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第12話 辺境の村へ
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「その、大丈夫なの? そんな小さな体で」
「大丈夫ですよ。軽いので、全然平気です」
私は、治療した男性を背負っていた。まだ目を覚ます様子はなくて、誰かが運んであげないと移動することが出来ない。
能力が上がっている今の私なら、成人男性を背負っていても楽々と移動することが可能だから。せっかく助けたので、こんな場所で放置していくのは申し訳ないから。近くの村までは付き合うことにする。
大変じゃないかと心配する彼女に、私は言う。
「そんな事よりも、ここから早く離れたほうがいいんじゃありませんか?」
「そうだった! また、いつ魔物が襲ってくるか分からないから。ここから早く移動しましょう」
「はい」
本当は、私の展開する聖域の効果で近くに魔物の気配は皆無だった。この場所は、とても安全で安心できる。
だけど私は、彼女に聖域の効果や今の状況について教えなかった。だから今も、木々の間から魔物が飛び出してこないか怖がっている。いつ魔物が襲ってくのるかと周囲を警戒して、必要のない心配をしていた。
聖女の力については黙ったまま。面倒な事情について説明しないといけないから。彼女も詳しく聞こうとしなかった。それよりも、この場から早く離れたいようだ。
私は女性の指示に従って、気絶している男性を背負いながら移動する。
「こっちよ」
「はい」
彼女の案内で、近くの村に向かう。彼女たちが暮らしている村は、歩いて数十分の距離にあった。
もちろん、道中で魔物に遭遇することもなく無事に辿り着くことが出来た。そんな村の入口には、槍を持って武装している男性が立っていた。彼は、私たちの姿を見つけると心配そうな表情を浮かべて、駆け寄ってきた。
「おーい、アメリア! どうしたんだ? テリーと、その子は一体……?」
その男性は、背の小さな私が気絶した男性を背負っているのを見て、驚いた表情になる。驚いている彼に、アメリアと呼ばれた女性が簡潔に事情を説明した。
「森の中で魔物に襲われたの。それで、この子に助けてもらって」
「駆除したばかりなのに、魔物が出現したのか!? 村長を呼んでくるよ。皆にも、危険を知らせないと!」
魔物に襲われたと聞いた男性は慌てて、村の中へ走って行ってしまった。
「テリーを、私達の家の中まで運んでくれる?」
「大丈夫ですよ」
「本当に、ありがとう。こっちにお願い」
こんなに助けてもらって申し訳ないという表情でお願いされたので、そこまで運ぶことにする。助けてもらって当然という態度を取らない彼女に、私は好感を持った。
なので私は男性を背負ったまま、彼女と一緒に村の中へ入っていく。
「大丈夫ですよ。軽いので、全然平気です」
私は、治療した男性を背負っていた。まだ目を覚ます様子はなくて、誰かが運んであげないと移動することが出来ない。
能力が上がっている今の私なら、成人男性を背負っていても楽々と移動することが可能だから。せっかく助けたので、こんな場所で放置していくのは申し訳ないから。近くの村までは付き合うことにする。
大変じゃないかと心配する彼女に、私は言う。
「そんな事よりも、ここから早く離れたほうがいいんじゃありませんか?」
「そうだった! また、いつ魔物が襲ってくるか分からないから。ここから早く移動しましょう」
「はい」
本当は、私の展開する聖域の効果で近くに魔物の気配は皆無だった。この場所は、とても安全で安心できる。
だけど私は、彼女に聖域の効果や今の状況について教えなかった。だから今も、木々の間から魔物が飛び出してこないか怖がっている。いつ魔物が襲ってくのるかと周囲を警戒して、必要のない心配をしていた。
聖女の力については黙ったまま。面倒な事情について説明しないといけないから。彼女も詳しく聞こうとしなかった。それよりも、この場から早く離れたいようだ。
私は女性の指示に従って、気絶している男性を背負いながら移動する。
「こっちよ」
「はい」
彼女の案内で、近くの村に向かう。彼女たちが暮らしている村は、歩いて数十分の距離にあった。
もちろん、道中で魔物に遭遇することもなく無事に辿り着くことが出来た。そんな村の入口には、槍を持って武装している男性が立っていた。彼は、私たちの姿を見つけると心配そうな表情を浮かべて、駆け寄ってきた。
「おーい、アメリア! どうしたんだ? テリーと、その子は一体……?」
その男性は、背の小さな私が気絶した男性を背負っているのを見て、驚いた表情になる。驚いている彼に、アメリアと呼ばれた女性が簡潔に事情を説明した。
「森の中で魔物に襲われたの。それで、この子に助けてもらって」
「駆除したばかりなのに、魔物が出現したのか!? 村長を呼んでくるよ。皆にも、危険を知らせないと!」
魔物に襲われたと聞いた男性は慌てて、村の中へ走って行ってしまった。
「テリーを、私達の家の中まで運んでくれる?」
「大丈夫ですよ」
「本当に、ありがとう。こっちにお願い」
こんなに助けてもらって申し訳ないという表情でお願いされたので、そこまで運ぶことにする。助けてもらって当然という態度を取らない彼女に、私は好感を持った。
なので私は男性を背負ったまま、彼女と一緒に村の中へ入っていく。
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