【完】婚約者も声も奪われましたが隣国の王太子殿下に求婚されました

『フェリシー・エヴラールの歌声は天使の調べ』

 自分で言うのもおこがましいですが、伯爵令嬢である私、フェリシー・エヴラールは、社交界でそう評される程に、美しい歌声の持ち主だと言われていました。

 ですが、ある日の夜会で私は声を失いました。

「フェリシー・エヴラール!お前とは結婚出来ない、婚約は破棄だ!」

 舞踏会で、婚約者のカジミール・ケクラン殿下に突き付けられた言葉。
 婚約破棄に同意し、私はその場を離れようとしました。

「――待ってください、フェリシー嬢」

 その時、思いもよらぬ方が私を呼び止めたのです。


※こちらの作品は『小説家になろう』にも投稿しています
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