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アリサ虐待のトラウマ

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 サクチュアリ伯爵の温情で、お母様は目隠しをされ、窓の無い馬車に乗せられ、王都より遠く離れ辺境の寂れた修道院に送られたそうだ。

 お母様からの虐待を受けてからアリサは深夜奇声(悲鳴)を上げるようになった。

「きぃゃゃゃゃーーーーー」

 アリサの部屋からの悲鳴!

「アリサーーーーー。」
 パパはいち早くアリサの部屋に行き着き、ドアを開ける。
そこには、ガタガタと震え強ばるアリサがいた。

 パパは、私の身体を揺さぶる、「アリサ、アリサ。パパだよ、私を見なさい!」パパは私の頬を両手で挟み、パパの方に顔を向かせた!
 色の無い瞳、その瞳から無意識にか涙を流している。

「アリサ、パパを見るんだ!」

「アリサ!」

「ーーーーー、パーーパーー?」私の瞳はパパを写した。

「どうしたの?パパ。」

「覚えてないのかい?アリサは悲鳴をあげたんだよ。」

「悲鳴?」私は涙を流している事に気がついた。

「私、泣いてるの?」

「怖い夢でも見たんだな!」パパは私をぎゅっと抱きしめた。

「パパーーーーー。」私はパパにしがみつく、パパの匂い安心する。

「パパ、一緒に寝たら駄目?」

「パパと一緒にかい、勿論良いとも!」パパは嬉しそうに私のベッドに入りぎゅっと抱きしめてくれたので、私は怖い夢を見ずに眠りに落ちた。

 それからと言うもの、度々夢を見て叫ぶ事が続いた!
 パパはお母様からの虐待からのトラウマと考えているようだ。

 その度、パパは私と一緒に眠ってくれた。

「お父様ばかりずるいです!」

 一緒に眠っていることを知ったアレクは、「ずるい!ずるい!」とお父様に怒っていた。

「じゃあ今度はアレクが一緒に眠ってね。」
 そう私が言うとアレクは、はにかんだ笑顔で「はい」と笑い喜んだ。

「駄目だ!駄目だ、その役目はお父様だぞ!」と子供のようにアレクと言い争いをしている。

 

 嫌な夢をみるが、今日もサクチュアリ家は平和です。







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