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第8章 Freedom国の設立!
34話 遂にFreedom国に!
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ケンジに救われた、テンペの町の人達でFreedom国の移住を決めたのは、5000人弱、500家族ほどで後は、ケンジの奴隷になった者や孤児等身寄りのない子供、スラムで生活をしていた人間であった。
だが、この国に入れるという事は、腐らずに一生懸命悪事を働かず生活して来た人間ばかりである。
そして、Freedom国に入場したテンペの町の人達は、国の中をみて本当に驚いたのである。そこにはテンペの町程の大きさがあり、城壁に囲まれた広大な土地があったのである。
「ケ、ケン坊!コイツはいったいどうなっているんだ?」
テンペの屋敷の近所にいた、八百屋の親父さんは家族で移住を決めていたのだった。親父さんだけでなく、近所の人はケンジを頼って移住していた。
「え~~~……まずは、俺の話を聞いて下さい」
すると、みんなケンジの言う事には素直に従い、ケンジの方を見て何を言い出すのか、緊張して静かになったのだった。
「俺は、みんなに謝らないといけない事があります。本当に申し訳ありません」
ケンジは、いきなり頭を下げるのだった。
「おいおい!ケン坊どういうことだよ!」
「おやっさん!俺は本当ならお世話になった町の為にスタンピードが起こった時、戦闘に参加したら良かったんだがそれをあえてしなかった。そのせいで、テンペの町は滅び、みんなは住むところを失い日々の生活が壊れてしまったんだ……本当に申し訳ない!」
ケンジは、そのように説明してまた頭を下げたのだった。すると、ムシュダルク公が近づいてきた。
「ケンジ君……それは君のせいじゃないよ。この世界は人間の生活区域は本当に狭い……そして、スタンピードは十数年に一度どこかで必ず起きるんだよ。今回のような大規模なスタンピードで生き残れたのが奇跡のようなものなんだ」
町の人はケンジを責めるどころか、ムシュダルクの言葉に賛同し、命を救ってくれたケンジに感謝し、責める人間がだれ一人いなかったのだ。
「いや……そうじゃないんです!俺が最初から出向いていれば、あの位のスタンピードは難なく全滅させられたんです」
「そんなバカな!いくら何でも……」
「俺は、この国にある超級ダンジョンを、すでに攻略しているんですよ。だから、あの程度のスタンピードは余裕で食い止められるんです」
「なら、ケン坊は俺達の町を助けてくれなかったんだ!」
「あんた……ちょっとお止めよ。ケンジちゃんも色々あったんだよ」
「だが、今救える力があると!」
「親父さん、みなさん本当に申し訳ありません!」
「ケンジ君、なぜ……動かなかったか訳を話してくれるかい?」
「俺は、どうしてもこの国の権力者や、貴族の横暴に我慢ならない所がありました。ムシュダルク公、気を悪くしたら申し訳ないです。今回の事もそうです!日頃威張り散らしているのに、肝心な時は町の人達を救わず、真っ先に自分の命を最優先の行動に出たのが、どうしても許せなかった……」
それを聞き、ムシュダルク、兵士達、ギルド職員は下を向いてしまったのだ。
「だが、ムシュダルク公のような、貴族様がいるのも俺はちゃんとわかっているつもりです。それで俺は、今あるこの世界の国の常識をぶっ潰したいと考えているんです」
ここにいる一同が、ケンジの言っている事が、壮大過ぎて全然わからなかったのだ。
「ケ、ケンジ君、君はいったい何を言っているんだ?」
「確かに、すぐには変わらない事も分かっています。だから、今回あったスタンピードのような、恐怖をなくす所から始めたいと思っています」
「ケン坊!何を言っているだ?そんな事が出来る訳ないじゃないか?」
「だから、俺はあえてテンペの町を見捨てて、貴方達にこの国の住人になってほしいんです」
「あの、ケンジ君……君のやろうとしている事はとんでもない事なんだ。それをちゃんと理解しているのか?」
「難しいと思います!だけど、権力者達の横暴、種族差別、日々の暮らし、考えれば考えるほどやる事はたくさんあり目がまわりそうです」
「今、この国はこんな小さい国です。生活できるのも俺の仲間達が店を回しているからです。だけど……あれだけ暴力とは違う力を得ても、権力者達の横暴は止まらないんですよ」
「それは、ギルドも必死に経営していかなければいけなかったからで……」
「うん、そうだね!レーラさんの言っている事は理解できるよ。だが、俺は何回も言っていると思うが、ギルドのやっている事は、良いとこ取りにしか思えないんだよ。せっかく、その人物が苦労した商品を奪い取り、言う事を聞かなければ、強硬手段に出て言う事を聞かせるなんておかしいだろ?」
「ですが、それは普通の事で、今までギルドは……」
「そう!それが普通だよね。それも理解しろというなら理解はできるよ」
「だったら!」
「だから、言う事を聞けというのが横暴なんだよ。俺はそういうのが嫌なんだ!だから、そういった事を変えたくて考えた結果が、この国だったんだ!」
「どういう事ですか?」
「最初は、ここで生活するには苦労すると思う。俺はこの町への街道をまず繋げて、流通を起こす事にするがそうなるとギルドや、商人が移り住む事になるだろう!」
「それは確かに!でも、そうなった場合同じギルドが進出してくるわけで変わらないかと思いますよ」
「今までは、この世界の常識これが普通と思っている奴らが、トップに立っているから変わらないんだよ!この国では俺がトップだ!それにこの国で、不正、横領や賄賂、殺人あらゆる犯罪はできないよ」
「どういうことですか?」
「この国に来たいと言って、移住を決めた人間ギルド職員がいないだろ?何でだと思う?」
「‼ま、まさか……」
「そう、そのまさかだよ!あいつは何らかの不正をしていたから、この国に来れなくて王都の方に行くしかなかったんだよ」
「ケン坊!それじゃ、この国は本当に悪人のいない国になるのか?」
「それはまだわからないです」
「なんでだ?絶対にこの国に入場できないんだろ?」
「悪人というのは、どんな抜け道を考えるかわからないから断言はできませんよ」
「それじゃ……ケンジ様は、今まで普通と思っている事が、不満でこの国を作ったのですか?」
「ケンジ君、その辺りは私も詳しく聞きたい」
「いいえ!俺はそれらが不満で、この国を作ったわけじゃないよ」
「だったらなぜ?」
「それは、きっかけの一つに過ぎないんですよ。俺は人生を楽しく自由に生きたいだけなんですよ。それなのに、この世界の権力者達は自分達の言う事が正しいと言って、押し付けたり言う事を聞くのが当たり前だと平気で言ってくるんです。その反対に、平民が普通に暮らそうとしているだけなのに、言う事を聞かなかったら不敬罪だの横暴がまかり通っている」
「……」
「根本的に、俺は自由でいたいだけなんですよ。グランパス王からの授賞式を断ったのも、厄介事が嫌で辞退したんです」
「授賞式は栄誉だぞ?なんで厄介事なんだ?」
「ええ、それを受ければ確かに皆から称えられ生活の困らなくなるでしょうね。だけどそれをよく思わない人間も必ず出てくるはずです」
「た、たしかに……」
「俺なら、それらを撃退するのは簡単だと思います。だけど、あの受賞を受けたからそうなっている訳で、俺からしたら厄介事でしかないんですよ。だが、グランパス王は授賞式を断ったらどうなりましたか?」
「それは……訳を聞こうと思っただけで、あの出来事は騎士団長の暴走だったと聞いている」
「そう、勝手に国王に忖度し不敬罪と思い込んで暴走したと、俺も聞いています」
「だったら、主君は何も悪くは!」
「それが普通と思っているのが、問題だと俺は言っているのですよ。俺はただ、仲間達と楽しく自由に暮らしたいだけなんです。確かに国なんかつくったら、新たな厄介事はあるかもしれません。だけど、今までのような癇に障る厄介事は大幅に減るはずですよ」
「……たしかに、その事を考えると、ケンジ君の計画している事となるのか」
ムシュダルク公は、ケンジの説明を無理やり、納得するしかなかったのだ。
「それで、話は変わりますが、皆さんは先ほどの話を聞き、賛同できなければ言ってほしいのですが大丈夫ですか?もしそうなら、今からでも王都の方に転移する事も可能です」
Freedom国に移住を決めた人達は、ケンジの事を信じ、この国にいれば少なくともスタンピードの恐怖は無くなると思い、王都に行く人間は出なかったのだ。
「わかりました!俺は、これから貴方達をより一層仲間だと思い、交流して行きたいと思います」
ケンジは、移住を決めたみんなに、この町最初の人間達として、建設していた家を一家に一軒プレゼントしたのである。
スラムで、生活していた人間達には、宿屋のような大きな建物の一室を与え、シスターと孤児院にいた子供達は、出来たばかりの教会で住んでもらう様にしたのである。冒険者や生産者達も同様に独身者は、大きな建物の一室を貰えたのだった。
「ケン坊!本当にこんな立派な家を貰っていいのか?」
周りを見ると、喜びで満ち溢れている人間でいっぱいだった。それもそのはずで、家の中には生活道具も揃っていて、便器や冷蔵庫、水道も完備されていて、夜になったら明かりもつく何不自由ない家だったのだ。
だが、まだ家が全然足りなくて、くじ引きに漏れた人達には住宅建設地じゃない所に、ハウスで大きな住宅を建てて、そこに住んでもらい一軒家が出来たら、そっちに移り住んでもらう事にしたのだった。
「それで、貴方達の食事なのですが、当分の間配給とさせていただきます。たぶん、それだけでは少し足りないと思いますが頑張ってくれると助かります」
「あの、それが終わったらワシ達どうやって、暮らしていけば……」
「農地を貸し出す事にしています。そこで出来た野菜や果物をこの町で経済を回してください。最初は俺の店で出来たものを売っていただいても結構です。冒険者達は、魔物を狩り素材を俺の店で売ってもらっても結構です」
「そして、生産者の皆さんは、冒険者達から素材を買い取り製品を作って、生活して貰って結構です」
「おいおい!俺達は工房が無いんだ……どうしたらいいんだ……」
「大丈夫ですよ。あちらに工場があるので、そこをレンタルしてもらって使ってください!」
工場の中は、ギルドのレンタル室のような感じの作りだった。
「皆さんは、今までの様に今までの様に生活してくださって結構です」
「不都合があれば、なんでも相談してください。まあ、出来る事と、出来ない事はあるでしょうが、なるべく期待に添えたいと考えています」
今日のこの日に備えて、ケンジは食糧の備蓄をしていたのである。最初に作った強力な肥料を改良し、土がやせ細らないようにして、野菜類や果物や穀物類を備蓄し、5000人弱の人間を養う事が、出来るようにしていたのである。
こうして、ケンジのFreedom国は5000人ながらも小国として建国したのである。まだ、イズモ大陸から考えると吹けば飛びそうな国だが、まずはテンペの町のような大きな町になる様に、頑張るケンジであった。
*-----*-----*-----*-----*
第8章はこれにて終了です!ケンジの計画はこの先どうなるのか?
色んなことはありますが、自分自身楽しんで書いていきたいと思います。
次回から第9章に突入いたします。
いくつか、閑話を挟みますが、どうぞこれからも応援の程
よろしくお願いします<m(__)m>
だが、この国に入れるという事は、腐らずに一生懸命悪事を働かず生活して来た人間ばかりである。
そして、Freedom国に入場したテンペの町の人達は、国の中をみて本当に驚いたのである。そこにはテンペの町程の大きさがあり、城壁に囲まれた広大な土地があったのである。
「ケ、ケン坊!コイツはいったいどうなっているんだ?」
テンペの屋敷の近所にいた、八百屋の親父さんは家族で移住を決めていたのだった。親父さんだけでなく、近所の人はケンジを頼って移住していた。
「え~~~……まずは、俺の話を聞いて下さい」
すると、みんなケンジの言う事には素直に従い、ケンジの方を見て何を言い出すのか、緊張して静かになったのだった。
「俺は、みんなに謝らないといけない事があります。本当に申し訳ありません」
ケンジは、いきなり頭を下げるのだった。
「おいおい!ケン坊どういうことだよ!」
「おやっさん!俺は本当ならお世話になった町の為にスタンピードが起こった時、戦闘に参加したら良かったんだがそれをあえてしなかった。そのせいで、テンペの町は滅び、みんなは住むところを失い日々の生活が壊れてしまったんだ……本当に申し訳ない!」
ケンジは、そのように説明してまた頭を下げたのだった。すると、ムシュダルク公が近づいてきた。
「ケンジ君……それは君のせいじゃないよ。この世界は人間の生活区域は本当に狭い……そして、スタンピードは十数年に一度どこかで必ず起きるんだよ。今回のような大規模なスタンピードで生き残れたのが奇跡のようなものなんだ」
町の人はケンジを責めるどころか、ムシュダルクの言葉に賛同し、命を救ってくれたケンジに感謝し、責める人間がだれ一人いなかったのだ。
「いや……そうじゃないんです!俺が最初から出向いていれば、あの位のスタンピードは難なく全滅させられたんです」
「そんなバカな!いくら何でも……」
「俺は、この国にある超級ダンジョンを、すでに攻略しているんですよ。だから、あの程度のスタンピードは余裕で食い止められるんです」
「なら、ケン坊は俺達の町を助けてくれなかったんだ!」
「あんた……ちょっとお止めよ。ケンジちゃんも色々あったんだよ」
「だが、今救える力があると!」
「親父さん、みなさん本当に申し訳ありません!」
「ケンジ君、なぜ……動かなかったか訳を話してくれるかい?」
「俺は、どうしてもこの国の権力者や、貴族の横暴に我慢ならない所がありました。ムシュダルク公、気を悪くしたら申し訳ないです。今回の事もそうです!日頃威張り散らしているのに、肝心な時は町の人達を救わず、真っ先に自分の命を最優先の行動に出たのが、どうしても許せなかった……」
それを聞き、ムシュダルク、兵士達、ギルド職員は下を向いてしまったのだ。
「だが、ムシュダルク公のような、貴族様がいるのも俺はちゃんとわかっているつもりです。それで俺は、今あるこの世界の国の常識をぶっ潰したいと考えているんです」
ここにいる一同が、ケンジの言っている事が、壮大過ぎて全然わからなかったのだ。
「ケ、ケンジ君、君はいったい何を言っているんだ?」
「確かに、すぐには変わらない事も分かっています。だから、今回あったスタンピードのような、恐怖をなくす所から始めたいと思っています」
「ケン坊!何を言っているだ?そんな事が出来る訳ないじゃないか?」
「だから、俺はあえてテンペの町を見捨てて、貴方達にこの国の住人になってほしいんです」
「あの、ケンジ君……君のやろうとしている事はとんでもない事なんだ。それをちゃんと理解しているのか?」
「難しいと思います!だけど、権力者達の横暴、種族差別、日々の暮らし、考えれば考えるほどやる事はたくさんあり目がまわりそうです」
「今、この国はこんな小さい国です。生活できるのも俺の仲間達が店を回しているからです。だけど……あれだけ暴力とは違う力を得ても、権力者達の横暴は止まらないんですよ」
「それは、ギルドも必死に経営していかなければいけなかったからで……」
「うん、そうだね!レーラさんの言っている事は理解できるよ。だが、俺は何回も言っていると思うが、ギルドのやっている事は、良いとこ取りにしか思えないんだよ。せっかく、その人物が苦労した商品を奪い取り、言う事を聞かなければ、強硬手段に出て言う事を聞かせるなんておかしいだろ?」
「ですが、それは普通の事で、今までギルドは……」
「そう!それが普通だよね。それも理解しろというなら理解はできるよ」
「だったら!」
「だから、言う事を聞けというのが横暴なんだよ。俺はそういうのが嫌なんだ!だから、そういった事を変えたくて考えた結果が、この国だったんだ!」
「どういう事ですか?」
「最初は、ここで生活するには苦労すると思う。俺はこの町への街道をまず繋げて、流通を起こす事にするがそうなるとギルドや、商人が移り住む事になるだろう!」
「それは確かに!でも、そうなった場合同じギルドが進出してくるわけで変わらないかと思いますよ」
「今までは、この世界の常識これが普通と思っている奴らが、トップに立っているから変わらないんだよ!この国では俺がトップだ!それにこの国で、不正、横領や賄賂、殺人あらゆる犯罪はできないよ」
「どういうことですか?」
「この国に来たいと言って、移住を決めた人間ギルド職員がいないだろ?何でだと思う?」
「‼ま、まさか……」
「そう、そのまさかだよ!あいつは何らかの不正をしていたから、この国に来れなくて王都の方に行くしかなかったんだよ」
「ケン坊!それじゃ、この国は本当に悪人のいない国になるのか?」
「それはまだわからないです」
「なんでだ?絶対にこの国に入場できないんだろ?」
「悪人というのは、どんな抜け道を考えるかわからないから断言はできませんよ」
「それじゃ……ケンジ様は、今まで普通と思っている事が、不満でこの国を作ったのですか?」
「ケンジ君、その辺りは私も詳しく聞きたい」
「いいえ!俺はそれらが不満で、この国を作ったわけじゃないよ」
「だったらなぜ?」
「それは、きっかけの一つに過ぎないんですよ。俺は人生を楽しく自由に生きたいだけなんですよ。それなのに、この世界の権力者達は自分達の言う事が正しいと言って、押し付けたり言う事を聞くのが当たり前だと平気で言ってくるんです。その反対に、平民が普通に暮らそうとしているだけなのに、言う事を聞かなかったら不敬罪だの横暴がまかり通っている」
「……」
「根本的に、俺は自由でいたいだけなんですよ。グランパス王からの授賞式を断ったのも、厄介事が嫌で辞退したんです」
「授賞式は栄誉だぞ?なんで厄介事なんだ?」
「ええ、それを受ければ確かに皆から称えられ生活の困らなくなるでしょうね。だけどそれをよく思わない人間も必ず出てくるはずです」
「た、たしかに……」
「俺なら、それらを撃退するのは簡単だと思います。だけど、あの受賞を受けたからそうなっている訳で、俺からしたら厄介事でしかないんですよ。だが、グランパス王は授賞式を断ったらどうなりましたか?」
「それは……訳を聞こうと思っただけで、あの出来事は騎士団長の暴走だったと聞いている」
「そう、勝手に国王に忖度し不敬罪と思い込んで暴走したと、俺も聞いています」
「だったら、主君は何も悪くは!」
「それが普通と思っているのが、問題だと俺は言っているのですよ。俺はただ、仲間達と楽しく自由に暮らしたいだけなんです。確かに国なんかつくったら、新たな厄介事はあるかもしれません。だけど、今までのような癇に障る厄介事は大幅に減るはずですよ」
「……たしかに、その事を考えると、ケンジ君の計画している事となるのか」
ムシュダルク公は、ケンジの説明を無理やり、納得するしかなかったのだ。
「それで、話は変わりますが、皆さんは先ほどの話を聞き、賛同できなければ言ってほしいのですが大丈夫ですか?もしそうなら、今からでも王都の方に転移する事も可能です」
Freedom国に移住を決めた人達は、ケンジの事を信じ、この国にいれば少なくともスタンピードの恐怖は無くなると思い、王都に行く人間は出なかったのだ。
「わかりました!俺は、これから貴方達をより一層仲間だと思い、交流して行きたいと思います」
ケンジは、移住を決めたみんなに、この町最初の人間達として、建設していた家を一家に一軒プレゼントしたのである。
スラムで、生活していた人間達には、宿屋のような大きな建物の一室を与え、シスターと孤児院にいた子供達は、出来たばかりの教会で住んでもらう様にしたのである。冒険者や生産者達も同様に独身者は、大きな建物の一室を貰えたのだった。
「ケン坊!本当にこんな立派な家を貰っていいのか?」
周りを見ると、喜びで満ち溢れている人間でいっぱいだった。それもそのはずで、家の中には生活道具も揃っていて、便器や冷蔵庫、水道も完備されていて、夜になったら明かりもつく何不自由ない家だったのだ。
だが、まだ家が全然足りなくて、くじ引きに漏れた人達には住宅建設地じゃない所に、ハウスで大きな住宅を建てて、そこに住んでもらい一軒家が出来たら、そっちに移り住んでもらう事にしたのだった。
「それで、貴方達の食事なのですが、当分の間配給とさせていただきます。たぶん、それだけでは少し足りないと思いますが頑張ってくれると助かります」
「あの、それが終わったらワシ達どうやって、暮らしていけば……」
「農地を貸し出す事にしています。そこで出来た野菜や果物をこの町で経済を回してください。最初は俺の店で出来たものを売っていただいても結構です。冒険者達は、魔物を狩り素材を俺の店で売ってもらっても結構です」
「そして、生産者の皆さんは、冒険者達から素材を買い取り製品を作って、生活して貰って結構です」
「おいおい!俺達は工房が無いんだ……どうしたらいいんだ……」
「大丈夫ですよ。あちらに工場があるので、そこをレンタルしてもらって使ってください!」
工場の中は、ギルドのレンタル室のような感じの作りだった。
「皆さんは、今までの様に今までの様に生活してくださって結構です」
「不都合があれば、なんでも相談してください。まあ、出来る事と、出来ない事はあるでしょうが、なるべく期待に添えたいと考えています」
今日のこの日に備えて、ケンジは食糧の備蓄をしていたのである。最初に作った強力な肥料を改良し、土がやせ細らないようにして、野菜類や果物や穀物類を備蓄し、5000人弱の人間を養う事が、出来るようにしていたのである。
こうして、ケンジのFreedom国は5000人ながらも小国として建国したのである。まだ、イズモ大陸から考えると吹けば飛びそうな国だが、まずはテンペの町のような大きな町になる様に、頑張るケンジであった。
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第8章はこれにて終了です!ケンジの計画はこの先どうなるのか?
色んなことはありますが、自分自身楽しんで書いていきたいと思います。
次回から第9章に突入いたします。
いくつか、閑話を挟みますが、どうぞこれからも応援の程
よろしくお願いします<m(__)m>
応援ありがとうございます!
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