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第2章

No.185

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「ーー以上が、アルフォンス団長にお願いしたいとの事です」

少し乱れたオレンジの髪を揺らしながら、バースがドランからの報告を伝え終える。長々と話していた為、微かに息が上がり頬がほんのりと赤みを帯びている。元々、可愛らしいく童顔な顔立ちのバース。そんな彼の頬を染めた姿は、まさに可憐な少女の様だ。

「わかった。それで、他はどうなっている?」
「他は、ドラン様の指示に従いハロルドさんが各部隊に指示を出しました。オレは団長に報告後、直ぐに巡回部隊に合流します」
「そうか、ご苦労だったな」
「いえっ!これも仕事ですから!」

アルフォンスに労りの言葉をかけられ、バースは嬉しそうにキラキラとした笑顔を浮かべる。余程嬉しかったのだろう。普段はしまっている犬耳と尻尾がポンッ!と飛び出る。そうして、モコモコとした尻尾を勢い良くブンブンと振る。

全身で喜びを表す可愛い部下に、アルフォンスはクスッと笑う。暫くすると、落ち着いたボースが恥ずかしそうに退出の言葉を口にする。

「ーーゴホンっ!そ、それでは、オレはこれで失礼します」
「あぁ」

退出の許可を出したにも関わらず、バースは中々執務室を出て行こうとしない。チラチラと、扉を見つめ耳もピンッと立っている。不思議に思いながらも、ある事に思い至る。

「………あぁ。今日は、リディアは実家の用事で居ないぞ」
「へっ!?」

アルフォンスの言葉に、バースは顔を真っ赤にして否定する。

「そ、そ、そんな!!いきなり何言ってるんですか!?お、おおおお、オレは、別にリディアさんが廊下の先に居るかなんて調べてませんよ!あわよくば、リディアさんと少し話をしたいなんて、これっぽっちも思ってません!あの美しい人とお近付きになりたいなんて、やましい気持ちなんかありません!!」
「そ、そうか………」

鼻息荒く、身を乗り出して必死に言い募るバースにアルフォンスは少し引きながら頷く。

「本当ですからね!?」
「わ、わかったから少し落ち着け。ほら、巡回の仕事があるんだろ?俺は、報告通りに仕事をするからお前もしっかり仕事をしろ」
「はっ!そうでした!遅れると、先輩にまた怒られる!団長、失礼します!」

そう言って、バースは慌てて執務室を出て行く。暫くすると、屋敷から勢い良く走り去るバースが見えた。

「本当に、落ち着きが無いな………」

苦笑いしてそう呟きながら、自身は愛しい番に会う為に席を立ったのだった。


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