君の小水が飲みたい

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23、オーディン様の右目

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 オレの混乱をよそに、ミーミルの泉に到着してしまった。
 オーディン様がオレをグラニの背中から降ろしてくれたけど、《番い》のショックからオレはまだ放心している。

「ミーミル伯父上、相談があって来た。まずコレで槍を作りたい」

「ん? ああコレで槍を作りたいんだな? ならば穂先にはルーン文字を入れるんだな。グングニルになるぞ」

「ルーン文字か? 生憎私には無理だ。知恵を貸してくれないか?」

「ん?! お前が持っているギャルの角笛はどこにあった?」

「ああ、やはり伯父上の物であったか。フギンが持ち帰って来た」

「ほう? オーディンはソレが何かわかっているのだろう?」

「ああ知っている。コレはヘイムダルのギャラルホン。そして泉の知識を得ることができる神器」

「グングニルにルーン文字を入れる為にソレを手に入れたんだな?」

「あ! 待ってミーミルさん! ソレはフギンがオレにくれたんだ!」

「リック。オーディンをかばうのか? フギンはオーディンの渡鴉。オーディンはフギンから情報を得て、ヴァーラスキャールヴのブリズスキャールヴに座り全てを見ていたはずだ」

「え? じゃあ、オーディン様は知っていた?」

待って、どこまでだ? オレが泉の水を飲んだことも知っているのか?

「リック? コレがギャラルホンだと知っているのか?」

セーフ! オレセーフだった!

「リックはソレをただの器ぐらいにしか思っていなかっただろう。私がアウズンブラのミルクをソレに入れて飲んだからな」

ミーミルさんナイスホロー! アイスに蜜酒たっぷりかけて献上しよう!

「そうか。ではミーミル伯父上、私に泉の水を飲ませて貰おう」

「オーディンよ、泉の水はタダではないぞ? そうだな、お前の右目を貰おうか」

「ミーミルさん?!」

「わかった。右目と引き換えにルーン文字の知識を」

オーディン様?!

「交渉成立だ。さあギャラルホンで泉の水を飲むがいい!」

「ゴクゴクゴクゴクッ……。グッガアアアアッ!」

「オーディン様! ミーミルさん、オーディン様の目が!」

「グラニ! お前の主人を連れて帰るが良い! そしてリック、治療はお前がしてやるが良い」

「え? ミーミルさん?」

「お前にはオーディンが必要か? ならば直してやるが良いぞ?」

「あ! はい! ありがとうミーミルさん!」

「オーディン、リックから小水を貰え」

ギャー! ミーミルさんオーディン様に言っちゃった!

「伯父上感謝する。リック頼んだ。グラニ帰るぞ」

 グラニが凄い速さでヴァルハラに帰って来た。

「オーディン様! 降ろしてください!」

「この方が早い。じっとしていろ」

 右目から血を流すオーディン様に抱っこされてオレは寝室に運ばれた。

「リック。貰うぞ」

「え? うわ! 待って、オーディン様?!」

 いやどんな早技?! オレの下半身をガッチリ抱えて、オーディン様がオレのを出した!

「さあ、リック。お願いしよう。私に君の小水をくれないか?」

 直飲みー! せめてコップに入れさせてー!
 ヒイィー! くわえて吸われてるー?!

「オッオーディン様! ダメ、ああああ!」

 ヤベエ! 出るー!


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