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○○説③
目を開けると、あまり見覚えのない天井。あ、パーティーハウスの寝室の天井や。
あら? 確か、冷蔵庫ダンジョンにおったよね?
あたたたたっ、頭が痛か。あの立て続けて鳴った警報音、結構頭に響いたなあ。時間を確認すると21時を過ぎてる。て、ことは5時間以上寝てたんや。
何故、ここに寝かされているかは分からないけど、起き上がる。ちゃんとパジャマや。早く、ヒスイ達を迎えに行かんと。
コンコン、とドアをノックされる。
『優衣、入るよ』
母や。
「よかよ」
ドアから入って来た母は、私を見てほっとしている。
「調子、どうね?」
「ちょっと頭が痛いだけやね」
原因は、あの連打の警報器やね、きっと。
「姉ちゃん、どうな?」
ドアから顔を覗かせる晃太。
「大丈夫よ。さ、ルームば開けよう。ビアンカ達が帰って来とるからね」
私はカーディガンをひっかけて立ち上がる。
「頭の痛みは、多分、警報器を連打して、私の頭が耐えられんかったんやないかな?」
「親父もそう言いよったよ」
寝室のドアには、ホークさんが待機してくれていた。
「ユイさん、お加減は?」
なんや、ホークさんの顔が、ちょっと苦しそうに歪んでいる。
「私はいいですけど。ホークさん、どこか痛いんやないですか?」
「俺は、大丈夫です」
?
「なら、いいですけど」
私達はぞろぞろと、居間に移動する。
「あっ、ユイさんっ」
「ユイさんっ」
エマちゃんとテオ君が心配顔で駆け寄ってくれる。
「ごめんね、心配かけたね」
ぷるぷると頭を振る双子。チュアンさん、マデリーンさん、ミゲル君が私の顔を見て安心している。エドワルドさんとツヴァイクさんもだ。山風の皆さんは流石に帰ったんだね。
花がクッションから起きて、牛蒡のような尻尾ぷりぷりしながらお出迎えしてくれる。よしよし。ソファーに座っていた父も安心したような顔だ。アリスも頭を上げる。お腹にはぴったりとシルフィ達がくっついて寝ている。アレスやオシリス、ノワールは倉庫やね。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました」
ぺこり。
皆さんも、いえいえと。
さて、焦る気持ちを抑えてルームを開ける。
電気を点けて、急ぎ足で、サブ・ドアに。
後ろにしっかり晃太と両親が続く。
ビアンカ、ルージュ、元気、コハク、ルリ、クリス、ヒスイ、ホルスがいるはず。イシスも各エリアボスの説得が無事に終わっていればいいけど。
私は魔境に繋がるサブ・ドアを開ける。
真っ暗な中で、ルームから溢れる光が照らす。暗闇の中で、静かに光るのは、緑と水色のオッドアイ。そして、真っ赤な目。
「ビアンカッ、ルージュッ」
『『ユイ』』
私は駆ける。お座りしていたビアンカとルージュも、すっと腰を上げる。
「ビアンカッ、ルージュッ、大丈夫よね? ケガはないよねっ」
『大丈夫なのですよ』
『そうよ』
私はビアンカとルージュの顔を覗き込み、触れる。
ケガはないようや、ほ、良かった。うっ、くさかっ、そして、べたべた。でもよか、もふもふ。で、元気達はどこやろ?
「ビアンカ、ルージュ」
晃太と両親も来て、現状確認する。
「ケガはないようやなぁ」
と、晃太がほっとしながらもふもふ。
「2人とも痩せたねえ」
母が腰回りを見ている。確かにっ、かなりスッキリしているっ。
『お母さん、色々お肉が落ちたのです』
『エビエビエビ~』
きゅるん。
痩せても、変わってない。なんやほっとする。
「ビアンカ、ルージュ、元気達は?」
私がちらほら周りを見ていると、父が聞いている。
そう、仔達の姿がない。補佐ウルフ達はいるけど。
『それなら、鼻水と一緒に周辺を走らせているわ』
「えっ? こんな時間に?」
21時過ぎで真っ暗。しかも魔境だから、本当に月明かりだけが頼りの世界なのに。
『訓練の一環なのです。感覚を鍛えるためなのです』
『ユイ、契約したのね。シヴァだってビアンカにアピールしてたわよ』
「皆、無事よね?」
姿が見えないから、不安が沸き上がる。
『大丈夫なのです』
『色々あったけど、皆無事よ。もうすぐ帰って来るわ』
その言葉に、私は気が抜けるようにほっとする。色々ってのは気になるけど。あの若手のウルフ達も行ってるようや。
早く会いたか。
『『げッ』』
ビアンカとルージュが途端に渋い顔。
『妹よっ、兄なのだぞっ、寂しくなかったかっ』
バビュンッ、とアレスがルームを経由して、此方にやって来た。咄嗟に、引く私達。
ビアンカにすりすり、ルージュにすりすり。
ビアンカとルージュは、あー、そー、とか繰り返す。
「わふんっ」
しばらくすりすりして、ビアンカとルージュがパンチを繰り出す前に、アリスが止めてくれた。
それを見ながら、私はひたすら元気達の帰りを待つ。
「なぁ、イシスは?」
晃太がビアンカを拭きながら聞く。
『ああ、それなのですね』
『最後のエリアボスがイシスの言うことを聞かないみたいで』
「えっ? イシス大丈夫なん?」
イシスって、魔境じゃあ、あのヤマタノオロチを除いたら、最強よね? 急に不安が。ヤマタノオロチの討伐が無事に済んだら、王冠山から魔境に伸びたダンジョンから、魔物が溢れるのに。被害を最小限にするために、魔境の元エリアボスのイシスが、各エリアボスに警告に行ってるのに。
『あいつらなのだ?』
アリスにでれでれしていたアレスがこちらを見る。なにやら訳ありみたいやな。
『そうなのです』
『なら、我も加勢に行くのだっ』
『余計ややこしくなるわ、止めなさい』
なんや、すごく気になる。
「ねえ、ビアンカ、ルージュ、そのエリアボスって?」
私がおずおず聞く。
『エンペラーグリフォンなのですよ。イシスの父親なのです』
『イシスを一族から追放した張本人よ』
あ、前に、ビアンカとルージュが気にしていた事があった。
蜘蛛の件で各エリアボスに警告したとイシスが言った時。とっくに上回っているみたいな話。あれ、ちょっと引っ掛かっていたし、それにイシス自身が自分を異端児だと言ったこともあった。
そもそも、ウルフが治めるエリアに、グリフォンのイシスがいて、馴染んでいるのが不思議やった。オシリスみたいにどじっ子過ぎて、見放されているような感じでもなかったし。どういう事なんやろうって思っていたけど。
もともとイシスが生まれ育ったエリアのボスが、イシスのお父さん。そのお父さんがイシスを何かしらあって追放して、今回の騒動でやって来たイシスを受け入れきれない感じかな?
『まあ、そんな感じなのです。でも、そのうち、向こうが音を上げるのです』
『そうね、おそらくイシスも容赦しないと思うわ』
?
「えっ? イシス、警告に行っただけよね?」
物騒感がひしひししてきた。
あら? 確か、冷蔵庫ダンジョンにおったよね?
あたたたたっ、頭が痛か。あの立て続けて鳴った警報音、結構頭に響いたなあ。時間を確認すると21時を過ぎてる。て、ことは5時間以上寝てたんや。
何故、ここに寝かされているかは分からないけど、起き上がる。ちゃんとパジャマや。早く、ヒスイ達を迎えに行かんと。
コンコン、とドアをノックされる。
『優衣、入るよ』
母や。
「よかよ」
ドアから入って来た母は、私を見てほっとしている。
「調子、どうね?」
「ちょっと頭が痛いだけやね」
原因は、あの連打の警報器やね、きっと。
「姉ちゃん、どうな?」
ドアから顔を覗かせる晃太。
「大丈夫よ。さ、ルームば開けよう。ビアンカ達が帰って来とるからね」
私はカーディガンをひっかけて立ち上がる。
「頭の痛みは、多分、警報器を連打して、私の頭が耐えられんかったんやないかな?」
「親父もそう言いよったよ」
寝室のドアには、ホークさんが待機してくれていた。
「ユイさん、お加減は?」
なんや、ホークさんの顔が、ちょっと苦しそうに歪んでいる。
「私はいいですけど。ホークさん、どこか痛いんやないですか?」
「俺は、大丈夫です」
?
「なら、いいですけど」
私達はぞろぞろと、居間に移動する。
「あっ、ユイさんっ」
「ユイさんっ」
エマちゃんとテオ君が心配顔で駆け寄ってくれる。
「ごめんね、心配かけたね」
ぷるぷると頭を振る双子。チュアンさん、マデリーンさん、ミゲル君が私の顔を見て安心している。エドワルドさんとツヴァイクさんもだ。山風の皆さんは流石に帰ったんだね。
花がクッションから起きて、牛蒡のような尻尾ぷりぷりしながらお出迎えしてくれる。よしよし。ソファーに座っていた父も安心したような顔だ。アリスも頭を上げる。お腹にはぴったりとシルフィ達がくっついて寝ている。アレスやオシリス、ノワールは倉庫やね。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました」
ぺこり。
皆さんも、いえいえと。
さて、焦る気持ちを抑えてルームを開ける。
電気を点けて、急ぎ足で、サブ・ドアに。
後ろにしっかり晃太と両親が続く。
ビアンカ、ルージュ、元気、コハク、ルリ、クリス、ヒスイ、ホルスがいるはず。イシスも各エリアボスの説得が無事に終わっていればいいけど。
私は魔境に繋がるサブ・ドアを開ける。
真っ暗な中で、ルームから溢れる光が照らす。暗闇の中で、静かに光るのは、緑と水色のオッドアイ。そして、真っ赤な目。
「ビアンカッ、ルージュッ」
『『ユイ』』
私は駆ける。お座りしていたビアンカとルージュも、すっと腰を上げる。
「ビアンカッ、ルージュッ、大丈夫よね? ケガはないよねっ」
『大丈夫なのですよ』
『そうよ』
私はビアンカとルージュの顔を覗き込み、触れる。
ケガはないようや、ほ、良かった。うっ、くさかっ、そして、べたべた。でもよか、もふもふ。で、元気達はどこやろ?
「ビアンカ、ルージュ」
晃太と両親も来て、現状確認する。
「ケガはないようやなぁ」
と、晃太がほっとしながらもふもふ。
「2人とも痩せたねえ」
母が腰回りを見ている。確かにっ、かなりスッキリしているっ。
『お母さん、色々お肉が落ちたのです』
『エビエビエビ~』
きゅるん。
痩せても、変わってない。なんやほっとする。
「ビアンカ、ルージュ、元気達は?」
私がちらほら周りを見ていると、父が聞いている。
そう、仔達の姿がない。補佐ウルフ達はいるけど。
『それなら、鼻水と一緒に周辺を走らせているわ』
「えっ? こんな時間に?」
21時過ぎで真っ暗。しかも魔境だから、本当に月明かりだけが頼りの世界なのに。
『訓練の一環なのです。感覚を鍛えるためなのです』
『ユイ、契約したのね。シヴァだってビアンカにアピールしてたわよ』
「皆、無事よね?」
姿が見えないから、不安が沸き上がる。
『大丈夫なのです』
『色々あったけど、皆無事よ。もうすぐ帰って来るわ』
その言葉に、私は気が抜けるようにほっとする。色々ってのは気になるけど。あの若手のウルフ達も行ってるようや。
早く会いたか。
『『げッ』』
ビアンカとルージュが途端に渋い顔。
『妹よっ、兄なのだぞっ、寂しくなかったかっ』
バビュンッ、とアレスがルームを経由して、此方にやって来た。咄嗟に、引く私達。
ビアンカにすりすり、ルージュにすりすり。
ビアンカとルージュは、あー、そー、とか繰り返す。
「わふんっ」
しばらくすりすりして、ビアンカとルージュがパンチを繰り出す前に、アリスが止めてくれた。
それを見ながら、私はひたすら元気達の帰りを待つ。
「なぁ、イシスは?」
晃太がビアンカを拭きながら聞く。
『ああ、それなのですね』
『最後のエリアボスがイシスの言うことを聞かないみたいで』
「えっ? イシス大丈夫なん?」
イシスって、魔境じゃあ、あのヤマタノオロチを除いたら、最強よね? 急に不安が。ヤマタノオロチの討伐が無事に済んだら、王冠山から魔境に伸びたダンジョンから、魔物が溢れるのに。被害を最小限にするために、魔境の元エリアボスのイシスが、各エリアボスに警告に行ってるのに。
『あいつらなのだ?』
アリスにでれでれしていたアレスがこちらを見る。なにやら訳ありみたいやな。
『そうなのです』
『なら、我も加勢に行くのだっ』
『余計ややこしくなるわ、止めなさい』
なんや、すごく気になる。
「ねえ、ビアンカ、ルージュ、そのエリアボスって?」
私がおずおず聞く。
『エンペラーグリフォンなのですよ。イシスの父親なのです』
『イシスを一族から追放した張本人よ』
あ、前に、ビアンカとルージュが気にしていた事があった。
蜘蛛の件で各エリアボスに警告したとイシスが言った時。とっくに上回っているみたいな話。あれ、ちょっと引っ掛かっていたし、それにイシス自身が自分を異端児だと言ったこともあった。
そもそも、ウルフが治めるエリアに、グリフォンのイシスがいて、馴染んでいるのが不思議やった。オシリスみたいにどじっ子過ぎて、見放されているような感じでもなかったし。どういう事なんやろうって思っていたけど。
もともとイシスが生まれ育ったエリアのボスが、イシスのお父さん。そのお父さんがイシスを何かしらあって追放して、今回の騒動でやって来たイシスを受け入れきれない感じかな?
『まあ、そんな感じなのです。でも、そのうち、向こうが音を上げるのです』
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