クリサリス・シンドローム 〜蝶になれなかった者たち〜

ある日、日本で蛹症候群、通称クリサリス・シンドロームという言葉が流行した。
 若年層を中心に広まっていったその症候群は医学的にあり得ないとされ、掲示板やSNSで時折話題に上がる程度の都市伝説── しかし、高校生の御手洗遊星(みたらいゆうせい)は、実際にその症候群によって苦しんでいた。
 だが、誰にも理解されない孤独の中のある日。王子様と呼ばれ女子の人気を集める、同じ症候群にかかった女子高生、高田波瑠(たかだはる)と関わり、その孤独は音を立てて崩れる。 「分かろうとする事は、できると思う」「私も、きみのことを分かろうとしてみたい」
 思春期の幻想か、現実の痛みか。
 二人がお互いの孤独を理解して埋め合う、小さな世界の小さな恋のお話。

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