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※閑話※リリーナ様sideアンナ
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「お疲れさま~」
「お疲れ様です」
「ねぇねぇ、アンナ。リリーナ様が第一王子殿下と婚約したって噂、本当?」
「えっ! 急にどうしたんですか」
「何言ってるの。今朝からみんなこの話しばっかりしてるわよ」
リリーナ様には、奥様とメアリー様には話さないようにと言われたけど…使用人に話すのは良かったっけ?
「えっと…リリーナ様に確認しておきますね」
「絶対よっ! でもまぁ十中八九婚約したと思うけどね」
「なぜですか?」
「旦那様の機嫌がいいもの。それに、婚約者と側近を決めるお茶会の後すぐ、本邸に陛下の蝋印が捺されている手紙が、早馬で届いたんでしょ」
「情報網すごいですね…」
「当たり前よ。ここで何年働いてると思ってるの。レオニール様の側近か、リリーナ様の婚約か、そのどらちかが決まったんじゃないかってみんなで話してたんだけど、昨日リリーナ様が旦那様と王宮に行ってたじゃない? 夕刻までお戻りにならなかったし、旦那様は機嫌がいいし。……レオニール様がこちらに来られたのはなぜだか分からないけど」
「そもそも、旦那様の機嫌が良かったら、何故リリーナ様と第一王子殿下の婚約って話になるんですか?」
「えっ? 知らないの? あっ、アンナが公爵家で働き出したのって2年前だったわね。リリーナ様が産まれた2ヶ月後に、王子の誕生が発表されてね。ようやくうちが婚姻関係を結べるって旦那様大喜びだったのよ」
王族と婚姻関係ねぇ…。というか生後数ヶ月で娘の人生を決めてしまうなんて…
私の実家はウィリアムズ公爵家と縁戚関係にある子爵家だけど、やっぱり高位貴族はうちとは違うわね。
……女児がメアリー様しかいなくても旦那様は同じように動いていたかしら?
そもそも旦那様も奥様も、どうしてメアリー様だけを溺愛されているのか理解できないのよね。
確かにリリーナ様はピンクゴールドの髪色も、紫の目の色も、隣国出身の大奥様と同じ色でお二人の色はお持ちではないけど、子を愛するのに色ってそんなに大事?
レオニール様は、髪色は旦那様と同じ金色だけど目は紫色。メアリー様は、髪色が奥様と同じ赤色で目の色は旦那様と同じ水色。
お持の色は違っていても、3人のご兄妹皆様とても顔が整っていらして、皆様とっても可愛いのに。
「それに、リリーナ様は以前と比べて随分と優しいお顔立ちになられたじゃない?」
「そうですね。最近はよく笑顔を見せてくださいます」
いつも怒っていらしたのに、メアリー様への関心が薄れたように感じるのよね。
「きっと第一王子殿下に恋をされて、初恋の人と婚約できて幸せなのよっ!」
……恋は、されていないんじゃないかな。
*
*
*
*
*
「リリーナ様」
「なぁに? アンナ」
「ご婚約の件、使用人仲間に話してもよろしいでしょうか? と言いますか…こちらのタウンハウスにいる使用人は皆気付いているようなので」
「………念の為お兄様に確認するわ」
「レオニール様ですか?」
「ふふっ。驚いた? でも私も驚いてるの。昨日ね、お兄様と久々に二人でお話したのよ。内容は気に食わないけどねっ」
昨日、殿下と過ごした時間も楽しまれたようだけど、レオニール様とお話されたことの方が喜んでいるし…リリーナ様の初恋はまだね。
でも、いつかする恋の相手は、婚約者の殿下だといいのにな。
いつか幸せな家族をリリーナ様に…
「お疲れ様です」
「ねぇねぇ、アンナ。リリーナ様が第一王子殿下と婚約したって噂、本当?」
「えっ! 急にどうしたんですか」
「何言ってるの。今朝からみんなこの話しばっかりしてるわよ」
リリーナ様には、奥様とメアリー様には話さないようにと言われたけど…使用人に話すのは良かったっけ?
「えっと…リリーナ様に確認しておきますね」
「絶対よっ! でもまぁ十中八九婚約したと思うけどね」
「なぜですか?」
「旦那様の機嫌がいいもの。それに、婚約者と側近を決めるお茶会の後すぐ、本邸に陛下の蝋印が捺されている手紙が、早馬で届いたんでしょ」
「情報網すごいですね…」
「当たり前よ。ここで何年働いてると思ってるの。レオニール様の側近か、リリーナ様の婚約か、そのどらちかが決まったんじゃないかってみんなで話してたんだけど、昨日リリーナ様が旦那様と王宮に行ってたじゃない? 夕刻までお戻りにならなかったし、旦那様は機嫌がいいし。……レオニール様がこちらに来られたのはなぜだか分からないけど」
「そもそも、旦那様の機嫌が良かったら、何故リリーナ様と第一王子殿下の婚約って話になるんですか?」
「えっ? 知らないの? あっ、アンナが公爵家で働き出したのって2年前だったわね。リリーナ様が産まれた2ヶ月後に、王子の誕生が発表されてね。ようやくうちが婚姻関係を結べるって旦那様大喜びだったのよ」
王族と婚姻関係ねぇ…。というか生後数ヶ月で娘の人生を決めてしまうなんて…
私の実家はウィリアムズ公爵家と縁戚関係にある子爵家だけど、やっぱり高位貴族はうちとは違うわね。
……女児がメアリー様しかいなくても旦那様は同じように動いていたかしら?
そもそも旦那様も奥様も、どうしてメアリー様だけを溺愛されているのか理解できないのよね。
確かにリリーナ様はピンクゴールドの髪色も、紫の目の色も、隣国出身の大奥様と同じ色でお二人の色はお持ちではないけど、子を愛するのに色ってそんなに大事?
レオニール様は、髪色は旦那様と同じ金色だけど目は紫色。メアリー様は、髪色が奥様と同じ赤色で目の色は旦那様と同じ水色。
お持の色は違っていても、3人のご兄妹皆様とても顔が整っていらして、皆様とっても可愛いのに。
「それに、リリーナ様は以前と比べて随分と優しいお顔立ちになられたじゃない?」
「そうですね。最近はよく笑顔を見せてくださいます」
いつも怒っていらしたのに、メアリー様への関心が薄れたように感じるのよね。
「きっと第一王子殿下に恋をされて、初恋の人と婚約できて幸せなのよっ!」
……恋は、されていないんじゃないかな。
*
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「リリーナ様」
「なぁに? アンナ」
「ご婚約の件、使用人仲間に話してもよろしいでしょうか? と言いますか…こちらのタウンハウスにいる使用人は皆気付いているようなので」
「………念の為お兄様に確認するわ」
「レオニール様ですか?」
「ふふっ。驚いた? でも私も驚いてるの。昨日ね、お兄様と久々に二人でお話したのよ。内容は気に食わないけどねっ」
昨日、殿下と過ごした時間も楽しまれたようだけど、レオニール様とお話されたことの方が喜んでいるし…リリーナ様の初恋はまだね。
でも、いつかする恋の相手は、婚約者の殿下だといいのにな。
いつか幸せな家族をリリーナ様に…
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