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連載
開花⑤
「そう、ゆっくり魔力を流して」
あれからケルンさん達が戻って来て、ハジェル君と向き合っている。ハジェル君は言われるがまま魔力を流している。しばらくかかるみたい。父の鑑定なら、すぐに分かるんだけど、仕方ないしね。
シルフィ達は疲れて、お腹一杯になって従魔の部屋で、ふかふかクッションで寝ている。アリスは付きっきりだ。ビアンカとルージュもほほえましい顔だ。アレスはいつもなら『ボス部屋ボス部屋』言うのに、シルフィ達を眺めて尻尾ぷりぷりしている。
心配そうにロッシュさん達がハジェル君を見つめている。
「はい、分かりましたよ」
どれくらいしたか、ケルンさんが息をつく。
「無属性魔法、風属性魔法と回復魔法ですね」
おめでとう、とケルンさんが締める。どうやらあの時に急激にふさいだ影響で残った痛みは、回復魔法で治したみたい。
わあ、とハジェル君の顔が輝く。
「俺っ、役に立てるっすっ」
はしゃいだ声をあげるハジェル君。
「良かったなっハジェルッ」
ロッシュさん達も手離しで喜んでいる。
「但し、複数属性が一度に覚醒したから今以上に魔力操作の訓練が必要になる」
「うっ」
途端に止まるハジェル君。
『訓練なのです?』
『あら、鍛えてあげましょうか?』
「やめて、ハジェル君がもつわけないやん」
いつの間にかビアンカとルージュが話に加わる。やめて、基本的に2人の訓練に、ついていけるのなんてそうはいない。鼻息やパンチで牛の首をへし折るのに、矢をまだ立て続けて放てないハジェル君が着いていけるわけない。レベル100の私ですら、同じレベルにあるホルスに行われている訓練に手も足も出ないのに。それには基礎となる個人の種族や肉体の差がある。一般的な人族である私と、母親のイシスは種族内最強クラスのエンペラーグリフォンで、自身もドラゴン並みに珍しいグリフォンの上位種であるホルスでは、基礎のステータスが桁外れに違う。
ハジェル君は、しばらくは魔力操作に専念した方がいいって。また、あんな風に暴発したら大変だしね。ハジェル君の様に無属性魔法が覚醒と同時に、いきなり別の魔法が覚醒したら、良くあることらしい。
「私も痛い目に遭いました」
と、あのフェリクスさんまでそう言う。フェリクスさんの場合、無属性魔法が覚醒と同時に土属性魔法が覚醒。ハジェル君みたいに手元が狂う感覚に襲われ、土の塊が額に直撃し、気絶したそうだ。これは私たち人型によくある。じゃあ魔物は? と、なるが、属性魔法を持つ可能性のある魔物は、親個体が厳しく魔力操作の訓練をさせるので、覚醒による暴発リスクはない。たまー、に元気みたいに早く覚醒し、自爆しているのはいるけど。そう言うば、元気もきゃいんきゃいんと泣いてたなあ。
大人しく訓練の方法の話を聞いている山風の皆さん。
「とにかくご飯にしましょう。ハジェル君、良かったね。お祝いにしようね、何が食べたい?」
ぱぁっ、とハジェル君の顔が輝いた。
ルーティのダンジョンに入り三週間経過、晃太の作図、ハジェル君の魔力操作訓練が順調にすすむ。
「はあーっ、やっと15階までの作図が終わったー」
「お疲れ様、お茶淹れようね」
「ん。あ、麦茶でよかよ」
「はいはい」
私は冷えた麦茶を冷蔵庫から出す。
「大きく変わった感じね?」
「いや、少し広くなって、前にはなかった窪みや岩が出てきてる感じやな。やけどケルンさん達がおって助かったよ、薬草分布とかまで気が回らんかったし」
ずー、と麦茶を飲む晃太。
ちなみに魔物の分布はビアンカやルージュ達が調べて来てくれた。宝箱の位置も日によってランダムに出る。次の日に同じ場所にあったりなかったり。擬態魔物だったり、離れた場所にあったり、罠がえげつなかったり。中身もランダムだが、ポーション類に偏ってる感じだ。長い期間調べたら法則があるかもしれないけど、そこまで時間をかけられなかった。
ボス部屋は私が調べた。調べたと言うより報告を受けただけ。
やはり12階と15階にしかボス部屋がなく、セーフティゾーンもボス部屋前にしかない。ただ、そこらじゅうに魔物がわんさか要るわけではない。それにダンジョンの魔物は、ボス部屋同様に一度倒すとまた沸き出すまで時間がかかる。特に強い魔物は余計に時間を要する。なので、ある程度魔物を倒したら、休める時間は出来る。
12階のボス部屋はやはり猪が出るが、ボス部屋の扉を誰が開けるで、出る数が当然変わる。比べる対象が極端だけどね。レベル二桁のメンバーが開けると、数人がかりで倒す大型猪が4~8体。レベル三桁からは微妙に更に大型が追加で出る。レベル100台なら1~2体、レベル200台なら2~4体。レベル300台はいないので分からない。レベル400台から、もっとデカイ猪が追加され、レベル500台から魔法を放つか戦闘モードを使う個体が現れる。レベル600台はいないので割愛。で、厄災クラスのレベル700台から、別の魔物が混合して出てくる。ミノタウロスとかトロールとか、一個体が強い魔物が一桁の数だが出る。
ま、うちの従魔ズに勝てっこないけどね。
復活時間もまちまち。だいたい1~3時間、で、厄災レベルが開けたら6~8時間だ。その時間が待てないと、アレスは若手達を引き連れてフィールド爆走している。
そもそも、レベルが400以上の冒険者なんていない。多分、サエキ様がそれくらいだろうって言うユリアレーナ最強の冒険者エドワルドさんが、ギリギリレベル200越えだ。
宝箱の内容も当然差が出る。
魔除けのランプのようなマジックアイテムはあれから出なかったが、レベル400越えのメンバーが開けると、装着用のマジックアイテムやマジックバッグが出る。
うーん、猪のお肉たくさん出たなあ。
『ユイ、角煮が食べたいのです』
『私は煮卵ね』
「はいはい」
仔達のかわいか角煮コールもあるので、ねえねは答えんとね。私は母のレシピを取り出した。
あれからケルンさん達が戻って来て、ハジェル君と向き合っている。ハジェル君は言われるがまま魔力を流している。しばらくかかるみたい。父の鑑定なら、すぐに分かるんだけど、仕方ないしね。
シルフィ達は疲れて、お腹一杯になって従魔の部屋で、ふかふかクッションで寝ている。アリスは付きっきりだ。ビアンカとルージュもほほえましい顔だ。アレスはいつもなら『ボス部屋ボス部屋』言うのに、シルフィ達を眺めて尻尾ぷりぷりしている。
心配そうにロッシュさん達がハジェル君を見つめている。
「はい、分かりましたよ」
どれくらいしたか、ケルンさんが息をつく。
「無属性魔法、風属性魔法と回復魔法ですね」
おめでとう、とケルンさんが締める。どうやらあの時に急激にふさいだ影響で残った痛みは、回復魔法で治したみたい。
わあ、とハジェル君の顔が輝く。
「俺っ、役に立てるっすっ」
はしゃいだ声をあげるハジェル君。
「良かったなっハジェルッ」
ロッシュさん達も手離しで喜んでいる。
「但し、複数属性が一度に覚醒したから今以上に魔力操作の訓練が必要になる」
「うっ」
途端に止まるハジェル君。
『訓練なのです?』
『あら、鍛えてあげましょうか?』
「やめて、ハジェル君がもつわけないやん」
いつの間にかビアンカとルージュが話に加わる。やめて、基本的に2人の訓練に、ついていけるのなんてそうはいない。鼻息やパンチで牛の首をへし折るのに、矢をまだ立て続けて放てないハジェル君が着いていけるわけない。レベル100の私ですら、同じレベルにあるホルスに行われている訓練に手も足も出ないのに。それには基礎となる個人の種族や肉体の差がある。一般的な人族である私と、母親のイシスは種族内最強クラスのエンペラーグリフォンで、自身もドラゴン並みに珍しいグリフォンの上位種であるホルスでは、基礎のステータスが桁外れに違う。
ハジェル君は、しばらくは魔力操作に専念した方がいいって。また、あんな風に暴発したら大変だしね。ハジェル君の様に無属性魔法が覚醒と同時に、いきなり別の魔法が覚醒したら、良くあることらしい。
「私も痛い目に遭いました」
と、あのフェリクスさんまでそう言う。フェリクスさんの場合、無属性魔法が覚醒と同時に土属性魔法が覚醒。ハジェル君みたいに手元が狂う感覚に襲われ、土の塊が額に直撃し、気絶したそうだ。これは私たち人型によくある。じゃあ魔物は? と、なるが、属性魔法を持つ可能性のある魔物は、親個体が厳しく魔力操作の訓練をさせるので、覚醒による暴発リスクはない。たまー、に元気みたいに早く覚醒し、自爆しているのはいるけど。そう言うば、元気もきゃいんきゃいんと泣いてたなあ。
大人しく訓練の方法の話を聞いている山風の皆さん。
「とにかくご飯にしましょう。ハジェル君、良かったね。お祝いにしようね、何が食べたい?」
ぱぁっ、とハジェル君の顔が輝いた。
ルーティのダンジョンに入り三週間経過、晃太の作図、ハジェル君の魔力操作訓練が順調にすすむ。
「はあーっ、やっと15階までの作図が終わったー」
「お疲れ様、お茶淹れようね」
「ん。あ、麦茶でよかよ」
「はいはい」
私は冷えた麦茶を冷蔵庫から出す。
「大きく変わった感じね?」
「いや、少し広くなって、前にはなかった窪みや岩が出てきてる感じやな。やけどケルンさん達がおって助かったよ、薬草分布とかまで気が回らんかったし」
ずー、と麦茶を飲む晃太。
ちなみに魔物の分布はビアンカやルージュ達が調べて来てくれた。宝箱の位置も日によってランダムに出る。次の日に同じ場所にあったりなかったり。擬態魔物だったり、離れた場所にあったり、罠がえげつなかったり。中身もランダムだが、ポーション類に偏ってる感じだ。長い期間調べたら法則があるかもしれないけど、そこまで時間をかけられなかった。
ボス部屋は私が調べた。調べたと言うより報告を受けただけ。
やはり12階と15階にしかボス部屋がなく、セーフティゾーンもボス部屋前にしかない。ただ、そこらじゅうに魔物がわんさか要るわけではない。それにダンジョンの魔物は、ボス部屋同様に一度倒すとまた沸き出すまで時間がかかる。特に強い魔物は余計に時間を要する。なので、ある程度魔物を倒したら、休める時間は出来る。
12階のボス部屋はやはり猪が出るが、ボス部屋の扉を誰が開けるで、出る数が当然変わる。比べる対象が極端だけどね。レベル二桁のメンバーが開けると、数人がかりで倒す大型猪が4~8体。レベル三桁からは微妙に更に大型が追加で出る。レベル100台なら1~2体、レベル200台なら2~4体。レベル300台はいないので分からない。レベル400台から、もっとデカイ猪が追加され、レベル500台から魔法を放つか戦闘モードを使う個体が現れる。レベル600台はいないので割愛。で、厄災クラスのレベル700台から、別の魔物が混合して出てくる。ミノタウロスとかトロールとか、一個体が強い魔物が一桁の数だが出る。
ま、うちの従魔ズに勝てっこないけどね。
復活時間もまちまち。だいたい1~3時間、で、厄災レベルが開けたら6~8時間だ。その時間が待てないと、アレスは若手達を引き連れてフィールド爆走している。
そもそも、レベルが400以上の冒険者なんていない。多分、サエキ様がそれくらいだろうって言うユリアレーナ最強の冒険者エドワルドさんが、ギリギリレベル200越えだ。
宝箱の内容も当然差が出る。
魔除けのランプのようなマジックアイテムはあれから出なかったが、レベル400越えのメンバーが開けると、装着用のマジックアイテムやマジックバッグが出る。
うーん、猪のお肉たくさん出たなあ。
『ユイ、角煮が食べたいのです』
『私は煮卵ね』
「はいはい」
仔達のかわいか角煮コールもあるので、ねえねは答えんとね。私は母のレシピを取り出した。
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