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しおりを挟む癒しが欲しい! 切実に! ここにいると、気分がささくれ立つんだよねぇ……
それはそれとして。
わたしは存外弱くないらしい。まぁ、大して強いワケでもないけど……わたしは、負けないことが得意になった。
それとな~く相手の嫌がる角度からの攻撃をしていれば、強い相手に勝つことはできずとも、負けることも少なくなる。
要は引き分けに持ち込むワケだ。まぁ、本当に強い奴と一対一なら、完璧負けますけどね。それでも、結構がんばって引き分けに持って行っている。
一応、我ながら性格が悪いやり方だとは思っている。でも、これは仕方ない。だって、なんか知らないけど、やたら絡まれるし。
初日に寮で絡んで来た奴に頭突きしたから目立ったのか、なんなのか……
とりあえず、数名で囲まれても、わたしは負けない。そんな連中には、意地でも負けてやらない。
こちとら、花畑に置き去りにされた六歳の頃から、賊と戦うことを想定して剣を習って来たんだ。
一対多数の戦闘、臨むところ!!
それに、同士討ちってさ、自分が直接相手に怪我させるよりも、罪悪感は減るよね……?
同士討ちしちゃって自滅した連中の信頼関係とかズタズタになるし、一石二鳥♪
うん? 頭突きや蹴り、砂での目潰しが卑怯? 攻撃を避けるな? 騎士らしく正々堂々戦え? 倒れた奴をぶん投げるな? ヤだな。そんなこと、いきなり数名で一人を囲んで来るようなクズ共には言われたくありません。
あと、授業では教官になにも注意されないくらいにはちゃんとしてるから、問題ありません。手段を選ばないのは、手前ぇらみたいなのにだけだ、ボケが。
わたしは動かない的じゃないっての。正々堂々って意味、わかってるのかな? 全く。
そんな風に、因縁付けて来る馬鹿共へそれなりの対応をしていたら、そういう馬鹿なことを仕掛けて来る連中が減って行った。
まぁ、あれだね。芸は身を助くというやつだろう。剣術、馬術を真剣にやって来てよかった!!
習わせてくれて、本当にありがとうございます。トルナードさん、ミモザさん。
あと、ロイにも……感謝しないでもない。
本気で誰かと殴り合いや取っ組み合いの喧嘩をしたことがあるというのは、手加減を知る上でとても重要なことだったみたいだし。
わたしのことを容赦ない奴だとか言っている人がいるけど、それは心外だ。
わたしはちゃんと、手加減を加えて確りと痛みを与えつつ、問題にならない辺りのラインを弁えているというのに。全く……
それから――――
同学年の手加減知らずの馬鹿が、剣術の演習で組んだ相手に取り返しのつかない大怪我を負わせた。
そして、その二人は退学となった。
片方は退学処分で、もう片方は自主退学だ。馬鹿の家は、これから莫大な慰謝料を払うことになるだろう。
数年に一度は、こんな事件が起きるらしい。なんかちょっと、精神的にクるものがある。
……ところで、こそこそとわたしを指差して「腹黒姫」って言ってる声が聴こえたりするのは、どういうことなんだろうか?
まさかそれ、わたしのことじゃないよね?
ははっ・・・そんな変なあだ名を付けた奴は、一体誰なんだろう?
そんな巫山戯た奴とは、確りと話し合いをしなくちゃいけないよね?
そんなこんながあって、一年が終了。
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応援ありがとうございます!
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