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王宮の庭園
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なんで忘れていたんだろう。
「リリーナも僕の前でかしこまる必要はないからな。その、こっ婚約者なのだし」
例えお父様が、私の知らないところで殿下の婚約者にするため動いていたとしても、こんなに簡単に婚約者に決まったのは殿下の希望があったからだって。
「ふふふ、ありがとうございます」
もちろんうちが公爵家であることも、一応王家の血筋であることも大きいと思うけど。
「っ、なぜ笑う」
確か…アルフレッドはリリーナを望んだのに婚約できなくて、最初はメアリーとアルフレッドの仲が最悪だったのよね。転生メアリーが頑張ったからハッピーエンドに落ち着いたけど、あれはハラハラしたなぁ。
「嬉しくて、つい笑ってしまいました」
危ない危ない。考え事をしながら話すなんて良くなかったわね。それにしても、東屋にエスコートしてもらってからの殿下が可愛らしくて仕方がない。
「そ、そうか。嬉しいのか」
***
その後、庭を案内すると殿下に誘われ薔薇が一面に咲いている場所に連れてきてもらった。
「キレイですね」
「リリーナは、薔薇が好きなのか?」
「花は何でも好きです。薔薇はよく使います。クリームとかオイルとか」
「?? お茶会の日も今日も薔薇とは違う香りをしているが」
「…………」
間違えた。薔薇の香りを好んでいたのは前世で、今は蜂蜜を使ったオイルを付けていたんだった。
「母が! 母がよく使っていて、私は蜂蜜で作られたオイルをよく使っています」
「蜂蜜、だったのか…蜂蜜はその、す、すきだ」
「私も好きです。甘くて美味しそうな香りですし」
「、、、すき……」
「殿下?」
最後に殿下が言った言葉は声が小さすぎて聞き取れなかった。
「アルフレッド」
「え?」
「殿下と呼ぶな」
「?? ではアルフレッド様とお呼びしても?」
「……今はそれでいい」
可愛い。
どうしよう。アルフレッド様と過ごすこの時間、私結構好きかもしれない。正直恋愛対象としてはまだ見れないけれど、アルフレッド様がどんな大人になっていくのか近くで見ていたい。
横取り、されたくないかも…
「失礼いたします。アルフレッド殿下、そろそろお時間です」
「えっ、もうそんな時間か!?」
「そろそろ夕刻になりますので」
「そうか……また会いに来てくれるか?」
「はい。是非わが…」
家には来てほしくない。メアリーがいるから。
「またここに連れてきてくださいますか?」
「もっ、もちろんだ」
そう約束した後、控えていた執事にお父様の待つ部屋に案内してもらった。
「リリーナも僕の前でかしこまる必要はないからな。その、こっ婚約者なのだし」
例えお父様が、私の知らないところで殿下の婚約者にするため動いていたとしても、こんなに簡単に婚約者に決まったのは殿下の希望があったからだって。
「ふふふ、ありがとうございます」
もちろんうちが公爵家であることも、一応王家の血筋であることも大きいと思うけど。
「っ、なぜ笑う」
確か…アルフレッドはリリーナを望んだのに婚約できなくて、最初はメアリーとアルフレッドの仲が最悪だったのよね。転生メアリーが頑張ったからハッピーエンドに落ち着いたけど、あれはハラハラしたなぁ。
「嬉しくて、つい笑ってしまいました」
危ない危ない。考え事をしながら話すなんて良くなかったわね。それにしても、東屋にエスコートしてもらってからの殿下が可愛らしくて仕方がない。
「そ、そうか。嬉しいのか」
***
その後、庭を案内すると殿下に誘われ薔薇が一面に咲いている場所に連れてきてもらった。
「キレイですね」
「リリーナは、薔薇が好きなのか?」
「花は何でも好きです。薔薇はよく使います。クリームとかオイルとか」
「?? お茶会の日も今日も薔薇とは違う香りをしているが」
「…………」
間違えた。薔薇の香りを好んでいたのは前世で、今は蜂蜜を使ったオイルを付けていたんだった。
「母が! 母がよく使っていて、私は蜂蜜で作られたオイルをよく使っています」
「蜂蜜、だったのか…蜂蜜はその、す、すきだ」
「私も好きです。甘くて美味しそうな香りですし」
「、、、すき……」
「殿下?」
最後に殿下が言った言葉は声が小さすぎて聞き取れなかった。
「アルフレッド」
「え?」
「殿下と呼ぶな」
「?? ではアルフレッド様とお呼びしても?」
「……今はそれでいい」
可愛い。
どうしよう。アルフレッド様と過ごすこの時間、私結構好きかもしれない。正直恋愛対象としてはまだ見れないけれど、アルフレッド様がどんな大人になっていくのか近くで見ていたい。
横取り、されたくないかも…
「失礼いたします。アルフレッド殿下、そろそろお時間です」
「えっ、もうそんな時間か!?」
「そろそろ夕刻になりますので」
「そうか……また会いに来てくれるか?」
「はい。是非わが…」
家には来てほしくない。メアリーがいるから。
「またここに連れてきてくださいますか?」
「もっ、もちろんだ」
そう約束した後、控えていた執事にお父様の待つ部屋に案内してもらった。
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