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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第141話 去らば洋一君、また会う日まで。 (2)

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「"あ、佐々木か。わざわざ連絡もらって悪かったな。"」

まぁ、それは構いませんけど。康太君から聞いたんですが、横田先輩の方こそどうかしたんですか?

「"いや、言いにくいんだが、佐々木に頼みがあってな。"」

はぁ、余りいい予感がしないんですが、何ですか?

「"今度秋冬物のコレクションがあってな、それのモデルをチーム黒子に頼みたいんだ。"」

はぁ?いや、うちらがモデルをやるのって一回限りって言ってませんでした?
次からはその道のプロに頼むって話しじゃなかったでしたっけ?

「"あぁ、俺の方もその積もりだったんだけどな…"」


はぁ~、何なのよ。
しっかりしろよ、この国の男ども。何が"私たちには荷が重い"だよ、こちとら練習期間一月未満のド素人だぞ、お前らモデルの仕事嘗めてんの?喧嘩なら買うよ。

「どうした佐々木、珍しく浮かない顔してるじゃないか。お前がそんな顔した後は、大概ろくな事にならないから嫌なんだが?」
あ、木村君おはよう。
ちょっとこの国の男性に失望する事があって。桜町っ子って言うか"チーム黒子"に話しがあるから、昼休み部室に集まってくれる?洋一君には俺の方で伝えておくから、他の連中は木村君からお願い出来る?

お忙しい所、お集まり頂きありがとうございます。突然ではございますが、"チーム黒子"再始動でございます。

「「はぁ?」」

「ちょっと待て佐々木、モデルの話しはあの一回限りじゃなかったのかよ!後はプロにお任せよ~、とか言ってただろうが!」

あ、洋一君、俺もその積もりだったんだけどね~。デザイナーの横田氏、プロのモデルに逃げられました。
チーム黒子の後釜は自信がないから嫌なんだと、そんで横田先輩に泣き付かれた。

「「何だそれ、嘘だろ~?」」

本当、何だそれだよね、あいつらマジ何なの?プロの自覚無いんじゃない?
んですんで、皆さまには大変申し訳ありませんがご協力をお願いします。

「でも佐々木、俺、四月から桜泉学園高等部行くんよ!?モデルなんて続けてられないっての。」

まぁ、そうなるよね~。他の皆はこの先どうしたい?

「「俺たちはたまになら良いぞ。」」

そっか、分かった。
それじゃ、チーム黒子一年生組はこのままスタジオS&Bに所属を移して、鬼ごっこ同好会とは別の外部活動って事で。洋一君には悪いけど、今回は卒業公演って事で参加してもらえる?

「まぁ、時間も無いだろうし、今回はそれでいいんじゃないか。皆もそれでいいか?」

「「おう。」」

すまん、助かる。
コーチについてはこっちで当たってみるわ。


(side : ジェシー萩原)

「えぇ、分かったわ。今度は私があの子たちの面倒を見ればいいのね。
えぇ、そんなに恐縮しなくても良いわよ、元々あの子たちの事を頼んだのは私なんだから。それで例の子は好きにこき使っていいのよね、そう、分かったわ。はい、それじゃ、大崎さんも身体に気を付けて頑張ってね。はい、はい、それじゃ、またね。」

大崎さん、すっかり元気になったみたいね。半年前、精神的に燃え尽きた様子だったのが嘘のよう。あの男子中学生たちの指導が、いい感じの癒しになったみたいね。
そして"Noir"。彼女に再び火を着けた少年。
久々に面白くなって来たわね♪

覚悟しておいてね、"Noir"。
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