6 / 43
第三話
国王夫妻の寝室と曲者2
しおりを挟む
マイリが生まれたフェルデン公爵家はヴィンセント王家とも縁の深い名門中の名門。
現フェルデン公爵は前国王の無二の親友であり、宰相として長くその治世を支えた切れ者である。
嫡子ロッツも父の才を受け継ぎ、次の宰相の座は彼のものであろうと言われている。
つまりフェルデン公爵家は、名実ともに現在ヴィンセント王国で王家に次いで最も力を持った一族だと言えた。
だからこそ、たった四歳のマイリが王妃であることに、表立って異を唱えられる者はない。
しかしながら、内心それを面白く思っていない人間は、特に貴族の中にはごまんといた。
彼らは隙あらば、自分の娘や血縁の娘を側妃としてウルに差し出そうとする。
何しろ、王妃であるマイリが大人になるのはまだずっと先のこと。
それまでに、自分の息のかかった娘が国王の子供を産めば、フェルデン公爵家を差し置いて次期国王の外戚になれる可能性も出てくるのだから。
そんなこんなで、ウルはこの一年間、実に誘惑だらけの日々を送っていた。
寝取る気満々で色仕掛けをしてくる明け透けな令嬢から、手弱女と見せかけて巧みに懐に潜り込もうとする手練まで、千差万別。
とはいえ、寝室に忍び込んで裸で待ち受けているような大胆不敵な相手は、さすがにこれが初めてだった。
「ケット、その女をつまみ出せ」
「御意」
ウルはうんざりとした顔をして、ケットに向かって顎をしゃくる。
ウルも旺盛なお年頃なので、据え膳に心が揺らがないわけではない。
けれども、うっかりに誘惑に引っかかってしまったら最後――マイリというものがありながら浮気をしたと言って、ロッツにちょんぎられてしまうだろう。
ロッツは、やると言ったらやる男だ。
ケットが大股で部屋の中に足を踏み入れようとすると、ひい! と、またベッドの上の女が悲鳴を上げた。
ところがである。
ケットよりも先に、寝室に飛び込んでいった者がいた。
一番後ろに庇われていたはずの、マイリである。
なにしろ小ちゃな四歳児なので、ウルの、そしてケットの股の下を難なく潜り抜け、とっとこベッドに駆け寄ったのだ。
その後を、澄ました顔をして猫型悪魔ドンロがついていく。
一方、慌てたのは扉の前に取り残された男達だ。
「こらっ、マイリ!」
「妃殿下、危のうございますっ!」
あわあわと幼女を追いかける彼らの姿は、傍目にはさぞ滑稽に見えただろう。
さらには――
「ばかもの、おぬしらはそこで待っておれ。おとめの柔肌をみだりにさらすわけにはいかん」
ぴしゃりと四歳児に叱られて固まった国王陛下と鬼畜面の大男の背を、廊下に集まった者達が気まずそうに見ている。
当の裸の娘も、ぽかんと間抜け面を晒していた。
そんな中、ドンロとともにベッドによじ登ったマイリは平然とした顔で続ける。
「ケット、上衣をなげてよこせ」
「お、恐れながら……妃殿下に向かって物を投げるなど、そんな……」
「つべこべ言わずになげろ。わらわが許すと申しておる」
「御意にござります!!」
ウルに対するよりよいお返事をすると、ケットはそそくさと上着を脱いで、おっかなびっくりマイリに投げ渡した。
マイリはドンロと協力しながら、よいせっとそれを娘の素肌にかけてやる。
ところで、時刻はすでに午後九時を回り、いつもならそろそろ瞼が重くなってくる頃合いだが、今宵のマイリはまだ眠くないようだ。
その理由をウルは知っている。
昼間、ウルの膝の上を占領して本を読んでいた彼女だが、そのまま昼寝をしてしまったのだ。
書類を押さえていたウルの左手の甲を枕にして、それはもうすやすやと。
その寝顔があまりに愛らしかったものだから起こすのが忍びなく、たっぷり二時間眠らせてしまったウルに、彼女を責める権利はない。
そういうわけで、いまだおめめぱっちりなマイリは、ベッドの上の娘にずずいと顔を近づけて畳み掛けた。
「これ、おぬし。いったいどこのどいつに服をはがれたんじゃ? わらわに申してみよ」
「お、王妃様……」
「よしよし、かわいそうになぁ。泣かんでよい。おなごをいじめる悪いヤツは、ウルがメッとするからの」
「うう……ぐすっ……」
マイリの小ちゃな手でよしよしされた娘は、とたんにぽろぽろと涙を流し始めた。
どうやら、自ら進んで国王陛下を寝取りにきたわけではなさそうだ。
ウルがケットと顔を見合わせていると、マイリが小ちゃな手でベッドをてしてし叩いて彼を呼んだ。
「ウル、ほれ! おぬし、いつまでそんなところに突っ立っておる! さっさとこちらへきて話を聞いてやらんか!」
「いや、お前が待ってろと言ったんだろうが」
「口ごたえしないっ!」
「解せん」
娘は現ワニスファー公爵の娘、ソマリと名乗った。
ワニスファー公爵家は七代前の国王の双子の弟から始まった、ヴィンセント王国で最も歴史の浅い貴族である。
そして、フェルデン公爵家を一方的に敵視しており、マイリが王妃となったことを快く思っていない貴族の筆頭でもあった。
憎きフェルデン公爵を出し抜くために、ワニスファー公爵は自分の妙齢の娘を裸にひん剥いてウルに差し出そうとしたのだ。
王妃が幼いゆえに禁欲生活を強いられている彼なら、この据え膳に簡単に食いついてくると思ったのだろう。
しかしながら、ワニスファー公爵と正妻の間に生まれた子供は、男ばかり三人だったはずだが……
「母は、ワニスファー公爵家のメイドでした。私を身籠った母は妾としても扱われず、正妻に知られる前に端金を握らされて屋敷を追い出されたそうです……」
そう、涙ながらに語るソマリは現在十八歳。
母は産後すぐに亡くなってしまったため、城下町で小さな仕立て屋を営む祖父母に育てられたらしい。
国王を寝取る娘が必要となったワニスファー公爵は、慌てて彼女を探し出して今更ながら認知しようとしたが、当然祖父母はそれを拒絶した。
公爵家に逆らってまで孫の尊厳を守ろうとしたソマリの祖父母の勇気ある行動に、ウルは人知れず感嘆のため息をつく。
ところが、それで問題が解決することはなかった。
ワニスファー公爵は簡単には引き下がらなかったし、何よりここで初めてソマリの存在を知った公爵夫人が烈火の如く怒り狂ったのである。
ソマリの祖父母は腕の良い仕立て屋で、ソマリもまた優秀なお針子だったが、社交界で幅を利かせるワニスファー公爵夫人の反感を買ってしまったがために、ぱたりと仕事がなくなってしまった。
このままでは生活が立ち行かず、年老いた祖父母を路頭に迷わせてしまう。
思い詰めたソマリは、金銭的な援助を条件に父の意向に従うことにしたのである。
かくしてワニスファー公爵は、今宵意気揚々と我が娘を国王のベッドへと送り込んだ。
さっき顔を青くしていた連中は、おそらくソマリが国王夫妻の寝室に忍び込むのを知っていた、あるいは手伝った者達だろう。
本来なら、フェルデン公爵家に戻っているはずの王妃マイリがやってきたこと、そしてそれに付随して国王夫妻の忠実な僕であるケットが現れたことに、さぞ慌てたに違いない。
ここまで話を聞いたウルは、ソマリに対しては同情を覚えるばかりで、不可侵な場所に入り込んだことを責める気にはならなかった。
ところがこの後、彼女が続けた言葉で状況が変わってくる。
「それで、その……信じていただけないかもしれませんが――実は私、異世界からの転生者なんです」
「……ほう?」
何だか唐突に訳のわからないことを言い出した。
ウルはとたんに、心底面倒くさい心地になった。
現フェルデン公爵は前国王の無二の親友であり、宰相として長くその治世を支えた切れ者である。
嫡子ロッツも父の才を受け継ぎ、次の宰相の座は彼のものであろうと言われている。
つまりフェルデン公爵家は、名実ともに現在ヴィンセント王国で王家に次いで最も力を持った一族だと言えた。
だからこそ、たった四歳のマイリが王妃であることに、表立って異を唱えられる者はない。
しかしながら、内心それを面白く思っていない人間は、特に貴族の中にはごまんといた。
彼らは隙あらば、自分の娘や血縁の娘を側妃としてウルに差し出そうとする。
何しろ、王妃であるマイリが大人になるのはまだずっと先のこと。
それまでに、自分の息のかかった娘が国王の子供を産めば、フェルデン公爵家を差し置いて次期国王の外戚になれる可能性も出てくるのだから。
そんなこんなで、ウルはこの一年間、実に誘惑だらけの日々を送っていた。
寝取る気満々で色仕掛けをしてくる明け透けな令嬢から、手弱女と見せかけて巧みに懐に潜り込もうとする手練まで、千差万別。
とはいえ、寝室に忍び込んで裸で待ち受けているような大胆不敵な相手は、さすがにこれが初めてだった。
「ケット、その女をつまみ出せ」
「御意」
ウルはうんざりとした顔をして、ケットに向かって顎をしゃくる。
ウルも旺盛なお年頃なので、据え膳に心が揺らがないわけではない。
けれども、うっかりに誘惑に引っかかってしまったら最後――マイリというものがありながら浮気をしたと言って、ロッツにちょんぎられてしまうだろう。
ロッツは、やると言ったらやる男だ。
ケットが大股で部屋の中に足を踏み入れようとすると、ひい! と、またベッドの上の女が悲鳴を上げた。
ところがである。
ケットよりも先に、寝室に飛び込んでいった者がいた。
一番後ろに庇われていたはずの、マイリである。
なにしろ小ちゃな四歳児なので、ウルの、そしてケットの股の下を難なく潜り抜け、とっとこベッドに駆け寄ったのだ。
その後を、澄ました顔をして猫型悪魔ドンロがついていく。
一方、慌てたのは扉の前に取り残された男達だ。
「こらっ、マイリ!」
「妃殿下、危のうございますっ!」
あわあわと幼女を追いかける彼らの姿は、傍目にはさぞ滑稽に見えただろう。
さらには――
「ばかもの、おぬしらはそこで待っておれ。おとめの柔肌をみだりにさらすわけにはいかん」
ぴしゃりと四歳児に叱られて固まった国王陛下と鬼畜面の大男の背を、廊下に集まった者達が気まずそうに見ている。
当の裸の娘も、ぽかんと間抜け面を晒していた。
そんな中、ドンロとともにベッドによじ登ったマイリは平然とした顔で続ける。
「ケット、上衣をなげてよこせ」
「お、恐れながら……妃殿下に向かって物を投げるなど、そんな……」
「つべこべ言わずになげろ。わらわが許すと申しておる」
「御意にござります!!」
ウルに対するよりよいお返事をすると、ケットはそそくさと上着を脱いで、おっかなびっくりマイリに投げ渡した。
マイリはドンロと協力しながら、よいせっとそれを娘の素肌にかけてやる。
ところで、時刻はすでに午後九時を回り、いつもならそろそろ瞼が重くなってくる頃合いだが、今宵のマイリはまだ眠くないようだ。
その理由をウルは知っている。
昼間、ウルの膝の上を占領して本を読んでいた彼女だが、そのまま昼寝をしてしまったのだ。
書類を押さえていたウルの左手の甲を枕にして、それはもうすやすやと。
その寝顔があまりに愛らしかったものだから起こすのが忍びなく、たっぷり二時間眠らせてしまったウルに、彼女を責める権利はない。
そういうわけで、いまだおめめぱっちりなマイリは、ベッドの上の娘にずずいと顔を近づけて畳み掛けた。
「これ、おぬし。いったいどこのどいつに服をはがれたんじゃ? わらわに申してみよ」
「お、王妃様……」
「よしよし、かわいそうになぁ。泣かんでよい。おなごをいじめる悪いヤツは、ウルがメッとするからの」
「うう……ぐすっ……」
マイリの小ちゃな手でよしよしされた娘は、とたんにぽろぽろと涙を流し始めた。
どうやら、自ら進んで国王陛下を寝取りにきたわけではなさそうだ。
ウルがケットと顔を見合わせていると、マイリが小ちゃな手でベッドをてしてし叩いて彼を呼んだ。
「ウル、ほれ! おぬし、いつまでそんなところに突っ立っておる! さっさとこちらへきて話を聞いてやらんか!」
「いや、お前が待ってろと言ったんだろうが」
「口ごたえしないっ!」
「解せん」
娘は現ワニスファー公爵の娘、ソマリと名乗った。
ワニスファー公爵家は七代前の国王の双子の弟から始まった、ヴィンセント王国で最も歴史の浅い貴族である。
そして、フェルデン公爵家を一方的に敵視しており、マイリが王妃となったことを快く思っていない貴族の筆頭でもあった。
憎きフェルデン公爵を出し抜くために、ワニスファー公爵は自分の妙齢の娘を裸にひん剥いてウルに差し出そうとしたのだ。
王妃が幼いゆえに禁欲生活を強いられている彼なら、この据え膳に簡単に食いついてくると思ったのだろう。
しかしながら、ワニスファー公爵と正妻の間に生まれた子供は、男ばかり三人だったはずだが……
「母は、ワニスファー公爵家のメイドでした。私を身籠った母は妾としても扱われず、正妻に知られる前に端金を握らされて屋敷を追い出されたそうです……」
そう、涙ながらに語るソマリは現在十八歳。
母は産後すぐに亡くなってしまったため、城下町で小さな仕立て屋を営む祖父母に育てられたらしい。
国王を寝取る娘が必要となったワニスファー公爵は、慌てて彼女を探し出して今更ながら認知しようとしたが、当然祖父母はそれを拒絶した。
公爵家に逆らってまで孫の尊厳を守ろうとしたソマリの祖父母の勇気ある行動に、ウルは人知れず感嘆のため息をつく。
ところが、それで問題が解決することはなかった。
ワニスファー公爵は簡単には引き下がらなかったし、何よりここで初めてソマリの存在を知った公爵夫人が烈火の如く怒り狂ったのである。
ソマリの祖父母は腕の良い仕立て屋で、ソマリもまた優秀なお針子だったが、社交界で幅を利かせるワニスファー公爵夫人の反感を買ってしまったがために、ぱたりと仕事がなくなってしまった。
このままでは生活が立ち行かず、年老いた祖父母を路頭に迷わせてしまう。
思い詰めたソマリは、金銭的な援助を条件に父の意向に従うことにしたのである。
かくしてワニスファー公爵は、今宵意気揚々と我が娘を国王のベッドへと送り込んだ。
さっき顔を青くしていた連中は、おそらくソマリが国王夫妻の寝室に忍び込むのを知っていた、あるいは手伝った者達だろう。
本来なら、フェルデン公爵家に戻っているはずの王妃マイリがやってきたこと、そしてそれに付随して国王夫妻の忠実な僕であるケットが現れたことに、さぞ慌てたに違いない。
ここまで話を聞いたウルは、ソマリに対しては同情を覚えるばかりで、不可侵な場所に入り込んだことを責める気にはならなかった。
ところがこの後、彼女が続けた言葉で状況が変わってくる。
「それで、その……信じていただけないかもしれませんが――実は私、異世界からの転生者なんです」
「……ほう?」
何だか唐突に訳のわからないことを言い出した。
ウルはとたんに、心底面倒くさい心地になった。
24
あなたにおすすめの小説
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
婚約破棄されたスナギツネ令嬢、実は呪いで醜くなっていただけでした
宮之みやこ
恋愛
細すぎる一重の目に、小さすぎる瞳の三百眼。あまりの目つきの悪さに、リュシエルが婚約者のハージェス王子に付けられたあだ名は『スナギツネ令嬢』だった。
「一族は皆美形なのにどうして私だけ?」
辛く思いながらも自分にできる努力をしようと頑張る中、ある日ついに公の場で婚約解消を言い渡されてしまう。どうやら、ハージェス王子は弟のクロード王子の婚約者であるモルガナ侯爵令嬢と「真実の愛」とやらに目覚めてしまったらしい。
(この人たち、本当に頭がおかしいんじゃないのかしら!?)
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる