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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第125話 木村君と遊ぼう (4)

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”さあ、今年のカラオケバトルも大変盛り上がってまいりました~!
次なる挑戦者は、お~っと、飛び込み参加のメイドさんだ~!!”

盛り上がる舞台
どよめく会場
今ここに
美しき一人のメイド天使が舞い降りた

「三年C組、木村月子。オリジナルソング”月夜に吠える”、歌います。」

激しいピアノのリズム
メイドがマイクに口を付けた

”あなたは 何が言いたいの
いつでも 命令してばかり
難しい言葉を使っても 中身が無ければ伝わらない

ああ、嫌になる 
私は独りきり
世間の風に逆らって

でも大丈夫
孤独は慣れている
無人の荒野を駆け抜けろ
月夜に向かって声上げて~”

激しさを増すピアノ
美しくも魂を振るわせる声音
その強い怒りが
内なる憤懣を爆発させる

”あなたは 私に従えと
欲しいのは 便利な奴隷なの
一体何様だと言うの 私は一人の人間だ!

みな目を覚ませ
誰もが独り
己の心を失うな

さあ声をだせ
内なる魂よ
自ら未来をつかみ取れ
月夜に降り立つ狩人ハンターよ~”

爆発する会場
観客は興奮のるつぼ
あるものは体を震わせ
あるものは拳を掲げる
皆、独りの狩人ハンターなのだ


やっぱり月子さん良いわ~。
魂の籠った歌を歌わせたらピカ一だね。

「なあ佐々木、あれ何?」

ん?あの歌?
康太君に前に話さなかったっけ?例の印税収入がシャレにならないってんで個人事務所作ったって話。それで、竹田救護司令官殿も自分じゃどうにも出来ないから混ぜてくれって話になって、急遽アーティストスタジオS&Bを設立しました。(パチパチパチ)
そんでもってどうせ税金で持ってかれるのならって、音楽スタジオを作っちゃいました。
その完成記念にちょっとした宴会やったんだけど、スタジオだったんで調子に乗って何曲かね。
あれはその一曲。
ウチの学校で”俺様発情事件”があったってレインで話したでしょ?
”俺に恋愛相談してどうするんだ、助けてくれ~”って康太君に泣きついた奴。”俺にも分かんねーよ”ってすげなく袖にされたけど。
あの時の事を想って歌にしてみました。
もうね、俺様滅べばいいのに。

「お、おう。なんかごめんね。目が死に始めたからこっち戻ってきて。
ほら、月子さんちゃんと宣伝で来てるよ。”三年C組、メイド喫茶、私はここにいる。”ってあれで宣伝になってるかは分からないけど、目的は果たしたんじゃないかな?」

そうだよね、これでばっちり木村君にかっこいい所も見せれたし、俺たちはミスコン会場エルドラドへレッツらGO~!
”ガシッ”
えっと、メイドのお姉さま方、わたくしに何用でしょうか?

「うんとね、君がメイクをしてくれて、つツッキーが宣伝してくれたじゃない?今三年C組ウチ凄い大忙しなの。料理も洗い物も得意なんですってね~、ツッキーが困ったら”のっぺり”が居れば大丈夫って♡
お連れ連行しろ!」

「「「はい!」」」

チョッと木村君!?

「悪い、俺たちは陽子姉さんの所へ行かないとだから。」

康太君!?

「やったね、親友の言うハーレム?じゃない。ミスコンの結果はレインで知らせてあげるよ♪」

結果だけ知っても仕方がないんですよ、現場で見るから意味があるんですっての!
横田先輩助けてくださいよ~。

「悪い、後で電話するわ。」

薄情者~~!!
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