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元人魚は泳げない②
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「じゃあ、ビート板使ってみてよ。その状態でバタ足して、ちゃんと前に進むかどうか見るからさ」
「ふん、さっきみたいに沈んだりなんてしないから」
プールサイドに放っていた水色のビート板を渡すと、ジュエスは余裕綽々な様子で胸に抱え込んだ。いや、それ出っ張ったとこ掴むタイプなんだけど。まあ、上に乗るような形でも問題はない……はず。
「えいっ」
バッシャン、と水飛沫をあげて、ビート板を抱きかかえたまま足をばたつかせるジュエス。不格好だけど、ゆっくり前に進んではいる。
ただ、おっぱいが潰れてるのが丸分かりで、めちゃくちゃ眼福……じゃなくて、目に毒すぎる。
「はぁ……、はっ、どうだ……、っわ!?」
「ジュエス!?」
強い力で抱き寄せていたのが悪かったらしく、ビート板が後ろの方にすっぽ抜けていくのが見えた。頭からざぶんと水に突っ込んでしまったジュエスの手を掴んで、慌てて引っ張り上げる。
「ぷはっ!げほっ、は、う、うう~、鼻が痛い……水が入ったぁ……」
「もー、変に力がこもり……す、ぎ……」
たぷん。
目の前で揺れる胸に、一瞬思考が止まった。
「は……?」
ビート板に擦られてずり下がった水着から、おっきいおっぱいが零れていた。え、何これ。現実?
めっちゃ柔らかそう。触りたい。乳輪もおっきいんだ。ピンク色じゃん。可愛い。乳首なくね?ふわふわしてる、やばい。あ、うわ、どうしよう、股間にクる。おっぱい出てるって教えてあげなきゃ。殴られるかも。ああ、もう、頭ぐるぐるしてきた。何か言わなきゃ、このままだとただの変態になっちゃう。何か、なにか──。
「ジュエスの乳首、どこ?」
結局口をついて出てきたのは、絶対今言うべきことじゃないだろってものだった。
「え……?っ、う、わあああああぁ!?」
がばっと胸を隠したジュエスが、真っ赤になって睨んでくる。腕で押さえられてもにゅりと潰れるおっぱいもやばい、なんて思ってる場合じゃない。
「さっ……、最低だ……!100歩譲って、む、胸を見られたことは不可抗力にしてやるけど……っ!オレのちく……、オレが、気にしていることを、馬鹿にしてくるなんて……!もう知らねぇ!!」
後ろを向いて水着を戻したジュエスが、そのままプールサイドに上がってしまう。水着が完全に食い込んでいて、むっちりした白いお尻を思わずガン見して慌てて煩悩を振り払った。
やばい。めっちゃ怒ってる。何馬鹿なことしてんの俺。
「っ、ジュエス!最低なこと言ってごめん!」
追いかけたくても、今出ていくと俺の正直な股間がジュエスに見られちゃう。そうなるともっと酷いことになりそうで、とにかく、そう、謝って……、違うって、伝えないと。
「でも、馬鹿になんてしてねーから! イカちゃんの吸盤みたいで可愛かったし!」
「ばか!!!!!」
外に立てかけていた別のビート板が、豪速球で飛んでくる。これって、こんなに速く飛ぶモンだったっけ。
慌てちゃうとつい本心が出ちゃうんだな、って現実逃避した俺の脳天に、すこーんと小気味いい音が響いた。
*****
「ふん、さっきみたいに沈んだりなんてしないから」
プールサイドに放っていた水色のビート板を渡すと、ジュエスは余裕綽々な様子で胸に抱え込んだ。いや、それ出っ張ったとこ掴むタイプなんだけど。まあ、上に乗るような形でも問題はない……はず。
「えいっ」
バッシャン、と水飛沫をあげて、ビート板を抱きかかえたまま足をばたつかせるジュエス。不格好だけど、ゆっくり前に進んではいる。
ただ、おっぱいが潰れてるのが丸分かりで、めちゃくちゃ眼福……じゃなくて、目に毒すぎる。
「はぁ……、はっ、どうだ……、っわ!?」
「ジュエス!?」
強い力で抱き寄せていたのが悪かったらしく、ビート板が後ろの方にすっぽ抜けていくのが見えた。頭からざぶんと水に突っ込んでしまったジュエスの手を掴んで、慌てて引っ張り上げる。
「ぷはっ!げほっ、は、う、うう~、鼻が痛い……水が入ったぁ……」
「もー、変に力がこもり……す、ぎ……」
たぷん。
目の前で揺れる胸に、一瞬思考が止まった。
「は……?」
ビート板に擦られてずり下がった水着から、おっきいおっぱいが零れていた。え、何これ。現実?
めっちゃ柔らかそう。触りたい。乳輪もおっきいんだ。ピンク色じゃん。可愛い。乳首なくね?ふわふわしてる、やばい。あ、うわ、どうしよう、股間にクる。おっぱい出てるって教えてあげなきゃ。殴られるかも。ああ、もう、頭ぐるぐるしてきた。何か言わなきゃ、このままだとただの変態になっちゃう。何か、なにか──。
「ジュエスの乳首、どこ?」
結局口をついて出てきたのは、絶対今言うべきことじゃないだろってものだった。
「え……?っ、う、わあああああぁ!?」
がばっと胸を隠したジュエスが、真っ赤になって睨んでくる。腕で押さえられてもにゅりと潰れるおっぱいもやばい、なんて思ってる場合じゃない。
「さっ……、最低だ……!100歩譲って、む、胸を見られたことは不可抗力にしてやるけど……っ!オレのちく……、オレが、気にしていることを、馬鹿にしてくるなんて……!もう知らねぇ!!」
後ろを向いて水着を戻したジュエスが、そのままプールサイドに上がってしまう。水着が完全に食い込んでいて、むっちりした白いお尻を思わずガン見して慌てて煩悩を振り払った。
やばい。めっちゃ怒ってる。何馬鹿なことしてんの俺。
「っ、ジュエス!最低なこと言ってごめん!」
追いかけたくても、今出ていくと俺の正直な股間がジュエスに見られちゃう。そうなるともっと酷いことになりそうで、とにかく、そう、謝って……、違うって、伝えないと。
「でも、馬鹿になんてしてねーから! イカちゃんの吸盤みたいで可愛かったし!」
「ばか!!!!!」
外に立てかけていた別のビート板が、豪速球で飛んでくる。これって、こんなに速く飛ぶモンだったっけ。
慌てちゃうとつい本心が出ちゃうんだな、って現実逃避した俺の脳天に、すこーんと小気味いい音が響いた。
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