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3.煩いヤツと静かな子 ※

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「次オレっ! オレの番! オレもっ! 兄貴、早く変われよっ」

 余韻も冷めないうちに背後でうるさく騒ぐヤツがいる。

「うるせぇなぁ」
「いいから早くっ」

 ローガーが私のお尻を持って抱き上げると、ミチミチに詰まっていた肉の塊が抜けて空っぽになってしまったような感じがする。
 うるさいのが私の太ももを強引に引っ張るから不安定で、ローガーの首にしがみついた。おかげで、上半身はローガーに支えられ、下半身はうるさいヤツが抱えるという変な格好になっている。

「へ~これがメスのアソコか~。兄貴の垂れてる。中に出しても漏れちゃうんだな。このビラビラなに?」
「ぎゃっ!? 引っ張んないでっ」

 なんなんだコイツっ!

「おい、爪伸びてんだろ、触んな」
「わかったって。もう入れる」
「っう!?」
「――――っ、キモチイイ!」

 間髪入れずに突っ込んで叫んだ。

「なんだこれっ! 気持ちイイ、めちゃくちゃイイ、あー、イイ、出るっ」

 最初からトップスピードでピストンして、すぐイった。あまりのことに驚き過ぎてついていけない。

「あー、もう一回、もう一回する、あーヤベ、止まんない、良すぎる、メスすげぇ」
「強くし過ぎんな、弱ぇんだから」
「うんうん、優しく優しく、あーイイ、あー出そう、あっあっあっ、あーーーーーー、すげーーーナニこれ」

 なにこれってこっちのセリフだって。イったあとグリグリ動かして、あーだの、うーだの言っている。

「早く離れろ」
「もう一回イイだろ」
「離れろ、ヴィリ」
「ぅぅぅぅ」
「おい」

 唸るヴィリへ発した、怒りを含んだローガーの低い声が、触れてる胸から響いた。

「……わかった」

 ローガーが私の腰を掴んで抱き寄せたら、唸り声を止めてしぶしぶ手を離す。何がなんだか驚いてるうちに終わった。
 混乱しつつも、いい加減に足が疲れたのでローガーの腕の中で横抱きにしてもらい、足を閉じる。ガタイがいいから姫抱っこでも安定感がすごい。

「ヴィム、こっちにこい」
「……うん」

 1人だけ離れたところに立っていた人は、語尾が消えそうな返事をしてこっちにきた。目がキョロキョロして不安そうに見える。

「コイツも初めてなんだよ」

 さっきのヤツは論外だけど、不安そうなこの子は優しくしたほうがいいかな。
 突っ立ったままダランと下げてる腕に触ったら、遠慮がちに近づいてきた。というか、またローガーに抱っこされたままヤルらしい。

 ヴィムと呼ばれた子は2人より毛が多くてフワフワしてる。毛の生えてる大きな手を取って指を絡ませ、頬ずりした。ヴィムに向かってもう片手を伸ばしたら、手を取ってくれたのでひっぱる。近付いたヴィムの顔に手を伸ばしてフワフワの頬を撫でた。
 頬から顎の線を指先で撫でたら少し目を細めたから、反応は悪くない。ヴィムの頬を両手で挟んで引き寄せ、口の合わせ目にキスをする。何回か繰り返したら静かにため息を吐き、頬に置いた私の指のあいだに指を絡ませてきた。
 続けても大丈夫みたいなので、少し開いた口の牙を舐める。荒くなる息と微かな喘ぎ声に安心して、舌を奥に伸ばした。大きな舌にふれたら全身をビクリとさせ、絡めたままの太い指に力を入れる。
 大丈夫の意味を込めて指先で撫でたら力を抜いた。ヴィムは反応が素直で可愛い。舌を絡めて誘えば、遠慮なく絡みついてくる。

「ズリィ、オレはしなかったのに。オレも、オレもしたい」

 お前はいきなり突っ込んできたからだろーが。
 うるさいのは無視してキスの続きをする。ヴィムも無視するらしく、顔の角度を変えて深く口を合わせ、私の口の中を動き回った。熱い息が吹き込まれ、手に絡む指もせわしなく肌を撫でる。
 息を切らして口を外した緑色の目は、熱に浮かされたように潤んでた。

 膝の裏を腕で支えてたローガーが片足を離し、ヴィムに渡す。広がった足のあいだを凝視されるのは恥ずかしいけど、ヴィムが勃起してるので一安心。

「ココ、ココに入れんだぜ」

 ヴィリが横から手を出して割れ目を広げるという暴挙に出た。あまりのことに何も言えない。コイツはホントにどうしようもねぇな。

「ヴィリ、触んなっつたろ」
「教えただけだろ」

 ぶつくさ言いつつ、ローガーに叱られて離れた。いちいち割り込んでくるなよ。脳内がツッコミで忙しくなるだろうがよ。

 ヴィリが離れてから、ヴィムが遠慮がちにそばに寄る。勃起したモノを手に取って、もどかしいぐらいゆっくり入ってくる。

「ぅ、……ふ、ぁ」
「な? キモチイイだろ? すげぇよな?」

 ヴィムが根元まで入れてため息をもらしたら、ヴィリが喜々として話しかけてきた。呆れるのを通り越して、いっそ感心してしまう。ローガーもヴィムも気にしてないから、これが通常運転なんだろうけどさ。
 ここで挫けたらヴィムが気の毒なので、気を取り直してヴィムに意識を向ける。

 呆けた顔してるヴィムに腕を伸ばしたら、上半身を倒してキスしてきた。腰を抱えてゆっくり奥まで押し込めるように動いてる。ヴィムの後頭部の毛を撫でながら、長いざらついた舌と絡み合う。
 執拗に絡みつく舌と動きの止まらない腰が、ヴィムの熱を伝えてくれる。口の中に零れてくる微かな喘ぎが可愛くて、下腹が疼いた。私の熱もジワリと上がり、ヴィムの腰に足を絡めて擦りつける。

「っは、あ……、ぁあ、ん、ヴィム」
「……ぅ、……あ、出るっ」

 腰を抱えてる手に力が入り、ギュッと押し付けられた。可愛がりたい気持ちを込めて息を切らしてるヴィムの頭を撫で、フワフワ柔らかい毛を掻きまわす。

「シュロ」

 首筋に熱い息がかかり、ザラリと舐められた。

「もう一回?」
「うん」

 ヴィムが首を舐めながら腰を動かす。穏やかな熱が心地よく、緩やかに甘い快感が体に広がっていく。このまましてたらイクかもしれないと思ってたら、ヴィムの限界がきて終わった。

「終わりだ」

 ローガーがそう告げると、ヴィムは大人しく離れてヴィリが体を乗り出した。

「オレはもう一回するっ」
「もう終わりでしょ」

 うるさく主張するヴィリをお断りする。

「なんでだよっ」
「あんまりすると、腫れるんだからね」

 とくにお前のような高速ピストンは。

「……じゃあ、口だけ。オレだけしてねぇもん、いいだろ」
「はぁ……、おいで」

 途端、嬉しそうに目を真ん丸くして駆け寄ってきた。ウザいけどちょっと可愛い。
 いつまでもうるさそうなので仕方ない。口先だけにキスして終わろうとしたら、顎から鼻までベロベロ舐められた。
 ホントにコイツは、コノヤロー。

「お終いっ」
「途中だろっ」

 頭を押し退けてんのにムリヤリ舐めようとするのをヤメロ!

「止めないと、もうしない」

 ピタッと動きが止まり、面白くなさそうな顔でやっと離れた。
 あーもーめんどくせーなコイツ。

「体洗うから降ろして」
「わかった」

 やっと解放されてホッとする。

「使ったものはちゃんと洗うんだよ」
「わかった」

 全員が股間洗ってるってマヌケだなと思いつつ、べとべとにされた顔も洗った。

 寝床は床にそれぞれ一人用の敷物を敷いてるだけだった。今は寒くないからいいけど、冬になったらどうすんだろ。
 パジャマ用に借りたケモノ臭い大きなシャツを着てローガーの腕枕に抱かれてたら、ヴィリが隣に敷物引っ張ってきて寝転んだ。

「へへ」

 無邪気に笑って尻尾をパタンパタン鳴らしてる。こういうとこ可愛いんだけどね~。
 これからどうなるのかとぼんやり思い、明日のことは明日にしようと目をつぶる。とにかく疲れた。

「お休み」

 上を向いてそう言ったら、それぞれが返事をして静かになった。


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