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4.魔物使いの力

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 ところかわって、いつものマンションの応接室。
「つまりだな、魔物――モンスターと心を通わせ、仲間の契約をし、いつでも彼らを呼び出せる……。それが、魔物使いの力なんだ」
 大きな机にそなえつけのイスに座り、マオが言った。ちなみにわたしはその正面に立ち、ヴァンはソファに寝そべっている。
「えっと、呼び出せる、とは……?」
「召喚するってことだな」
 うーん、よく分かんない。
 実は、モンスターはダンジョンにいるだけではないんだよね。
 魔王によって、邪悪な意志をもったダンジョンモンスターだけでなく、地上には野良のらモンスターもいる。
 あとは、観賞用として、また、大事な場所を守る護衛用として、娯楽で行う魔物同士の戦闘用として……。いろいろなところでモンスターは利用されているのだ。
 モンスターを捕獲して、調教して命令を聞かせるようにするみたい。
 でも、そこはモンスターだから、完全に言うことを聞かせるのは難しいらしいけど……。
 わたしには、それができるってこと?
「ちょっと立って、そこらへんの床に向かって右手をつきだしてみろ」
「えっと、こう?」
「言ってみろ。『エートの名において、願う。友よ、ムドーよ、あらわれたまえ』」
「エートの名において、願う。友よ、ムドーよ、あらわれたまえ……?」
 言い終わった瞬間、右手の甲が熱くなった。
 床にあらわれたのは、とかげと炎の紋章を組み込んだ、魔法陣。
 それがピカッと光ったかと思うと、目の前にずーんと大きな体があらわれた。
「おや? もうわしの出番か? なんじゃ、戦いか?」
 うわわわっ! ホントにムドーが出てきちゃったよ!
 へえ、これが、呼び出し、つまりは召喚か。
 地上で飼われているモンスターは、移動させるだけでも大変って聞いたことがある。
 でも、わたしは魔法陣でもって簡単に呼び出せるんだね。
 しかも、わたしはモンスターの言葉が分かるから、ある程度のお願いは聞いてもらえるっぽいし……。
 仲間をどんどん増やせば、召喚できる魔物の数も増えるってワケか。
 うわー、もしかしてこれ、かなりレアな職業なんじゃないの?
 ふふふ、だから聞いたことなかったのか。
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