理かあ。
悶々としていると、ラソノさんが戻ってきた。
「申し訳ございません、お待たせしました」
「いいえ、お忙しいのに申し訳ありません。昨日のお話途中だったのも気になっていましたし」
「その事ですが、急ぎの依頼以外は、数日間お時間を頂けないかと……………」
ラソノさんが申し訳なさそうに言う。忙しいんやろうね。子供達のために。ギルドの人達にも、差し入れば検討せんとね。
「私達はそれで構いません。しばらくは遠くには行かないようにしますので」
『ユイ、散歩はダメなのです?』
「「しー」」
私と晃太の声が重なる。ラソノさんは首を傾げている。
だいたい、オシリスの鞍と、騎乗問題がある。
それがクリアしないと、進まない。
ごたついているのに長居は出来ず、最低限の書類処理をして、晃太が倉庫に品物を出しにいく。ほどなくしてすべて済んだので、ラソノさんに挨拶してギルドを出た。
懐中時計を見ると、まだ、時間がある。
「チュアンさん。シスター・アモルとの面会予約をしましょう」
「ユイさん?」
「いずれ子供達が修道院で保護されるなら、予め寄付の相談ばしたくて。勿論、チュアンさん同席してください」
「はい、喜んで」
修道院に向かい面会予約。4日後の午前中だ。
後は本日は後はペッリル工房で鞍を受け取りやな。
「あ、ケルンさん」
パーティーハウスに戻る途中で、ラスチャーニエがギルドから出てきた。
「ミズサワ殿。体調はどうですか? 昨日帰り際、あまり顔色がよろしくなかったですが」
「ご心配をおかけしました。すっかり良くなってます。昨日はありがとうございました」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」
それから少しお話、午後からオシリスの鞍の試運転をする話をすると興味を引いた。ならば、一緒に行くことになる。
「では、14時に西門で」
ケルンさんが、他のパーティーメンバーを連れて、引き上げていった。
さ、私達も、帰りましょうかね。
父は誘拐された子がいるって言ってたけど。
「まだ子供達がまともにこちらの受け答えが出来ない状況ですので、連中から聞き出しています。親元に問題があれば、こちらで保護が必要か判断します」
まだ、名前も聞き出せていない状況やから。私だけが口出したらダメやね。
「それから親から売られた子は、すべて修道院で保護します」
「そうですか」
そこで、ラソノさんが一旦別の職員さんに呼ばれて、席を外す。
『騒がしいのですね』
ビアンカがぽつり。ルリとクリスはおねだりしていたのに、いつの間にかおねむだ。
「忙しそうやね」
私は少し冷めたお茶を頂く。
「昨日の今日やろうけん。そうやない?」
猫舌の晃太もお茶を頂く。
「おそらく数日間はギルドはごたつきますよ」
と、ホークさん。
やはり、アスラ王国とユリアレーナ王国の王家が関わっているから、余計にだと。両国に連絡やら、なんやらで、イコスティ辺境伯も奔走しているだろうと。只でさえ、大討伐や末のお姫様の輿入れ準備でお忙しいのに。
「しかし、ユイさん、水際で防げたのは不幸中の幸いですよ。あの荷がユリアレーナ王家に届いた後にこの事が発覚したら、これ以上の騒ぎですよ」
けちのついた布で、お色直しのドレスで披露宴。つまりそれは関係ないのに、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢との仲が、勝手にそんなもんだろうと繋げる連中が出てきて、お二人の足を引っ張るだろうと。
いや、防げたとしても、言いそうな人はいそう。理由はジークフリード王太子殿下のまだ未定の側室狙い。側室に入り、どうするかは不明だが、ジークフリード王太子殿下の寵愛を奪い、正室のレティシア嬢より先に子を産む。ユリアレーナ王国の王位継承権は男女に差はない。産まれた順番だ。なんせ初代がアレーナ女王だから、女性だから、男性でなければと言う考えはない。王位継承権のある人達の中で、優秀な人が王になる。差が出るとしたら、産まれた順番くらい。なので先に子供を産めば、あわよくば正室のレティシア嬢より上に立てる。
説明してくれるけど、日本人感覚の私はよくわからん。なんで素直に、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚を祝ってあげれんのかね。
ユリアレーナ王家の皆様。特に私を第二側室にって話に怒ってくれたセレドニア陛下。そしてセレドニア陛下を援護するために、高齢にも関わらず社交界に復帰してくれたミッシェル王太后様。こんなペラペラの平民の私に手を握ってまで感謝してくれた綺麗なカトリーナ様、エレオノーラ様が浮かぶ。輿入れ行列の時に、お茶に気さくに誘ってくれ、わざわざ花嫁衣装姿を見せて、感謝してくれた、美しいフェリアレーナ様。
どうにかならんかなあ。私に、出きること、ないかなあ。うーん、うーん。なんとか、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚式が、滞りなくいく方法。
唸っても、私ではどうにも出来ない。不完全燃焼や。あー、王家の皆様に申し訳なかなあ。
晃太も、申し訳ないって考えには同意したけど。
「何ばしたらいいか分からん。思い付くのは、冷蔵庫ダンジョンから出る、布のいいやつば、王家に差し出すことくらいやけど」
「あ、あんたもそう思っとった?」
「やけど、今からマーファに戻れんし」
「そうよね。オシリスの騎乗があるし」
ヤマタノオロチ。
今は休眠しているが、どうにかしてその間に目視して、討伐方法を考えないと。
ルーティのダンジョンでも、布は出たには出たが、綿だったしなあ。まだ、サブ・ドアはルーティの18階に繋ぎっぱなしだけど。確実にシルクの布が出ると私達がわかっているのは、冷蔵庫ダンジョンだけ。
ぶひひん特急ノワールなら1ヶ月以内で帰りつくんやけどなあ。
無理かあ。
悶々としていると、ラソノさんが戻ってきた。
「申し訳ございません、お待たせしました」
「いいえ、お忙しいのに申し訳ありません。昨日のお話途中だったのも気になっていましたし」
「その事ですが、急ぎの依頼以外は、数日間お時間を頂けないかと……………」
ラソノさんが申し訳なさそうに言う。忙しいんやろうね。子供達のために。ギルドの人達にも、差し入れば検討せんとね。
「私達はそれで構いません。しばらくは遠くには行かないようにしますので」
『ユイ、散歩はダメなのです?』
「「しー」」
私と晃太の声が重なる。ラソノさんは首を傾げている。
だいたい、オシリスの鞍と、騎乗問題がある。
それがクリアしないと、進まない。
ごたついているのに長居は出来ず、最低限の書類処理をして、晃太が倉庫に品物を出しにいく。ほどなくしてすべて済んだので、ラソノさんに挨拶してギルドを出た。
懐中時計を見ると、まだ、時間がある。
「チュアンさん。シスター・アモルとの面会予約をしましょう」
「ユイさん?」
「いずれ子供達が修道院で保護されるなら、予め寄付の相談ばしたくて。勿論、チュアンさん同席してください」
「はい、喜んで」
修道院に向かい面会予約。4日後の午前中だ。
後は本日は後はペッリル工房で鞍を受け取りやな。
「あ、ケルンさん」
パーティーハウスに戻る途中で、ラスチャーニエがギルドから出てきた。
「ミズサワ殿。体調はどうですか? 昨日帰り際、あまり顔色がよろしくなかったですが」
「ご心配をおかけしました。すっかり良くなってます。昨日はありがとうございました」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」
それから少しお話、午後からオシリスの鞍の試運転をする話をすると興味を引いた。ならば、一緒に行くことになる。
「では、14時に西門で」
ケルンさんが、他のパーティーメンバーを連れて、引き上げていった。
さ、私達も、帰りましょうかね。
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