58 / 354
第58話 計算外
しおりを挟む
「何者だ!!」
たった一人の男により劣勢とまでいかないが優勢だった状態が完全に狂わされた。
近衛騎士とは姿が異なる男・・・第四王子のエルドが、ルークに向かって詰問する。
近衛騎士所属第三部隊隊長であるガイルは、ゆっくりと近衛騎士達の最後尾に移動していく。
(なんてことだ、まだ数の有利はあるがあの二人相手だと分が悪い。レギアス相手であれば私の方が分があるが『剣鬼』相手では荷が重過ぎる)
ガイルは自分の障害になりうる人物には目をつけていた。
すなわち、
色付きの騎士である近衛騎士所属第一部隊員、
近衛騎士所属第二部隊隊長のメリッサ・カイザス、
メリッサの姉である強国対策支部長兼大隊長のエルザード・カイザス、
そして一番の障害は強国対策支部第7部隊副隊長『剣鬼』ルーク・スターリン
である。
そのため、ルークの姿を見てすぐに『剣鬼』であることが分かったのだ。
「逆賊に名乗る名前はない」
ルークが淡々とエルドをいなす。
「な、なんだと!この私を誰だと思っている!!」
目に見えて青筋を浮かべるが、ルークは冷静に相手方との間合いを詰めていく。
(まだ、あちらの方が人数が多く優勢だ。向こうが冷静になる前に決着をつけねば)
「もういいだろう。エルドよ。大人しく抵抗をやめて投降せよ」
国王がエルドに投降を勧める。
「馬鹿な!私が投降などあり得ませんよ。父上。そうだ、一つ問題を出しましょうか」
エルドが国王の言葉に声を荒げるが、冷静さを取り戻し、そんなことを言ってくる。
「問題だと?」
国王が問答無用でレギアスに制圧させないのは相手方がまだ優勢だということに気づいているからだろう。
エルドの言葉につき合う。
「ええ、私とともについてきた真の英雄である近衛騎士第三部隊員ですが、数が少ないと思いませんか?」
「・・・まさか!?」
国王がエルドの言わんとしていることに気づく。
「はーはっはっ!!その通りですよ。父上の家族や要職の者たちは既に私の手の平です。死なせたくなければこの二人に武器を捨てさせてください」
「ぐぅ」
国王が悔しさで歯ぎしりをし、レギアス達に武器を捨てさせようか悩む。
その時、タイミング良く女の声が謁見の間に響いた。
「残念でしたね。第四王子。他の部下は全員拘束済みです」
いつの間にか部下を連れてやってきたメリッサが堂々とそう言った。
「そんなばかな!」
今度こそエルドが挙動不信となり、自分の部下に頼る。
「ガイル!何とかしろ!!」
ピィィィィィ
エルドが、叫んだ瞬間だった。
いつの間にか壁際まで下がっていた男が、指笛を吹いたのは。
それから先はあっという間の出来事であった。
「ぐぅ」
まず、近衛騎士の一人がエルドの背中から剣を刺した。
そして残りの近衛騎士達が国王とルークやメリッサの方へ斬りかかる。
さらに
ドガァァァン
ガイルが壁を壊し、この場から離脱したのだった。
たった一人の男により劣勢とまでいかないが優勢だった状態が完全に狂わされた。
近衛騎士とは姿が異なる男・・・第四王子のエルドが、ルークに向かって詰問する。
近衛騎士所属第三部隊隊長であるガイルは、ゆっくりと近衛騎士達の最後尾に移動していく。
(なんてことだ、まだ数の有利はあるがあの二人相手だと分が悪い。レギアス相手であれば私の方が分があるが『剣鬼』相手では荷が重過ぎる)
ガイルは自分の障害になりうる人物には目をつけていた。
すなわち、
色付きの騎士である近衛騎士所属第一部隊員、
近衛騎士所属第二部隊隊長のメリッサ・カイザス、
メリッサの姉である強国対策支部長兼大隊長のエルザード・カイザス、
そして一番の障害は強国対策支部第7部隊副隊長『剣鬼』ルーク・スターリン
である。
そのため、ルークの姿を見てすぐに『剣鬼』であることが分かったのだ。
「逆賊に名乗る名前はない」
ルークが淡々とエルドをいなす。
「な、なんだと!この私を誰だと思っている!!」
目に見えて青筋を浮かべるが、ルークは冷静に相手方との間合いを詰めていく。
(まだ、あちらの方が人数が多く優勢だ。向こうが冷静になる前に決着をつけねば)
「もういいだろう。エルドよ。大人しく抵抗をやめて投降せよ」
国王がエルドに投降を勧める。
「馬鹿な!私が投降などあり得ませんよ。父上。そうだ、一つ問題を出しましょうか」
エルドが国王の言葉に声を荒げるが、冷静さを取り戻し、そんなことを言ってくる。
「問題だと?」
国王が問答無用でレギアスに制圧させないのは相手方がまだ優勢だということに気づいているからだろう。
エルドの言葉につき合う。
「ええ、私とともについてきた真の英雄である近衛騎士第三部隊員ですが、数が少ないと思いませんか?」
「・・・まさか!?」
国王がエルドの言わんとしていることに気づく。
「はーはっはっ!!その通りですよ。父上の家族や要職の者たちは既に私の手の平です。死なせたくなければこの二人に武器を捨てさせてください」
「ぐぅ」
国王が悔しさで歯ぎしりをし、レギアス達に武器を捨てさせようか悩む。
その時、タイミング良く女の声が謁見の間に響いた。
「残念でしたね。第四王子。他の部下は全員拘束済みです」
いつの間にか部下を連れてやってきたメリッサが堂々とそう言った。
「そんなばかな!」
今度こそエルドが挙動不信となり、自分の部下に頼る。
「ガイル!何とかしろ!!」
ピィィィィィ
エルドが、叫んだ瞬間だった。
いつの間にか壁際まで下がっていた男が、指笛を吹いたのは。
それから先はあっという間の出来事であった。
「ぐぅ」
まず、近衛騎士の一人がエルドの背中から剣を刺した。
そして残りの近衛騎士達が国王とルークやメリッサの方へ斬りかかる。
さらに
ドガァァァン
ガイルが壁を壊し、この場から離脱したのだった。
76
あなたにおすすめの小説
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる