文字の大きさ
大
中
小
615 / 877
連載
カルーラで合流⑤
「あら? 開かん」
朝早くから『ダンジョンダンジョン』言われて起こされた。欠伸をしている晃太と支度していると、案の定ホークさんが起きてきて、鷹の目のスペースに取っ手返した。毎朝すみません。
で、ダイニングキッチンでは、マデリーンさんとミゲル君、お手伝いでエドワルドさん、ラーヴさん、マアデン君が来てくれている。
バトルジャンキー達にツンツンされながら、ルーティのダンジョンに繋がるサブ・ドアを開けようとしたら、ドアノブが動かない。梃子でも動かない。
『どうしたのだ? 壊すのだ?』
「やめて」
駄目でもともと、晃太もやってみるが開かない。
「開かんよ」
「そうね。お父さんに見てもらおうかね」
サブ・ドアの前でわいわいやっていたので、父も近くまで来ていた。
「お父さん、サブ・ドアが開かんのよ、見てん」
「ん」
父がじーっとサブ・ドアを鑑定。私は心配なので、魔境に繋がるサブ・ドアを開けると、こちらはすんなり開いた、良かった。サブ・ドアの向こうには、補佐ウルフ達が何を勘違いしたのか、尻尾ぷりぷりで来たけど、ごめんね。おやつを上げる。よしよし。
「優衣分かったよ。ルーティのダンジョン、改修に入ったみたいや。それで開かんみたいや」
ダンジョン改修か、久しぶりやな。ダンジョンの改修には、いろんな条件があるそうだけど。
一つ、ダンジョン内の栄養状態が良い場合。
これはどれだけダンジョン内で、ちゅどん、ドカンしたかだ。心当たりがある、有りすぎる。
一つ、前回の改修から、ある程度時間が経過した場合。これはダンジョンによって差が激しい。何十年、何百年経っても変わらないダンジョンもあれば、軍隊ダンジョンみたいに定期的にちょっとずつ変わるダンジョンもある。
こればいい感じに合わさって改修になる場合が多い。ルーティのダンジョンの最終改修は、半世紀前だって。でもって最近うちらのバトルジャンキー達が非常にお世話になってるし。
『お父さん、改修はいつ終わるのです?』
『いつ? 明日かしら? 若手達の訓練も継続したいわ』
アレスは開かないと分かってから、中庭に走っていった。君はマグロか何かね?
「4日みたいやね」
「なら、改修終わったら、サブ・ドア開く?」
キラキラと期待の眼差しが父に集まる。
「開くかどうかは改修が終わらんと分からんみたいやな。それに改修後に開いたとしても場所が変わる可能性と、改修による歪みでサブ・ドア自体が開かなくなる可能性が半々やな」
「そうな。ありがとうお父さん。とにかく改修がおわるのを待とうかね」
そんなー、と呟いていたが、仕方ないと、ビアンカとルージュも諦めてくれた。
神様への毎日のお祈りをしてから、準備して出発。
ノワールの馬車はまったく問題なく進み、ホークさんの言う通り昼前にはカルーラが見えてきた。わあ、久しぶりや。
ずらずらと若手を引き連れていたので、案の定すごい目で見られたけどね。申し訳ないけど、先行通過させてもらおう。現状最高ランクがあるのは、エドワルドさんの冒険者ランクS。先行通過が出きるのはAランクからね。私も一応Aランク。ホークさんが走って行ってくれた。
「わんわんっ」
『ねえね、ヒスイお腹減った~』
『わいなー、あんぱん食べたいねーん』
『ルリね、パンケーキー』
『クリス、お饅頭ー』
『油淋鶏~』
『エビ~』
『ピザヲ所望スル』
『なんだ? 飯なのだ?』
賑やかやなー。
前方の商隊の皆さんからちらほら見られる。
「こんにちは」
と、にこやかにご挨拶。すると向こうもぎこちなくご挨拶してくれる。人見知りしない元気がぷりぷり。明らかにいぬ好きそうな男性に向かってぷりぷり。見ただけて分かるんだよねー。私がどうぞ、と言うと笑顔で元気をよしよししてくれた。
「うわあ、かわいいっ。ふわふわしてますねっ」
誉められて私は鼻が伸びる。
元気が男性をペロペロしていると、ホークさんが戻ってきた。
「ユイさん、先行通過の許可が出ました」
「ありがとうございます」
私は商隊にご挨拶してから、元気を回収する。
ホークさんが手綱を牽いて馬車が進み、城門に。その時点で全員馬車から降りる。身分証を提示して、オフィーリア達の紹介。連絡が来ていたのか、すんなり。ただ、これだけのウルフがいるので、混乱を避ける為、警備の方が数人ギルドまで付いてくれた。
受け付けにラソノさんが対応してくれた。
到着報告、晃太の搬送物提出、パーティーハウスの手続き、と。よし、いいかな。後は、工房を紹介して貰えないかお願いする。特にカラーシープの毛を糸にして、織ってもらわないとどうしようもないからね。後は晃太のフライパンの作成の為の工房ね。ラソノさんは考えて、2つの工房を提示してくれた。
カラーシープの加工してくれる工房はギルド直営工房。フライパンの工房はオリクトと言う名の鍛治工房だ。明日の午前中にギルド直営の工房にうかがう手筈を整え、その後にオリクト工房に伺うことになる。カラーシープはどれくらいの量になるかな? 出来れば、他の皆さんの分も出来たらいいんやけど。あ、ケルンさん達に伝言板残さんと。それから、ペッリル工房にご挨拶と、ネーブルサイズのスライスのコアも渡して、シスター・アモルとの面会予約と、レディ・ロストークの様子も気になるし。あ、あの白狼の少年はどうしとるかなあ。
結構、忙しか。
朝早くから『ダンジョンダンジョン』言われて起こされた。欠伸をしている晃太と支度していると、案の定ホークさんが起きてきて、鷹の目のスペースに取っ手返した。毎朝すみません。
で、ダイニングキッチンでは、マデリーンさんとミゲル君、お手伝いでエドワルドさん、ラーヴさん、マアデン君が来てくれている。
バトルジャンキー達にツンツンされながら、ルーティのダンジョンに繋がるサブ・ドアを開けようとしたら、ドアノブが動かない。梃子でも動かない。
『どうしたのだ? 壊すのだ?』
「やめて」
駄目でもともと、晃太もやってみるが開かない。
「開かんよ」
「そうね。お父さんに見てもらおうかね」
サブ・ドアの前でわいわいやっていたので、父も近くまで来ていた。
「お父さん、サブ・ドアが開かんのよ、見てん」
「ん」
父がじーっとサブ・ドアを鑑定。私は心配なので、魔境に繋がるサブ・ドアを開けると、こちらはすんなり開いた、良かった。サブ・ドアの向こうには、補佐ウルフ達が何を勘違いしたのか、尻尾ぷりぷりで来たけど、ごめんね。おやつを上げる。よしよし。
「優衣分かったよ。ルーティのダンジョン、改修に入ったみたいや。それで開かんみたいや」
ダンジョン改修か、久しぶりやな。ダンジョンの改修には、いろんな条件があるそうだけど。
一つ、ダンジョン内の栄養状態が良い場合。
これはどれだけダンジョン内で、ちゅどん、ドカンしたかだ。心当たりがある、有りすぎる。
一つ、前回の改修から、ある程度時間が経過した場合。これはダンジョンによって差が激しい。何十年、何百年経っても変わらないダンジョンもあれば、軍隊ダンジョンみたいに定期的にちょっとずつ変わるダンジョンもある。
こればいい感じに合わさって改修になる場合が多い。ルーティのダンジョンの最終改修は、半世紀前だって。でもって最近うちらのバトルジャンキー達が非常にお世話になってるし。
『お父さん、改修はいつ終わるのです?』
『いつ? 明日かしら? 若手達の訓練も継続したいわ』
アレスは開かないと分かってから、中庭に走っていった。君はマグロか何かね?
「4日みたいやね」
「なら、改修終わったら、サブ・ドア開く?」
キラキラと期待の眼差しが父に集まる。
「開くかどうかは改修が終わらんと分からんみたいやな。それに改修後に開いたとしても場所が変わる可能性と、改修による歪みでサブ・ドア自体が開かなくなる可能性が半々やな」
「そうな。ありがとうお父さん。とにかく改修がおわるのを待とうかね」
そんなー、と呟いていたが、仕方ないと、ビアンカとルージュも諦めてくれた。
神様への毎日のお祈りをしてから、準備して出発。
ノワールの馬車はまったく問題なく進み、ホークさんの言う通り昼前にはカルーラが見えてきた。わあ、久しぶりや。
ずらずらと若手を引き連れていたので、案の定すごい目で見られたけどね。申し訳ないけど、先行通過させてもらおう。現状最高ランクがあるのは、エドワルドさんの冒険者ランクS。先行通過が出きるのはAランクからね。私も一応Aランク。ホークさんが走って行ってくれた。
「わんわんっ」
『ねえね、ヒスイお腹減った~』
『わいなー、あんぱん食べたいねーん』
『ルリね、パンケーキー』
『クリス、お饅頭ー』
『油淋鶏~』
『エビ~』
『ピザヲ所望スル』
『なんだ? 飯なのだ?』
賑やかやなー。
前方の商隊の皆さんからちらほら見られる。
「こんにちは」
と、にこやかにご挨拶。すると向こうもぎこちなくご挨拶してくれる。人見知りしない元気がぷりぷり。明らかにいぬ好きそうな男性に向かってぷりぷり。見ただけて分かるんだよねー。私がどうぞ、と言うと笑顔で元気をよしよししてくれた。
「うわあ、かわいいっ。ふわふわしてますねっ」
誉められて私は鼻が伸びる。
元気が男性をペロペロしていると、ホークさんが戻ってきた。
「ユイさん、先行通過の許可が出ました」
「ありがとうございます」
私は商隊にご挨拶してから、元気を回収する。
ホークさんが手綱を牽いて馬車が進み、城門に。その時点で全員馬車から降りる。身分証を提示して、オフィーリア達の紹介。連絡が来ていたのか、すんなり。ただ、これだけのウルフがいるので、混乱を避ける為、警備の方が数人ギルドまで付いてくれた。
受け付けにラソノさんが対応してくれた。
到着報告、晃太の搬送物提出、パーティーハウスの手続き、と。よし、いいかな。後は、工房を紹介して貰えないかお願いする。特にカラーシープの毛を糸にして、織ってもらわないとどうしようもないからね。後は晃太のフライパンの作成の為の工房ね。ラソノさんは考えて、2つの工房を提示してくれた。
カラーシープの加工してくれる工房はギルド直営工房。フライパンの工房はオリクトと言う名の鍛治工房だ。明日の午前中にギルド直営の工房にうかがう手筈を整え、その後にオリクト工房に伺うことになる。カラーシープはどれくらいの量になるかな? 出来れば、他の皆さんの分も出来たらいいんやけど。あ、ケルンさん達に伝言板残さんと。それから、ペッリル工房にご挨拶と、ネーブルサイズのスライスのコアも渡して、シスター・アモルとの面会予約と、レディ・ロストークの様子も気になるし。あ、あの白狼の少年はどうしとるかなあ。
結構、忙しか。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!
【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!
青空一夏(ざまぁ×癒し×溺愛)
庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、
王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。
――だが、彼女はまだ知らなかった。
「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。
心が折れかけたそのとき。
彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。
「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」
妹を守るためなら、学園にだって入る!
冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。
※兄が妹を溺愛するお話しです。
※ざまぁはありますが、それがメインではありません。
※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。