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第58話 動物園
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高速道路を降りて、温泉旅館に向かう前に途中にある動物園に寄ることに。
これは事前に予定していた、旅行の計画の1つだった。車に乗って遠出するので、どこかの観光スポットに寄っていこうと話していた。そして選んだのが、温泉旅館に向かう途中にあった動物園である。
サービスエリアでは女性に囲まれてしまうという出来事に遭遇したので、そのまま宿に向かうという選択肢もあった。けれど、せっかく予定していたので動物園に寄ることになった。予定変更は、なし。
「また、さっきみたいに周りを囲まれてしまうかもしれないけど、大丈夫かしら?」
「動物園は行きたいな。予定通り、寄っていこうよ」
「直人がそう言うなら、行きましょうか」
心配してくれている母さんには申し訳ないけれど、僕はわがままを言って動物園に行きたいと主張した。その動物園は、なかなか有名な観光スポットらしくて楽しみにしていたから。これを逃すことは出来ない。
「一応、対応策は考えてあるよ」
「そうなの。じゃあ、試してみましょう」
動物園に入場してから最初に、すぐ近くにあった売店に入る。そこで、ライオンの帽子を購入した。僕は、それを買ってすぐ頭に被って目元を隠す。
長い髪や体を見たら、すぐに男だとバレてしまうだろう。だけど僕が、七沢直人であることは隠せるかもしれない。これで、ひとまず安心かな。
「とっても似合ってる。カワイイわ」
母さんが、ライオンの帽子を被った僕を見て褒めてくれた。そして、とても喜んでいる。
「それじゃあ、母さんも買って被ろうよ」
「え? わ、私も? その帽子、私には似合わないと思うけれど」
「いいから、いいから。お揃いで買おう!」
ということで、母さんも僕と同じようにライオンの帽子を購入して被った。かなり恥ずかしそうだけど、それでも嬉しそうな顔をしているので良かった。
お揃いの帽子を被って動物園を存分に楽しんでいる母親と息子という2人は珍しくて、逆に周りの注目を集めてしまい失敗だったかもしれない。だが、声をかけてくる人は居なかったので、騒動にはならずに済んでよかった。結果的には、問題なし。
「あの子、毛がモジャモジャで暑そうだなぁ」
「あんなのと山の中で遭遇したら、一発でオシマイね」
「その想像は、物騒だなぁ。ゴロゴロしている姿は、カワイイのに」
「近くで見たら、結構怖いわよ?」
「うん。それは、確かにそう。口元とか、特に」
動物園内を、母と2人で見て回る。色々な動物の様子を観察し、可愛いと思ったり面白いなと感じたり、ちょっと怖いと怯えたりした。
この世界、何故か動物に関してはメスの数が極端に多いということは無いらしい。動物のオスは、メスと同じぐらいの確率で生まれてくる。
人間だけ、女性が多くて男性が少ない。何故なんだろうと、僕は疑問に思う。
原初の生物には、性別がなかった。生物は進化する過程で、オスとメスに分かれていった。
どこかのタイミングで、人間の男女比だけバランスが崩れてしまった。どうやら、原始時代から男性の数は少なかったようだけど。詳しいことについては、知らない。興味はあるけれど、今まで調べたことはなかった。
僕の記憶にある世界と、今の世界は違う。女性が多くて男性が少ない、違和感ある世界。動物に関しては、僕が知っている通りの状況。人間だけ違う。やっぱり謎だ。
女性が生まれてくる確率が高い。それに比べて、男性の生まれる確率が低いということ。その理由については、誰かが研究していそうだよな。僕は知らないけれど。
自然科学についての知識があれば、もう少し多くのことが分かったかもしれない。だけど、その辺りの知識は前の時も勉強していない。中学や高校で習ってきた程度の知識が限界だった。
今の学園でも、そういう事は勉強していない。これから先の授業で、出てくるかもしれないけれど。
なので、今の僕には明確な答えを見つけ出すことは出来なかった。ただ単純に、不思議だと思うことしか出来ない。
医学とか生物学とか、自然科学についての勉強をしたほうがいいかな。でも僕は、世界の謎については、それほど興味を持っていない。疑問を明らかにしたいとは思っていなかった。
なので、自然科学について勉強する必要はないかな。
そんな事よりも、数多くの女性と仲良くなりたい。世界の謎を探究するのに時間を費やすよりも、女性と一緒に過ごす時間を増やすことが大事だった。
これから先も、僕の疑問が解消されることはないと思う。
「次は、ライオンを見に行きましょうよ。この帽子も買ったんだから、あれは絶対に見ておかないといけないわ」
「うん、そうだね。見に行こう」
そんな事を考えつつ、動物園内を見て回った。
途中からは、母さんの方が動物に興味津々で、テンションを上げて楽しんでいた。あれも見たい、これも見たいという感じで、積極的に色々な動物を見て回る。
僕も一緒に、思う存分楽しんだ。
予定していた時間ギリギリまで動物園を楽しんでから、辺りが暗くなる前に出発。事前に予約しているという温泉旅館へ向かった。
これは事前に予定していた、旅行の計画の1つだった。車に乗って遠出するので、どこかの観光スポットに寄っていこうと話していた。そして選んだのが、温泉旅館に向かう途中にあった動物園である。
サービスエリアでは女性に囲まれてしまうという出来事に遭遇したので、そのまま宿に向かうという選択肢もあった。けれど、せっかく予定していたので動物園に寄ることになった。予定変更は、なし。
「また、さっきみたいに周りを囲まれてしまうかもしれないけど、大丈夫かしら?」
「動物園は行きたいな。予定通り、寄っていこうよ」
「直人がそう言うなら、行きましょうか」
心配してくれている母さんには申し訳ないけれど、僕はわがままを言って動物園に行きたいと主張した。その動物園は、なかなか有名な観光スポットらしくて楽しみにしていたから。これを逃すことは出来ない。
「一応、対応策は考えてあるよ」
「そうなの。じゃあ、試してみましょう」
動物園に入場してから最初に、すぐ近くにあった売店に入る。そこで、ライオンの帽子を購入した。僕は、それを買ってすぐ頭に被って目元を隠す。
長い髪や体を見たら、すぐに男だとバレてしまうだろう。だけど僕が、七沢直人であることは隠せるかもしれない。これで、ひとまず安心かな。
「とっても似合ってる。カワイイわ」
母さんが、ライオンの帽子を被った僕を見て褒めてくれた。そして、とても喜んでいる。
「それじゃあ、母さんも買って被ろうよ」
「え? わ、私も? その帽子、私には似合わないと思うけれど」
「いいから、いいから。お揃いで買おう!」
ということで、母さんも僕と同じようにライオンの帽子を購入して被った。かなり恥ずかしそうだけど、それでも嬉しそうな顔をしているので良かった。
お揃いの帽子を被って動物園を存分に楽しんでいる母親と息子という2人は珍しくて、逆に周りの注目を集めてしまい失敗だったかもしれない。だが、声をかけてくる人は居なかったので、騒動にはならずに済んでよかった。結果的には、問題なし。
「あの子、毛がモジャモジャで暑そうだなぁ」
「あんなのと山の中で遭遇したら、一発でオシマイね」
「その想像は、物騒だなぁ。ゴロゴロしている姿は、カワイイのに」
「近くで見たら、結構怖いわよ?」
「うん。それは、確かにそう。口元とか、特に」
動物園内を、母と2人で見て回る。色々な動物の様子を観察し、可愛いと思ったり面白いなと感じたり、ちょっと怖いと怯えたりした。
この世界、何故か動物に関してはメスの数が極端に多いということは無いらしい。動物のオスは、メスと同じぐらいの確率で生まれてくる。
人間だけ、女性が多くて男性が少ない。何故なんだろうと、僕は疑問に思う。
原初の生物には、性別がなかった。生物は進化する過程で、オスとメスに分かれていった。
どこかのタイミングで、人間の男女比だけバランスが崩れてしまった。どうやら、原始時代から男性の数は少なかったようだけど。詳しいことについては、知らない。興味はあるけれど、今まで調べたことはなかった。
僕の記憶にある世界と、今の世界は違う。女性が多くて男性が少ない、違和感ある世界。動物に関しては、僕が知っている通りの状況。人間だけ違う。やっぱり謎だ。
女性が生まれてくる確率が高い。それに比べて、男性の生まれる確率が低いということ。その理由については、誰かが研究していそうだよな。僕は知らないけれど。
自然科学についての知識があれば、もう少し多くのことが分かったかもしれない。だけど、その辺りの知識は前の時も勉強していない。中学や高校で習ってきた程度の知識が限界だった。
今の学園でも、そういう事は勉強していない。これから先の授業で、出てくるかもしれないけれど。
なので、今の僕には明確な答えを見つけ出すことは出来なかった。ただ単純に、不思議だと思うことしか出来ない。
医学とか生物学とか、自然科学についての勉強をしたほうがいいかな。でも僕は、世界の謎については、それほど興味を持っていない。疑問を明らかにしたいとは思っていなかった。
なので、自然科学について勉強する必要はないかな。
そんな事よりも、数多くの女性と仲良くなりたい。世界の謎を探究するのに時間を費やすよりも、女性と一緒に過ごす時間を増やすことが大事だった。
これから先も、僕の疑問が解消されることはないと思う。
「次は、ライオンを見に行きましょうよ。この帽子も買ったんだから、あれは絶対に見ておかないといけないわ」
「うん、そうだね。見に行こう」
そんな事を考えつつ、動物園内を見て回った。
途中からは、母さんの方が動物に興味津々で、テンションを上げて楽しんでいた。あれも見たい、これも見たいという感じで、積極的に色々な動物を見て回る。
僕も一緒に、思う存分楽しんだ。
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