105 / 354
第105話 作戦⑦
しおりを挟む
「ルマイル殿、バストロの館の構造は分かりましたか?」
未だに感動しているセリスを放置し、ルークがルマイルに尋ねる。
「はい。こちらです」
ルークの言葉に即座に手に持っている紙を見せるルマイル。
滅多なことでは動じない執事の鑑である。
「どれどれ」
紙を受けとったルークの横に周りミリーナも中身を覗き込む。
「ふむ。二階建ての広大な建物ではありますが、正門と裏門の二つ以外は塀で囲まれていますね。バストロの普段いる場所までは正門からまっすぐいき、階段を登った目の前の部屋ですか。単純な構造ですね」
ルークが構造を読み解きながら、要点を口にする。
「なにこれ、まるで謁見の間じゃない!王様にでもなったつもりかしら」
ミリーナはミリーナで、バストロの部屋の内部が王城の謁見の間のような構造をしていることに憤慨している。
「まぁ、そういきり立つな。単純な構造でいいじゃないか」
ルークがミリーナを宥める。
「それでどういたしますか?」
ルマイルが今後の行動をルークに尋ねる。
「我ら騎士団もお手伝いします!!何なりと御申しつけください」
正気に戻ったセリスもやる気満々の声を上げる。
ルークはミリーナと目を合わせる。
ミリーナが黙って頷くのを見てから作戦を口にする。
「俺がケビン様を助けてくるまでセリスとミリーナはイリア様の護衛をしていて欲しい。」
「!?」
「な!ルーク殿一人で行かれるというのですか!?」
ルマイルが声を出さずに動揺し、セリスがルークの言葉に強く反応する。
「ああ、幸いにもバストロの提案したリミットは明日までだ。俺が今から行ってくる。こんななりだ、まさかゼーラの街の関係者だとは思いもしないだろう。もし、俺が・・・そうだな明日の日の出までに戻ってこないようならその時はイリア様の意思に従ってどうするか決めてくれれば良い」
ルークがあっけらかんと作戦を口にする。
「そんな!無茶です!私もお供します!!」
セリスがせめて自分も付いていくと食い下がる。
ルークはゆっくりと首を振ってから、
「駄目だ。流石にあんたは顔が知れている。イリア様が反抗の意思を示したと見てケビン様の命が危ない」
(もう無事ではないかも知れない)
そうとは言えず、ルークがもっともらしいことを言ってやんわりと断る。
「くっ」
セリスが悔しそうにするのを見ながらルークはドアの方へ見て声をかける。
「イリア様。そういうことなのでもう暫くの辛抱です」
「「「イリア様!!」」」
ルークが見ていた方向を見るといつの間にかイリアが立ち尽くしていたのだった。
未だに感動しているセリスを放置し、ルークがルマイルに尋ねる。
「はい。こちらです」
ルークの言葉に即座に手に持っている紙を見せるルマイル。
滅多なことでは動じない執事の鑑である。
「どれどれ」
紙を受けとったルークの横に周りミリーナも中身を覗き込む。
「ふむ。二階建ての広大な建物ではありますが、正門と裏門の二つ以外は塀で囲まれていますね。バストロの普段いる場所までは正門からまっすぐいき、階段を登った目の前の部屋ですか。単純な構造ですね」
ルークが構造を読み解きながら、要点を口にする。
「なにこれ、まるで謁見の間じゃない!王様にでもなったつもりかしら」
ミリーナはミリーナで、バストロの部屋の内部が王城の謁見の間のような構造をしていることに憤慨している。
「まぁ、そういきり立つな。単純な構造でいいじゃないか」
ルークがミリーナを宥める。
「それでどういたしますか?」
ルマイルが今後の行動をルークに尋ねる。
「我ら騎士団もお手伝いします!!何なりと御申しつけください」
正気に戻ったセリスもやる気満々の声を上げる。
ルークはミリーナと目を合わせる。
ミリーナが黙って頷くのを見てから作戦を口にする。
「俺がケビン様を助けてくるまでセリスとミリーナはイリア様の護衛をしていて欲しい。」
「!?」
「な!ルーク殿一人で行かれるというのですか!?」
ルマイルが声を出さずに動揺し、セリスがルークの言葉に強く反応する。
「ああ、幸いにもバストロの提案したリミットは明日までだ。俺が今から行ってくる。こんななりだ、まさかゼーラの街の関係者だとは思いもしないだろう。もし、俺が・・・そうだな明日の日の出までに戻ってこないようならその時はイリア様の意思に従ってどうするか決めてくれれば良い」
ルークがあっけらかんと作戦を口にする。
「そんな!無茶です!私もお供します!!」
セリスがせめて自分も付いていくと食い下がる。
ルークはゆっくりと首を振ってから、
「駄目だ。流石にあんたは顔が知れている。イリア様が反抗の意思を示したと見てケビン様の命が危ない」
(もう無事ではないかも知れない)
そうとは言えず、ルークがもっともらしいことを言ってやんわりと断る。
「くっ」
セリスが悔しそうにするのを見ながらルークはドアの方へ見て声をかける。
「イリア様。そういうことなのでもう暫くの辛抱です」
「「「イリア様!!」」」
ルークが見ていた方向を見るといつの間にかイリアが立ち尽くしていたのだった。
38
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる