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「エリオットとの付き合いが、一生続くと思え」
「は?」
「……やはり、賄賂の類だったか。あれは」
「まぁ、さすがに現金やら貴金属なんかが入っているとは思わないけどね? エリオット本人が意図していてるかはかく、フィールズ公に『エリオットを宜しく』されることは確実だね。だから、よく考えた方がいいよ」
「もう、ハウウェルってばちょ~っとお高いお菓子くらいで大袈裟だなー」
「や、別に大袈裟じゃないし。ちなみにだけど、君達あれだからね? ハウウェル侯爵であるわたしのお祖父様と、その跡取りであるセディーにはもう、既に顔と家をばっちり覚えられてるから。そして、フィールズ公爵にも名前を覚えられると思っておいた方がいい」
「・・・マジで?」
「マジだよ。君達が休暇中にいきなりアポ無しでうちに来て、わたしの友人だって名乗ったんだからね? うちに関しては、君達の自業自得だよ。エリオットに関しては、とばっちりな部分もあるけど」
「……ちなみにだが、レザンの奴は知っていたと?」
「ま、あれでも奴は伯爵令息だし。普通にわかってるんじゃないの? ……なにも考えてない可能性が、無くもないけどね」
「マジかよ・・・」
「というワケだから。受け取るかどうかは、よくよく考えること。いい?」
「そう言うハウウェルはどうすんだよ?」
「エリオットの言動を考えると、わたしはもうばっちり覚えられているみたいだから。むしろ、受け取らない方が失礼でしょ。それに、フィールズ公爵夫人はおばあ様の茶飲み友達で、面識があるし。すっごく今更だよ」
「え? そっちの繋がりもあるん?」
「まあね。わたしは、フィールズ公ご本人とは面識は無いけど」

 わたしのおばあ様は侯爵夫人だ。高位貴族夫人としての繋がりと人脈がある。誰かさん・・・・は、それを一切放棄したけど・・・

 わたしは多分、おばあ様の年代のご婦人方には受けがいい。小さい頃からおばあ様がお呼ばれされたお茶会には何度か連れて行かれてて、「ネヴィラ様にそっくりですね」とよく言われている。そして、おばあ様の武勇伝も何度か聞かされたし。おばあ様のご友人方には、概ね好意的に見られていると思う。

「ま、忠告はしたからね」

 と、二人に言い置いて、わたしはエリオットから菓子折りを受け取った。

 さすが王室御用達。去年頂いたお菓子とは違うお店の物だったけど、こっちのお店のお菓子も美味しかった。惜しむらくは、手頃に食べられるような値段じゃないことだ。

 ちなみに、テッドとリールは迷っていたみたいだけど、結局は菓子折りを受け取ったようだ。

「だってさ、どうせハウウェルとレザンにくっ付いて来るだろ? フィールズは。それを、フィールズだけ仲間外れにする方がどうよじゃね?」
「……今更、お前達との付き合いを控えても意味はなさそうだしな。毒を食らわば皿まで、と言うだろ」

 とのこと。

 なにが毒でなにが皿なんだか?

 折角せっかく心配したのに。全くもう・・・

✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰

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