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必ず助ける②sideアルフレッド

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「どのようにして薬草を飲ませた」
「…………」
 
 部屋には酒瓶が数本転がっている。混ぜたのは茶ではなく酒で間違いないだろう。
 
「答えろ」
「…………」
「俺が誰か気付いているのだろう。ここで殺されたくなければ正直に答えるんだ」
「ね、練ったものを酒に混ぜました」

 やはりそうか。

「量は」
「薬草5枚分」
「っ!!」

 そんな大量に飲ませたのか!? 徹底的に調べ尽くし、全ての罪で罰を与えてやる。

「こいつを城の地下牢に入れておけ。俺はここでレオニールと合流してから向かう」
「承知しました」

 あの男に聞きたいことはまだ山ほどあるが、リリーナの安全が最優先だ。リリーナを安心させるためにも、いつまでも同じ空間に置いておきたくない。それに俺自身怒りであいつに何をするか分からないからな。




 膝の上でリリーナを抱きしめ、レオニールの到着を今か今かと待つ間も何度も水を飲ませる。しかし5枚もの量を摂取させられた体内の薬草は中々薄まってくれず、リリーナの意識はもうほとんどない状態だ。


 お願いだ…目を覚ましてくれ………


「……リリーナ……」


 バンッ!

「「アルッ」」

 っ!!!

「レオ! …ダニエルも来てくれたのか」

 逸る気持ちを抑え、極秘扱いの治療を行うため騎士たちには部屋の外で待機するよう命じ、リリーナが一番最悪な製法で作った例の薬草を飲まされたことを伝えた。

「すぐにコレを」

 渡された液体を飲ませようとするも、その殆どが口の端からこぼれていく。


 もうこれは口移しで飲ませるしかない。

 自分を抑えるためここに触れるのをずっと我慢していたのに…こんな形で初めての口付けをすることになるとはな。

 そう自嘲しながら残った分を全て口に含み、リリーナの口の中に流し込む。

 しっかりと飲み込んだのを確認してから唇を離し、様子を伺うも全く変化がない。

「レオ、薬草5枚分の量を摂取させられたんだ。足りないんじゃないか」
「今は様子を見るしかない。これも一度に多くを飲ませるわけにはいかないんだ。数時間の間隔をあけなければならない」

 ほんの少しでいい。効果が現れてくれ。

「リリーナ、リリーナ」

 腕の中でまだぐったりとしているリリーナ。
 頭を撫で、頬を撫で、目を覚ましてくれと祈りながら顔中にキスを贈る。

 そうして数分経った頃、青白かった肌に少し赤みが差してきた。

「リリーナ」

 呼びかけに答えてくれることはなかったが、ほんの少しでも効果が出たことに安心した。

「戻ろう。王宮医師に診せる」
「俺は戻ったら再従兄弟に早馬を出すよ。隣国の医師を手配してもらえないか頼んでみる」

 隣国から医師が来る頃には元気な姿に戻っていてほしいがな……

「リリーナ様は意識が戻るまでアルの王宮に滞在させるのがいいかもな。レオには申し訳ないが、メアリー様がいる公爵邸に帰すのは危険だと思うんだ」
「そうしてくれ」
「もとよりそのつもりだ」



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