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異世界召喚の様ですPart2
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「ようこそ、起こし下さいました。異世界の勇者様!」
その言葉を聞いて、俺は思わず目を開けた。
すると、そこは薄暗い部屋だった。目の前には神官の様な服を着た人達。そして、俺の立っている足元には光る魔法陣。
「此処は、貴方様の居た世界ではありません。今、この国ダファールは滅亡の危機に瀕しています。我が国には古から伝わる伝説があります。『我が国が滅亡の危機に陥る時、異界より黒き瞳と髪を持つ聖なる勇者を召喚せよ。その勇者、大いなる正しき力によって国を救うだろう』。…我々は、その伝承を元に貴方様をこの世界に召喚しました。お願いでございます。どうか何卒、貴方様のお力でこの国をお救い下さい」
そこまで聞いて、巫女が勇者になっていたが俺は確信した。
(あ、これ姉ちゃんの言ってた奴だ)
俺の一つ上の姉は、高校に入ってから変な事を言い始めた。
『私、異世界によく召喚されるんだよね』
始めは、遂に頭がイっちゃったのかと思った。
それか、遅れてやって来た暗黒時代かだ。
最初は、笑い飛ばした。
だが、8回目の異世界召喚の話を聞く頃には「もしかして…」と思う様になっていた。
そして一昨日、通称12回目の召喚話を聞いて俺は思った。
ーー本当にマジな話だわ
鬱病になる一歩手前状態の姉を見て俺は確信した。
『でも、そんなに何回も姉ちゃんが召喚されるなんて…。強運の持ち主だよな』
『強運じゃないよ、呪われてんの。***も同じ状況になったらそんな事思えなくなるから。それに、アンタは私と同じ血を持つ弟だからね…』
『そんな事、あるわけないって』
そう言って、一昨日姉と話していた………のに。
(ごめん。俺が間違ってたわ…)
姉の言っていた通りの状況に陥り、俺は心の中で本気で姉に謝罪した。
確かに、これが12回も続けば鬱病になりそうだ。
姉の話に出て来た神官長と同じ特徴のあるお爺さんがベラベラと話し続けている。
「神官長、勇者様は召喚出来たの?」
「王女!」
そんな声と共に神官達の後ろからとんでもない美人が現れた。サラサラの金の髪にアイスブルーの瞳。
「まぁっ!この方が伝承の勇者。…なんて素敵なの」
俺を見た美人がそう言い、俺の右手を両手で取り胸元近くで握り締める。。
「私は、この国の第一王女カルロッタと申します。素敵な異界の勇者様、貴方のお名前を私に教えて下さいませんか?」
うっとりとした顔で聞いてくる王女に私は口を開いた。
(マジか!!)
まさかの第一王女。
どうやら、姉の召喚された世界と同じ様だ。
第一、第二王子達は、どうなったのだろう…?
「…俺、童貞」
「童貞…様と言うお名前なのですね。貴方にお似合いの素敵なお名前ですわ」
これはマジで喧嘩を売ってるな。
俺には、童貞がお似合いってか?
「はぁ~」
俺は、深く溜息を吐いた。
まさか、アレを言う時が来るとは…。
「女神の様に美しく、心優しいお姉様!どうか、愚かな愚弟をお助け下さい!」
「童貞様?」
大声を出した俺に王女や神官達は困惑した様子で俺を見る。
『その代わり、私のパシリな』
いきなり、姉の声が辺りに響き渡ると足元の魔法陣が光りだす。
「なっ!?」
驚く彼らを目尻に、俺はその場から転移した。
***
「早速、コンビニでアイス買ってきて。勿論、1番高いやつね」
「…はい」
その言葉を聞いて、俺は思わず目を開けた。
すると、そこは薄暗い部屋だった。目の前には神官の様な服を着た人達。そして、俺の立っている足元には光る魔法陣。
「此処は、貴方様の居た世界ではありません。今、この国ダファールは滅亡の危機に瀕しています。我が国には古から伝わる伝説があります。『我が国が滅亡の危機に陥る時、異界より黒き瞳と髪を持つ聖なる勇者を召喚せよ。その勇者、大いなる正しき力によって国を救うだろう』。…我々は、その伝承を元に貴方様をこの世界に召喚しました。お願いでございます。どうか何卒、貴方様のお力でこの国をお救い下さい」
そこまで聞いて、巫女が勇者になっていたが俺は確信した。
(あ、これ姉ちゃんの言ってた奴だ)
俺の一つ上の姉は、高校に入ってから変な事を言い始めた。
『私、異世界によく召喚されるんだよね』
始めは、遂に頭がイっちゃったのかと思った。
それか、遅れてやって来た暗黒時代かだ。
最初は、笑い飛ばした。
だが、8回目の異世界召喚の話を聞く頃には「もしかして…」と思う様になっていた。
そして一昨日、通称12回目の召喚話を聞いて俺は思った。
ーー本当にマジな話だわ
鬱病になる一歩手前状態の姉を見て俺は確信した。
『でも、そんなに何回も姉ちゃんが召喚されるなんて…。強運の持ち主だよな』
『強運じゃないよ、呪われてんの。***も同じ状況になったらそんな事思えなくなるから。それに、アンタは私と同じ血を持つ弟だからね…』
『そんな事、あるわけないって』
そう言って、一昨日姉と話していた………のに。
(ごめん。俺が間違ってたわ…)
姉の言っていた通りの状況に陥り、俺は心の中で本気で姉に謝罪した。
確かに、これが12回も続けば鬱病になりそうだ。
姉の話に出て来た神官長と同じ特徴のあるお爺さんがベラベラと話し続けている。
「神官長、勇者様は召喚出来たの?」
「王女!」
そんな声と共に神官達の後ろからとんでもない美人が現れた。サラサラの金の髪にアイスブルーの瞳。
「まぁっ!この方が伝承の勇者。…なんて素敵なの」
俺を見た美人がそう言い、俺の右手を両手で取り胸元近くで握り締める。。
「私は、この国の第一王女カルロッタと申します。素敵な異界の勇者様、貴方のお名前を私に教えて下さいませんか?」
うっとりとした顔で聞いてくる王女に私は口を開いた。
(マジか!!)
まさかの第一王女。
どうやら、姉の召喚された世界と同じ様だ。
第一、第二王子達は、どうなったのだろう…?
「…俺、童貞」
「童貞…様と言うお名前なのですね。貴方にお似合いの素敵なお名前ですわ」
これはマジで喧嘩を売ってるな。
俺には、童貞がお似合いってか?
「はぁ~」
俺は、深く溜息を吐いた。
まさか、アレを言う時が来るとは…。
「女神の様に美しく、心優しいお姉様!どうか、愚かな愚弟をお助け下さい!」
「童貞様?」
大声を出した俺に王女や神官達は困惑した様子で俺を見る。
『その代わり、私のパシリな』
いきなり、姉の声が辺りに響き渡ると足元の魔法陣が光りだす。
「なっ!?」
驚く彼らを目尻に、俺はその場から転移した。
***
「早速、コンビニでアイス買ってきて。勿論、1番高いやつね」
「…はい」
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