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リヒャルト 二年生 ナターリエ 一年生
気持ち
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SIDE リヒャルト
エルマーとギュンターが自室に下がった。侍従も下げて、ソファに沈み込む。眉間に手を当て後悔する。私は動揺しているところを彼らに見せてしまった。感情は抑えるように教育されたのに駄目だな。
それにしても、彼女がマイヒェルベック公爵令嬢だったなんて。なんて皮肉な巡り合わせ。では私は異母妹かもしれない少女に執着していたのか。なんと浅ましい。やはり私は愛だの恋だの世間一般の人が持つ感情を持ってはいけないと言うことか。
大丈夫だ。これからは彼女に妹のように接していけばいい。彼女は公爵家の一人娘だから、婿に入れる人を探すに違いない。彼女の幸せをそっと見守ろう。そう決めたのに、胸の奥の痛みはいつまでも消えなかった。
SIDE ナターリエ
ヒルデとエラに別れを告げて自室に戻った。アンナにちょっと疲れたので寝室で横になると伝える。寝室に入ってベットに身を投げる。ノーラが見たら、はしたないと叱られるだろう。
なんだか考えがまとまらない。決まっていることは、私の想いは一生かなうことはないことだ。あの方が普通の貴族子息だったら、学園でお会いしたら、お話したいと思っていた自分が哀れだ。
やはり私のような生まれは普通に愛だの恋だの世間一般の人達のような感情からは遠くにいるべきなのだろう。
ダンナー女公爵の様に一人で公爵家を切り盛りし、親戚から適当な男子を養子にすればいい。これからは、一層領地経営の勉強に精を出そう。授業も令嬢方は嫁入りに関係のあるような授業しか取らないから、時間的余裕があり決まった人のいない令嬢方は婚約者探しに精を出すらしいが、私は領地経営に関係のある授業を取ろうと決心した。
決めたらほっとしてうとうとして柔らかい枕で意識が沈み込んだ。
エルマーとギュンターが自室に下がった。侍従も下げて、ソファに沈み込む。眉間に手を当て後悔する。私は動揺しているところを彼らに見せてしまった。感情は抑えるように教育されたのに駄目だな。
それにしても、彼女がマイヒェルベック公爵令嬢だったなんて。なんて皮肉な巡り合わせ。では私は異母妹かもしれない少女に執着していたのか。なんと浅ましい。やはり私は愛だの恋だの世間一般の人が持つ感情を持ってはいけないと言うことか。
大丈夫だ。これからは彼女に妹のように接していけばいい。彼女は公爵家の一人娘だから、婿に入れる人を探すに違いない。彼女の幸せをそっと見守ろう。そう決めたのに、胸の奥の痛みはいつまでも消えなかった。
SIDE ナターリエ
ヒルデとエラに別れを告げて自室に戻った。アンナにちょっと疲れたので寝室で横になると伝える。寝室に入ってベットに身を投げる。ノーラが見たら、はしたないと叱られるだろう。
なんだか考えがまとまらない。決まっていることは、私の想いは一生かなうことはないことだ。あの方が普通の貴族子息だったら、学園でお会いしたら、お話したいと思っていた自分が哀れだ。
やはり私のような生まれは普通に愛だの恋だの世間一般の人達のような感情からは遠くにいるべきなのだろう。
ダンナー女公爵の様に一人で公爵家を切り盛りし、親戚から適当な男子を養子にすればいい。これからは、一層領地経営の勉強に精を出そう。授業も令嬢方は嫁入りに関係のあるような授業しか取らないから、時間的余裕があり決まった人のいない令嬢方は婚約者探しに精を出すらしいが、私は領地経営に関係のある授業を取ろうと決心した。
決めたらほっとしてうとうとして柔らかい枕で意識が沈み込んだ。
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