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子供たちもずいぶん大きくなりました。一端の冒険者です。
しおりを挟む旅装を確認していたイクスが忘れ物はないな、と二人に声を掛けました。
期待に目を輝かせた双子が元気に返事をします。
これから三人は少し長めの冒険に出発します。
といってもひと月ほどのことですが、実際に冒険者ギルドに登録し依頼を受けるのです。
この日を待ちわびていた双子たちは今にも走り出しそうです。
「お母様、行ってきます!!」
元気に手を振る双子とイクスに私もいってらっしゃいと手を振ります。
12歳になりまして何度も冒険に連れてってもらった二人は腕も磨かれて頼もしくなりました。
このまま冒険者になるのかしら、なんて思うこともあります。
そう言うとイクスは困った顔をするのだけれど、私も兄も二人の好きなようにすればいいと思っています。
家のことだけ考えればこの土地にいてもらうのが良いのでしょうが、『精霊のいとし子』は縛れるような存在ではないので自由に生きるのが一番です。
何より新しいことに挑戦するキラキラした瞳を見ていると送り出してあげるのが二人のためだと感じるのです。
淋しくはありますが、子供たちが巣立って行くのは当たり前のこと。
早ければもう数年後のことなのです。
イクスは双子と一緒に旅に出られますが、私はそうはいきません。
ある程度魔法には自信がありますが、反射速度が鈍いので三人と同じ場所には立てそうにありませんね。
一人になることを考えたら心に風が吹いたような気がしました。
イクスと結婚を考えなかったわけじゃありません。
けれど、貴族と結婚することは自由を愛する冒険者にとって必ずしも良いことではないのです。
陰口を叩かれることもあるでしょう。
貴族間の繋がりから望まない依頼を持ち掛けられることもあるかもしれません。
そんな不自由な立場に恋人を置きたいなんて思えません。
いつでもお別れできるようにしているのが愛情……。なんて愚かな言い訳ですね。
きっと私は怖いのでしょうね。お互いに縛り合う関係になるのが。
全く信頼関係が築けず、他人よりも遠い関係だった元夫が頭をよぎります。
あんな風になってしまったらと思うと怖いのです。
お互いに想いあっている今を大切にできればそれでいいのではないかと。
あんまり考え込んでいたからでしょうか、三人が旅立った日から私は寝込んでしまったのです。
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