戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第105話 作戦⑦

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「ルマイル殿、バストロの館の構造は分かりましたか?」

未だに感動しているセリスを放置し、ルークがルマイルに尋ねる。

「はい。こちらです」

ルークの言葉に即座に手に持っている紙を見せるルマイル。

滅多なことでは動じない執事の鑑である。

「どれどれ」

紙を受けとったルークの横に周りミリーナも中身を覗き込む。

「ふむ。二階建ての広大な建物ではありますが、正門と裏門の二つ以外は塀で囲まれていますね。バストロの普段いる場所までは正門からまっすぐいき、階段を登った目の前の部屋ですか。単純な構造ですね」

ルークが構造を読み解きながら、要点を口にする。

「なにこれ、まるで謁見の間じゃない!王様にでもなったつもりかしら」

ミリーナはミリーナで、バストロの部屋の内部が王城の謁見の間のような構造をしていることに憤慨している。

「まぁ、そういきり立つな。単純な構造でいいじゃないか」

ルークがミリーナを宥める。

「それでどういたしますか?」

ルマイルが今後の行動をルークに尋ねる。

「我ら騎士団もお手伝いします!!何なりと御申しつけください」

正気に戻ったセリスもやる気満々の声を上げる。

ルークはミリーナと目を合わせる。

ミリーナが黙って頷くのを見てから作戦を口にする。

「俺がケビン様を助けてくるまでセリスとミリーナはイリア様の護衛をしていて欲しい。」

「!?」

「な!ルーク殿一人で行かれるというのですか!?」

ルマイルが声を出さずに動揺し、セリスがルークの言葉に強く反応する。

「ああ、幸いにもバストロの提案したリミットは明日までだ。俺が今から行ってくる。こんななりだ、まさかゼーラの街の関係者だとは思いもしないだろう。もし、俺が・・・そうだな明日の日の出までに戻ってこないようならその時はイリア様の意思に従ってどうするか決めてくれれば良い」

ルークがあっけらかんと作戦を口にする。

「そんな!無茶です!私もお供します!!」

セリスがせめて自分も付いていくと食い下がる。

ルークはゆっくりと首を振ってから、

「駄目だ。流石にあんたは顔が知れている。イリア様が反抗の意思を示したと見てケビン様の命が危ない」

(もう無事ではないかも知れない)

そうとは言えず、ルークがもっともらしいことを言ってやんわりと断る。

「くっ」

セリスが悔しそうにするのを見ながらルークはドアの方へ見て声をかける。

「イリア様。そういうことなのでもう暫くの辛抱です」

「「「イリア様!!」」」

ルークが見ていた方向を見るといつの間にかイリアが立ち尽くしていたのだった。
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