戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第254話 名前の由来

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ミリーナは考える。

ルークの立場だとしたらどう思うだろうか。

(11歳の頃から家族や許嫁のために20年戦い続けて帰ったら家族は亡くなっていて許嫁も自分が死んだことになっていて結婚していたなんて・・・とても想像できない負の感情が渦巻くに違いないわ)

今の自分よりも若いときから戦いに身を置き、今の自分が生きてきた年数よりも長い間戦ってきたのだ。

そのことだけでさえ、その辛さはとても想像できないのだ。

ただただミリーナの瞳から涙が流れるのみであった。





「俺の様子があまりにも不憫に見えたんだろうな。タバサ姉さんが当時の様子を教えてくれた。俺の両親の亡くなった経緯はミリーナも知っているのだろう?」

俺は涙を流し続けてくれるミリーナを見ながら尋ねる。

ミリーナが黙って頷くのを確認した後、

「なら、その話は省いて話そう。アメリアのことだが、俺が死んだという報告があった17年前にとても悲しんでくれたらしい。ほとんど何も食べられなくなって、もう少しで餓死ってところまでだったそうだ」

「・・・お母様が?」

ミリーナが当時を想像できないのか呆然と呟く。

「ああ。アメリアの両親がどうにかして食事だけでもと色々と手を尽くしたんだがどれもこれもまるで効果が無かったらしく部屋にこもってずっと泣いてばかりいたらしい」

「そうだったんだ」

「俺はその話を聞いて思った。アメリアの方もそこまで俺のことを想ってくれていたんだと。それで結局、その時にアメリアを救ったのは俺の母だったらしい」

「ミリーさんが?」

「ああ。俺の両親も俺の死亡報告を聞いて意気消沈していたが不可解なことが多すぎて信じず、真相を明らかにするために持ち直したらしい。その時になって俺の母がアメリアの状態を聞いて助けてくれたそうだ。部屋のドアを蹴破って入ったんだってさ」

俺はその光景を想像しながら笑う。

「ミリーさんらしいね」

ミリーナもその話を聞いて少し微笑む。

「それで俺の母がアメリアを元気づけてくれ、一命をとりとめたらしい」

「そうだったんだ・・・それでお母様がミリーさんに助けられたって言ってたんだ」

「アメリアが?」

「うん。それであたしはミリーさんの名前を貰ってつけたんだって。あたしが知ったのはミリーさん達が亡くなったあとだったけど、自分の名前がより一層好きになったわ」

「そうか、それでミリーナというのか」

俺はその話を聞いて嬉しくなった。

アメリアが今は俺一人になってしまったスターリン家の人を想い続けてくれていることがよく分かったからだ。

「ええ。そうみたい。ルークは嫌だった?あたしがミリーさんの名前を貰っていることって」

ミリーナが申し訳無さそうに俺に向かって尋ねる。

「嫌なわけないだろう。ありがとうな『ミリーナ』」

俺は素直な気持ちをミリーナに伝えた。
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