『帰宅したら風呂で不倫中→そのまま両家を呼んで公開処刑しました』

『帰宅したら風呂で不倫中→そのまま両家を呼んで公開処刑しました』

湯気の向こうで
笑い声が弾けていた

私の知らない
私の家で

見慣れない靴が
玄関に転がり
胸の奥の何かが
静かに割れた

――ああ、そうなんだ

怒りは
叫びにはならず
ただ、冷たく澄んでいく

スマホを握る手だけが
やけに正直で
現実を
逃がさないように閉じ込める

「ねえ、みんな来て」

たったそれだけで
舞台は整った

扉を開けた瞬間
湯気が晴れて
真実が裸になる

崩れる人
怒鳴る人
言い訳を探す人

でも私は
ただ見ていた

全部
見える場所で

逃げ場なんて
最初からなかったでしょう?

その夜
終わったのは
関係じゃなくて

嘘だった

そして朝

静かな浴室に
新しい水音が響く

もう誰にも汚されない
私だけの時間の中で

ようやく
息ができた


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小説 39 位 / 220,430件 現代文学 2 位 / 9,276件

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